現下の物価の高騰による国民生活及び国民経済への悪影響を緩和するために講ずべき国民負担の軽減等に関する措置に関する法律案

議案審議経過情報

（注）下記の表で内容がない箇所は、現時点で情報が未定のもの、もしくは情報がないことが確定したものです。

要項または提出時法律案

一　趣旨（第１条関係）
　　この法律は、現下の石油製品の価格その他の物価の高騰が国民生活及び国民経済に悪影響を及ぼしていることに鑑み、その悪影響を緩和するために政府が講ずべき国民負担の軽減等に関する措置について定めるものとすること。
二　石油製品に関する措置
　１　揮発油税等の税率の特例の廃止等（第２条関係）
　　(1)　現下の揮発油及び軽油の価格の高騰による国民生活及び国民経済への悪影響を緩和するため、揮発油税及び地方揮発油税並びに軽油引取税の税率の特例（当分の間税率）を廃止するものとし、政府は、このために必要な法制上の措置を速やかに講ずるものとすること。
　　(2)　政府は、(1)の措置を講ずるに当たっては、地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことのないようにするものとすること。
　　(3)　(1)のほか、現下の揮発油、灯油、軽油、重油その他の石油製品の価格の高騰による国民生活及び国民経済への悪影響を緩和するため、その購入に要する費用に係る負担の軽減に資する措置を一層拡充するものとし、政府は、このために必要な措置を速やかに講ずるものとすること。
　２　石油製品に対する課税の在り方の見直し（第３条関係）
　　　政府は、国民負担の軽減を図る観点から、石油製品に対する課税の在り方について抜本的な見直しを行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
三　消費税に関する措置
　１　消費税の軽減税率の特例（第４条関係）
　　(1)　現下の物価の高騰による国民生活及び国民経済への悪影響を緩和するため、消費税（地方消費税を含む。以下同じ。）の軽減税率を段階的に100分の３に引き下げる特例を設けるものとし、政府は、このために必要な法制上の措置を速やかに講ずるものとすること。
　　(2)　(1)の悪影響の程度その他の経済社会情勢を勘案して必要があると認められるときは、(1)にかかわらず、消費税の軽減税率が適用されるものについて消費税を課さないこととする特例を設けるものとし、政府は、このために必要な法制上の措置を講ずるものとすること。
　　(3)　政府は、(1)又は(2)の措置を講ずるに当たっては、地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことのないようにするものとすること。
　２　消費税率の特例（第５条関係）
　　(1)　１(1)の悪影響が緩和された後においては、景気回復に資するため、当分の間、消費税率（地方消費税率を含む。以下同じ。）について軽減税率を含めて100分の５と一律にする特例を設けるものとし、政府は、このために必要な法制上の措置を講ずるものとすること。
　　(2)　政府は、(1)の措置を講ずるに当たっては、地方公共団体の財政に悪影響を及ぼすことのないようにするものとすること。
　３　特例に係る期間の終了後における消費税率（第６条関係）
　　　２(1)の特例に係る期間の終了後における消費税については、軽減税率制度を廃止した上で税率を100分の８とするものとし、政府は、このために必要な法制上の措置を講ずるものとすること。
四　社会保険料及び法人税に関する措置
　１　低所得者の社会保険料の特例（第７条関係）
　　　現下の物価の高騰による悪影響を受けている低所得者世帯の負担の軽減を図るため、当分の間、低所得者の負担すべき社会保険料を大幅に減額し、又は免除する特例を設けるものとし、政府は、このために必要な措置を講ずるものとすること。
　２　中小企業者の法人税率及び社会保険料の特例（第８条関係）
　　　現下の物価の高騰による悪影響を受けている中小企業者の経営の安定に資するため、当分の間、中小企業者の法人税率を所得の金額にかかわらず100分の15とする特例を設けるとともに、中小企業者の負担すべき社会保険料を大幅に減額し、又は免除する特例を設けるものとし、政府は、このために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとすること。
五　国民生活及び国民経済への悪影響を緩和するためのその他の措置
　１　原子力による発電による電力量の確保（第９条関係）
　　　現下の経済社会情勢により燃料の調達が困難となることが見込まれることに鑑み、電気の安定供給を確保するため、発電用原子炉の設置又は変更の許可等に係る特例措置の創設、原子力規制委員会による手続の迅速化、発電用原子炉に係る定期事業者検査の間隔の拡大等により、原子力による発電による電力量を確保するものとし、政府は、このために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとすること。
　２　電気及びガスの料金の設定に関する措置（第10条関係）
　　　現下の燃料及び原料の価格の上昇に伴う電気及びガスの料金の急激な高騰を抑制するため、みなし小売電気事業者による電気の供給及び旧一般ガスみなしガス小売事業者によるガスの供給に係る料金の設定の在り方を見直すものとし、政府は、このために必要な措置を講ずるものとすること。
　３　物流に係る費用の上昇を抑制するための措置（第11条関係）
　　　現下の物流に係る費用の上昇を抑制するため、物資等を輸送する場合の有料道路に係る料金の減額、航空機燃料税及び着陸料等の更なる減免等を行うものとし、政府は、このために必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとすること。
　４　麦の売渡価格の引下げ（第12条関係）
　　　現下の輸入に係る麦の価格の高騰に対処するため、令和４年４月から同年９月までの期間において主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律第42条第２項の規定により売り渡す麦の価格を引き下げるものとし、政府は、このために必要な措置を講ずるものとすること。
　５　施設園芸及び茶業を営む農業者の経営に及ぼす悪影響を緩和するための措置（第13条関係）
　　　現下の燃油の価格の高騰に対処するため、当該価格の高騰が施設園芸及び茶業を営む農業者の経営に及ぼす悪影響を緩和する事業による支援の要件を緩和するものとし、政府は、このために必要な措置を講ずるものとすること。
　６　漁業者及び畜産業を営む者の経営に及ぼす悪影響を緩和するための措置（第14条関係）
　　(1)　現下の燃油及び養殖業に係る配合飼料の価格の高騰に対処するため、当該価格の高騰が漁業者の経営に及ぼす悪影響を緩和する事業に係る基金に追加して出資するものとし、政府は、このために必要な措置を講ずるものとすること。
　　(2)　現下の畜産業に係る配合飼料の価格の高騰に対処するため、当該価格の異常な高騰が畜産業を営む者の経営に及ぼす悪影響を緩和する事業に係る基金に追加して出資するものとし、政府は、このために必要な措置を講ずるものとすること。
六　施行期日（附則関係）
　　この法律は、公布の日から施行すること。