外務省・新着情報

令和4年4月29日
正面を向き握手を交わす、林外務大臣とトレウベルディ副首相兼外務大臣の様子
 日・カザフスタン外相会談の様子
署名した日・カザフスタン外務省間協力文書を持ち、記念撮影に応じる、林外務大臣とトレウベルディ副首相兼外務大臣の様子

 現地時間4月29日午前10時45分(日本時間同日午後1時45分)からカザフスタン共和国を訪問中の林芳正外務大臣は、約60分間、ムフタル・トレウベルディ・カザフスタン副首相兼外務大臣(H.E. Mr. Mukhtar TLEUBERDI, Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Kazakhstan)との会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

  1. 冒頭、トレウベルディ副首相兼外相から、カザフスタンが進めている国内経済改革の取組について説明し、日本との間で経済分野を始め、幅広い分野で協力を強化したいと述べました。これに対し、林大臣から、日本とカザフスタンとの外交関係樹立30周年の節目にあたる本年、日本の外務大臣として12年ぶりにカザフスタンを訪問できたことをうれしく思う、カザフスタンは法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を維持する上での戦略的パートナーであり引き続き緊密に連携したいと述べました。また、林大臣から、経済、経済協力、環境分野の協力進展への期待を表明するとともに、昨年がセミパラチンスク核実験場の閉鎖30周年であったことを踏まえ、カザフスタンの独立直後に始まった核関連分野における医療協力が両国関係の発展に大きく貢献したことを指摘し、双方は、核軍縮・不拡散分野で引き続き連携していくことを確認しました。
  2. 林大臣から、アフガニスタン情勢について、女子・少数派を含む全てのアフガニスタン人の人権の尊重や包摂的な政治体制の構築等の実現に向けてカザフスタンと連携していきたい旨述べました。また、カザフスタンによるアフガニスタン人留学生の受入れやアフガニスタンへの食糧輸出などの建設的な取組を高く評価する旨述べました。これに対し、トレウベルディ副首相兼外相から、日本によるアフガニスタン支援を高く評価する旨述べ、双方はアフガニスタンを含む地域の安定化に向けて協力していくことを確認しました。
  3. さらに、林大臣は、今般のロシアによるウクライナ侵略は、明白な国際法違反であり、これを強く非難するとともに、これは国際秩序の根幹を揺るがす深刻な事態である旨指摘し、国際社会が足並みを揃えて対処していく必要がある旨強調しました。トレウベルディ副首相兼外相からは、国連憲章の基本原則に依拠して行動し、問題の平和的解決に向けてカザフスタンが外交的努力を払う用意があるとの立場につき言及があるとともに、首脳、外相レベルでのカザフスタンとウクライナ、ロシアとの間の最近のやり取りにつき説明がありました。双方は、ウクライナやアフガニスタンを含む国際問題に関し、引き続き様々なレベルで緊密に連携していくことを確認しました。
  4. 双方は、東アジア情勢についても議論しました。双方は、先月24日のICBM級弾道ミサイル発射を始めとする核・ミサイル問題や拉致問題を含む北朝鮮への対応において引き続き連携していくことを確認しました。トレウベルディ副首相兼外相から、引き続き国際場裡でも協力していきたいと述べました。
  5. 会談終了後、双方は日・カザフスタン外務省間協力文書に署名しました。

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