法務省・新着情報

令和4年5月10日(火)

法務大臣閣議後記者会見の概要

 今朝の閣議において、法務省案件として、主意書に対する答弁書が1件ありました。
 続いて、私から3件報告があります。
 1件目は、ウクライナ避難民の方々に対する支援についてです。
 ウクライナ避難民の方々が日本の企業等から支援の申出があった支援物資やサービスの提供を受けることができるようにするため、専用のマッチングサイトを5月9日に開設しました。企業等の支援物資やサービスを日本での生活に役立てていただけるよう取り組んでまいります。
 また、地方出入国在留管理局において、自治体やウクライナ避難民の方々からの相談等に対応するウクライナ避難民受入支援担当を4月28日に配置しました。自治体との情報共有を進め、地域に居住している避難民の方々にしっかりと寄り添う支援に努めてまいります。
 なお、マッチングサイト及びウクライナ避難民受入支援担当の案内については、本日、避難民の方々に資料を送付し、併せて事務連絡を通じて全国の自治体に情報共有いたします。
 2件目は、父母の離婚に伴う子どもの養育の問題についてです。
 養育費不払いの解消は喫緊の課題であり、法務省では、令和3年度、五つの地方自治体と連携した調査研究事業を実施し、本年4月にその結果を公表しました。
 調査研究で取り組んだ各施策について、利用者から肯定的な評価をいただいた一方、ひとり親にとって身近な存在である地方自治体を起点とした支援の取組を進めるに当たり、法律家への更なるアクセス向上の重要性が明らかになりました。
 法務省では、厚生労働省とともに構成する「不払い養育費の確保のための支援に関するタスクフォース」において、養育費の確保に向けた取組を進めているところであり、この度、厚生労働省との連名で、日本弁護士連合会に対し、地方自治体における取組への弁護士の更なる協力を依頼する通知を発出しました。
 弁護士の方々からも一層の協力を得て、養育費の不払いに困っている方々が、より広く法的支援を受けることができる体制が広がっていくことを期待しています。
 3件目は、特定技能制度・技能実習制度に係る勉強会の実施についてです。
 4月28日、「特定技能制度・技能実習制度に係る勉強会」を行い、都丸潤子教授からお話を伺いました。
 都丸教授は、日本国際文化学会の会長であり、国境を越えた人の移動が社会に与える影響等について高い見識をお持ちの方です。
 勉強会では、御専門である国際移動論や国際文化論の観点から、技能実習制度の現状、現状の改善のための方策案、多文化社会・日本の未来のために必要なことなどについて貴重なお話を伺い、大変有意義な意見交換ができたと考えています。
 次回は、タレントのパトリック・ハーラン氏から御意見を伺う予定です。

国際刑事裁判所(ICC)への協力に関する質疑について

【記者】
 ロシアによるウクライナ侵略に関して、政府はICCによる捜査に協力する方針を示していますが、検察官の派遣等を含めた現在の取組状況を教えてください。

【大臣】
 御存じのとおり、我が国は、戦争犯罪が行われたと考えられることを理由に、ウクライナの事態を国際刑事裁判所(ICC)に付託しました。
 国際刑事裁判所(ICC)の検察官は既に捜査を開始しており、捜査の進展を期待しています。
 ICCの活動への支援については、法務省職員による現状及びニーズ等の把握を踏まえ、日本政府として何ができるかあらゆる選択肢を検討しているところです。

野党による「難民等保護法案」及び「入管法改正案」の提出に関する質疑について

【記者】
 野党が本日、議員立法で「難民等保護法案」と「入管法改正案」を提出しますが、これに対する受け止めと、改めて昨年廃案になった政府の入管法改正案の再提出へのお考えをお聞かせください。

【大臣】
 議員立法に係る法律案については、法務大臣として所感を述べることは差し控えたいと思います。
 これまでも繰り返し申し上げてきたとおり、現行の入管法の下で生じている送還忌避・長期収容問題は、早期に解決すべき喫緊の課題であると考えています。
 他方で、人道上の危機に直面している真に庇護すべき者を確実に保護する制度の整備もまた、重要な課題の一つだと考えています。
 入管制度全体を適正に機能させ、保護すべき者を確実に保護しつつ、ルールに違反した者には厳正に対処できる制度とするためには、こうした現行入管法下の課題を一体的に解決する法整備を行うことが必要不可欠です。
 法務省としては、必要な法改正を早期に実現できるように、着実に検討を進めたいと考えています。
 検討中の法案の内容、あるいは時期等について、具体的なことを今の時点でお話しすることは困難です。

ウクライナ避難民への支援に関する質疑について

【記者】
 マッチングサイトについて、このタイミングで開設できた、これまでどういう準備をして開設できたかということと、どのように活用してほしいかについて、御所見をお願いします。

【大臣】
 支援物資及びサービスについては、入管庁の支援申出窓口に各企業等から情報提供のあった様々なものを登録しているものです。
 ウクライナ避難民の方々に対しては、マッチングサイトにアクセスするためのIDとパスワードを発行し、サイトにアクセスして日本での生活に役立つ情報を得ていただく仕組みを始めたということです。

(以上)

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