厚労省・新着情報

日時

令和3年8月25日(水) 18:00~20:00

場所

WEB会議(厚生労働省 専用第21会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第67回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第16回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
 委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。
 まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
 御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
 会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
 続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事食品衛生審議会の規定により本日の会議は成立したことを御報告します。
 なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
 なお、宮川委員からは遅れての参加、永井委員よりは御欠席する旨の御連絡をいただいております。
 申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。
 本日の座長につきましては、森尾副反応検討部会長にお願いしたいと思います。
 それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○森尾座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして、報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
 本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については、事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
 本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社及びアストラゼネカ株式会社より50万円を超える受取はございませんでした。宮川委員が武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取があるため、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
 なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告いただいておりますので、この場で御報告いたします。石井委員、宮川委員は、第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取がございました。
 引き続き、各委員におかれましては講演料等の受取について通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1~1-6-2、資料2、参考資料1~6になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、議題1「新型コロナウイルスの接種及び副反応疑い報告の状況等」について、まずは資料1-1-1~1-5-1について、事務局から説明をお願いいたします。
○事務局 まず、資料1-1、1-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
 資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
 まず、今回の集計対象期間ですが、令和3年8月8日報告分までとなっております。前回御議論いただきましたが、本日から集計対象期間の締め日を前々週の日曜日と設定しております。
 2ページ目をご覧ください。表の一番下の部分、合計の2021年8月8日の行をご覧ください。表の左半分がコミナティ、右半分がモデルナとなっております。
 まず、コミナティです。8月8日までの推定接種回数は9065万1661回接種、高齢者の内訳につきましては、表の下の注釈が並んでいる部分の3つ目の※の部分に記載しております。副反応疑いの報告件数は2万492件、報告頻度としましては0.02%で前回と同一の値となっております。うち重篤の報告件数は3,689件、報告頻度としましては0.00という表記とおりますが0.0041%となっておりまして、前回の報告時の0.0044%からほぼ同一の値となっております。死亡事例につきましては759件となっておりますが、製造販売業者からの報告事例も含めて、資料1-3-1にてまとめて御説明いたします。
 続いてモデルナでございます。8月8日までの推定接種回数が1226万1354回、副反応疑いの報告件数が1564件、報告頻度としましては0.01%で、前回の0.03%から若干の低下となっております。うち重篤の報告件数が178件、死亡事例につきましては10件と表記しておりますが、後ほど資料1-3-2で御説明いたします。
 なお、こちらの帳票ですが、接種が進みかなり縦長になってまいりましたので、次回以降は直近分を除きまして、4週間を1つに折りたたんでお示ししようと考えております。
 続いて5ページ目、マル4、副反応疑い報告の報告基準別報告件数をご覧ください。報告基準に定められました症状を集計した表となります。8月3日から報告基準にTTSが追加されておりますので、今回からはアナフィラキシー疑いとTTSの疑い事例の件数を集計しております。いずれの症状もこの後の資料でブライトン分類評価の結果をお示しいたしますが、ここでの件数というのはあくまでも疑いがあるものとして報告されたものを集計したものとなります。
 まず、アナフィラキシーですが、コミナティは2月17日以降、モデルナにつきましては5月22日以降を集計しておりまして、8月8日までに医療機関からコミナティは2,011件、モデルナで160件のアナフィラキシー疑いの事例がございました。
 続いて、TTSでございますが、こちらは両ワクチンとも8月3日以降を集計しておりまして、コミナティで6件の報告がございました。
 以降は性別、年齢別、症状別等の集計となります。
 少し飛んでいただきまして、33ページをご覧ください。ロット別の集計でございます。表の一番右の部分ですが、こちらの帳票におきましては報告基準の症状の件数もお示ししておりますが、本日から一番右端の部分にTTSの件数も追加させていただいております。
 なお、ロット別の集計でございますが、これまでの本部会の議論におきましても死亡やアナフィラキシーについてロット間で報告数に差があるのではないかという議論があったところでございます。ロット間で差が生じる要因としましては、ここでの推定接種数は、ほかの集計とは異なりまして、実接種数ではなくて納入数量に基づくものであるため、直近になればなるほど実際の接種数との乖離が生じることが考えられることや、あるいはロット別に接種時期が異なりますので、被接種者の母集団が異なることも考えられます。
 また、併せまして接種開始当初などは医師の注目度の違いがありますので、報告頻度も影響を受けること、さらには統計的にも一定のばらつきが生じ得ることも考えられますので、現時点でロット間に明らかな違いが認められる状況ではないと考えてございます。
 続きまして、資料1-2-1「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。こちらも集計対象期間は8月8日報告分までとなっております。
 2ページ目のマル1、週別報告件数の表の一番下の部分でございます。
 まず、コミナティですが、報告件数につきまして、こちらは重篤なものを集計してございますが1万490件、報告頻度としましては0.01%で前回と同一の値となっております。死亡事例は889件としておりますが、後ほど資料1-3-1にて説明したいと思います。
 続きまして、右半分のモデルナでございますが、副反応疑い報告につきまして459件報告されております。死亡事例は7件報告されておりますが、こちらも資料1-3-2で改めて御説明したいと思います。
 3ページ目をご覧ください。アナフィラキシー疑い事例の報告件数からでございますが、コミナティで2,211件、モデルナで125件報告されております。
 続きまして、TTSの疑い事例の報告件数でございますが、コミナティで2件報告されてございます。ブライトン分類の評価後の件数は後ほど御説明したいと思います。
 続きまして、資料1-3―1「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」をご覧ください。コミナティの死亡事例について御報告いたします。
 1ページ目の「1.報告状況」の部分でございます。前回の合同部会以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告におきまして、医療機関、または製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに82件あり、接種開始以降8月8日までに報告された死亡事例は計991件となってございます。なお、こちらの数字ですが重複事例、あるいは取り下げされた事例は除いた数字となっております。
 2つ目の○に進みまして、なお、上記に加えまして集計対象期間外となりますが、8月9日から8月20日までに医療機関、または製造販売業者から報告された事例が86件あるという状況でございます。
 「2.専門家の評価」の部分でございます。991事例を対象にワクチンと死亡との因果関係につきまして専門家の評価を実施しておりまして、βが5件、γが986件となってございます。
 以降のページでは死亡事例のラインリストと死因別の集計結果をおつけしております。
 続きまして、資料1-3-2「モデルナ筋注のワクチン接種後の死亡として報告された事例」をご覧いただければと思います。
 1ページ目の「1.報告状況」でございまして、前回の合同部会以降、医療機関、または製造販売業者から報告された事例が新たに4件ございまして、接種開始以降8月8日までに報告された事例は計11件となってございます。8月9日から8月20日までに医療機関、または製造販売業者から死亡として報告された事例が5件ありました。
 「2.専門家の評価」の部分でございまして、11事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、結果はいずれもγとなってございます。
 続きまして、資料1-4-1「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして製造販売業者から報告された事例の概要」でございます。
 1ページ目の「1.報告状況」でございます。前回の合同部会以降、コミナティ筋注の副反応疑い報告におきまして、製造販売業者からアナフィラキシー疑い事例として報告されたものが新たに219件ございまして、8月8日までに報告された疑い事例は2,211件となってございます。
 「2.専門家の評価」でございます。この2,211事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、結果は表のとおりとなっております。
 2ページ目の一番上の(参考1)と記載した部分をご覧いただければと思います。ブライトン分類レベル1~3の報告件数は405件、100万回当たりで換算しますと4件となってございます。
