厚労省・新着情報

医政局研究開発振興課

日時

令和3年11月18日(木) 10:00~12:00

場所

磯村ビル3階

議事

議事内容

○医政局研究開発振興課治験推進室長 ただいまから第26回厚生科学審議会臨床研究部会を開催いたします。本日は、新型コロナウイルス感染症拡大防止等の観点から、Webで開催させていただきます。会議全体のお願いとなりますが、Webで参加されております委員の皆様におかれましては、御発言される前にシステムの機能から参加者リストを表示いただき、手を挙げるボタンをクリックしてください。部会長の指名を受けてから、マイクのミュートを解除して御発言いただくようお願いいたします。また、御発言終了後は、再度マイクをミュートにするとともに、手を挙げるボタンを再度クリックし、手を下げた状態にしていただきますようお願いいたします。会議中に接続トラブル等が発生しましたら、事前にお送りしたWeb会議のマニュアルに記載されている連絡先に御連絡ください。
本日は、部会の定数14名に対しまして、14名全員の委員に御出席いただいておりますので、定足数に達していることを御報告申し上げます。また、事務局として、医政局経済課・医薬生活衛生局医薬品審査管理課より、それぞれ1名出席しております。
続きまして、本日の会議資料についてです。会場参加の委員の皆様におかれましては、お手元のタブレットを操作して御覧いただくようお願いいたします。Webで参加されている委員の皆様におかれましては、事前に送付しております資料、あるいはWeb上で資料を投影いたしますので、御覧ください。資料は、資料1、参考資料1-1、参考資料1-2、参考資料2となっております。お手元で不足等がございましたら、事務局にお申し付けください。円滑な議事進行のために、撮影はここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。以後の進行については、楠岡部会長にお願いいたします。
○楠岡部会長 おはようございます。お忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
早速、議事に入らせていただきます。議題1は、臨床研究法に関する検討についてです。まず、事務局より資料1の説明をお願いいたします。今回は、革新的な医薬品等の研究開発の推進と、研究の信頼性確保のそれぞれの所に分けて、説明と議論を進めたいと思います。事務局、お願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 資料1、臨床研究法施行5年後の見直しに係る検討の中間とりまとめ(案)の御説明をさせていただきます。資料の4ページからになりますので、御覧ください。まず目次です。初めに基本的な考え方、各検討項目ということで、今、お話がありましたように、革新的な医薬品等の研究開発の推進、研究の信頼性確保と大きく2つに分けた上で、今まで御議論いただいた各項目について記載しております。
6ページを御覧ください。Ⅰはじめにです。まず、この臨床研究法については、附則において、法施行後5年以内に臨床研究を取り巻く状況の変化などを勘案して見直しを行い、必要があれば所要の措置を講ずるということが定められております。このため、令和3年1月から臨床研究部会において検討をお願いしてきたところで、これまで7回にわたって御議論いただきました。このとりまとめについては、これまでの検討状況について、中間的に整理させていただいたものです。
続いて、Ⅱ基本的な考え方です。幾つかの柱について御説明させていただきます。いずれも、これまでの議論に際して御用意いただいた資料などから抜き出した形になっております。
1.臨床研究実施体制の国際整合性です。新型コロナウイルスの感染の状況を踏まえて、新しい治療法を世界同時に適用できることの重要性が認識されているところです。また、従来から革新的な治療法を世界に先駆けて実用化していくことの重要性も認識されておりまして、いずれにしても、国際整合性を向上させて研究を推進させていくという観点での見直しが必要というように考えております。
続きまして、2.研究の法への該当性の明確化です。こちらについては、「特定臨床研究」の位置付けに関して、2つ目の○になりますが、適応外の医薬品の使用について、学会の診療ガイドラインなどに掲載されており、エビデンスがあって使用実績もあるようなものを特定臨床研究とするのは、想定されるリスクと負担のバランスが悪いのではないか、また、3つ目の○ですが、「観察研究」については取扱いが明確ではないということで、臨床研究への該当性について課題があるという御指摘がありました。また、医療機器についても、多種多様である上に、常に改善・改良が行われるなどの特徴を踏まえた対応を検討する必要があるという御指摘を頂いております。
3.手続の合理化についてです。研究の本質に関わらないような事項についての手続の合理化について、御指摘を頂きました。
4.透明性の確保です。COIの手続については、客観的な確認が困難な点について確認を求める手順があるということで、必ずしも合理的とは言えない点について、見直しが必要という御指摘を頂いております。
5.研究の質の確保です。ここはCRBのことになります。現在、特定臨床研究の実施数に比べると設置が多くなっていて、なおかつ審査能力にばらつきがあるという御指摘を頂いているところです。
続いて、8ページを御覧ください。Ⅲ各検討項目について、まず、この四角囲いの革新的な医薬品等の研究開発の推進の部分について、御説明いたします。いずれの項目も、現状と課題、それから、これまで議論いただいた主な御意見、最後に今後の対応の方向性という形で、御説明を進めさせていただきます。
まず、臨床研究実施体制の国際整合性に関して、臨床研究の責任主体(Sponsor)の概念についてです。現状と課題として、現在の法制度の臨床研究法においては、特定臨床研究の実施体制として、多施設共同で実施する場合には、実施医療機関ごとに置かれた研究責任医師が、モニタリング、監査、疾病等報告などの諸手続を実施しており、それぞれの実施の責任は実施医療機関に帰されています。これに対する課題として、特に多施設共同研究の場合、同一研究内でも、医療機関ごとに様々な手続に差異が認められるといった指摘がございました。また、ICH-GCPにおいては、研究全体を計画・運営する“sponsor”と、各施設での実施の責任を負う“investigator”がそれぞれ独立して存在しているという観点から、国際整合性の観点で、臨床研究法でも「スポンサー」概念を導入すべきとの指摘も頂いております。このほか、現在、臨床研究を実施するものとしては、(自然人たる)医師のみが想定されていますが、例えば医療機関、研究団体など、法人としても実施できるようにすべきであるといった御意見も頂いております。それから、製造販売業者が行う再審査期間終了後の臨床試験が、「薬機法」上に位置付けられない、臨床研究法上でも実施できないというところについて、医療に資するエビデンスの取得が困難になっているのではないか、また、医療機器については、工学系の研究者が発案をする場合がありますが、スポンサーの概念の導入によって円滑に進められるのではないかといった課題がございました。
これまでの議論です。研究全体の責任の主体を明確化した上で、様々な手続を一括して管理することが必要という点では、おおむね御意見は一致をしたかと思います。一方で様々な御意見を頂いておりまして、国際整合性という観点はあるものの、日本と欧米での研究環境の違い、あるいは薬機法におけるスポンサー概念の取扱いなども踏まえて、研究自体のあり方を議論するべきではないか、それから、「スポンサー」という用語から受けるイメージからすると、今、想定しているような役割の人のイメージが湧かないということで、言葉の使い方には気を付けるべきという御意見を頂きました。それから、9ページになりますが、製薬企業が臨床研究法上の「スポンサー」になることについては、法律の制定、成立の経緯や企業主体の研究については、事業目的が背後にあることなどを踏まえた議論も必要であるという御意見も頂いております。また、現在、臨床研究法の中で「研究代表医師」という役割がありますので、そういった方々と類似しているのではないかといった御指摘もありました。
このような御意見を踏まえ、③の今後の対応の方向性を取りまとめております。1つ目の○です。「試験の計画・運営の責任を負うべき者」を位置付け、一元的に管理をするという方向で見直しを進めるべきである。ただ、その際にそれぞれの責任、役割に応じた罰則等の整備も考慮に入れる必要がある。「試験の計画・運営の責任を負うべき者」について、その主体、一体誰がそういった役割を担えるのかということについては、日本の研究環境におけるあり方、具体的な役割など、制度の詳細について引き続き検討を進める必要があるということで、ここについては一元化に向けた検討に際して、これからも詳細を御議論いただきたいというまとめになっております。
(2)特定臨床研究で得られた情報の薬事申請における利活用です。現状についてですが、薬事の申請に際しては、臨床試験の成績として、「治験」の結果を提出することとされています。「治験」と「臨床研究」では、試験において作成すべき書類の種類や内容、モニタリング、データの保管期間などの規定が一部異なっているという状況にあります。一方、2つ目の○になりますが、薬事申請においても「公知申請」といった形で、既に論文化された臨床試験の結果を活用するなど、医療上の必要性の高い医薬品を中心に、様々な制度も設けられているところです。
課題として、臨床研究法制定時の附帯決議として、臨床研究で得られた情報を薬事申請に係る資料として利活用できる仕組みを速やかに検討すべきという御指摘を頂いております。これまでの議論についても、特定臨床研究の結果を薬事申請に活用していくべきというところで御意見は一致したかと思います。一方で活用に際しては、倫理性、信頼性の確保を含め、必要な要件を定める必要がある、また、PMDAの事前相談なども必要になるのではないかといった御意見を頂いています。
今後の対応の方向性については、現在、厚生労働省において個別品目をパイロットとして取り上げておりますので、この検討・精査が終わった後、厚生労働省から要件、留意点を取りまとめて発表すべきということでまとめました。
