農林水産省・新着情報

金子農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年4月15日(金曜日)8時57分~9時12分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)「毎日お茶のある暮らしキャンペーン」について
  • 「毎日お茶のある暮らしキャンペーン」について
  • 日ロさけ・ます漁業交渉について
  • 茨城県における豚熱の発生について
  • 公海におけるサンマ漁等について
  • 諫早湾干拓事業について

冒頭発言

大臣

  本日は私から1点、「毎日お茶のある暮らしキャンペーン」について御報告があります。
  4月から5月にかけまして、産地では今年の一番茶の収穫が始まります。お茶は日本人の生活と文化になくてはならないものでありますが、消費量、産出額とも長期的に減少してきております。
  一方で、令和3年の輸出額が204億円と過去最高を記録するなど、海外からの注目度は高まってきています。
  これから新茶シーズンを迎える中、日本茶がおいしいこの時期に、消費者の方々に一層お茶を楽しんでいただきたいと考えております。
  農林水産省といたしましては、茶業界と一体となって、日本茶の情報発信等を行う「毎日お茶のある暮らしキャンペーン」を新たに開始します。お茶を提供する事業者から、日本茶への応援メッセージや機能性成分をはじめ、お茶の持つ魅力をつづった記事や動画をお寄せいただき、これらを農林水産省のホームページやSNSで積極配信いたします。こういった取組を行うことによって、消費者の皆さん方の御協力をお願いしていきたいというふうに思っております。詳細につきましては、この後、プレスリリースをいたしますので、よろしくお願いいたします

質疑応答

  • 「毎日お茶のある暮らしキャンペーン」について

記者

  大臣が飲まれたお茶はどこ産のお茶か知りたいので教えていただきたいのと、先ほど消費量が減っているとおっしゃっていましたが、去年と比べたらどれぐらい減っているのかとか分かれば教えていただきたいです。

大臣

  これは長崎県の彼杵(そのぎ)のお茶ですかね。私の地元のお茶です。
  消費量はですね、最近10年間で見てみますと、ペットボトル等の緑茶飲料は3割以上増加しているんですけどね、急須に入れて飲むリーフ茶の需要は約2割減少しております。国内消費量全体としては、平成23年の約8万5000トンから令和3年の約7万5000トンで約1割減少しています。
  他方、令和3年は消費が回復しつつありましてね。また、令和3年産の生産量は、コロナの影響の大きかった令和2年産より12%回復しているところであることを踏まえまして、日本茶がおいしいこの時期を捉えまして、本キャンペーンにより一層の消費拡大を図り、茶産業の振興につなげてまいりたいと考えております。

  • 日ロさけ・ます漁業交渉について

記者

  お茶の話題とは別なのですが、さけ・ますの交渉についてお伺いしたいです。去年は、大体1週間ぐらいで交渉が終わっていたと思うんですが、現状、今のところどのような状況なのか教えていただきたいです。

大臣

  交渉はまだ行われている最中でありましてね。交渉の進捗状況につきましては、お答えすることは差し控えますが、日本の漁業者が受け入れ可能な操業条件等が確保されるよう、しっかりと交渉に当たっていくつもりであります。

  • 茨城県における豚熱の発生について

記者

  豚熱について伺います。13日には茨城県でも初めて発生しましたが、考えられる要因と今後の対策について教えてください。

大臣

  13日に、茨城県の石岡市のワクチン接種農場で豚熱が発生しました。茨城県では発生確認後、速やかに防疫措置を開始いたしまして、既に殺処分は終了しております。農林水産省といたしましては引き続き、茨城県と緊密に連携をしまして、必要な支援を行ってまいりたいと思っています。これまでもお伝えしているとおり、豚熱ワクチンは豚熱の発症を防ぐものであり、感染を防ぐものではなく、かつ、全ての豚が免疫を獲得できるわけではありません。
  春を迎えましてですね、野生のイノシシの動きも活発化しているため、引き続き緊張感を持って対応する必要があると考えております。生産者の方々におかれましては、改めて、飼養衛生管理を徹底するとともに、異状を確認した場合に、早期通報を徹底するようにお願いいたします。

  • 公海におけるサンマ漁等について

記者

  今期のサンマ漁について2点伺います。サンマの全国団体がですね、毎年初夏に行って、5月から7月にかけて行う予定の公海におけるサンマ漁について、もともと公海で資源量が不足していて獲れないんですけども、仮に6月、7月辺りに、資源量が回復してきて獲れ始めたとしてもですね、今年はちょっとロシアと敵対関係にある中ですね、怖くてですね、拿捕とかですね、何されるか分からないという漁師さんたちの意見も多くてですね、ちょっと難しいだろうということで、初夏のサンマ漁は見送ることになりそうだということを言ってます。まずこれについてですね、大臣の受け止めを。