 続きまして、資料1-4-2「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとしまして報告された事例の概要(モデルナ筋注)」をご覧いただければと思います。モデルナにつきましても、今回から製造販売業者からの報告内容に基づきまして、ブライトン分類の評価を実施してございます。
 1ページ目の「1.報告状況」でございます。モデルナ筋注の副反応疑い報告におきまして、5月22日から8月8日までに報告された事例が125件ございました。
 「2.専門家の評価」のところですが、125例を対象にしまして評価を実施しておりまして、ブライトン分類1~3に該当するものは9件となっております。
 また、2ページ目の一番上の部分でございますが、ブライトン分類1~3の報告件数については、100万回当たりでは1件となってございます。
 続きまして、資料1-5-1「新型コロナワクチン接種後の血小板減少症を伴う血栓症・血栓塞栓症疑いとして製造販売業者から報告された事例の概要(コミナティ筋注)」をご覧いただければと思います。先ほど資料1-1-1の中でも御説明させていただきましたが、TTSが報告基準に追加されたことを踏まえまして、今回から追加した資料となっております。今回の集計対象期間中にモデルナにおきましてTTS疑い事例の報告はございませんでしたので、今回はコミナティのみの資料となっております。
 続いて、集計に使ったデータを御説明させていただきます。製造販売業者からの報告データとしております。医療機関からの報告もございますが、mRNAワクチンにおきまして、現在具体的なTTSの懸念があるという状況ではございませんでしたので、アナフィラキシー疑い事例同様、より情報量が集まりやすい製造販売業者からの報告を用いてございます。
 なお、今回まだ資料はございませんでしたが、アストラゼネカ社のワクチンにつきましてはTTSが重大な副反応と位置づけられておりますので、そちらの事例につきましては速報性に優れる医療機関からの報告でモニタリングすることを考えております。
 それでは、1ページ目の「1.報告状況」の部分となります。令和3年8月3日から8月8日までに副反応疑い報告におきまして、製造販売業者からTTS疑い事例として報告されたものが2件ございました。※の部分でございますが、同一症例におきまして新型コロナワクチン接種後に血栓関連事象及び血小板減少関連事象が見られた事例として報告されたものを集計したものでございますので、ブライトン分類評価やワクチンと症状との因果関係について評価を経て集計した件数ではございませんので、ここでの2件というものは、ワクチンとの因果関係がないような事例や、あるいはTTSとしての症例に合致しない事例の件数も含んだ数字となっております。
 「2.専門家の評価」の部分でございますが、この2事例を対象にしまして専門家の評価を実施しておりまして、ブライトン分類1~3に該当するものが1件、レベル4に該当するものが1件ございました。また、いずれの因果関係評価の結果もγでございます。
 因果関係評価につきまして1点補足がございます。ブライトン分類評価を実施するに当たりまして、必要な情報を収集する目的で多屋委員にも御協力いただきまして、TTSの調査票というものを作成しております。8月16日以降に報告されるものにつきましては、この調査票も報告するようにお願いしております。今回の2事例につきましては調査票作成前に報告された事例でございましたが、今後の事例につきましては調査票の情報も収集されますので、専門家の評価に必要な情報というものも増えると考えております。
 また、調査票に併せまして、本日参考資料6という形でブライトン分類の和訳もおつけしておりますので、適宜御参照いただければと思います。
 2ページ目以降は参考情報でございまして、まず(参考1)でございますが、因果関係評価の結果を接種回数別に分けたものでございます。
 3ページ目の(参考2)でございますが、こちらはブライトン分類1~3に該当するものの頻度を掲載したものになります。
 (参考3)がブライトン分類1~3に該当するものを性別・年齢別で集計したもの。
 (参考4)にはブライトン分類レベルの定義というものを記載しております。
 4ページ目以降にはラインリストをおつけしております。
 資料1-1-1から1-5-1までの説明は以上となります。
○森尾座長 ありがとうございました。
 引き続いて、資料1-6-1から1-6-2について、事務局のほうから説明をお願いいたします。
○事務局 資料1-6-1「副反応疑い報告の状況について」を御説明申し上げます。
 まず、2ページ目をご覧ください。こちらは新型コロナワクチンにおける副反応疑い報告の概要ということで、資料1-1-1~1-4に該当するところをまとめさせていただいておりまして、上段の青囲みのところにファイザー社ワクチンに関連したもの、下段のオレンジ色のところにモデルナ社ワクチンについてまとめたものを掲載しておりますのでご覧いただければと思います。
 続きまして、3ページ目をご覧ください。こちらは新型コロナワクチンにおいて死亡として報告された事例の概要ということで、同様にまとめさせていただいております。ファイザー社ワクチンにおきましては、前回の審議会時点までに828件の報告があったところ、今回の審議会時点までに991件の報告がございました。症状の概要に記載された死因等につきましては、前回と上位3つにつきましては同様でございまして、心不全94件、虚血性心疾患87件、肺炎77件等でございました。
 また、武田/モデルナ社ワクチンにおきましては、前回の審議会時点におきまして6件であったところ、今回11件の報告がございました。
 また、モデルナ社ワクチンにおきましては、件数はまだ限られておりますけれども、症状の概要に記載された死因等は出血性脳卒中2件等でございました。死因等につきましては、後ほどスライドで順次御説明してまいりたいと思います。
 続きまして、4ページ目をご覧ください。こちらはファイザー社ワクチンにおいて死亡として報告された991事例について、報告書に記載のあった死因と関連する可能性のある症状名等を計上してまとめたスライドでございます。今回も死亡として報告された事例数の1%を超えた10例以上の死因等について記載しており、10例以上であっても具体的な疾患を想起できない心肺停止や心臓死等はその他に記載しております。また、死因を想起できるいずれの病名をも読み取ることが難しいものについては不明として分類させていただいております。
 また、前回同様注釈にも記載させていただいておりますが、こちらに列挙した症状名等はワクチンとの因果関係が示されたものではなく、例えばアナフィラキシーや心筋炎関連事象が原因で死亡したことを意味するものではないことに御留意いただければと思います。
 上位の疾患につきましては、心不全、虚血性心疾患、肺炎等と前回と変わりなく、全体の傾向も大きな変化はないと考えております。
 また、65歳未満の症例については前回の49例から69例となっておりまして、前回から比較をいたしますと、前回、バックグラウンドデータを用いて検討させていただいた虚血性心疾患及び出血性脳卒中でそれぞれ2例、また、心不全2例、不明6例などに追加計上しております。
 今回、多屋先生、森尾先生と御相談させていただきまして、特にTTSが副反応報告基準に位置づけられたことから、血栓症の主要な死亡原因である虚血性脳卒中及び静脈血栓症としてグルーピングされている肺塞栓症につきまして検討を行っておりますので、後ほどのスライドにて御説明を申し上げます。
 続きまして、5ページ目をご覧ください。こちらは先ほどのページと同様、モデルナ社ワクチンにおいて死亡として報告された11事例について、報告書に記載のあった死因と関連する可能性のある症状名等をまとめたスライドでございます。
 モデルナ社ワクチンにつきましては、職域接種とファイザー社と大きく異なる属性の方々に接種されていることに留意が必要ではありますが、65歳以上で3例、65歳未満で8例の報告があり、出血性脳卒中2例等としてまとめさせていただいております。モデルナ社ワクチンの死因等につきましても、引き続きその報告状況を注視しつつ、系統的に症状名等を計上していけるように情報整理し、御議論いただけるようにしていきたいと考えております。
 続きまして、6ページ目をご覧ください。こちらはファイザー社ワクチンの死亡として報告された事例の経時的変化をお示ししたものでございます。100万人接種当たりですと19.6件、100万回接種当たりですと10.9件であり、総接種回数当たりですと漸減傾向が続いているという状況でございます。
 7ページ目でございますけれども、こちらはファイザー社ワクチンにおける海外の死亡例に関する最新の報告状況ということで、参考として引き続きお載せさせていただいている次第でございます。
 8ページ目をご覧ください。こちらはモデルナ社ワクチンの死亡として報告された事例の経時的変化でございますけれども、100万人接種、あるいは100万回接種当たりでそれぞれ1.2件、0.9件といった状況で、大きな変化はないと考えております。
 9ページ目でございますけれども、こちらはモデルナ社ワクチンの海外の死亡例に関する最新の報告状況ということで、参考資料として掲載させていただいております。
 続きまして、10ページ目をご覧ください。こちらはファイザー社ワクチンにおきまして日本のアナフィラキシーに係る医療機関からの報告状況ということで、以前より経時的変化を載せさせていただいておりますけれども、直近の値としましては100万回接種当たりの報告件数として22件ということで、引き続き緩やかな漸減傾向が続いております。
 11ページ目におきましては、製造販売業者からのアナフィラキシー疑いとして報告された件数及びブライトン分類に基づき専門家によるアナフィラキシーとして評価された件数を載せておりますけれども、それぞれ100万回接種当たりの報告件数で言いますと24件と4件となっておりまして、引き続きこちらも緩やかな漸減傾向が続いております。
 12ページ目でございますけれども、こちらはファイザー社ワクチンの海外のアナフィラキシーに係る最新の報告状況ということで若干のアップデートをしてございます。
 13ページ目でございますけれども、こちらはモデルナ社ワクチンの日本のアナフィラキシーに係る医療機関からの報告状況ということで、前回同様傾向を載せさせていただいております。推定接種回数のところにおきまして、今回職域接種が行われている中、その反映が行われております関係で接種回数が伸びてきているところでございまして、100万回接種当たりの報告件数にいたしますと、現在13件といった状況でございます。
 また、今回から14ページ目におきまして、モデルナ社ワクチンにおきましてもブライトン分類に基づく専門家評価を製造販売業者からの報告を用いて行うようにしておりますので、今回からこちらで経時的な変化を集計してまいりたいと考えております。
 15ページ目はモデルナ社ワクチンにおける海外のアナフィラキシーに係る最新の報告状況について参考資料としてお載せさせていただいております。
 16ページ目、17ページ目をご覧ください。こちらはそれぞれファイザー社ワクチン及びモデルナ社ワクチンにおいての国内の新型コロナワクチン接種後における心筋炎関連事象疑いとして報告されたものについておまとめしております。前回までは1ページに両社のワクチンを記載させていただいておりましたけれども、今回よりモデルナ社ワクチンの報告も少しずつ集積されておりますため、別のスライドとして準備させていただきました。両社のワクチンいずれにおきましても、それぞれ40歳未満の男性において特に症例の報告がございますので、引き続きこちらの症例につきまして注視していく必要があると考えております。
 18ページ目でございますけれども、こちらは参考資料として以前より載せさせていただいております非ワクチン接種者の令和元年度における心筋炎関連事象の発生者についてということで、参考資料としてお載せさせていただいております。