続いて、いわゆる観察研究に関する適用の問題です。現状と課題です。現在の臨床研究法においては、施行規則において「観察研究」を定めて、これを法律から除外するという形になっております。具体的には、10ページの一番下、四角囲いの参考条文の施行規則の部分です。「研究の目的で検査、投薬その他の診断又は治療のための医療行為の有無及び程度を制御することなく、患者のために最も適切な医療を提供した結果としての診療情報又は試料を利用する研究」というものを「観察研究」と定め、これを除外するという形になっておりますが、2つ目の○にありますように、この定義だけでは明確な判断ができにくいということで、研究者がお考えになるものと、あるいは法の適用ということで、CRBが判断するものに齟齬があって支障が生じている状況がございます。
11ページを御覧ください。これまでの御議論についてです。1つ目の○です。国際整合性などの観点から、臨床研究の範囲は介入研究に限るべきであるという御意見がございました。「観察研究」が法の対象外となったとしても、医学系指針の対象となっているという点で担保がなされているという御意見を頂いております。2つ目の○です。「観察研究」であっても、検査などの侵襲の程度によっては負担やリスクが発生するということで、いずれも臨床研究であるという観点から、安全性や情報公開に差があってはならないということで、現在の臨床研究法下で取り扱うべきではないかという御指摘がありました。
この点を踏まえた今後の対応の方向性です。まず、観察研究の定義と取扱いについては、海外の定義なども参照して決めるべきという御意見を頂いておりますので、この辺りの整理も含めて、引き続き御検討をお願いしたいと考えております。一方で、観察研究については、指摘のあった研究の目的で行われる検査などの侵襲が大きなものについては、引き続き臨床研究法に残すものの、それ以外のものについては定義から除外するということを明確にすることも必要かと考えております。この「侵襲が大きい等」というものは、具体的にどういうものなのか。これまでもこの部分が明確ではないために判断に迷うようなケースがございましたので、法の該当性に係る判断の基準やその根拠について明確に示すということで、ここについても引き続き、御議論をお願いしたいと考えております。
続いて、疾病等報告の取扱いについてです。現状と課題についてですが、この疾病等報告については、大きく2つの論点がございました。まず、疾病等報告の主体についてです。先ほどスポンサーのところでも御説明したように、現在は各研究医師ごとに疾病等の報告することになっておりますが、その医療機関、研究医師ごとに判断にばらつきが生じている可能性があり、一方、ICH-GCPではスポンサーが一元的に判断をするという形になっています。
もう一点が、疾病等の報告期日についてです。既知、重篤かつ重篤な疾病等の報告期日について、これまでは薬機法を参照して決めていたのですが、結果的に医薬品等が未承認、適応外の場合は、1年に1回程度の定期報告がされている一方、既承認の場合には30日ということで、想定されるリスクと報告期日が相反しているのではないかという御指摘を頂いております。
これまでの主な議論と今後の方向性については、おおむね同じような内容になっておりますので、今後の方向性の部分について御説明いたします。まず、疾病等報告の主体について、一元的に管理すべきというところについては、おおむね御意見が一致していたと思います。この部分については、スポンサー概念と併せて議論を進めるべきであるとまとめさせていただきました。
疾病等報告の期日については、様々な御意見がございました。この部分については合意に至っていないところですので、合理的な期日について、また引き続き案を提示させていただきながら、御検討をお願いしたいと考えております。
続きまして、13ページの研究の法への該当性の明確化ということで、適応外使用に関する特定臨床研究の範囲についてです。現状と課題について、先ほども少し御説明いたしましたが、現在、薬機法で承認された用法、用量などと少しでも異なる場合には、特定臨床研究というようにされておりますが、一方で、学会の診療ガイドラインに掲載されているなどして、一般の医療に用いられている使い方といったものもございます。
これまでの主な議論としては、特に保険償還までされているような一般的な使い方も含めて、そういった使用方法で研究を行おうとすると、特定臨床研究の対象となるということで、研究実施の障害となっているという指摘がありました。一方で、この適応外の研究については、根拠のある結果が出た場合には、例えば添付文書の改訂に反映するなどといった取組も必要であるという御指摘も頂いております。
その上で③の今後の対応の方向性についてです。適応外は様々ある中で、リスクが承認を受けた用法と大きく変わらないことが明らかなものについては、特定臨床研究の範囲から除外する方向で見直しを進めるべきであるとさせていただきました。一方で、リスクが承認を受けた用法と大きく変わらないということについては、包括的な規定の仕方が難しいということもございますので、根拠となる情報に基づきまして、厚生労働省で専門家の御意見を伺いながら聴取をし、制度を構築すべきであるということで、この部分についても、具体的にどのような枠組みで、どのような視点で検討を進めていくかについては、引き続き御議論をお願いしたいと考えております。
続いて、医療機器に関する臨床研究法の適用範囲についてです。医療機器については、非常に様々なものがございまして、侵襲や低侵襲の品目もあり、全て特定臨床研究の対象とするのは過剰ではないかという御指摘がございました。また、薬機法あるいは国際的な基準においても、リスクに応じたクラス分類において、それぞれのリスクに応じた規制をしているといった考え方を取り入れるべきではないかという御意見も頂きました。一方で、薬機法上は、そのもののみならず、使用目的や使い方も含めて、リスクを規定することがあるという課題もありました。
続いて、14ページの上にあるとおり、医療機器については改良・改善を継続的に実施していくという特性に応じた対応が必要ではないか、また、工学系の研究者が発案して研究が始まるようなケースがありますが、そういった分野の研究者にルールの周知が不十分ではないかといった御意見もありました。これまでの主な議論については、欧州では医療機器は臨床研究を規制する法律の対象外であるということも踏まえて、国際整合性も考えながら進めるべきといった御意見もございました。
③の今後の対応の方向性についてです。先ほど申し上げたように、薬機法の規制区分をそのまま持ってくるということについては、臨床研究は薬機法の対象となる使い方を超えた形での使い方もありますので、そのままリスク区分を持ってくるというのは難しいのではないかということもございます。その上で、研究の実態は様々なものがあるということがありまして、先日御紹介させていただいたとおり、特別研究において、研究学会、産業界のほうにも御協力をお願いしてアンケートをしておりますので、こういった結果に基づいて、引き続き御検討をお願いしたいとしております。
3.手続の合理化についてです。手続の合理化、届出のオンライン化ということで、現在は臨床研究、特定臨床研究を実施する前に、まず実施計画を提出いただくということで、これはjRCTへの入力と紙の届出が必要となっております。また、新規届出に加えて、変更する際にも、原則として事前にCRBの意見を聴いた上で、届出をしていただくということで、「軽微な変更」という取扱いもありますが、氏名の変更、住所変更のみということで、極めて限定をした取扱いとなっておりました。
15ページを御覧ください。課題としては、病院管理者の変更など、研究の本質に関わらないような事項については、費用や時間の負担の肥大化につながっているという御指摘もございました、また、届出事項の中には、情報公開は大事だとしても、必ずしも届出事項としなくてもいい事項もあるという御指摘もございました。
これまでの御意見を踏まえた今後の対応の方向性です。まず、制度の見直しの部分です。研究の本質に関わらないような事項は軽微な変更とすべきである、また、届出事項としなくてもいいようなものについては、引き続き情報公開をするという観点で、jRCTへの掲載項目とはするものの、届出項目とは分離すべきであるという御指摘を頂いておりますので、この旨取りまとめました。また、制度とは直接関係しませんが、別途取り組むべき事項として、届出におけるオンライン化についても、速やかに対応する、それから、jRCTの画面について、ユーザーの使いやすさの観点から改修が必要という御指摘も頂いておりますので、この点も着手すべきとさせていただきました。
利益相反申告手続の適正化についてです。現在、COIの手続について、特に所属医療機関が先生方の収入の状況を確認するという部分について、実質的な確認が困難であることがアンケートなどから分かっております。
17ページを御覧ください。これまでの議論を踏まえた今後の対応の方向性です。COI管理は研究者自身の責務であるということを、もう一度踏まえた上で、研究者に責任を負わせるようにという御指摘がありましたので、その方向での検討ということになります。また、臨床研究の透明性、信頼性を確保することを前提としつつも、実効性が伴わない手続については見直すべきである、そして、この点についてデータベースの構築ということも御提案させていただきましたが、構築の中身、その利用方法について細部が定まっておりませんので、引き続き検討を進めるべきとさせていただきました。
ここまでがひとまとまりとなっておりますので、審議をお願いいたします。
○楠岡部会長 ありがとうございました。ただいまの事務局からの御説明に関して御議論いただきたいと思いますが、部分ごとに進めていきたいと思います。最初に、はじめにと基本的な考え方に対しましては、全部が終わった後で、もしコメント、意見がございましたらお伺いすることとしまして、まずは8ページ、革新的な医薬品等の研究開発の推進のパートについて順番に御議論いただきたいと思います。全体の構成としましては、①現状と課題、②これまでの主な議論、③今後の対応の方向性と3つに分かれております。①の現状と課題と②のこれまでの議論に関しては余り御意見はないと思いますので、主に今後の対応の方向性として、この形での中間とりまとめでよいかどうか、まだ現在、中間とりまとめの段階ですので、ある程度結論が出ているものと、まだ今後検討が必要というものとに分かれるかと思いますが、これらにつきまして御意見を頂きたいと思います。それでは、まず最初に8ページの1.臨床研究実施体制の国際的整合性に関しまして、御意見はございますでしょうか。
