外務省・新着情報

令和4年5月23日

 小田原副大臣は、5月17日から20日(現地時間、以下同)にかけて米国ニューヨークを訪問したところ、概要は以下のとおりです。

1 会合への出席

(1)「グローバルな食料安全保障のための行動要請に関する閣僚会合」への出席

発言する小田原外務副大臣 本会合でのスピーチの様子
ウクライナ農業政策食料大臣との立ち話の様子 ウクライナ農業政策食料大臣との立ち話

 5月18日、午後3時(日本時間19日午前4時)から約3時間、アントニー・ブリンケン米国務長官(The Honorable Antony Blinken, Secretary of State of the United States)を議長として、ニューヨークの国連本部で開催された「グローバルな食料安全保障のための行動要請に関する閣僚会合」に出席しました。今次会合においては、グローバルな食料安全保障のためのロードマップを示す議長声明が発出されました。
 小田原副大臣は、ロシアによるウクライナ侵略がウクライナにおける食料生産や流通に重大な支障を生じさせ、世界の人々への食料の安定供給を阻害し、人道上の危機を生んでいると述べ、この危機は決して国際社会による対ロシア制裁によるものではないことを強調しました。また、侵略は世界の飢餓人口を拡大させ、ロシア・ウクライナ産小麦に依存する中東・アフリカ等の国々における情勢不安も引き起こす重大な問題であると懸念を示しました。我が国としては、食料安全保障の危機に対処するための緊急の課題として、(ア)ウクライナ産食料の国際的な流通を回復させること、(イ)農業の生産力の向上と肥料の効率的な使用を促進すること、(ウ)不当な輸出規制や過剰な備蓄を避けることの3点が持続可能な食料システムの構築に重要であると述べ、本会合の参加国と今後一層連携・協力して行くことにコミットしました。
 また、小田原副大臣は、同会議の会場にて、ブリンケン米国務長官及びグテーレス国連事務総長を表敬した他、プレンティス英・農業・漁業・食料担当大臣及びソルスキー・ウクライナ農業政策食料大臣との立ち話を実施しました。

米国務長官及び国連事務総長表敬の様子 米国務長官及び国連事務総長表敬

(2)国連安保理公開討論「国際平和と安全の維持-紛争と食料安全保障-」への出席

発言する小田原外務副大臣

 5月19日、午前11時(日本時間20日午前0時)から午後8時(日本時間20日午前9時)まで、ニューヨークの国連本部で開催された、安保理公開討論「国際平和と安全の維持-紛争と食料安全保障-」に出席しました。小田原副大臣は、世界的な食料安全保障の悪化の引き金となっているロシアによるウクライナ侵略を最も強い言葉で非難した上で、食料安全保障への迅速な対応として、(ア)国際社会が協調して緊急的な食料支援を拡大すること、(イ)ウクライナの穀物輸出を人道的な問題として扱い、食料を必要とする人々への円滑な輸出を可能にする、いわば「食料のための人道通行」を実現すること、(ウ)世界の食料の貿易を混乱させ、食料安全保障に悪影響を及ぼすような輸出規制や過剰な備蓄等の措置がとられないこと、の3点が重要である旨を述べました。

2 各国及び国際機関との会談

 小田原副大臣は、今次会合に出席する各国・国際機関の代表と会談を行いました。

(1)屈冬玉国連食糧農業機関(FAO)事務局長との会談

屈FAO事務局長と握手する小田原外務副大臣
屈FAO事務局長との会談の様子

 18日、小田原副大臣は、屈冬玉(チュー・ドンユィ)FAO事務局長と会談を行いました。
 小田原副大臣からは、ロシアによるウクライナ侵略により世界的に食料安全保障が脅かされる中、FAOの果たす役割の重要性に言及し、日本はウクライナや食料供給途絶の影響を受けている国々への緊急人道支援の一環として、ウクライナの農業回復に向けた作付け支援としてFAOに300万ドルを供与したことを紹介しました。また、引き続き困難に直面する人々をしっかり支援していく考えを述べました。

