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金子農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年5月17日(火曜日)9時59分~10時07分 於:本省7階講堂
主な質疑事項
  • 武部農林水産副大臣の出張について
  • 生産資材の安定供給について
  • G7農業大臣会合について
  • てん菜の生産について

質疑応答

  • 武部農林水産副大臣の出張、生産資材の安定供給について

記者

  昨日の武部副大臣によるモロッコ訪問に関連して伺います。予定では、大臣2人との会談や企業関係者との意見交換などをされると伺っていましたが、その成果についてお聞かせください。また気候変動やロシアの軍事侵攻で、肥料原料を含め生産資材が今後も安定的に調達できるか懸念が出ています。政府としてどう対応していくお考えかお聞かせください。よろしくお願いいたします。

大臣

  まず第1点目ですが、今般、今後の肥料原料供給の更なる安定化に向けまして、りん鉱石の主要産出国であるモロッコに武部副大臣を派遣いたしまして、モロッコ政府のエネルギー担当大臣に原料の安定供給を直接働きかけました。モロッコ側からは、両国のこれまでの貿易関係を更に発展させ、我が国へのりん安等の肥料原料の安定的供給について、協力したいとの御回答をいただいたと武部副大臣から報告を受けています。また、この機会を捉え、モロッコの農業・漁業大臣及び外務大臣とも会談いたしまして、水産分野の安定的な関係の継続や農林水産分野における二国間の関係強化を行うことを両国において確認をいたしました。
  2点目のお尋ねでございますが、生産資材のうち、肥料につきましては、原料となる天然資源が偏在しているという課題がありまして、今回のように、モロッコに原料の安定供給を直接働きかけるなど、特定国への依存を可能な限り減らしまして、調達国の多角化を図ることとしているところであります。今後とも関係事業者、関係省庁と連携をとりまして、輸入原料の安定した調達環境を整備する、それから、堆肥等の国内資源の活用によりまして輸入肥料原料の代替を図るなど、あらゆる方策を検討していきたいと考えております。飼料につきましては、現時点では必要な輸入量の確保に支障は生じていませんが、飼料穀物の備蓄事業を適切に実施するとともに、配合飼料価格の上昇に対しましては、配合飼料価格安定制度による補てんによりまして、引き続き畜産経営への影響を緩和してまいりたいと思います。

  • G7農業大臣会合について

記者

  先日行われたG7の農相会合についてお尋ねします。価格が高騰する肥料の監視などを盛り込んだ共同声明が採択されましたが、改めて会合の成果と今後の動きについて教えてください。

大臣

  G7農業大臣会合の結果についてのお尋ねでございますが、ウクライナ情勢の緊迫が続きまして、農産物や肥料等の価格高騰等、世界の食料安全保障が脅かされる中、G7各国にウクライナを加えた農業大臣が一堂に会しまして、連帯して対応していくとの強い意思を示すことができ、大変有意義な会合であったと考えています。会合では、ウクライナへの支援を惜しまないとの認識を共有し、危機時における持続可能な食料システムに向けた道筋をまとめた農業大臣コミュニケが採択されたところでありまして、G7と協力してこれに取り組んでまいりたいと考えています。

  • てん菜の生産について

記者

  それともう1点ありまして、砂糖の関係で、糖価調整制度について伺います。制度の赤字が今続いている中で、てん菜の生産枠を2割削減するという議論も北海道で出ているようです。生産者側からは慎重論も出ているのですが、農水省としては今後どういう方向で議論を進めていくのでしょうか。

大臣

  我が国の砂糖の消費量が20年前から比較いたしますと、約50万トン減少しまして、171万トンとなる中で、輸入原料から徴収している調整金の収入が減少しまして、てん菜生産を支える糖価調整制度の収支が悪化してきております。また、てん菜から砂糖を製造するてん菜糖業の製品在庫量も増大している状況にあります。このような状況を踏まえまして、今後の持続的なてん菜生産・てん菜糖業の在り方を検討するため、生産者の代表やてん菜糖業の方々、農林水産省の担当者による意見交換会が3月から4月にかけて4回実施されました。この意見交換では、それぞれの立場から、てん菜生産・てん菜糖業をめぐる様々な意見が出ましたが、現時点では何ら方針が決まったわけではなく、今後も関係者と丁寧に意見交換を続けていく予定であります。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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