○藤原委員 9ページの今後の対応の方向性の1つ目の○の所で、今のスポンサーの定義付けを行っていく中で、「試験の計画・運営の責任を負うべき者」というような方向も考えられているようですが、スポンサーというと、例えばイメージとして資金提供者、ファンダーというか、ファンディングをしっかり確保してくる人というイメージもあるので、プランとオペレーションになって、資金提供者についてはスポンサーに入れるのか入れないのかというのが、ちょっと明示的になっていないと思います。そこも含めて言及していただくと、混乱が少なくなるかなというように考えますが、いかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございました。そうしますと、この1つ目の○について、一元化をする方針としつつも、その役割に資金提供をどう考えるかも引き続き検討というような形になるでしょうか。
○藤原委員 はい、お願いしたいと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 はい、ありがとうございました。
○楠岡部会長 続きまして、北海道大学の佐藤委員、その後、日本医師会の渡辺委員、お願いいたします。
○佐藤(典)委員 佐藤です。よろしくお願いします。(3)のいわゆる観察研究という所もコメントしてよろしいのですよね。
○楠岡部会長 はい、どうぞ。
○佐藤(典)委員 10ページから11ページにかけてなのですが、多分、今後の方向性ということで③に掲げたことを議論するということで、ここに書かれたこと以外は蒸し返しになってしまうので余り議論の対象にしないという、そういう理解の下でコメントさせていただきます。その前の②の所の1つ目の○の所、要するに介入研究ということにするかどうかというところの問題です。私も意見を述べた者の1人ですけれども、この臨床研究法のそもそもの対象を介入研究ということにして、ボーダーラインですとか更に加えるものとかの議論はほかにあってもいいのかもしれませんけれども、大きな枠として、英語ではClinical Trials Actということもございますし、ここに書いてある国際整合性の観点ということもありますから、介入研究ということをまず対象とすべきだということで意見を言わせていただいて、ほかの委員の方にも御賛同いただいたというように理解をしています。ですけれども、③の今後の方向性の中では、観察研究の定義の扱いですとか、それの運用の仕方を議論するというところにとどめられておりますので、そもそもこの法律の基本的なスタンスとして、介入研究を対象とすべきかどうかということも、検討の方向性ということに加えていただきたいと、そのように考えております。もちろん今の時点でそれが良いとか悪いとかの議論はする必要はないと思っておりますが、この③の中に、法の対象を介入研究とまずは定義をすべきかどうかの検討をするということを、是非入れていただきたいと考えております。私からは以上です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。③の最初の○の部分ですが、「国際整合性にも配慮しつつ、観察研究の定義と取扱いについて引き続き検討を進めるべきである」というように書かせていただいておりまして、先生に御指摘を頂いた介入研究をどのようにこの中で位置付けていくか、その点も包括した形での方向性ということで書かせていただきました。
2つ目に、これまでの御意見であるとか今後の対応の方向性のそれぞれ2つ目の○にもありますとおり、一方で、例外的にせよ、観察研究の中でも侵襲が大きいものについては、やはり法の対象にしていくべきというような御意見もありました。ただ、介入という言葉について、必ずしも治療の段階だけではなくて、検査の段階でも、日常の診療を超えるものについて介入というように呼ぶというような整理もございますので、先生の御意見も踏まえながら、今後検討する際には、そういった介入あるいは侵襲というものをどのように定義をして、最終的に取扱いをしていくのか、その部分については、また引き続き御相談をさせていただきたいと思います。介入研究に限るかどうかというよりは、介入をどのように定義するかというか、理解をして整理をするのか、そういう観点も踏まえて、今、少し包括的に書かせていただいているという状況で、できればその辺りの御理解を頂いた上で、どのような修正になるのかの御意見を頂ければと思います。
○佐藤(典)委員 もちろんお聞きいただければ私は構わないので、今の事務局の方の御発言も議事録に残ると思いますので、そういったことを踏まえて今後議論させていただければということで結構です。よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 侵襲と介入に関しましては、疫学研究指針と臨床研究指針を統合するときに、侵襲、介入に関して相当いろいろな議論をして、ある程度整理がついております。ただ、法には侵襲、介入の概念そのままは入っておりませんので、その辺りも整理しながら進めていっていただきたいと思っております。その点もよろしくお願いいたします。それでは渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺でございます。10ページの③の今後の対応の方向性という所について述べたいと思います。つまり厚生労働省において、具体的に、パイロット的に取り上げて検討を行い、取りまとめて公表すべきであるという、この流れに対しては反対するものではありません。ただ、この度のパイロット研究というのは、全体ではなく一部を対象としたものであります。その部分をもって結果を公表するというのは、誤った方向に誘導する危惧もあろうかと考えてます。それゆえ、できれば、パイロット研究の検討と精査が終了した時点で、例えば、データを本部会に出していただくか、別の会議体を設置していただいて有識者で検討した上で、その内容を報告する、若しくは公表するという手順を踏んでいただきたいと思います。ですので、この文章自体を書き換えていただきたいというわけではないのですが、ここにございますように、読み方によっては、パイロットデータを厚労省の方がまとめて、それをそのまま公表してしまう、取り方によっては、一方的に厚労省が認可したものだというように受け取られかねないという危惧がありますので、是非、一度議論をする場を作っていただいた上で公表するという手順を踏んでいただきたいというふうに思います。以上でございます。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございました。御指摘のとおり、先日、医薬品審査管理課長も説明しておりましたが、恐らく取りまとまった段階で、何らかの業界も含めた検討などもございますし、また、この結果そのものについては部会にも報告をさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○楠岡部会長 前回御説明いただいたときも、現在走っているパイロット的なものというのは、まだ1つというふうに伺っておりますし、その1つだけで全てを結論付けられないのは、渡辺委員の御指摘のとおりですので、まずは1つ済んだ段階で、何か次の課題等が出てくれば、またそれをベースに次にまたパイロット的なというような積み重ねになるかと思います。1つだけで全部を決めるということにはならないですし、逆に、1つのパイロット研究である程度結論付けられるものがあれば、類似のパイロット研究はそれと同じ扱いになるというような拡大の仕方になるかと思います。ただ、それをどこで決定するかは、渡辺委員の御指摘のとおりで、こちらの部会で決定する話なのか、あるいは審査に関係するほうの審議会等で決定していただくのかという点はまだ残るかと思います。これは今後の課題ということで、御了承いただければと思います。事務局もうなずいておりますので、よろしくお願いします。
その次は、どなたか手挙げの方はいらっしゃいますでしょうか。北大の佐藤委員。
○佐藤(典)委員 改めて挙げましたけど、よろしいでしょうか。すみません、何回も手を挙げさせていただきまして。
11ページの所から始まる(4)疾病等報告に関することなのですが、ここの中では、現状と課題からこれまでの議論を含めて、一言も触れられていないのですけれども、言葉の問題です。私の記憶では、確か藤原委員のほうから、「疾病等」ではなくて「有害事象」としてはどうかというお話があったと思います。私自身もそうだなと思っていますし、臨床研究法に関係するような薬機法ですとか……も、全て有害事象という言葉を使っています。一方で、再生医療等法で疾病等という言葉を使っているので、そちらからというお話だったような記憶もございます。再生医療等法は、御存じのとおり、研究だけではなくて診療も含めた法律になっていますので、疾病等という言葉になったのかなという理解もしているところでございます。ただ、ここについては研究だけですから、ほかの関連する規制と合わせて、有害事象という言葉に統一してもいいのかなということがあったかと思いますが、一言も触れられていないので、それはもうなしということなのかどうなのか、そこを確認させていただきたいということです。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。大変失礼いたしました。これまでの部会の中でも少し申し上げてきたかもしれないのですが、部会の意見としてきちんと記載はさせていただきたいと思います。その上で、実際に法律そのものを変えるという形になりまして、これは大変恐縮なのですが、行政側の様々な手続の中で、それが通るかどうかというところについては、今の段階で少しお約束はできない部分もございますが、御指摘のように、御意見があったということについて記載が漏れておりますので、これまでの主な御意見の所に、しっかり記載をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○佐藤(典)委員 よろしくお願いします。
○楠岡部会長 ただいまの北大佐藤委員の御指摘は、後ほど、疾病報告を誰が行うかというところの議論にも絡んでくるかと思います。運用上の問題として、全ての有害事象が研究を取りまとめる所に報告され、その判断で疾病報告として上げるという考え方が1つあるかと思います。その辺も含めてのことになるかと思います。御承知のとおり、治験の場合は、重大な有害事象でも偶発的な入院も全部報告という話になってしまっていて、それもまた問題だという意見もありましたので、その辺は少し整理した上でのとりまとめをさせていただくことになるかと思います。そういう方向で進めたいと思います。