 19ページ目、20ページ目におきまして、こちらは国内外のファイザー社及びモデルナ社ワクチンの接種後における心筋炎関連事象の国内の経時的変化及び海外の最新の報告状況ということで記載させていただいております。こちらは全年齢においての報告をまとめておりますけれども、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチン、いずれにおきましても海外と比較して少なくとも多い値であるということではないと考えられるかと思います。
 続きまして、20ページ目でございます。こちらは海外における新型コロナワクチンの接種後の心筋炎関連事象ということで、海外当局の状況をアップデートしておりますけれども、この3週間におきまして心筋炎関連事象に関しての海外当局のステートメントに大きな変更はなく、引き続き若年者においての注視が必要であるが、12歳以上の年齢の人に対してワクチンの接種を推奨するといったような論調が続いている状況でございます。
 続きまして、22ページ目をご覧ください。こちらは新型コロナワクチンに係る副反応疑い報告としてアナフィラキシー、あるいは心筋炎、あるいは死亡事例以外の注目すべき疾患についての取組ということで載せさせていただいているスライドでございます。
 23ページ目におきまして、下段のところにも載せさせていただいておりますけれども、現地におきましても国外においても、引き続きmRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患はございませんけれども、国内における報告数や報告の頻度、あるいは疾患の重篤性等も考慮し、今回は血栓症の主要な死亡原因である肺塞栓症及び虚血性脳卒中に関して丁寧に検討することとしております。
 24ページ目をご覧ください。こちらは日本における年齢別死亡数の統計ということで、人口動態統計より令和元年1年間の肺塞栓症及び脳梗塞の年齢別の死亡者数をお示ししております。下段の注釈のところに記載がございますけれども、非接種群における虚血性脳卒中による死亡の発生率の概算に当たりましては、人口動態統計で参照が可能かつ虚血性脳卒中の代表疾患である脳梗塞を参照としております。
 また、今回も前回の審議会までの時点での集計時点での評価を行っておりますけれども、死因等として虚血性脳卒中としてグルーピングして計上しております疾患の内訳としましては脳梗塞、脳幹梗塞、小脳梗塞、出血性脳梗塞及び大脳動脈塞栓症をグルーピングしておりますので、対象疾患として脳梗塞というレファレンスは適当であると考えられます。
 続きまして、25ページ目をご覧ください。こちらは前回の7月25日までの副反応疑い報告及び推定接種回数に基づきましたファイザー社ワクチンの虚血性脳卒中による死亡数についての評価のスライドとなります。四角囲みの上段のところでございますけれども、こちらがワクチン接種群の虚血性脳卒中による死亡の報告の発生率ということで、観察期間を30日として算出した場合に、概算としまして0.01件/100万人・日、下の四角囲みのところにおきまして、一般人口での脳梗塞による死亡の発生率ということで先ほどの人口統計をもちましてレファレンスデータとさせていただきますと、0.69件/100万人・日という状況となっております。
 また、26ページ目でございますけれども、こちらは65歳未満の症例につきまして、虚血性脳卒中による死亡数についての比較のスライドということになります。こちらも推定接種回数を65歳未満のものを概算させていただきまして、それぞれ評価しておりますけれども、上段、ワクチン接種群の虚血性脳卒中による死亡の報告の発生率は概算で、30日の観察期間としまして0.005件/100万人・日、一般人口の15歳から64歳、こちらは前回委員の先生からも御指摘いただきましたとおり、ワクチンの接種群となるべく年齢をそろえる形でお載せさせていただいておりますけれども、そちらで脳梗塞による死亡率の発生ということで比較させていただきました。そういたしますと、概算で0.030件/100万・日でという状況となっております。
 続きまして、27ページ目をご覧ください。こちらは肺塞栓による死亡数ということで、同様にファイザー社ワクチンにおいて前回の審議会時点までにおいての副反応疑い報告及び推定接種回数より概算したものでございますけれども、上段、ワクチン接種群の肺塞栓による死亡の報告の発生率は、概算で30日間の観察期間として算出しますと、0.004件/100万人・日、下段、一般人口での肺塞栓による死亡の発生率ということで、概算させていただきますと、0.034件/100万人・日という状況でございました。
 また、28ページ目におきましては、同様に65歳未満ということで比較させていただいておりますけれども、ワクチン接種群の肺塞栓による死亡の報告の発生率として、30日間の観察期間とした場合に、0.03件/100万人・日、一般人口、15歳から64歳での肺塞栓による死亡の発生率ということで概算いたしますと、0.009件/100万人・日という状況で、それぞれ比較のスライドを御準備させていただきました。
 29ページ目におきましては、前回の審議会時点までにおきましての65歳未満の推定接種回数の概算について、ファイザー社ワクチンについての概算方法をお載せしておりますので、御参照いただければと考えております。
 30ページ目におきましては、こちらも以前の審議会での資料となりますけれども、新型コロナワクチン接種と接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点の考え方ということで参考資料として載せさせていただいております。
 続きまして、31ページ目でございますけれども、こちらからがTTSに関連したスライドとなります。まず31ページ目でございますけれども、こちらは7月30日のアストラゼネカ社ワクチンが承認されました審議会の資料の改編版となりますけれども、TTSの症状の概要ということで、局長通知の別表として御紹介させていただいたものでございます。TTSを副反応疑い報告基準の症状に規定するに当たって、通知の別表として症状の概要を示すことにより、報告医の先生が本症状に係る代表的な臨床所見の有無や代表的な検査の結果の記入をいただく一助としていただくことによって、報告内容が審議会における検討に資するものとなるようお願いしております。
 32ページ目でございますけれども、こちらも先ほど御紹介がありましたけれども、多屋先生方に御協力いただきまして、TTSの調査票を設計させていただきまして、こちらもTTSについては新たに新型コロナウイルス感染症に対する予防接種の副反応疑い報告基準に位置づけられ、評価に当たっては当該症例に係る症状の概要等を詳細に把握する必要があることから、通常の報告の様式に加えて、こちらの調査票を作成し報告することで、評価に資するものとしていければと考えており、既に周知しております。
 続きまして、33ページ目をご覧ください。こちらは副反応疑い報告、特にTTSの報告が今後、情報収集・集計が必要になってくるということで準備させていただいたスライドでございます。まず、上段の四角囲みをご覧ください。こちらは前提となりますけれども、前回の審議会におきまして、副反応疑い報告のいわゆるデータロック日につきましては、もともと審議会開催週の前週の日曜までとしておりましたけれども、接種開始から約半年が経過し、国内外での安全性の知見が集積し、ある程度副反応の傾向も見えてきた状況でございます。一方で、総接種数及びワクチンの種類が増え、委員の先生方に資料を事前に確認いただく時間の確保も必要となっている状況でございます。
 こうしたことを踏まえまして、前回の審議会におきまして、資料の集計期間の締め切りに当たりましては、もともとの前週の日曜から前々週の日曜日に変更し、先生方に資料を事前に確認する期間を確保するということで整理させていただきました。
 こうした状況の中、新たに副反応疑い報告時に定められましたTTSに関しては、アストラゼネカ社のワクチンとともに、現時点で因果関係が明らかでないmRNAワクチンについても、その発生動向が注視されており、迅速な情報公開も求められている状況でございます。
 また一方で、TTSは報告医の先生にとりましては稀な疾患でございまして、的確な情報収集が必要であり、記入の要領別表や、先ほど御紹介したTTSの調査票の様式を示し、報告を求めている状況でございますけれども、実際には結果としてTTSの診断に該当しない報告や情報収集の不十分な報告など様々な報告がなされることも予想されます。報告のあった各症例について専門家評価、あるいは情報整理を行った上で適切に情報公開を行っていくことが必要と考えられましたため、下段にまとめた御提案をさせていただきたいと思っております。
 まず、アストラゼネカ社ワクチンのTTSにつきましては、運用開始当初であることから、医療機関報告と製造販売業者報告の両者を集計するとともに、特に迅速性のある医療機関報告に基づいた専門家によるブライトン分類評価を行う。一方、因果関係が現時点で明らかとなっていないmRNAワクチンのTTSについては、両者を集計いたしますけれども、詳細な情報が得られる製造販売業者報告に基づき、専門家によるブライトン分類評価を行う。
 また、データロックに関しましては、アストラゼネカについては当面できるだけ早期の情報公開を図るため、死亡及びTTS疑いの報告については、データロック後7日までの報告については専門家評価をする。さらに8日から12日後までの報告については報告件数を公表することとしてはどうか。
 一方で、TTSの発症頻度につきましては、専門家の評価を行った上での件数を評価し、専門家評価前の報告については報告件数のみを記載することによって適切に情報公開していくこととしてはどうかということで、御提案させていただきたいと考えております。
 以上の内容を34ページ目に図示しておまとめさせていただいておりますのでご覧いただければと考えております。
 35ページ目からがまとめのスライドとなります。
 まず「死亡例の報告状況及び因果関係に関する考え方についてのまとめ」でございます。今回、ファイザー社ワクチンにおきましては、接種開始から991件の報告がございました。また、ワクチン間において被接種者の属性等に大きく差があることに留意が必要でございますけれども、モデルナ社ワクチンについては11件の報告がございました。
 報告された症状等は心不全、虚血性心疾患、肺炎等でございます。
 死亡例については報告内容を透明性をもって公表するため、個人情報につながる情報を除き可能な限り公表するとともに、引き続き併せて専門家による評価も公表しております。
 専門家による評価ではファイザー社ワクチン911件のうち986件がγ、5件がβ、また、モデルナ社ワクチンにつきましては11件ともγとされております。
 こうした状況を踏まえまして、現時点においては個々の死亡事例についてmRNAワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認めず、mRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患もございませんけれども、引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価していくことによって、接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていく。
 それとともに死亡事例の報告に関しては、被接種者の属性の変化や海外の報告状況も鑑みて、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで御審議いただきたいと考えております。
 また、36ページ目におきましては「新型コロナワクチンのアナフィラキシーに関する報告状況についてのまとめ」として載せさせていただいております。
 製造販売業者からファイザー社ワクチンのアナフィラキシー疑いとして報告されたものは接種開始から2,211件あり、うちブライトン分類に基づく評価によって405件がアナフィラキシーとして評価されております。
 また、ワクチン間において被接種者の属性等に大きく差があることに留意は必要でございますけれども、モデルナ社ワクチンにおきましては125件、また、ブライトン分類評価後9件となっております。