(2)ラッセル国連児童基金(UNICEF)事務局長との会談

ラッセルUNICEF事務局長と小田原外務副大臣
会談するラッセルUNICEF事務局長

 18日、小田原副大臣は、キャサリン・ラッセルUNICEF事務局長(Catherin Russell, UNICEF Executive Director)と会談しました。 小田原副大臣から、ロシアによるウクライナ侵略という国際秩序の根幹を揺るがす事態に直面する中での事務局長のリーダーシップに敬意を表しました。世界各地で多くの子供や若者が過酷な状況に置かれる中、UNICEFの活動は重要である旨指摘するとともに、我が国としても、外交上、援助政策上重要なパートナであるUNICEFとの関係を一層強化したい旨述べました

(3)カクボ・ザンビア外務・国際協力大臣との会談

カクボ・ザンビア外務・国際協力大臣と小田原外務副大臣
カクボ・ザンビア外務・国際協力大臣と会談する小田原外務副大臣

 18日、小田原副大臣は、スタンリー・カソンゴ・カクボ(Hon. Stanley Kasongo KAKUBO)ザンビア共和国外務・国際協力大臣と会談しました。
 小田原副大臣から、本年8月のTICAD8を、アフリカ自身が主導する発展を力強く後押しし、ポスト・コロナも見据えたアフリカ開発の指針を示す機会としたい旨発言しました。また、日・ザンビア関係の一層の強化に向けた率直な議論をしていきたい旨述べました。

(4)ムバーラク・イエメン外務・移民担当大臣との会談

ムバーラク・イエメン外務・移民担当大臣と会談する小田原外務副大臣
ムバーラク・イエメン外務・移民担当大臣と小田原外務副大臣

 18日、小田原副大臣は、アフマド・アワド・ビン・ムバーラク(H.E. Dr. Ahmed Awad BIN MUBARAK)イエメン共和国外務・移民担当大臣と会談しました。
 小田原副大臣から、イエメンにおける停戦合意が維持・延長され、紛争の政治的解決に向けた対話が進展することを強く期待している旨述べました。また、我が国は、5月10日には、緊急の人道ニーズに対応するとともに停戦合意を支えるため、イエメンに対するWFPを通じた1,000万ドルの緊急人道支援の供与を決定し、今後も、国連や関係国と連携しつつ、イエメンにおける平和と安定の実現に積極的に取り組んでいく旨述べました。

(5)アダモ・ガボン外務大臣との会談(ンデンベ同法相同席)

アダモ・ガボン外務大臣とンデンベ・ガボン法相と小田原外務副大臣 アダモ・ガボン外務大臣:左
アダモ・ガボン外務大臣とンデンベ・ガボン法相との会談の様子 ンデンベ・ガボン法相同席:左

 18日、小田原副大臣は、ミカエル・ムサ・アダモ(H.E. Mr. Michael Moussa ADAMO)ガボン共和国外務大臣と会談しました。
 小田原副大臣から、新型コロナは依然としてアフリカの経済・社会に甚大な影響を及ぼしており、我が国は引き続きアフリカの保健・医療体制の強化に取り組んでいく旨発言しました。また、本年8月に開催されるTICAD8へのガボンの積極的な参画を期待するとともに、長年の友好関係を礎に二国間関係を一層深化させ、安保理理事国であるガボンと国際場裡においても連携していきたい旨述べました。

(6)オマモ・ケニア外務長官との会談

発言する小田原外務副大臣
オマモ・ケニア外務長官との会談との様子

 19日、小田原副大臣は、レイチェル・アウォル・オマモ(Amb. Raychelle Awuor Omamo)ケニア共和国外務長官と会談しました。
 小田原副大臣から、ケニア側の協力により日アフリカ官民経済フォーラムを成功裡に開催することができた、TICAD8に向けて引き続き連携していきたい旨述べました。

(7)タル・セネガル外務・在外自国民大臣との会談

タル・セネガル外務・在外自国民大臣と小田原外務副大臣
タル・セネガル外務・在外自国民大臣との会談の様子

 20日、小田原副大臣は、アイサタ・タル・サル(H.E. Ms. Aïssata TALL SALL)セネガル外務・在外自国民大臣と会談しました。
 小田原副大臣から、セネガルのアフリカ連合(AU)議長国としてのリーダーシップに敬意を表するとともに、我が国としては二国間関係の強化を重視し、保健・教育・農業・水産・インフラ整備等の幅広い分野で、セネガルの開発努力を後押ししていく旨伝えました。また、本年8月に開催されるTICAD8の成功にはAU議長国たるセネガルとの協力が不可欠であり、引き続き緊密に連携していきたい旨述べました。

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