それでは、1.の所に関しましては、特に追加の御意見はございませんでしょうか。もしなければ、次の2.の部分ですが、資料の13ページになります。研究の法への該当性の明確化に関しまして、御意見があればお願いしたいと思います。適応外使用と機器に関しましては、かなりいろいろ御意見を頂いて、今後の方向性という所で大体取りまとめられていると思いますので、よろしいですか。もし何かお気づきの点があれば、後ほどまたお願いしたいと思います。
それでは、3.手続の合理化の所に対しまして、御意見をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。届出手続の合理化、届出のオンライン化、あるいは利益相反手続の適正化に関して、利益相反のところに関しましても、かなり御議論いただいて、今すぐ結論が出るところもなかなかないので、引き続き基本的な考え方に基づいて検討を進めるという形になっておりますので、これも今後いろいろ検討することになると思います。よろしいでしょうか。それでは、先に進めさせていただいて、もし何かありましたら、また後ほどお願いしたいと思います。
それでは、研究の信頼性確保につきましてお願いしたいと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 それでは18ページからを御覧ください。後半の研究の信頼性確保についてです。1.透明性の確保ということで、利益相反の部分については先ほどの再掲となりますので、(2)研究資金等の提供に関する情報公表の範囲についてです。まず、現状と課題ということで、2つ目の○になりますが、情報提供関連費、それから接遇費については、法制定時に、必要実費の範囲を超えて直接支払われる性質のものではないということもあり、公表の対象にはしていません。一方で、自主ガイドラインが業界でありまして、参加企業が情報公開をしているというような状況です。このような中で、四角囲いにあるとおり、法制定時の附帯決議として、これらの費用について公表の対象とすることについて検討するという宿題を頂いていました。
②これまでの主な議論です。まず1つ目の○ですが、情報提供関連費については、様々な公表項目を通じて透明化が図られているので、追加は不要ではないかといった意見がある一方で、接遇費については、業界自主ガイドラインの普及状況なども含めて調査すべきという御意見を頂きました。また、講演会などについては、臨床研究とは関係のないものもあるので、これを切り分けて公表するのは現実的ではないのではないかという御意見もありました。3つ目になりますが、今回、いろいろ実態調査をしましたが、特定臨床研究に係る資金提供に馴染みのない企業が、対象母体に含まれていたということもありまして、普及状況について改めて整理をした上で議論が必要というようなことがありました。
19ページです。前回お示しをした調査については、全ての企業から回答を得られたものではないので、この結果をもってして不正につながる蓋然性が低いと断定することはできないのではないかという御指摘も頂きました。また、アメリカにおけるサンシャインアクトなどの存在も踏まえて議論を行うべきという意見も頂戴しています。
これを踏まえまして、③今後の対応の方向性です。業界自主ガイドラインの普及状況などを整理して、また引き続き検討を行うべきとさせていただいています。
続きまして、(3)重大な不適合の取扱いについてです。現状の法制度ですが、研究責任医師が不適合を知った場合には、まず実施医療機関の管理者に報告をするとともに、重大なものについては、CRBの意見を聴くこととなっています。CRBの業務の1つとして、この不適合に関することが含まれていまして、意見を述べた場合には、厚生局を通じて、国に報告をしていただくということになっています。一方で、医学系の指針においては、研究機関の長が国へ報告をするとともに公表をするという手続が含められているということで、20ページ、これまでの主な議論の所にありますように、この公表の部分について、指針との齟齬があるのではないかという御指摘を頂いたところです。③今後の対応の方向性についてですが、特定臨床研究におきましても、研究の透明性を確保する観点から、重大な不適合が発生した場合には、研究機関の長に公表を推奨するものとして、速やかに対応すべきであるとさせていただきました。
続きまして、2.研究の質の確保ということで、CRBの認定要件です。①現状と課題ということで、現時点の法制度ですが、CRBは法に規定する要件として、委員構成、業務規程、その他の実施基準に適合することをもって認定を受けることができます。また、この認定の期間が3年とされていまして、この上記の認定要件に加えて年11回以上の開催実績が必要とされています。
課題ですが、実際には、自施設内の研究をこの自施設で審査をするというようなことが非常に多い状況になっていて、日本全体の特定臨床研究の実施数に比べると、非常に多数のCRBが設置されているという状況の中で、年11回の開催が困難なCRBが非常にたくさんあるというような状況があります。また、認定の要件がどうしても外形的なものになってしまっていまして、必ずしもCRBの中には適切な審査がなされていないという指摘もありました。
22ページを御覧ください。これまでの主な議論ということになります。まず、現在の実質的な更新の要件である「開催回数」については、当初、期待をされたような経験の実績が積まれるという以外にも、要件を満たすために議論の分割があるという御指摘も含めて、要件の見直しが必要という点では御意見が一致していたかと思います。
この見直しの中身についてということですが、毎年の新規の審議案件を更新要件に加えるということについては、おおむね意見が一致しました。特に、少なくとも全く新規の審議がないような年があるということについては、質の担保が困難であり、更新は難しいという点についても、大きな異論がなかったものと思います。また、要件を満たさないCRBについて、その設置者が新しいCRBを設置して、実質上、引き継がせるようなことについては、前回、そのような形での対応もありましたが、今後は禁止すべきという御意見を頂戴しています。また、議論の透明性を確保する観点から、CRBの議事概要の公開について、非常に簡単なものではなく、ある程度議論の経過が分かるような内容を今後公開していくべきという御意見がありました。また、国が更新をする段階で議事録を確認すべきといった御意見も頂戴しています。CRBの設置数が、先ほど申し上げたように、特定臨床研究の現在の実施状況について過多であるというようなことも踏まえて、一定数の審議をしながら質を保っていくという観点から、集約をしていく必要があるという点について異論はありませんでした。また、CRBについて、現在、臨床研究中核病院の要件となっており、外から見たときにややブランド的な印象があるというようなことがあり、そういったことが多くの病院が設置する理由ではないかといった御意見がありました。また、先ほど申し上げたとおり、多くのCRBが自施設内の研究を主に審査しているということがあり、客観性に疑問を抱かざるを得ないという指摘も頂いています。また、日本においても、海外のように国がCRBの支援などにもっと力を入れていくべきであるという御意見も頂戴しました。また、更新要件といった制度以外にも、ピアレビュー、模擬審査、外部評価の質の向上に向けた取組ということで、事業による取組も必要であるということも頂いています。
今後の対応の方向性についてということですが、今までの御議論を踏まえて、開催要件を見直すとともに、新規の審議案件を要件に加えるべきであるとさせていただきました。前回の議論を踏まえて、当面、新規の審議件数は毎年1件以上、かつ開催回数については毎年4回以上とさせていただいていますが、議論の中でも甘すぎるという御意見も頂いています。これはあくまで最低限の内容であって、引き続きCRBの活動状況を確認していき、要件のレベルアップに向けて不断の見直しを行っていくべきとさせていただいています。また、先ほど申し上げたように、質の向上に向けて、更新要件のみならず、模擬審査、ピアレビュー、優良CRBの支援などの取組を行っていく必要がある。また、要件を満たさなくなった場合には、円滑な廃止に向けた準備を進めるべきである。議事録についても国のほうで確認をするということについて、規定をさせていただきました。以上です。御審議よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 ありがとうございます。それでは、透明性の確保の所から順番にいきたいと思います。まず透明性の確保の点について、御意見がありましたらお願いいたします。まず、山口委員、お願いいたします。
○山口委員 20ページの今後の対応の方向性の所ですが、倫理指針の所で公表しなければならないという文言になっているということを考えると、同じ文言で書けないということではありますが、「研究機関の長に公表を推奨するものとし」というのは、ちょっと弱いなという気がしますので、例えば「研究機関の長に公表を強く推奨するものとし」というように、少し強めに書いていただいたほうがいいのではないかなと思いました。その後の「速やかに対応すべきである」という言葉ですが、これは主語が文章的によく分からない、この2行を読んだときに分からないなという気がしまして、例えば「研究機関の長に公表を強く推奨するものとし、速やかな対応を求めるべきである」というようにすると、研究機関かなということが分かるかなと思ったのですが、その辺りはいかがでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。これは御説明が不足していましたが、このとりまとめについては臨床研究部会としてのとりまとめという形で、主語が部会そのものということで、この「速やかに対応すべきである」というのは、実は国がということになります。ですので、こういった取扱いをすることを、国としてすぐに行政指導の通知なりに規定をして対応すべきであるということがありますので、今、御指摘いただいたように「研究機関の長に公表を強く推奨するものとし、国は速やかに対応すべきである」というような形で、少し補足をさせていただければと思います。
○山口委員 分かりました。そういう主語だったということが分かりました。よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 それでは、次に花井委員、お願いいたします。