 アナフィラキシー疑いとして報告された例についても引き続き透明性をもって公表していくとともに正確な評価も必要であり、引き続きブライトン分類による評価を行っていく。
 海外との比較においては、被接種対象者の違い等から単純な比較は難しい状況でございますけれども、引き続きアナフィラキシーが一定の頻度で生ずることを前提としてその転帰を確認し、アナフィラキシー疑いとして報告され転帰が確認されたほとんどの例で軽快したことが確認できております。
 こうした状況踏まえまして、アナフィラキシーとして報告された事例に関し、現時点においては引き続きワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、両ワクチンの被接種者の属性等の差に引き続き留意しつつ、ワクチン接種を継続していくこととしてはどうか。
 また、37ページにおきましては心筋炎についてまとめておりますけれども、国内の心筋炎関連疑いの報告事例においては、因果関係が疑われている若年男性に係る事例では、引き続きほとんどの事例で軽快、または回復が確認されております。
 こちらは資料1-6-2にも記載がございますので、各事例におきましては御確認いただければと考えております。
 また、報告頻度につきましては前回審議会時点以降も大きな変化はございませんでしたため、現時点において心筋炎関連事象についてもワクチン接種体制に直ちに影響を与える重大な懸念は認められず、国内の接種状況及びその疑い報告状況及び海外の報告状況も注視しつつ、引き続き最新の情報の周知と注意喚起を行っていき、全体として各副反応疑い報告の情報を収集しつつ、ワクチン接種体制に影響を与える重大な危険は認められず、引き続き国内外の情報を収集しつつ、ワクチンの接種を継続していくこととしてよいかということで御議論いただきたいと考えております。
 また、参考資料の43ページ目、細かい部分で恐縮でございますが、こちらは前回の審議会の資料でございますけれども、死亡として報告された事例の心不全のところの79例のうち(3例)、45歳未満の症例につきましては、前回8例と記載しておりましたけれども、正しくは3例でございましたので訂正させていただきたいと考えております。
 資料1-6-1及び資料1-6-2につきましての説明は以上となります。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 ただいま事務局から、これまでの副反応疑い報告の状況について説明していただきました。特に今回のモデルナ社ワクチン接種後のデータが大分増えておりまして、まとまって提示をしていただいております。また、今回からTTSへのデータという形でも提示をしていただいているという状況でございます。
 事務局のほうから論点が示されておりますので、それに従って進めたいと思います。
 まずは死亡事例についての審議でございます。事務局から2つ論点として挙げていただきました。
 現時点においては個々の死亡事例について、mRNAワクチンとの因果関係があると結論づけることができた事例は認めていない。mRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患もない状況であります。しかし、引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていくことが重要ではないかというのが1点目でございます。
 2点目が、死亡例の報告に関しましては被接種者の属性の変化や海外の報告状況も鑑みて、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念が認められないとしてよいかということでございます。
 今回、虚血性脳梗塞による死亡と肺塞栓による死亡についても解析したデータも頂戴しております。
 今挙げた2点につきまして、皆様はどう考えられますか。御意見・御質問をいただければと思いますが、いかがでしょうか。
 山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
 特に問題はなく、この結論でいいと思うのですが。ただ、死亡の報告例が1,000に届くぐらいになったときに、その数字が独り歩きしないという意味でも、この論点のところを十分に分かりやすく説明する必要が改めてあるかなと思いました。
 一つは個別の事例に関して丁寧に評価をしていっているということですが、その丁寧にというのはどういうことなのかということは、改めて説明したほうがいいような気がするのと、もう一つはmRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患もないというところも、いわゆる一般集団における発生率から見ても、一桁違うのが多いわけですが、非常に低いという意味で、ある意味偶然の症例の可能性が高いのだという意味で書かれている気がするのですが、そういうことを改めて説明をきちんとしたほうがいいのではないかと思いました。
 以上です。
○森尾座長 山縣委員、重要な点の御指摘をどうもありがとうございました。
 丁寧にということ、実際にどのように個々の症例について評価をしているか、恐らくこれはここの委員の皆様にもこの症例をご覧いただき、また、専門家による評価もしっかりしているということで、様々な観点から検討しているということだと一つは理解しております。あと、統計的に、というところを折に触れてよく説明をさせていただいて、一般集団における発生率と比較して、特に一つ一つの症例というか疾患について何回か前から特に取り出して解析をしておりますけれども、そこら辺も強調してということも一つかと思います。
 事務局のほうから何かありますでしょうか。
○事務局 丁寧な評価の部分に関しまして、資料1-3-1、1-3-2という形で常に死亡事例をお示しさせていただいております。1ポツの中で必ず報告件数をお示ししておりまして、2のほうで専門家の評価というものをお示しさせていただいておりますので、必ず単体の死亡事例だけではなくて因果関係評価がどうなっているのか、あるいはコメントというものもお示ししております。また、1回評価したら終わりというわけではなくて、医療機関から評価いただいたものにつきましては、原則製造販売業者にも情報提供して情報を収集いただいて、新たな情報が得られましたら、またそれも踏まえまして評価しております。
 こういった形で因果関係の評価を行っておりまして、委員の先生方にも御議論いただきまして公表してございます。
○森尾座長 事務局、ありがとうございました。
 事務局、お願いします。
○事務局 山縣先生、御指摘ありがとうございます。該当するスライドで様々な疾患に対して順次森尾先生や多屋先生にも御指導いただきながら評価しておりますので、そうしたところが伝わるように最後のまとめの文言等も工夫して、取組が進んでいるといったところを御理解いただけるようなスライドにしていきたいと考えております。
○森尾座長 ありがとうございます。
 宮川委員、お願いいたします。
○宮川委員 言葉の使い方なのだろうと思います。山縣委員が懸念されている丁寧という言葉は、反対語を使えば乱暴という言葉になります。これは詳細になるのではないでしょうか。いろいろな角度から、詳細に検討したというような言い方が好ましいのではないでしょうか。何か概念的な言葉を使っているのではないかということで、山縣委員が御懸念されたのではないかなと思うので、やはり言葉を少し選んでいくことが必要なのかなと思いました。
 以上でございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ちょっと文学的な感じということですかね。ここら辺はどういう検討をしているか、箇条書きか何かでお示しできるような機会もあればいいのかなという気もいたします。どうもありがとうございました。
 それでは、柿崎委員、濱田委員の順番でお願いします。
○柿崎委員 モデルナ社のワクチンの接種も大分数が増えたと思うのですけれども、100万人、あるいは100万回接種当たりの死亡者数ですが、ファイザー社、あるいはモデルナ社の海外との報告と比べると大分少ないのですけれども、属性が違うのはよく分かるのですが、バックグラウンドをそろえた比較みたいな解析はできないのでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 御指摘のとおりでございまして、モデルナ社ワクチンにおきましては職域接種と65歳未満の方にも多く接種が行われておりますことから、今回の分子数の報告につきましても65歳未満のほうからが多かったりするというところがあるかと承知しております。
 また、モデルナ社ワクチンの被接種者の情報につきましては、特に職域接種に関して現在進行形で集積されつつある状況であることから、年齢別の正確な推計というのがちょっと難しい状況であるのですけれども、現時点で概算可能なものといたしまして、職域接種について仮にファイザー社ワクチンのほうで行っております医療従事者等と同等程度、すなわち9割程度の方が65歳未満という仮定を置かせていただきまして概算した結果、モデルナ社ワクチンにおける65歳未満の報告頻度につきましても、ファイザー社ワクチンと比べて大きな差はないことを確認しております。引き続き被接種情報を含め情報収集を行って適切に評価に資する資料づくりを続けてまいりたいと考えております。
○柿崎委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございました。
 それでは、濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 今回のこの論点のところは、私もこれでいいと思うのですけれども、先ほど山縣委員も言われたように、亡くなる方の数が1,000人になってきました。はっきりとした因果関係がないというのは分かるところなのですが、結局991件のうち986件は情報不足等により因果関係が評価できないγということになるわけなのです。では、情報をちゃんと入手できるような手だてを取っていかなければいけないのかなと思うのですけれども、その辺は事務局として何かお考えの点があれば、教えていただければと思っております。いかがでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。
 大きな課題でございますが、事務局はいかがでしょう。事務局、お願いします。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 先ほど資料1-3-1の中でも御説明させていただきましたが、報告されたものにつきましては、製造販売業者とも協力しまして引き続き情報の収集に努めたいと思っております。もう一つ、TTSに関連しまして先ほど調査票を発出したというお話をさせていただきましたので、こういったものも加えまして必要な情報を収集していきたいと考えております。
○森尾座長 濱田委員、よろしいでしょうか。
○濱田委員 重大な懸念がされるような事例、例えば接種後1週間以内ぐらいに亡くなってしまったとか、1週間と言わず2、3日でもいいと思うのですけれども、ある程度重大な懸念が考えられるものについては追加情報を拾っていってもいいのではないかと思っております。今までもそういった議論はあったと思うのですけれども、その辺は今の段階では考えていらっしゃらないということですね。
○事務局 御指摘ありがとうございます。
 事例によりまして、もちろん収集すべき情報というものは変わってくると思いますし、濱田委員に御指摘いただきましたように、特に注意が必要な事例というものもございます。こういったものにつきましては我々としましても製造販売業者にもこういったものが必要ではないかという観点も踏まえて相談の上、情報を収集していきたいと思います。
○濱田委員 分かりました。どうもありがとうございます。
○森尾座長 貴重な御指摘をありがとうございました。