大臣

  まず、さけ・ますの交渉がどういうふうになるかっていうことは大事だと思います。その交渉の状況によってね、ロシアの対応っていうのが分かってまいりますから。我々としては、できるだけ操業できるような努力をしていきたいというふうに思いますが、これも交渉事でありますので、予断を持ってお答えをすることは差し控えたいと思っております。今後の、いろいろロシアとの交渉結果次第ということになるかなと思います。確かに漁場が遠くなりましたからね。そこに行くためには、ロシア海域の近くを通って行った方が早いということもありますし。そういった操業効率の問題等があるということは私も存じておりますので。今年のサンマの漁期はどうなるか分かりませんけれども、できるだけ努力をしたいと思っております。

記者

  もう1点ですね、今のは初夏の話ですけども、8月以降もですね、さけ・ますの交渉次第ってこともあるんですけども。さけ・ます(交渉)がなくてもですね、8月以降、ロシア水域でのサンマ漁とかですね、あと公海、これが本当にできるかどうかっていうのもですね、なかなか今年ウクライナ情勢が続く限りは、ちょっと難しい可能性も結構あるという話もしているんですけども。そうなってくると、もうサンマ漁は1年を通じて難しいって話になってしまうかもしれないんですが。そこについては、やっぱり、国が経済制裁してることでこうなってるんですから、やっぱり何らかの補償というかですね、支援というのは考えられているのでしょうか。

大臣

  なかなかそれが難しいところでね。国際協定の中でお互いそういった問題が起こってきた場合は、積みぷら、それから共済の対象になりませんから、そのような状況の次第によるということになってくるだろうと思うんですよね。実際魚が獲れない状況の中で操業ができないということになれば、結果的には、従来のですね、共済と積み立てということになるでしょうし。ただその状況によって判断の仕方が変わってくるだろうと思いますので、現時点でお答えするのは、なかなか難しいんじゃないかと思います。できるだけ、たくさん近くで獲れれば一番いいんですけどね。そんな遠くまで行かなくてもいいように、従来獲れていたように近海で獲れると一番いいのでしょうけど。できれば、そういう状況になることを願ってますけどね。

  • 諫早湾干拓事業について

記者

  諫早湾干拓事業で潮受堤防による閉切が25年を迎えて、これに対する所感とこの事業の評価をお聞かせください。

大臣

  諫早干拓の問題は長い経緯がある難しい問題であり、これまで様々な司法判断が示されていることは承知しております。
  本事業の実施によって、潮受堤防を閉め切り、調整池の水位を低く保つことによる防災上の効果が現れているとともに、干拓地では大規模な環境保全型の畑作農業が展開され、農業者が意欲的に農業に取り組まれているところです。
  他方、有明海の再生については、開門問題をめぐる訴訟の状況にかかわらず、重要な政策課題であることを認識しております。
  いずれにいたしましても、国としては、有明海の再生に全力を尽くすとともに、平成29年の大臣談話に基づく和解を目指すことが問題解決の最良の方策であると考えております。私はこの問題にはもうずっと長年かかわってまいりましたし、私の父が農林水産大臣のときに規模縮小して、防災干拓に改めたんですよね。その時からずっとこの問題にはかかわってまいりました。知事の時にも大変いろいろな問題がありましたけどね。私も裁判の結果がこういう形に出ましたから、できたら和解をしてね、こういう状況の中で。それぞれの立場があると思いますが、話し合いができればね、話し合いをして、やっていきたいなという気持ちは、今でも持っておりますけどね。ただそれはもう、開門をしないという前提になっていますので、なかなか相手の方が話し合いができる状況にあるかどうか分かりませんが、私の気持ちとしては、もうこういうような結果が出たんだから、話し合いはしてもらったらという気持ちです。

記者

  さっきおっしゃった「こういう結果」っていうのは。

大臣

  それは裁判の結果がこう出て、また最高裁に出てますから。最高裁ではどういう結果が出るかについては、それはもう我々予断を持って答えることができませんけども。最高裁で最終的な判断が出るまでに時間があるわけですから、その中で話し合いができればというふうには思ってますけどね。それはあくまでも、開門の前提ではなくて開けないという前提で。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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