○花井委員 CRBの今後の方向性について、意見の中で、やはり国の支援をということが結構出ていたのです。支援になると予算関連になるので、方向性に載せられないかなということかもしれませんが、支援の方向性では、やはり国の支援について検討すべきなど、そういうことを書けないのですかね。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 先生、すみません、23ページの下から3つ目の○の所に、優良CRBへの支援などの取組を行っていく必要があるとは入れたのですが、こういう文脈ではなく。
○花井委員 そう読むのですね、すみません。ちょっとこれだと、いわゆるピアレビューや模擬審査など、そういうチェックの立て付けについて支援を行うだけで、もうちょっとサポートがあるようには読みきれなかったので言いましたが。そこで読み取れるのであれば、また今後、国がもう少しほかに関しても支援ができるのだったら支援ということで。これは結局のところ、例えば安い所に頼むなど、そのようなことでも問題だという意見も出ていたので、ヨーロッパと比較してもうちょっと強い支援というイメージなのですが、これで読み取れるようであれば、よいと思いますが。ありがとうございます。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 今の御指摘を踏まえて、文言はともかくとして、対応としては、また、どういう視点でどういう形でというところは、部会にも御相談をしながらと考えています。
○楠岡部会長 ありがとうございます。CRBに関して、いろいろこれからも御意見があると思いますが、先に1.透明性の確保を済ませてから、移りたいと思います。申し訳ありません。
○花井委員 申し訳ないです。
○楠岡部会長 結構です。まずは、この1のほうをお願いいたします。がんセンターの佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤(暁)委員 不適合の公表についてですが、重大な不適合、確かに重大なものは公表するということで私も異論はないところなのですが、これの定義が恐らく通知か何かで出ている「人権や安全性及び研究の進捗や結果の信頼性に影響を及ぼすもの」と、ここまではいいと思いますが、例えば「選択・除外基準や中止基準、併用禁止療法等の不遵守をいい」と書いてあって、緊急回避などではいいとはなっているのですが、ただ一律に選択・除外基準を全部1個でもかすってしまったら公表だと言われるのは、ちょっと重いかなという気も、この文言からするとしてしまいます。ですので、この判断を誰がどのようにするか、どこまでを安全性にすごく影響を与えたとするかというのは、少しどうやって決めるかというところを慎重に考えたほうがいいかなと。除外基準など、確かにこれは絶対に入れたら駄目だというのもあれば、これは良くない、これは入れないほうがいいかなぐらいの感じで入っているものもあったりして、結構、軽重があるかなと思います。
もう1つ、こことは直接関係ないですが、これも前にコメントしたのですが、研究計画書からの逸脱といわゆる臨床研究法の違反や捏造など、全部一律に不適合という名前になっています。もちろん重大なというのが付いて二段階にはなっているのですが、例えば臨床研究中核病院の報告書などに不適合を書けと言われると、ではプロトコル逸脱も全部書くのかという話にどうしても議論がなって、ここは各施設ばらばらになってしまうようなところがあるので、研究計画書の逸脱と研究データの改竄、捏造を一くくりに不適合と呼んでしまっていいのかというのは、呼び分ける若しくはほかの所に報告書等での取扱いとの整合性を取っていただけると有り難いという気がしました。以上です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。まず重大な不適合の判断ということについては、現状と課題の法制度の所にあり、先生もよく御存じのところではあるのですが、CRBの意見を聴くことになっています。まず、中身をよく理解した研究者がどのようにそれを認識しているのか、それから、CRBがある意味研究の体制等を外のところから客観的にどのように捉えるのか、その辺りになると思いますが、今、御指摘があったように、一律適用除外基準に反したものということにならないように、今一度、通知の文言は確認させていただきたいと思います。
それから、不適合の中身についてですが、これは臨床研究中核病院の御報告の中身の話ですので、また別の場でということかもしれませんが、少なくとも研究機関において軽微なものからそうではないものを含めて、めりはりを付けて、なおかつ、それがきちんと把握をされている、それが恐らく臨床研究中核病院だと思いますので、軽微なものまで事細かに全部出していただくということではないと思います。ただ、そういったものも含めて研究機関としての適切な管理ができている、それは臨床研究中核病院として求められる姿だと思いますので、それを報告書にどのように反映いただくのか、ここはまた御相談をさせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○楠岡部会長 ほかにありませんか。日本医師会の渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 渡辺です。19ページの今後の対応の方向性の業界自主ガイドラインの所ですが、「普及状況等」というのは、例えばガイドラインが普及して、それを遵守しているということも含めた「等」というように解釈してよろしいのかということが1つ。
それから、整理して今後引き続き検討することが必要という状況なのですが、これは恐らく企業自体の自浄作用と自律性を伝えているということだとは思いますが、これは「整理する」だけではなくて、「推奨する」というような文言は入らないのか。遵守していただきたいというような文言は加わらないのかなと思ったのですが、「整理する」という表記が限界なのでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。経済課からお答えさせていただきます。
○医政局経済課 事務局の医政局経済課です。御意見ありがとうございます。記載ぶりについては、ご指摘を踏まえ、「整理する」以上に業界の皆様にガイドラインの普及をお願いする、遵守をお願いするということも書けるか検討させていただきたいと思います。
○楠岡部会長 渡辺委員、よろしいですか。ありがとうございます。ほかに御意見はありませんか。特になければ、次に2.研究の質の確保、CRBに関わる所ですが、山口委員、どうぞ。
○山口委員 CRBの認定要件の今後の対応の方向性の所です。前回、私は、新規の審議件数は毎年4件以上で開催回数は7件以上にすべきではないかということを主張して、でもこれは最低限なのだからということで、室長からの話を聞いて、一旦引き下がりはしたのですが、今回、この中間とりまとめの文章を見ていて、やはり臨床研究法に基づく臨床研究審査委員会にもかかわらず、余りにも最低限過ぎるのではないかということを、今回文章を読んでいて改めて感じました。やはり、新規は毎年4件以上ぐらいはしていただきたいですし、開催回数についても7回以上はやっていただきたいという思いが、また再び湧いてきましたので、その辺りのところを、ほかの委員の方の御意見などもお聞きできたらと思います。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。藤原委員、お願いいたします。
○藤原委員 私も山口委員と同じで、やはり、もう既に規定で十分高いところを要求しているのに、3年たっても何も変わらないというのはおかしな話なので、せめて新規4件、それから開催回数7件、先ほど山口委員がおっしゃったところまで上げると、2割5分ぐらいから3割は落ちるかもしれませんが、それは仕方ないのかなという気はしました。山口委員と同じ意見です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。花井委員、その後に新谷委員でお願いいたします。
○花井委員 先ほどの支援の所で、私は若干誤読気味で意見を言ってしまったのですが、この書きぶりだと、例えば模擬審査やピアレビューというもの自体が、更新要件に入ることはないと読めるのですが、例えば外形基準だけで更新となっているところを、一定程度レビューによって、難しいところは更新要件の中に含むという可能性は、ここではもう否定してしまっているという理解でよろしいのでしょうか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。今のところ、模擬審査、ピアレビューそのものを入れるというのは、今回はなかなか難しいかなということです。模擬審査も、今はいろいろなやり方をしていて、やり方が定まっていない状況、ピアレビューも、今年少しやり方をどうするかというような話がありますが、ちょっと中身が固まっていないという段階なので、まずは事業的なものとして実施をして、ある程度やり方なり、そういうものが定まってきたときに、御指摘のようにこういったものを受けることというのを入れるのもありかと思いますが、今、なかなか100幾つあるCRBが全て、少なくとも模擬審査について参加をしているという状況にもありませんし、私どももそこまでのリソースを割けていなかったところがあるので、まずはやり方、少なくとも3年に1回はこういった経験をしてもらうための仕組み作り、それを先にさせていただければと考えています。不断の見直しの中で体制が整ってくれば、こういうものも条件として入れていくことは将来的にあり得ると思います。
○花井委員 分かりました。そうだとすれば、誤読だったので、「優良CRBへの支援などの取組」というものが独立して支援を書いているということで了解しました。ただ、これだと今の事業的などというニュアンスがないので、入るなら入ったほうがいいかなとは思いました。以上です。
○楠岡部会長 それでは、新谷委員、お願いいたします。
○新谷委員 前回、努力義務の案件について、当該委員会で、CRBで審査するのか、指針上の委員会で審査するのかというところを整理をしていただきたいということをお願いをしていたと思いますので、その点についても、こちらに記載を含めていただければと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 大変失礼しました。これまでの主な議論の中で触れさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
○楠岡部会長 それでは、近藤委員、お願いいたします。