 長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 先ほど来御指摘があるように、情報不足によって否定できるかどうかも分からないというような状況は、問題がどんどん積み重なっていくような気がしまして、どこまで調べたけれども、否定できる情報がなかったのかというようなことが分かるのも一つ、今後救済などを考えたときも重要な情報になろうかなと思うのですけれども、例えば剖検を行って詳細に調べたけれども、否定できる情報はなかったということとか、そういった一歩踏み込んだ情報があるといいかなと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 我々もそういった情報は必要だと考えておりまして、資料1-3-1の中の死亡事例のラインリストというものをお示ししておりまして、そちらの中では死因等、あるいは判断に至りました検査、こういったものを記載させていただいておりまして、解剖が行われた事例につきましては、報告書から読み取れましたら必ずこちらのほうに解剖と記載させていただいております。
○事務局 追加で、先ほど被害救済の件のお話がありましたけれども、今回の部会は被害救済の議論とは全く別でして、被害救済の場合については、個別により詳細に因果関係の評価をやるということになるかと思うのですが、一応この部会は全体のモニタリングということを主眼に置いておりますので、そこは目的が異なるということだけ御理解いただきたいなと思っております。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 先ほどの丁寧にという言葉は、もしかしたら宿題なのかもしれません。今までずっとその言葉を使ってまいりましたので、どのくらいまで深く検討しているかということをお伝えできるような機会があればという形で受けとめさせていただきました。事務局のほうも何かありましたらお考えいただけたらと思います。
 続きまして、アナフィラキシー報告についてでございます。事務局のほうから以下のことを論点として挙げていただきました。新型コロナウイルスワクチンのアナフィラキシー疑いとして報告された事例に関して、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、両ワクチンの被接種者の属性等の差に留意しつつ、引き続きワクチン接種を継続することとしていくということでございます。
 この点について、何か御意見がありましたら承りたいと思いますがいかがでしょうか。
 伊藤清美委員、どうぞ。
○伊藤(清)委員 先ほどの死亡のほうも同じだったのですけれども、例えば資料1-6-1の13ページのところにモデルナでは職域接種の接種実績が反映されるまでに時間を要する場合があるという記載があるのですけれども、これは接種回数のことなのでしょうか。接種回数当たりの報告数に時間的なラグがある可能性があるという意味なのでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 御指摘のとおりでございまして、職域接種のほうで現在かなり接種が進んでおりますため、例えば7月25日から8月8日のところでございますけれども、かなり接種回数が伸びている、ここの部分を指しておりまして、職域接種はどうしても接種実績の反映に少しだけラグがございますので、副反応疑い報告は例えば医療機関に受診していただいた先生から報告がありましたら、もちろん一定のタイムラグはございますけれども、分子情報として上がってくるところ、分母数の反映が職域接種の場合は若干遅れておりますという案内でございます。
○伊藤(清)委員 回数が実態よりも少ないかもしれないということですか。副反応としてのアナフィラキシーの報告の割合が少ないかもしれないという両方なのでしょうか。
○事務局 分子数・分母数、両者とも時間的ラグは生じるものでございますけれども、職域接種に関しては、より分母数、接種回数にラグが生じやすいと想定される状況である、ということでございます。
○伊藤(清)委員 分かりました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 倉根委員、お願いいたします。
○倉根委員 データを見てみますと、最近アナフィラキシーとしての報告数、ブライトン分類1~3でも徐々に減ってきている。もちろん年の当初と今では少し接種される側の属性といいますか、違うのでしょうが、やはり報告パターンというか、以前だと報告していたものでも、やはりだんだん報告しなくなるとか、やはり以前は、アナフィラキシーとしての報告が、実際のアナフィラキシーでないものでも大分報告していたということになるのでしょうか。一方、ブライトン分類1~3ということを考えても5分の1ぐらいになっているということを考えるとどんな理由なのでしょうか。何か報告パターンというか、あるいは報告する側の意識の変化は、ここに反映されているのでしょうか。
○森尾座長 なかなか解析が難しい。
 事務局、お願いします。
○事務局 なかなか確定的なことは申し上げられませんが、アナフィラキシーの報告頻度が減少しているというのは、これまでもこの会議におきまして、いろいろ議論があったかなと思っております。要因としましては幾つか考えられまして、例えば当初は高齢者よりも医療従事者の接種が中心だったということ、あるいは2回目接種のほうがどんどん増えていった、こういったようなことも考えられるというのもあると思いますし、あるいはこの制度は自発報告という制度でございますので、一般に特に注目度が高いような接種開始当初というのは丁寧にモニタリングされますので、副反応の報告件数が高めに報告される傾向がございますので、確かに御指摘のような傾向もあるかなと考えております。
○倉根委員 確かに報告する側の報告に対する態度といいますか、報告する側の意識の変化というのもあるのかなと思いつつも、ブライトン分類1~3でも変化が出てきているということは、アナフィラキシーでないものを報告していたと考えてもちょっと話が合わないのかなと思います。きちんとした解釈は難しいのかなと思いますけれども、これについても、また今後、どのようにこの数が変化していくかというのも注目して見ていくべきかなと思いました。ありがとうございます。
○森尾座長 御指摘、どうもありがとうございました。
 それでは、舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 アナフィラキシーについてのまとめはこれで結構だと思うのですけれども、資料1-1-1の属性でも年齢層ではなくて性差の男女比の部分です。1-1は医療機関報告、1-2-1のほうは企業側の報告になっていると思いますが、特に企業側の報告になると、モデルナの場合は男女比がほぼ1対1みたいな状態だと思うのです。こちらはこれから差が出てくるのか、女性のほうが多いということは知られていますけれども、もともとここの属性としては、今後、伊藤澄信委員から報告される自衛隊のように、男女比の部分の分母は今、モデルナのほうはどういう状態なのでしょうか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 実際にファイザー社ワクチンにおきましては、虚血性脳卒中、肺塞栓、前回は虚血性心疾患等の評価のスライドでお示ししていたとおり、年代別・性別に関する被接種者情報が集積されてきているところですが、先ほど伊藤委員のほうからも御指摘があった点でございますが、モデルナ社ワクチンについては職域接種の接種スピードに対して、接種実績の反映が若干遅れると推定される状況でございますので、現時点で評価するのであれば、ファイザー社ワクチンのほうが評価はしやすい状況であり、モデルナ社ワクチンについてはもう少し被接種者の属性情報を集積してから評価を行っていくことが望ましいのではないかと考えております。
○舟越委員 分かりました。もう少しして属性が反映されてきたら、ここら辺の部分の評価が、真の値として近づいて評価できるということでよろしいのですね。
○事務局 御指摘のとおりだと思います。
○舟越委員 分かりました。
○森尾座長 ありがとうございます。引き続いて検討、データのほうをよろしくお願いいたします。
 ほかにアナフィラキシーの件でいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、心筋炎・心膜炎に移りたいと思います。心筋炎関連事象として報告された事例につきまして事務局から論点として挙げられた点は、現時点において、ワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められず、国内の発生状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続きウェブサイトの更新等により、最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくとしてはどうかということでございます。
 これにつきまして御意見・コメントがありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 心筋炎についてもこのまとめでよろしいかと思うのですが、1点、現場で勤めている身として質問なのですが、もともとこちらはほとんどの症例で軽快、または回復が確認されているということですが、SNSやメディアの中で大半は回復することだけれども、無症候性も多いため、接種後1週間など、運動を控えたほうがよいなどのような情報が結構流れております。この1週間という部分とかは、そもそもそういった提言とかステートメントは出ていないと思うのですけれども、国内外で規制当局を含めてどういったステートメント等、学会から出ているかということが、何か事務局のほうで把握されていますでしょうか。
○森尾座長 ありがとうございます。シンガポールが1週間というのを出していると思うのですが、事務局、お願いします。
○事務局 今、座長のほうからもお話がございましたとおり、我々としてもシンガポールのほうで1週間安静にするというようなステートメントが出ておるのは承知しているところでございまして、同様のステートメントが米国や欧州等の当局から出ていないかというのは確認しておりますが、現時点においてはそうしたステートメントは出ていないという状況を確認済みでございます。
○舟越委員 基本的には根拠というものに関しては、まだ現時点では乏しいという形の解釈でよろしいですよね。
○事務局 御指摘のとおりでございまして、以前岸参考人に登壇いただきましたときもお話がございましたけれども、心筋炎が発症した場合につきましては、安静にするというのが一つの治療の一環と考えられますけれども、現時点において確認している限り、安静にすることによって心筋炎の発症を予防するといったようなエビデンスが確認できておりませんので、現実にはそのような整理になっていると理解しております。
○舟越委員 発症の場合と予防の部分というところで、今、分けてお話をされたのでよく理解ができました。ありがとうございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。
 石井委員、お願いいたします。
○石井委員 今のところの説明はそれでいいと思うのですが、だから何をしてもいいのだよということを発信してもいいのかなと思います。本学であったことなのですけれども、職域接種で学生が接種する、夏休み期間中でそれなりに運動したいといった場合に、本当にそれでいいのかという議論がございました。やはり激しい運動は控えようと、あと、医療施設の無いような場所に行くのはふさわしくないのではないかというのが本学の中で話し合われました。やはりサイエンスベースで正しいことを発信することと、用心していただくことを前提に情報を発信することとは、多少なりとも違うように思うのですが、その点はいかが解釈されるのでしょうか。ちょっと難しい問題だと思います。
○森尾座長 岡委員、お願いします。
