外務省・新着情報

令和4年5月13日

 5月12日、午後10時頃(日本時間)から、第2回「新型コロナ・サミット」がオンライン形式で開催され、日本からは、岸田文雄内閣総理大臣が出席しました。

  1. 冒頭、バイデン米国大統領から、新型コロナとの闘いが新たな段階に入った今、ワクチン接種の推進、検査体制の改善や治療薬へのアクセス拡大を含めた各国の具体的な取組を加速し、現在調整中の世界銀行における新たな基金の設立を含め、将来のパンデミックへの備えを強化することが必要である旨発言がありました。
  2. 岸田総理大臣は、「グローバル行動計画」においてワクチン接種の促進を主導する日本の取組として、COVAX及びCEPIに対する財政貢献、ワクチンの現物供与、各国・地域における輸送・接種体制を強化する「ラスト・ワン・マイル支援」、アフリカにおけるワクチンを含む医薬品・医療品の現地生産能力強化支援等に対するコミットメントを示しました。その上で、総額約50億ドルの新型コロナ感染症対策に関する途上国支援を力強く実施していく旨表明しました。
  3. また、岸田総理大臣は、将来のパンデミックへの予防・備え・対応のためのグローバル・ヘルス・アーキテクチャーの強化に積極的に貢献するとともに、国内資金動員の促進や資金メカニズムの設置を支持し、WHO改革、パンデミックに関する新たな国際文書の策定や国際保健規則の改正に積極的に関与していく旨述べました。また、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向け、引き続きリーダーシップを発揮していく決意を述べました。
  4. オープニング・セッションのモデレーターを務めたグリーンフィールド米国連常駐代表からは、UHCの重要性等を述べた上で、日本の国際保健分野における長きにわたるリーダーシップと新型コロナ関連支援への多大な貢献に謝意が述べられました。
  5. 本会合には、米国、ドイツ、インドネシア、ベリーズ、セネガル等の首脳・外務大臣等の他、テドロスWHO事務局長や欧州連合、アフリカ連合といった地域機関、民間セクターや市民社会等の代表が出席しました。

[参考1]岸田内閣総理大臣のビデオメッセージ(PDF)別ウィンドウで開く

[参考2]グローバル行動計画(Global Action Plan for Enhanced Engagement

  • (1)目的:
     2022年中に新型コロナを収束させ、将来のパンデミックへの備えを強化するために、各国の具体的な取組を促進。
  • (2)行動計画の柱:以下の6つの取組から構成
     ア ワクチン接種の推進:
      ワクチン供与量の増加、政治的紐づけがなく十分な消費期限のあるワクチンの供給(COVAX経由)、ワクチン接種体制の整備、紛争地等人道的危機のある地域へのワクチン供与など
     イ サプライチェーンの強靱性の強化:
      医療物資の需給ギャップの是正、サージキャパシティの強化、重要物資をめぐる問題にかかる早期警戒システムの整備など
     ウ 情報格差への対応:
      誤情報や偽情報の撲滅、ワクチンへの信頼の向上など
     エ 医療従事者の支援:
      十分かつ質の高い個人用防護服(PPE)の提供やワクチン接種を含む医療従事者の環境改善、専門分野にかかる医療従事者のキャパビルなど
     オ ワクチン以外のインターベンションの推進:
      検査体制の改善、治療薬へのアクセスの改善など
     カ 世界健康安全保障枠組みの強化:
      世銀、IMF、WHOの取組への支援、新たな基金や枠組みの設立など

[参考3]COVAXファシリティ(COVID-19 Vaccine Global Access Facility
 新型コロナワクチンへの途上国を含めた公平なアクセスの確保のため、Gaviワクチンアライアンス主導の下、立ち上げられた資金調達及び供給調整メカニズム。ワクチンの購入量と市場の需要の保証を通じ規模の経済を活かして交渉し、迅速かつ手頃な価格でワクチンを供給する仕組み。

[参考4]ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
 すべての人が、効果的で良質な保健医療サービスを負担可能な費用で受けられること。


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