○近藤委員 ありがとうございます。近藤です。CRBの最後の○の所なのですが、「議事録を確認すべきである」と、こういう御意見があったということも私は記憶しているのですが、どちらかと言ったらCRBの活動状況を確認、評価するということが非常に重要になるかと思いますので、その確認をするための1つの方法として議事録確認というものがあるということで、「議事録確認」を前のほうに持ってこられて、「議事録確認等を含め、活動状況を確認、評価する」とされたほうが、自由度が効いてくるのではないかと考えます。以上です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。反映させていただきます。
○楠岡部会長 渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 日本医師会の渡辺です。CRBの要件に関してですが、私も基本的には山口委員や藤原委員のように、ある程度の質の担保をするべきだと思ったのですが、前回、議論の最中に事務方が余り厳しくすると問題が生じるというような発言をされたように記憶しています。事務方がお困りになるのなら、それは致し方ないかなという気もしていたのですが、この毎年1件以上から4件以上にし、開催回数を毎年4回から7回にしたときに、事務方が危惧している実際の問題点や課題に関して、具体的にちょっと御説明していただけると、その両者の差が理解しやすいのですが。4件よりも1件のほうがよいと思われた事務方の問題点を、ちょっと御説明いただければと思います。よろしくお願いいたします。
○楠岡部会長 前回の資料を用意していただいていますので、それに基づいて説明をお願いいたします。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 それでは、事前にお手元にはお送りをしていませんので、Web上に掲載する資料を御覧いただきながら御説明をさせていただきたいと思います。今、資料を切り替えますので、お待ちください。前回、このCRBの議論をした際に、アンケート調査の結果ということで、毎年の新規審査の案件、それから年度の開催回数に関するアンケートの結果をお示ししましたので、もう一度これを御覧いただきたいと思います。
まず開催回数についてです。字が細かくて申し訳ないのですが、ざっくり言うと、この赤い部分が3回以下ということで、それぞれが設置をしてから1年目、2年目ということになりますが、仮に3回以下ということになりますと2割弱、これは必ずしも同じ所ということではありませんので、おおむね2割弱の所が更新ができないというような実態になります。御指摘を頂いたように、少なくとも7回以上開催をするということを要件にするとしますと、このピンクの部分、4~6回の開催実態の所が更新ができないということになりますので、合わせると2割5分強ぐらいのCRBが更新ができないというような形になっています。まず、毎年の開催回数については、このような状況ということになります。
続きまして、毎年の新規の審査件数の分布について、御説明をさせていただきます。これは、それぞれの年ということになりますので、CRBによって実際に開設をした時期がいろいろということになりますので、そういう意味で様々な状況が含まれているということがありますが、おおむね多くのCRBが法施行と同時に開設をしているという観点で、特に2018年には、開設をして間もないので実質的な期間が短かったと考えられますし、2021年は、まだ年度の途中でアンケートを取っていますので、このアンケートの後も審議が続いているという観点で、右上の2019年、それから左下の2020年辺りを御覧いただくと、おおむね指標ということになっているかと思います。これはそれぞれ多い順に並べているということで、必ずしも下の横軸のナンバーが医療機関を示しているわけではなく、多い順から単純に並べているという形になりますが、2019年で中央値、要するに半分のCRB、半分の所の人たちが何件受けていたのかというのが3件、それから2020年は中央値として4件ということで、真ん中辺りの人が受けていたのが4件ということになります。これは裏を返して言うと、仮に御指摘のように新規件数を例えば4件とした場合には、半分、あるいはそれ以上のCRBが更新ができないということで、それぞれのCRBが数は少ないながら審議中の案件を持っていて、更新に際して、これをほかのCRBに引き継がないといけないということを考えますと、さすがに半分のCRBがいなくなってしまうのは支障があると考えております。
先ほど申し上げたように、2018年に法律ができた直後ぐらいに多くのCRBが設立されていますので、実はこの3年の更新ということが実質的に大きな塊でやってきます。その際に、半分がいなくなるということになりますと、前回の御指摘もあったように、どのように円滑に引き継いでいくのか、研究であったり、試験に参加をされている被験者に御迷惑の掛かることのないような引継ぎという観点で言うと、やはりそこのボリュームが大きいということについては、私どもも懸念するところです。そういった意味で、新規の件数は1件、おっしゃるように大変消極的とは言われているのですが、特にこの新規の部分については、半分がいなくなってしまう可能性があるということで、御説明をさせていただきました。
一方、先ほど御覧いただいたように、開催件数について言うと、増えたところでと言うと変なのですが、4分の1ぐらいがいなくなる。これも大きいことではあるのですが、この辺りをどのように考えるかという辺りを、また御意見を頂ければと思います。
○楠岡部会長 それでは掛江委員、その後に山口委員、お願いいたします。まず掛江委員から。
○掛江委員 今の件について、少し追加で質問させていただきたいのですが、結局、4割の委員会というのは、厳しい要件だと満たさないという委員会というのは、そもそも論としてアクティビティが低いことが推察されると思うので、実際にどのくらいのプロトコルに影響が出てくるかということは、精査していただいたほうがいいのではないか。かつ、終了報告を待つだけとか、実質的なCRBの役割をある程度終えている所については、もちろんよそに引き継いでいただく方法、スムーズに引き継いでいただく必要がある場合は、その方法がもちろん必要ですし、場合によっては、終了まできちんとCRBとして見ていくべきことは見ていって、そこでCRB自体を解散していただくなど、もう少し何か細やかな方法があってもいいのかなと。全体に対して要件を下げ過ぎてというところの根拠が少し大雑把に感じてしまったので、そこはもう一度検討していただけないかなと感じました。以上です。
○楠岡部会長 それでは山口委員、その後、東大の渡部委員、お願いいたします。まず山口委員から。
○山口委員 今、共有していただいている開催件数に関するアンケート結果ですが、赤い部分が3回以下ということになっていて、そもそも最初に想定していたよりも倍の数のCRBが出来ているということと、そこの質の問題というようなことが、やはり今回問題になっているわけですので、例えば新規もそうですが、1件以上ということになると、そんなのでいいのかというように、ちょっとモチベーションが下がってしまうのではないかなと。ある程度、ここを目指さなくてはいけないというようなレベルにする必要があるのではないかと、やはり私は思います。それで半分が落ちてしまうということであれば、例えばちょっと猶予期間のようなことを、今すぐにそこに到達できないとしたら、まずは2年間ぐらいの猶予期間を置いて、頑張れる所は頑張れるような状況にするなど、そういったちょっと高い、高いとも思わないのですが、余りにも最低限にするというような置き方ということには、やはり疑問を覚えます。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。では、東大の渡部委員、お願いいたします。
○渡部委員 今の山口委員の御発言と全く同じ内容になってしまうのですが、CRBの認定期間が切れて、いきなりいろいろ移動しなければいけないという混乱を避けたいという思いは、すごくよく分かりました。ありがとうございます。しかし、このように毎年1件以上、開催回数4回以上と書いてしまうと、先ほどおっしゃったように、これでいいという誤解を生みやすいかと思いますので、やはり目標としてでも4件以上などを示してあげる。そして、まだ委員会として機能している間に、御検討いただくという猶予期間を設けるということ、緩やかに移行していくということを流すという工夫が必要なのではないかなと感じました。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。
○新谷委員 CRBの要件に関しては、かなり外型的なところのみになるので甘いのではないかという、2年、3年前の議論があったと記憶しております。そのときに、3年後にきちんとそれは機能しているか、していないかを確認して、取り消すときは取り消すということを厚労省からお聞きしていたと記憶しております。そのような経緯もありますので、ここにきて、なし崩しのように要件を甘くしてしまうのはいかがなものかなと考えます。当初、その当時の委員の清水先生が、各施設に必ずしも持たなければいけないものではないという御意見もされたと記憶しております。しかし、今、各施設が自施設のプロトコルを多く見ている傾向があるので、どこの施設も自分の所で持たなければいけないという考え方をされていると感じます。でも、もともと当初はそうではなくて、必ずしも自施設で持つというところを念頭に作られた仕組みではないと思いますので、当初の議論をもう一度見直していただいて、本当にどこを目指すべきなのかというところを立ち返って考えていただけないかと思います。以上です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございました。少し御説明をさせていただきます。今、新規の案件のデータを出してもらいます。掛江先生から、どれぐらいの研究を引き継がなければいけないのかのきめ細かな調査をということで、先ほど御説明をした資料で簡単に申し上げます。2019年と特に2020年を御覧ください。仮に4件はOKとしますと、例えば2019年で言いますと、33~69までの間に入っている、これは医療機関の数なのでそれぞれプロトコルが3、2、1となってきますが、そういった所のプロトコルがみんなよそへ行く。おっしゃるように、そのうち、恐らく試験が終わってくるもの、引き継がれるものがあるので、これが全てというわけではありませんが。2020年についても、同じように赤の線が付いている37~60幾つ辺りに入っているもののうち、かなりのものが、やはり見ていますとそんなに短く試験が終わるものも少ないので、こういったものが引継ぎの対象になる、非常に大雑把ですが、そういった状況と理解をしております。その上で、猶予期間について幾つか御意見を頂きました。一応、更新の考え方をある程度分かりやすく運用していくという観点で言いますと、やはり、更新の段階で駄目だった所はやめていただくということが制度的には明らかだろうと思います。そういった上で、いずれの条件についても、年度の途中で自分たちが次の更新を迎えられないと分かるCRBがありますので、まとめには書いてありませんが、そういう所は、円滑な引継ぎに向けて作業を進めるべきである、新規の案件は引き受けず、今お持ちの案件についても引き継ぐ方向で、3年間の中で終わればいいですし、終わらないようであれば引継ぎに向けて準備を頂く。ただ、最終年度にそういうことが判明することもありますので、そういう所について、確かにいきなりパッとその次の日からやめてということにはならないと思いますが、せいぜいそれでも引継ぎのためにごく限られた期間、最終的な活動をしていただくということになるのかと考えております。