○岡委員 この点については、実は小児科領域では結構関心が高くて、アメリカの小児学会などもそのことに関しては、症例報告を見ると胸痛が結構出ている報告が多いので、そういう自覚症状について情報提供するのが大事だということがアメリカでは強調されているかなと思います。
 先ほど言われた医療機関からというのは、離島に行くとか、そういうことでない限り、日本の場合にはあまり医療機関のへのアクセス、これはしかもものすごい大学病院ではないといけないとか、そういうレベルではないので、そういう意味ではあまり強い情報提供ではなくて、アメリカでは胸痛と息苦しさと動悸を多分言われていたのですけれども、そういった情報提供が必要かなと私も、今後、特に10代の予防接種が始まってくると必要かなと思うのですけれども、それ以上のものを、ちょっとシンガポールの例はウエートリフティングか何かをしている人の事例があったのでそういうような注意喚起が出ているようですけれども、1例だけでそのようにするのは行き過ぎではないかなというのが、私の個人的な意見ではあります。
○石井委員 エビデンスが薄い状況で1例だけである点については、私もそれは同意いたします。大学生は行動範囲が広いもので、毎年のことですが、学生の研鑽として山小屋の診療所に山を登っていくことが依頼されていましたので、少し用心をするケースがあるのではないかという趣旨の発言でございました。
○森尾座長 岡委員、お願いします。
○岡委員 今、石井委員が言われたのは確かに例外的な状況だったかなと思います。酸素も薄いですし、そういう意味で、私は先ほど離島と言いましたけれども、ちょっとそれに近いのかなと思って聞かせていただきました。ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 何か事務局からコメントはありますか。事務局、お願いします。
○事務局 先生の御指摘のとおりでございまして、全体としてのメッセージというのがなかなか難しくて、先生がおっしゃるように、例えば山のほうにいらっしゃるとか、運動の負荷がすごくかかって、例えば一般に健康な方であっても激しい運動をすれば、当然胸の痛みとか、苦しくなることが起きやすくなったりすると思われますので、運動強度についてはワクチン接種後であるということを踏まえた上で、例えば医療機関の先生方とコミュニケーションを取っていただいたり、あるいは御指導をいただくような形で、それぞれのケースにおいて適切に御対応いただくというところが現実的なのかなと思っております。
 例えば、一律に運動を控えてくださいというところもなかなか難しいところがございますので、岡先生の御指摘にもありましたように、まさに個々に適切に御対応いただくことが重要かと思います。厚生労働省と致しましてもホームページにおきまして、実際に御指摘の胸痛等が出たら、すぐに医療機関を受診してくださいというような記載も載せてございますので、そういった形でも引き続き適切にコミュニケーションを取っていければと考えております。
○森尾座長 宮川委員、お願いします。
○宮川委員 今、石井委員がおっしゃったことは非常に重要なことで、やはり医療者として注意喚起ができる情報を接種の場所である接種者に送っていくということは必要です。これからどのような行動をするのというようなことは、被接種側がしっかりと聞いていくということが非常に大事なので、これは私たち医療者側の問題でもあるのでもあります。これは注意喚起という意味での適切な情報は流していけばいいのかなと思っています。
 もう一つ別な観点なのですが、この部会での発言として適切なのか分からないのですが、妊婦さんに対する対応なのです。
 日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会、日本産婦人科感染症学会、この3つのところが1回目の6月17日には、「日本においても希望する妊婦さんにはワクチンを接種することができます」と、「一般にこのワクチンを接種することのメリットがデメリットを上回ると考えられています」このような形で注意喚起が、妊産婦の皆様へという形で発出されています。そしてさらに、8月14日になって2報が出てきたわけです。アメリカのCDCでは妊婦さんへのワクチン接種を強く推奨する声明を出しています。「我が国においても妊婦さんは時期を問わず、ワクチンを接種することをお勧めします」というような通知です。
 その中の下段のほうに詳細が書いてあります。「妊娠中、特に妊娠後期に新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすいとされています。全国的に感染地域が拡大し、感染の多い地域では感染拡大が過去にない拡大となっております。」と発出されております。このような注意喚起が出たという形なのですが、妊産婦の方にこういうメッセージが出てきたときに、ここで議論することかどうか、私もちょっと自信がなくてお話ししているのですが、実際には副反応部会としても何らかの考え方をある程度持っていって、周囲に広く知っていただくということは、重要なのではないかなと思うのです。
 先ほど岡委員が言ったように、小児にも今の段階では若年者と言ったほうがいいかもしれませんがさまざまな妊産婦に対して同様に注意喚起をしていかなければなりません。どこかで何かのステートメントを出すか、注意喚起をするか必要ではなかろうかと思って御発言させていただきました。
 以上でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 妊産婦の方、積極的に接種をというステートメントが出始めている中でということでございます。
 どうでしょうか。何かの委員の皆様から、この点について御意見等がありましたら。
○宮川委員 もう少しつけ加えさせていただきますと、アナフィラキシーが起きたときに、処置をしなければならないわけですけれども、ボスミンを含めて処置をするのですが、速やかに後方に支援を求めて移送しなければなりません。どこまでどのようにやったらいいのかとか、そういうようなこともある程度想定して考えていかなくてはいけません。これはもちろんステートメントを出した日本産婦人科学会などにお願いしなければならないかもしれませんので、部会としてそのような認識をしていかなくてはいけないのかなと思って発言させていただきました。
 以上です。
○森尾座長 重要な御指摘をありがとうございました。
 少なくても接種後の30分、1時間という短い時間の間の注意は十分払ってほしいということは何らかの形で残しておくということでしょうか。中長期的なところに関しましてはデータの蓄積で、属性でどこまで集められるかというのはなかなか難しいかとは思うのですけれども、こちらについてもやはり注意していくべきであるということを部会としては考えておくべきだということかと承りました。
 ほかに委員の先生から何かコメント等はありますでしょうか。よろしいですか。
 貴重な御指摘をどうもありがとうございました。
 心筋炎・心膜炎につきまして、何か加えて御意見・コメント等がある委員の方がいらっしゃいましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 先ほどの石井委員の御指摘、やはり個別に学生等に対して適宜接種者が指導したほうがいいような事例もあるというようなことで、やはり心に留めておくということかと思いますが、よろしいですか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、次に移らせていただきます。次は資料1-6-1で33ページのところに文章として書かせていただいて、実際の図としては34ページに書かせていただいているところでございます。本日、事務局にはmRNAワクチンのTTS疑い事例の資料を作成していただいております。今後、モダリティが異なるアストラゼネカ社のウイルスワクチンの接種が始まりますので、そのワクチンの資料も加わることになってまいります。したがいまして、この部会としましては、資料の集計・評価タイミングについて事前に議論しておいたほうがいいということでございます。
 ちょっと分かりにくい部分があったかと思いますので、もう1回概要として示させていただきますが、スライドの34のところを見ていただいたらよろしいのでしょうか。
 まず、mRNAワクチンにつきましては、TTS疑いの事例については製造販売業者からのデータを使って、データロック期間内のデータを用いてブライトン分類の評価を行い、それ以外の副反応疑いの事例の評価はこれまでと同様な方針で行うということでございます。これは医療機関からではなくて製造販売業者からのということで、TTSについてもそのような形ということでございます。
 一方、アストラゼネカ社のワクチンにつきましては、まず、死亡事例については当面の間はデータロック期間よりも専門家の評価期間を一週先まで実施するということで、また、件数等の公表につきましてはmRNAワクチンと同様、会議の前週分までを公表するという点が1点目でございます。
 次にTTS疑い事例についてでありますけれども、こちらは製造販売業者ではなくて医療機関からのデータを使って、データロック期間よりも、専門家の評価期間を一週先まで実施する。また、データの公表はmRNAワクチンと同様、会議の前週分までを公表するという点でございます。
 3点目、アナフィラキシー疑いの事例につきましては、当面はやはり医療機関報告に基づきブライトン分類評価を行うが、一定の傾向が見られれば、ほかのワクチンと同様の取扱いとするということでございます。
 それ以外の副反応疑いの事例の評価はmRNAワクチンと同様の方針に従って行うということであります。
 ちょっとややこしい言い回しになっておりますが、もし質問とかコメントがございましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。
 事務局から何か追加はありますか。事務局、何かうまくまとめて説明するような形でいかがでしょうか。
○事務局 今まさにおまとめいただいたとおりでして、mRNAワクチンに関しましては今回からデータロック期間を1週間後ろ倒しにして実施しておりますが、大きな方向性としましては、アストラゼネカ社のワクチンに関しましては前回の議論でも御意見をいただきましたが、そこは1週間前倒すのをやめまして、これまでmRNAワクチンでやっていたとおり、mRNAワクチンと比べますと1週間先まで評価してはどうかと考えているというのが一つになります。
 TTSに関しましても扱いとしましては死亡に近いような形として医療機関のデータを用いまして、評価についても死亡と同じタイミングでしてはどうかというのが大きな方向性でございます。
○森尾座長 どうもありがとうございました。
 佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 ちょっとお伺いしたいのですけれども、この図の見方を確認させていただきたいのです。接種回数と一番上に書いてあるボールドの字は何を意味しているのですか。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 こちらはいわゆる推定接種回数として各疾患、あるいは死亡とかの表でお載せさせていただいている推定接種回数のことでございます。つまり分母数でございます。
○佐藤委員 何回しても打ったときという意味ですね。ロックをするというか、何回目だとしても、打ったときからの日にちをこれは説明しているということであって、この回数というところには意味はないわけですね。接種回数1回目、2回目で違うみたいに見えてしまうかなとか、ちょっと意味がなかなか、回数と書いてあるのですけれども、1回目、2回目という表記はどこにもなくて、これは一体何を意味しているのだろうと思って眺めていたのですけれども。
○事務局 そういった意味でございますと、1回目、2回目、両方ともこの時点までの情報が集まってきて。
○佐藤委員 だから、それぞれの回数のときの対応としてこうしますという意味ですよね。
