日・スイス首脳会談

1. 冒頭

• （1）岸田総理大臣から、カシス大統領の訪日を歓迎するとともに、ロシアの侵略が欧州のみならずアジアを含む国際社会の秩序の根幹を揺るがす中、今ほど国際社会の結束が求められている時はなく、普遍的価値を共有する重要なパートナーであるスイスと緊密に連携して対応していきたい旨述べました。
• （2）これに対して、カシス大統領兼外務大臣は、今回の訪日ではスイスと日本の経済分野・科学技術分野の協力強化を重要課題としていること、ウクライナでの戦争については、厳しい対露制裁を継続しつつウクライナを最大限支援していくことを強調しました。

1. 国際情勢

• （1）両首脳は、ロシアの侵略により多くのウクライナ市民が犠牲になっていることについて、ロシアの責任を厳しく問われなければならないこと、一刻も早くロシアが国際社会の声に耳を傾け、侵略を止めるよう、強力な対露制裁措置を続けていくことで一致しました。
• （2）岸田総理大臣から、ルールに基づく国際秩序が大きな挑戦に晒されている現下の情勢において「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて同志国間で連携を促進することは、より一層重要であり、スイスとの連携強化を期待する旨述べました。両首脳は、北朝鮮情勢についても意見交換を行い、弾道ミサイル発射や拉致問題を含む北朝鮮への対応において、日・スイス間で引き続き連携していくことを確認しました。

3　二国間関係

• （1）両首脳は、昨年の日・スイス租税条約改正議定書の署名や在大阪スイス領事館の開設を歓迎しつつ、2024年の国交樹立160周年に向けて両国の友好関係を一層発展させていくことで一致しました。
• （2）岸田総理大臣から、2025年の大阪・関西万博も契機として、両国間の幅広い交流を一層拡大させたい旨述べました。また、スイスがEUによる日本産食品への輸入規制措置を適用していることを踏まえ、規制撤廃に向け協力を求めました。