それから、法制定時の議論についても御指摘を頂きました。そういう意味で言いますと、制定当時の予測、これまで一定の、3年ぐらいの期間の中で、私どももこれといった対策を打たないままこの時期を迎えてしまったことは、おわびをしないといけないと思っております。その上で、先生方に御指摘いただいているように、やはりCRBが自施設のものを見るのが当たり前になっているということも変えていかないといけないと思っております。ただ、その変え方としてどういう形があるのか。いろいろな事業の話もさせていただいておりますし、特に優良なCRBを考える上では、自施設のものを見ているような所を優良と呼ぶわけにはいきません。そういったことも踏まえて、少し時間を掛けながら対応していかないと、人がいて組織があってというものなので、方向性を示して、そこに向けて順序を追って進めていくというやり方をさせていただきたいと考えております。そういう意味で、先ほど御指摘のあったように、最終的に目指す姿が今一つ十分に書けていないところについては、もう少し書かないといけないと思いました。
今、御指摘を頂いている要件の中で、新規の案件を増やしてしまいますと、一気に今少ない所がごっそり抜けてしまうということはあるのですが、回数件数に関しては、もともと11回ということを考えたときに、先ほど御指摘を頂いた7回にすべきではないかというところについては、確かにそのようなことも考え得るのではないかと思っております。この場での議論になってしまい大変申し訳ありませんが、例えば、毎年の新規案件は1件以上、CRBの年度の開催としては7回以上、その上で、きちんと今後目指すべき方向がどの辺りにあるのかをもう少し書き込む形にしてはいかがかとも考えますが、いかがでしょうか。
○楠岡部会長 ただいま事務局から以上のような質問がありました。1つお伺いしたいのは、今回、7回とか新規1件とかを更新要件にした場合、それは今年度3年目を迎えて、来年3月31日に認定が終了するCRBにも適用するということですか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ではなくて、次からです。
○楠岡部会長 その次からということですね。まず、適用時期の話に関しては、今年度ではなくて来年度の話を前提に御検討いただきたいと。それで、先ほどの資料を出していただきたいのですが、まず回数に関しては、現在の基準でいきますと、11回以上ですので、右側のブルーの所のみが適合していることになります。施行時期がもう1年先ですので、その点に関しての配慮は必要ですが、1年目、2年目の所で既に11回を切っている、要するに10回以下の所、全体で言いますと4割ぐらいの所が、既に基準を満たしていないという状況になります。今年度においては、同一法人がもう1つCRBを作ることを許可しておりましたので、結果的に11回を切っていた所もそのまま別のCRBに引き継いだ形になったわけですが、今回、CRBは同一法人が2つ作れないという規定を加えることになりますと、11回以下というのが全部消滅するということで、この条件だけで、いきなり4割消滅してしまうということが危惧されるということになります。また、1年目、2年目は別々に回答いただいておりますので、orで出ていますが、条件としては11回以上がandになってきますので、4割を超える可能性も十分にあると。それの過渡的処置的なものとして、今は4回以上というものが出されているところですが、これに関しては、当初11回と言っていて、既にもう11回を切っている所はおかしいではないかという議論は当然ありますので、過渡的処置的なものを4回とし、これはあくまで最低限であって、11回を満たしていない所に関しては何らかの方策を加えるということは、1つ考え方としてはあるかと思います。これはあくまでも私の個人的な意見です。
次に、新規案件のほうを見ていただくと、これは今までになかった要件ですので、新たに加えることになるかと思います。これは、先ほど事務局から御説明がありましたように、中央値の所で切りますと、50%が消滅することになりますので、過渡的なことを考えますと、中央値よりは少し下げた所でないと無理であろうというところで、現在は1件というのが出ておりますが、やはり1件は緩過ぎるのではないかという御意見を頂いているところです。仮に2件ということにしますと、2019年では、今のデータでは大体53施設がクリアしていることになりますので、半分以上はクリアできているということです。2020年になりますと、2件というのをクリアしているのが65施設ぐらいですから、8割ぐらいの所がクリアしている条件です。
開催回数の話と新規案件について別々にアンケートを取っておりますので、これが全部andで重なってきたときにどうなるかはまだ分からないわけですが、来年度、今の基準のままでいく、あるいは新規の件数という新たな基準が加わったときに、どれぐらいのCRBがそれに引っ掛かるか、現状のイメージとしては今のようなものとお考えいただいていいのではないかと思います。
それから、当然のことながら、新規案件に関しては今までになかった条件ですので、まだ十分それに対した配慮をしていない所もあるかと思いますので、そこはじわじわと上げていくという議論もあるかもしれないと思います。
あと、各CRBが抱えている件数については、毎年1つの研究がCRBに初回掛かって、最終的に終了が出るまでを考えますと、今の研究期間は3年から4年ぐらいのものが多いのではないかと考えますと、大体新規におけるものの3倍ないし4倍をCRBが抱える。ただ、一旦、新規が始まった後は、いろいろな修正や変更、あるいは先ほどの議論にあるような不適合などの報告、疾病報告等を受けることになってきます。一番仕事量として多いのは新規の審査であると思われますし、それ以降のところは、大体新規の3~4倍ぐらいをこなしていくような状況になるのではないかと考えております。その辺りがこのデータから見えるところかと思います。その辺りを踏まえて、また御意見を頂きたいと思います。山口委員、どうぞ。
○山口委員 今、御説明いただいたことを踏まえて、まず新規ですが、やはり1ということにとても引っ掛かります。1件でいいということ。ですので、4が半分落ちるのであれば、せめて2か3ぐらいにしていただいて、まとめの中に段階的に上げていくという文言を必ず入れていただきたいと思います。
開催回数については、もともと11回以上となっていた目標が分かっていてこの数だということですので、来年度だということを考えますと、そこはきちんと満たさないといけないということを、やはり改めてCRBの方たちに自覚していただく必要があるのではないかと改めて思いました。以上です。
○藤原委員 全体で新規件数と開催件数を検討して、2割5分から3割の人を今回切るというのがいいかなと思っております。開催回数は、どう見ても11回と言われているのをずっと放置していたわけなので、2割5分から3割に落とすのであれば、7回で今回切ってしまうと。新規についても、今回の中央値を目指していただいて、さすがに4件では残ったCRBの負担が大きいので、1年に1件はおかしいので1件は自動的に落とすとして、その後、2割から3割になるためには、2件などで切ってもいいのでしたら2件でもいいかなと思います。ただ、次の更新時には、中央値で4件、5件とか、開催回数についても当然11件になるようにしてくださいというのを、今から言っておくのがいいのではないかと思いました。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はいかがですか。日本医師会の渡辺委員、お願いいたします。
○渡辺委員 私は山口委員の意見に賛成です。やはり、どうしても無理なら、このとりまとめの中に、段階的に上げていくということと、最終目的、目標値を付記していただいたほうがいいのではないかと思います。それで、藤原委員がおっしゃられたように、通知を条文にして段階的に上げていくのがよくて、一回書いておいたまましばらくそのままになってしまうというのを危惧しているわけですので、やはり段階的に上げていくことを明記していただいて、目標をいつも持っていただくということをきちんと対応していただくように書いていただければと思います。以上です。
○楠岡部会長 ありがとうございます。
○医政局研究開発振興課長 研究開発振興課長です。先生方、いろいろと御意見をありがとうございます。開催件数というかCRBの質のところは、先ほど室長も申し上げたとおりです、先生方のいろいろな御意見を踏まえて考えていきたいと思います。やはり質のところは、しっかりと腰を据えて内容に取り組んでいきたいと思います。内容は先ほど申し上げたとおりです。
また、回数については、当面、来年からやっていく回数と将来的に目指すべき水準を、しっかりと書き込んでいきたいと思います。その間に段階的に上げていくということも盛り込んでいきたいと思います。
細かい話ですが、新規件数は、0、1、2という世界ですと、年によるぶれも少しありますので、そこは少し勘案する必要があるかとは思います。少なくとも一定の水準を置いて、将来的な目標を置いて、段階的に上げるというところは、今日の御意見を踏まえて、しっかりと対応していきたいと思います。質のところはより重要ですので、事業として、優良CRBへの支援ということも含めてやっていきたいと思います。ありがとうございます。
○楠岡部会長 それではがんセンターの佐藤委員、お願いします。