○事務局 おっしゃるとおりでございます。データロックまでの推定接種回数に対しての分子情報というのが一般的には集まってくるわけですけれども、それ以降についても、死亡についてはこれまでと同様に7日間は専門家評価も付すと、TTSについてもアストラゼネカ社ワクチンについては、それプラス1週間医療機関での専門家評価を付す。そういったような図となっております。
○佐藤委員 分かりました。
 このブルーのmRNAワクチンは12日で一旦データ集計というところで、アストラゼネカも同じタイムラインでいいのですね。というのは、2回目接種までの期間が全然プロトコルが違うではないですか。なので、同じようにやっていくのかなと、私はそのように決まった経緯は知らなかったので、この紫の矢印は青い矢印と同じ長さを示しているということでいいのですか。
○事務局 分かりやすく少し御説明しますと、なお書きとしてデータロックから数日間について、追加でこのような件数の御報告がございましたと申し上げているところが、右側に飛び出している矢印の部分と御理解いただければと思います。
○佐藤委員 今後のトレースのこととは別件ですね。
○森尾座長 事務局、お願いします。
○事務局 ちょっと具体例があったほうがいいと思いますので、資料1-3-1を見ていただくのがいいかなと思います。ここの資料で言いたかったことは、まさにこの資料でどうかという御提案でして、1ポツの中の一番はじめの○の部分なのですが、本日8月25日なのですが、専門家の評価を行ったものが8月8日になっております。これがmRNAワクチンの専門家の評価のタイミングとして言いたかった部分でして、アストラゼネカの場合は、実際に来た場合は、ここを8月15日にしてはどうかというのがまず一つ目の意見でございます。
 その下の2つ目の○のなお書きの部分で8月9日から8月20日までの部分に関しましては専門家の評価はしないのですが、データをタイムリーに出していく必要があるだろうという観点も踏まえまして、ここで件数と、あと、後ろの2ページ目以降の部分でラインリストという形でこんな報告ですというのを先にお示ししております。
 なので、ここのデータを出す部分に関しては、今、8月20日までになっておりますが、ここはぎりぎりまで、アストラゼネカであろうがmRNAワクチンであっても出してはどうかと考えているという、この2つです。専門家評価はmRNAワクチンよりも1週間先までやって、データの公表に関しましてはmRNAワクチンであってもアストラゼネカのワクチンであってもどちらも重要なので、ぎりぎりまでお示ししたいという意図です。
○佐藤委員 分かりました。一律同じというわけではないということが分かったので大丈夫です。ありがとうございます。
○森尾座長 質疑応答を通じてだんだん分かってきたのではないかと思います。
 事務局、お願いします。
○事務局 補足させてください。端的に言いますと、先ほど来、御指摘を大分いただいておりまして、死亡例についてもう少し詳細な調査とかということもありましたし、それから、統計学的な評価も今後やっていかなくてはいけないと思ってはいるのですけれども、どうしても数が増えてきているのと、やはりワクチンの種類も増えてきていますし、モダリティが違うものが今後増えてくるので、少し論点を絞りたいという趣旨になります。
 それで、死亡については引き続きmRNAワクチンも、新たなベクターワクチンについてもちゃんと見ていくこととしています。その上で、ベクターワクチンについては、死亡についての専門家評価も、医療機関報告で頑張ってぎりぎりまで行うこととしています。それから、TTSについては、もともとこれはベクターワクチンについての因果関係があると言われたものでありますので、同様にぎりぎりまで専門家評価も実施し、また、その後も件数だけでも集計していくということを考えています。
 それらについて、件数が増えてきて、一定程度状況が分かってきたら、それに併せて、より焦点を絞った形の資料をつくっていきたいと思っております。
○佐藤委員 件数に併せてということで、分かりました。
○森尾座長 よろしいでしょうか。
 多屋委員、お願いします。
○多屋委員 今のTTSの件なのですけれども、新しく始まった報告なので、どういう報告がここに集計されているかということも知っていただいたほうがと思って発言させていただきました、医療機関報告では報告書の裏側に○をつけるところがあると思うのですけれども、血栓症(血栓塞栓症)(血小板減少を伴う者に限る)に○をつけておられる方に加えて、500ぐらい疾患はあるのですが、血栓症や血栓塞栓症にプラスして血小板減少症も報告された場合は集計して丁寧に解析がされるということも、御紹介したほうがと思って発言させていただきました。
 以上です。
○森尾座長 貴重な情報をありがとうございました。ちょっと多い数が報告されてくるということですね。
 いずれにせよ、アストラゼネカ社の新しく加えるものということで、できるだけぎりぎりまで重要なものは評価しましょうということと、それで製造販売業者からの報告ではなくて、医療機関からのものを出して評価をしていきましょうということで始めたいということですね。
 ほかにはいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、そのほかの副反応についてということで御審議をいただきたいと思います。本日からmRNAワクチンのTTS疑い事例の資料も追加されております。最後に、新型コロナワクチンの副反応に関連して、そのほかの御質問・御意見がありましたら承りたいと思います。これはTTSも含めてということでございます。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 どうもありがとうございます。
 それでは、これまで議論していただいた内容をまとめさせていただきたいと思います。
これまで確認できた内容といたしましては、まず、副反応疑い報告の状況でありますけれども、コミナティの評価期間中の副反応疑い報告の頻度は、医療機関からの報告に基づけば0.02%でございました。
 また、モデルナの評価期間中の副反応疑い報告の頻度は、医療機関からの報告に基づけば0.01%でありました。
 続いて、死亡事例の報告状況を整理いたしますと、コミナティについては前回の合同部会から8月8日日曜日までに新たに82件の死亡事例の報告がございました。専門家による評価では、接種開始以降報告された991例について、986件がワクチンと死亡との因果関係が評価できないγ、5件はワクチンと死亡との因果関係が認められないβと評価されています。また、8月9日月曜日から8月20日金曜日までにさらに86件の報告がございました。
 モデルナについては前回の合同部会から8月8日日曜日までに新たに4件の死亡事例の報告がありました。専門家による評価では接種開始以降報告された11件については、いずれもワクチンと死亡との因果関係が評価できないγと評価されました。また、8月9日から20日までにはさらに5件の報告がありました。
 以上について、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念が認められないと考えられます。
 引き続き情報を収集し、丁寧に評価を行い、接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていくことが重要であるということでございます。
 アナフィラキシーにつきましては、アナフィラキシー疑い事例の報告では、コミナティについては接種開始から8月8日まで医療機関から2,011件、製造販売業者から2,211件の報告がございました。また、製造販売業者からの報告に基づくブライトン分類評価については、レベル1~3に分類されたものは405件でありました。
 モデルナについては、接種開始から8月8日まで医療機関から160件、製造販売業者から125件の報告がありました。また、製造販売業者からの報告に基づくブライトン分類評価については、レベル1~3に分類されたものは9件でございました。
 アナフィラキシー疑いとして報告され、転帰が確認された例は引き続きほとんどの例で軽快されたことが確認されています。
 以上のことから、ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続きワクチン接種を継続するということでよいのではないかということでございます。
 心筋炎・心膜炎につきましては、現時点においてワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められず、国内の発生状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続き、ウェブサイトの更新等により最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくことでよいのではないかということでございます。
 そのほかについてですが、本日からmRNAワクチンにおけるTTS疑い事例の評価も始まりましたが、現時点において、そのほかの副反応疑い事例を含めワクチンの接種体制に影響を与えるほどの重大な懸念は認められないということでございます。
 また、今回データロックの方法等が変わってまいりますので、事務局におかれましては本日の議論を踏まえて、今後の資料の作成や公表を進めていただきたいということでございます。
 このまとめ方につきまして、このようなことでよろしいでしょうか。御意見がありましたら承りたいと思います。
 ありがとうございました。
 以上、今回報告のありました具体的な事例を踏まえまして、2種類の新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、御意見がありましたら承りたいと思います。よろしいでしょうか。
 それでは、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によってその安全性において、重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(委員首肯)
○森尾座長 御審議、どうもありがとうございました。
 続きまして「新型コロナワクチン接種後の健康状況に係る調査について」ということでございます。
 伊藤委員のほうから、資料に基づき説明をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 コホート調査の中間報告も12回になりました。資料をご覧いただければと思います。
 モデルナ筋注の数字のリバイスの部分については省略させていただきますが、1万3113人が1回目の接種をされて、2回目接種は8,641人です。1回目の日誌1の回収が1万365人、2回目の日誌1の回収が3,746人で、その数字に基づくグラフとSAEのリバイスを13ページまで掲載しています。
 14ページをご覧いただけますでしょうか。前回、森尾先生から筋肉もりもりの自衛官とそれ以外の人で差があるのではないかという御意見をいただきました。それに従って解析してみました。発熱などの問題があるのは2回目接種後ですので、2回目接種後のデータで発熱などのAEについて事務官と自衛官を独立変数として加えたロジスティック回帰分析をしています。
 ご覧いただいて判るとおりで、ほぼ全てのAEは女性のオッズ比が高くて、局所疼痛以外の副反応のAEに関しては若い人のオッズ比が高いというのは、前回提出させていただいたとおりですが、自衛官と事務官とを比較すると、何と自衛官のほうが痛みの頻度が高いということが分かりました。データでも自衛官が87.3%で事務官が84%で、年齢・性別で調整したオッズ比でも0.596という状況でした。ほかのAEでは差がありませんでしたので、発熱などの全身反応では、自衛官であることが今回の調査結果に大きな影響を与えていないということが判ります。
 15ページと16ページは日誌に記載があった症状をMedDRAコーディングして、チェックボックスで集めている特定有害事象と併合した添付文書と同様の表にしています。
