外務省・新着情報

令和4年5月11日
正面を向き、握手を交わす、岸田総理大臣とマリン首相の様子 握手を交わす両首脳(写真提供:内閣広報室)
日・フィンランド首脳会談(全体会合)の様子 日・フィンランド首脳会談(写真提供:内閣広報室)
共同記者発表を行う、岸田総理大臣とマリン首相の様子 共同記者発表(写真提供:内閣広報室)

 5月11日、午後6時5分から約65分間、岸田文雄内閣総理大臣は、訪日中のサンナ・マリン・フィンランド共和国首相(H.E. Ms. Sanna Marin, Prime Minister of the Republic of Finland)と日・フィンランド首脳会談を行い、ワーキングホリデー協定署名式及び共同記者発表の後、午後7時35分から約60分間、ワーキングディナーを行ったところ、概要は以下のとおりです。

1 冒頭

 岸田総理大臣から、欧州の安全保障環境が激変し、フィンランド議会でNATO加盟が審議される中にあって、マリン首相の訪日を心から歓迎する旨述べるとともに、戦略的パートナーとしての日本とフィンランドの関係を更に強化したい旨述べました。これに対し、マリン首相から、お招きいただき大変光栄に思う、価値を共有し、ルールに基づく秩序を支持する両国の関係を一層強化していきたい旨発言がありました。

2 ウクライナ情勢、インド太平洋

 両首脳は、ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす行為であり、歴史の岐路に立つ今ほど普遍的価値を共有する国々の結束が求められる時はないとの認識で一致しました。その上で、両首脳は、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であり、力による一方的な現状変更は世界のどこであれ許されないとの認識を共有し、日・フィンランド両国が「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携していくことを確認しました。
 岸田総理大臣から、日本がEUをはじめ同盟国・同志国と協調し、前例のない強力な対露制裁措置を行っていることやウクライナ支援を行っていること、また、アジア諸国へのアウトリーチに積極的に取り組んでいることを説明し、マリン首相から岸田総理大臣及び日本の取組を高く評価するとの反応がありました。

3 二国間関係

  • (1)マリン首相から、二国間関係は素晴らしい状態にあり、5G/6Gなどデジタル化や先端技術等の分野における連携を一層促進していきたい旨述べました。岸田総理大臣から、二国間経済関係は、日EU・EPAの発効後、先端技術や再生可能エネルギー等の分野で近年発展しているとした上で、科学技術分野における連携も強化していきたい旨述べるとともに、EUによる日本産食品への輸入規制の早期撤廃に向けたフィンランドの協力を求めました。
  • (2)両首脳は、今般、日・フィンランド・ワーキング・ホリデー協定の署名が行われたことを歓迎するとともに、両国間の幅広い交流を一層拡大していくことで一致しました。
  • (3)両首脳は、安保理改革を含む国連での協力を進展させることで一致し、マリン首相から、日本の常任理事国入りへの支持が表明されました。核軍縮・不拡散分野については、岸田総理から、「核兵器のない世界」に向けた取組の重要性を説明し、両首脳は、8月の核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議で意義ある成果を出すべく協力していくことで一致しました。
  • (4)両首脳は、気候変動についても意見交換を行い、再生可能エネルギー分野における両国企業間の連携を中心に、気候変動対策における協力を強化していくことを確認しました。
  • (5)両首脳は、女性活躍についても意見交換を行いました。

4 地域情勢

  • (1)両首脳は、東シナ海及び南シナ海における力を背景とする一方的な現状変更の試みに加え、急速かつ不透明な形での軍事力の強化及び地域における軍事活動の活発化への強い懸念を共有し、一方的な現状変更の試みや経済的威圧に対し一致して毅然として対応していくことを確認しました。また、一連の弾道ミサイル発射を始めとする核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、引き続き連携していくことを確認しました。
  • (2)岸田総理大臣から、フィンランドが伝統的な対露外交を見直し、NATO加盟に向けた議論も進めていることに理解を示しつつ、日本も対露政策を大きく転換すると共に、自国の防衛力及び日米同盟の強化に努めている旨述べました。これに対し、マリン首相から、NATO加盟を巡るフィンランド国内の動きにつき説明がありました。

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