○佐藤(暁)委員 数がないとクオリティが担保できないというのは確かにそのとおりで、1件では少ないと言うのもすごくよく分かる議論だとは思います。もう1つの観点として、CRB側としては、出されたものを審査して、自分たちが出せるわけではないので、基本的には特定臨床研究の数が増えてこないと審査件数も上がってこないと思います。今回はこれで見直して、その後特定臨床研究の数がどのぐらい増えるかと、将来的な目標値と、それを受けるためにどのぐらいのCRBが必要で、それにどのぐらいの目標するかは、藤原先生がおっしゃったように、2、3割位CRBが減ったぐらいでも将来的に対応できるという感じなのかという気もするのですが、その辺の将来的な特定臨床研究がどのぐらい増えるのかというのと、それをどのぐらいの数のCRBでカバーしていくのか?をディスカッションしていくべきなのかという、将来的な臨床研究のパイがどのぐらい増えるかのほうの観点も入れた上で、少しディスカッションを進めていただければと、CRBを担当している側からはそのように感じました。以上です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございました。今、御意見を頂戴したものを踏まえて、件数について新たな御提案と言いますか、これまでの御意見をまとめた形にしますと、新規については新しい条件だということもありつつ、1では心許ないということですので、年間2件を目安に、1件の年があってはいけないということはないと思いますので、3年間で6件を目標としつつ全体として6件、以前もあったように、その年によってばらつきがあるのも飲み込んだ上で、年に2件を目安という形にさせていただく。
それから、CRBの毎年の開催件数については、御指摘いただいたように7回以上ということでいかがかと思います。また、御指摘を頂いたように、きちんと最終的なあるべき姿を示した上で、段階的に上げていくことも明記しておく。あと、今御指摘を頂いたように、少なくともこれまでのところ、年間400件ぐらいで推移はしていますが、制度の改正によってまた数が増えることも期待されていきますので、見直しに際しては、当然そのときにある臨床研究の数なども勘案しながら、もしかするともっと更に高い目標を目指すべきということも出てくるかと思いますので、そこも含めて決めさせていただくということで、文言のほうは改めて修正をさせていただきたいと思いますが、いかがですか。
○楠岡部会長 ただいまの事務局からの提案に関して、御意見はありますか。新規は3年間で6件、最低年1件という形、開催回数は最低7回。これはいずれも暫定措置。今年度に更新を迎える所は、条件で緩和的に暫定的措置にし、来年度以降そこが決まる形。そして、それで固定するわけではなくて、それを少しずつ上げていくという形。これは、先ほど佐藤委員からも御指摘がありましたように、CRBが対応すべき臨床研究の数等も見ながら進めていくということです。当然のことながら、下のほうが切られれば全体としてはだんだん上のほうに上がっていくと思いますので、その中で余りドラスティックな影響を及ぼさないようなところに線を引いて、徐々に全体を上げていくという方式ということでよろしいでしょうか。山口委員、お願いします。
○山口委員 どこかで譲歩が必要かなと思いますので、今、言っていただいた、新規に関しては3年間で6件、ゼロは駄目ということ、それから、必ず段階的に上げていくのだということを明記した上で目標を示すということにしていただくことで、私は了解します。
○楠岡部会長 ありがとうございます。北大の佐藤委員、どうぞ。
○佐藤(典)委員 妥協案だと思いますが、その辺は山口委員がおっしゃったことでよろしいかと思います。少し細かい話で恐縮ですが、運用ですが、引継ぎが大変だからということの中で、先ほどから委員の方がおっしゃっている、もう終わりそうな研究については、今、扱っている委員会、解散になってしまうかもしれませんが、そこが見れないかどうかという辺りの運用は、もう法律上無理なのかどうなのかというところを確認したいと思います。
要するに、我々は臨床研究法に移行したときに、指針でやっていた研究についても有効期間は1年というのがあって、1年以内で終わる場合は旧指針でいいですが、それ以上続くものは法律を適用しなさいという形で、CRBは研究を実際にする人ですが。ですので、もしCRBが解散して回すのが大変だということであれば、まだまだ続く研究は致し方ないと思いますが、1年以内で終わるものについては、解散する委員会になったとしても、そこの事後処理はしても構わないというのが法律上できないのか。あるいは、通知、その他のことで許容できるということであれば、そこのところが、もし実行できるということであれば、幾つかのCRBが解散となっても、現場の混乱は少しでも回避できるかなと思ったので、その辺は運用上できるかどうかということを、今日でなくてもいいですが、教えていただければと思います。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 ありがとうございます。正式なところは、また確認の上お答えをしたいと思います。CRBもそれなりの経済活動がある1つの組織という形になりますので、収入などのめどがない中で継続することが可能なのかどうか。恐らく制度設計のときに、その辺りも含めて検討して今の形になっているかと思いますので、その辺りも含めて確認の上、またお答えをさせていただきたいと思います。
○楠岡部会長 藤原委員、お願いします。
○藤原委員 先ほど事務局に示していただいた案で仕方ないかと思いますが、3年後ぐらいの目標値は高めに設定していただきたいのと、さすがに1件だけをずっと続けるのは、コロナ禍で結構臨床試験も停滞しているところもありますが、それを考慮しても3年間で6件のところは厳しく見てほしいとは思います。
○楠岡部会長 ありがとうございます。ほかに御意見はありますか。1つは、CRBの今の数が適正かという御議論があったと思いますが、今回、要件を厳しくしたり、弱めたりというところがあり、それによって、新規のCRBがないとして、どれぐらいのCRBが残っていくかということは、ある程度カウントはできるかと思いますので、またその辺は事務局のほうでお願いしたいと思います。
あと、臨床研究の数については、先ほど佐藤委員から御指摘がありましたように、指針からの移行のときに大体800件ぐらいが移行したということで、結局、臨床研究法の適用になる研究というかが年間800件ぐらい走っていて、それが終了しつつ新たなものが入っていくと想定して、そのときにCRBとして最低これぐらいは要るだろうという議論はされているわけですが、現状、新規の数が当初想定した数よりも若干少なめの感じもあります。これは、臨床研究法になって研究がしにくくなったという話もあるので、その影響なのか、それとも、どんどん研究の内容が絞られていって、本当に必要な研究というのは少し語弊がありますが、そういうような研究に絞られていて、やはり経済的にかなりお金が掛かることがあるので、かつてのように何でもかんでもという話ではなく、かなりターゲットを絞った形になった結果として、数が今の形になっているのか。その辺りはまだ要因は分かりませんが、そういうものも含めて臨床研究としての新規の数を想定した中で、必要なCRB数というのもまた出していく必要はあるかと思いますので、この辺も検討を進めていく必要はあるかと思います。これも事務局のほうで、もし何か調査等があるようであれば、そこも含めてシュミレーションしていただければと思います。
ほかに御意見はありますか。よろしいですか。それでは、CRBの更新に関しては、ただいまのような形で、改めて文書を修正したものをお示しさせていただきます。では、最初の基本的な考え方等も含めて、全体を通じて御意見がありましたらお願いしたいと思いますが、いかがですか。日本医師会の渡辺委員、お願いします。
○渡辺委員 渡辺でございます。全体を通してというわけではないのですが、この度の中間とりまとめに際して、事務局の方も具体的なデータを出していただいたことに関しては感謝しておりますが、やはり、系統的な情報でないように思うのです。今あるものを出してこられたという感じで、このように議論をする場合に、実態の把握、例えば臨床研究法の経時的な推移、特定臨床研究の推移とか、観察研究となるまでどの程度の期間が存在するかとか。それから、不適合事例に対しての事例では、そういうことを事務局がどの程度把握をされていたかというような実態を示された上で、議論をするべきと思います。何となくこういうことがあるのでいかがですかというような議論に入ったような気がしますので、恐らく、数年後にもう一度見直しとか検討をするものがあるのだと思いますが、今のうちから、どういう情報を経時的に追跡して、どれまで情報を提示して、議論に入るかということを、計画的に考えていただいたほうがいいのではないかと思いますので、今後の検討をよろしくお願いいたします。以上です。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 大変大事な御指摘をありがとうございました。御指摘のように、急にアンケートをしてお示しするようなことが続いておりました。これから計画をして定常的に経過的なデータを御覧いただきながら、議論が次回以降できるように調査なども整備してまいりたいと思います。ありがとうございました。
○楠岡部会長 ほかに御意見はありますか。よろしいですか。全体を通しての御意見も頂いたということで、本日のとりまとめに関する議論はここで終了とさせていただきます。事務局におかれましては、今回、頂きました御意見を整理していただき、先ほどのCRBの所も含めて修正の内容をお示しいただき、最終的には部会長預かりで決定させていただきたいと思いますので、御了承をお願いしたいと思います。後日、まとめたものを委員の皆様と共有するとともに、最終的には厚生労働省のホームページに中間とりまとめとして発表されるかと思います。
続きまして、議題2はその他ですが、事務局から何かありますか。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 今回は特にありません。次回の開催については改めて御連絡いたします。事務局からは以上です。
○楠岡部会長 それでは、本日はこれで閉会とさせていただきます。非常に活発な御議論を頂きありがとうございました。
○医政局研究開発振興課治験推進室長 本日はどうもありがとうございました。

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