 16ページに2回目接種後の結果を示しているのですが、心臓障害の0.1%未満のところに心筋炎という記載があります。これは40歳代の男性の方で7月下旬に2回目接種されておりますが、接種の翌日の日誌の自由記載欄に1日だけ心筋炎という記載があったので、こういった形で記載しています。この症例の詳細は接種施設を通じて確認いたしました。接種翌日に胸部のチクチク感があって、すぐに消失されたということです。関節痛以外は翌日以降症状がなく、日常生活に全く支障・影響はなかったということでした。医療機関ではグレード1と判断して、重篤な有害事象とはしておりません。日誌の記載内容を忠実にMedDRAコーディングして、データはデータとして報告すべきだと思いましたので、今回はこの表に提示させていただいております。
 医療機関に確認して記載に変更があったものはMedDRAのコードを変更してよいと皆様がお考えいただけるようでしたら、次回以降はちょっと紛らわしいので変更してもよいかと思っておりますが、今回の原資料は日誌なのですが、原資料の変更というのは事務局ではできませんので、現場と今後相談させていただこうと思っております。心筋炎が話題になっておりますので、被接種者も、チクチクという症状を心筋炎として日誌にお書きいただいたのだろうと思っています。
 17ページ、18ページは遅延性の皮膚反応です。これは日誌1と日誌2、接種から1週間後から2回目接種、また、終了までの期間の調査票を突合したものです。1回目ではDay7を底にして、Day8、Day9、Day10と発現頻度が高くなっておりますが、2回目接種後では高まりがありません。その代わり、2回目接種2日後の発赤は2割近くなっています。18ページをご覧いただきますとかゆみなのですが、2回目接種の3日後をピークにしたかゆみが出ていますが、遅延性に再び発現するということがありませんでしたので、1回目と2回目については随分違いがあるということをご覧いただけると思います。
 19ページは、1回目接種後の遅延性の皮膚反応、前回の資料なのですが、20ページに2回目接種後の遅延性皮膚反応についてまとめてみました。前回と同じ定義で遅延性皮膚反応を見ますと、今回発現していたのは、2,298人のうちたった3人だけでした。前回の定義に合致しない、すなわち前半に赤みがあって、10日以降にも赤みがある方は外れておりますが、この中で、Day9とDay10だけに発赤があった人が1人おりましたけれども、そういった事例もあると思って表を見ていただきたいと思いますが、前回の定義の遅延性皮膚反応のあった3人は1回目にも遅延性の皮膚反応があった方でした。
 1回目に遅延性皮膚反応があった90人のうち、今回、2回目の日誌を回収ができたのは42人なのですが、今回の日誌で再発されたのは42人中3人ということで、もう一つびっくりしたのは、1回目に遅延性の皮膚反応がなかった人は、先ほどの1人を除きますと誰も発症していないということでした。
 21ページで説明させていただきますが、モデルナ筋注を接種された方はAEが強かった割に薬剤をお使いになられた方は少なく、表のとおりです。日誌の自由記載欄に記載されている状況については、医療従事者と一般の方は違うのかもしれませんが、実際の報告状況としてご覧いただければと思います。2回目接種後の病休者の状況は、1日休んだ方が26%で2日休んだ方が10%、3日以上休む方は1%以下なので、モデルナの接種後2日ぐらいは仕事にならない可能性があるということを理解していただいて、2回目の接種に臨んでいただければと思います。
 前回、伊藤清美委員から軟膏などの使用状況についての質問がありましたので、1回目接種90例の遅延性の皮膚反応の方について調べましたけれども、90人の方で1人も軟膏などの使用記録がありませんでした。実際にお使いになられたのかどうかはわかりませんが、多くの方が使わずに軽快されたということなのだろうと思います。
 それ以外に、1回目の日誌2の3,746人について軟膏などの使用歴も見てみましたけれども、記載にあったのはアトピー性皮膚炎の方も含めて3名だけという状況でしたので、記載が適切にされているかどうかがよく分からないところではありますが、薬剤の使用記録に関してこのような状況だったということで御理解いただければと思います。
 22ページは前回提示させていただきましたCOVID-19既感染の方、1回目接種の前に既に感染したことがある方は、1回目接種後のAEについては発熱や倦怠感の頻度が高くて、1回目接種後でも2回目接種と同様の状況になるという説明をしたスライドなのですが、その方々が2回目接種をした後にどうなるかということについて調べてみたのが23ページです。
 1回目と2回目の日誌1が回収できた3,739人の方の1回目と2回目の発熱の状況のクロス表です。ちょっと見にくいですが、1回目の発熱があった方が6.2%でしたけれども、2回目の発熱があった方、37度5分以上の人は79%、COVID-19の既往のある方は、1回目も37.5%、2回目が35%でしたので、1回目は2回目ほどでないにしても発熱があって、2回目はCOVID-19感染の既往がない方の発熱の頻度とほぼ変わりがありませんでした。今後、3回目接種の話が出たときに、もしかすると参考になるデータかもしれないと思って解析しています。7例のデータなので確定的なことは言いにくいと思いますが、例数が増えても多分同様な傾向になるだろうと思ってはおります。
 24ページがコミナティとモデルナの比較表です。コミナティに比べてモデルナのAEは押しなべて高いということが判ります。
 25ページに国内治験と国外の治験及び今回の調査結果の比較表をつくってみました。企業からいただいた表をそのまま貼っておりますので、順番がきれいになっておりませんので比較しにくいかと思いますが、国内治験に比べましても体温などが高いという状況になっておりますが、その理由については分かりません。
 26ページがまとめです。
 27ページからはアストラゼネカ社のバキスゼブリア筋注を開始しましたというお知らせです。こちらは順天堂大学の順天堂医院をはじめとして、練馬病院、浦安病院、JCHOの鎌田医療センター、桜ヶ丘病院、熊本総合病院、NHOの三重中央医療センター、神戸医療センターの8施設で実施することになっています。3つめのワクチンについては協力いただく施設を探すのが難しかったのですが、協力いただけた施設です。先週の21日に御茶ノ水の順天堂医院で35人に接種しております。厚労省のホームページで広告していただいておりますが、臨時接種としては原則40歳以上ということになっておりますが、今回は調査を目的としておりますので、被接種者の方によく説明した上で、20歳以上の方に参加いただいております。20歳代、30歳代の方もご覧いただいて分かるとおり参加されています。
 年齢分布、性別、職種のグラフは28ページで、まとめは29ページでございます。
 報告は以上です。
○森尾座長 伊藤委員、いつも詳細な解析の報告をありがとうございます。
 委員の皆様から、質問・コメント等はいかがでしょうか。
 筋肉、運動量とは関係ないこともよく分かりました。ありがとうございます。むしろ疼痛が強かったというのは意外な感じもいたしました。
 長谷川委員、お願いします。
○長谷川委員 12~18歳の年代とか、そこら辺の御予定とかはありますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 現在はありません。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○森尾座長 それでは、山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 いつもありがとうございます。
 発熱のときには解熱剤を飲んでくださいということを多分現場でも言っていると思うのですが、かゆいときに軟膏を塗ってもいいですよとかと言うのは、何か事前に渡したり、そういうものに書いたり言っていたりするのでしょうか。私が関わっているところでは、あまりそこまでは言っていないような気がするのです。
○伊藤(澄)委員 厚労省のホームページの中では冷やしたり、抗ヒスタミン薬とか、ステロイドとかを使ってもいいですよという話をされていると思っております。現場でも、今回の調査の中に全く反映されてなかったので、何もしなくてもよくなられているのか、もしくは使っていたのだけれども、書かれてなかったのか、今の段階ではちょっと分かりません。医療従事者であれば、書いてくれていたかもしれないので、今の段階で、必要がありませんというのは断定的に申し上げられないと個人的には思っております。
○山縣委員 現場で見ていると、2回目を打つときにかゆかったのだけれどもと言って、塗っていない人のほうが多くて、塗ってもいいのですかみたいな感じで言われる方が多いなというのが印象的でした。どうもありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 倉根委員、お願いします。
○倉根委員 先生、いつもありがとうございます。
 ここに鼻水というのが5%とか10%とか、比較的高い率で出てくるのですけれども、局所の腫脹、疼痛とかは理屈が考えられるのかなと思うのだけれども、鼻水というのはどういう機序でしょうか。あるいは風邪とかと同じような感じなのですか。
○伊藤(澄)委員 風邪の時期でないのでびっくりしているのと、それから、普通の風邪症候群であれば経時的にフラットになると思うのですけれども、明らかに2回目のワクチン接種に絡んで高くなっていますので、自律神経系のメルクマールにもなり得る状況なのかとは思っております。ただ、そういったデータが何もなかったのですが、インフルエンザワクチンの研究からずっと鼻水の日時データを取っていたので、比較のために入れていたのが、ワクチン接種で明らかに因果関係ありのパターンになってくるとは思わなかったので、正直びっくりしています。
○倉根委員 ありがとうございます。
○森尾座長 ありがとうございます。
 ほかにいかがでしょうか。
 伊藤先生、バキスゼブリアはもう少し数が集まっていきそうな雰囲気でしょうか。
○伊藤(澄)委員 大変厳しいところで、今、医療機関にお願いしておりますが9月の中旬、もしくは9月に入りましたら希望者に対して接種をするということで、ホームページを通じて募集しておりますが、研究に参加いただける方がどれほどいらっしゃるのかは、これからかなと思っています。経過も報告させていただきますので、御判断いただける材料を提供したいと思っています。
○森尾座長 どうもありがとうございます。
 ほかに委員の皆様からいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 伊藤先生、本当にありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 そのほか、全体を通じまして、何か御意見・御質問等がありましたら承りたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 本当にかなり多くのデータが蓄積する中、やはり死亡例とか、重要な副反応につきましては、引き続き適切な情報を分かりやすく提示する必要があるという御意見も頂戴したと思っております。ありがとうございます。
 本日の議事は以上で終了でございますが、そのほか、事務局から何かございますでしょうか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
 次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡をさしあげます。
○森尾座長 次回から金曜日になりそうかどうかという情報、いかがでしょうか。
○事務局 それもまた追って御連絡させていただきます。
○森尾座長 それでは、引き続き水曜と金曜の両方を空けていただきますようによろしくお願いします。
 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。活発な御議論をどうもありがとうございました。

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