厚労省・新着情報

(令和3年8月27日(金)9:44 ~ 10:11 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日はいくつか私からご報告があります。まず、新型コロナウイルス感染症対策として、予備費の使用を閣議で決定いたしました。全体で1兆3,400億円ということでありまして、内容的には、ご承知のとおりワクチンで1億2千万回分をファイザー社と追加確保するということで、その費用でありますとか、ロナプリーブなどの治療薬、これの確保のための費用でありますとか、それから中等症の患者の入院に関して、中等症の患者の入院にかかる診療報酬上の更なる引き上げということで3倍から4倍にこれをさせていただくということでありますとか、あとは検疫業務、これの必要な経費、また、緊急雇用安定助成金ですね。この支給の費用でありますとか、緊急小口資金特例貸付、これに対する費用等を、本日閣議で決定をいたしました。まず、これが1点です。
 続きまして、自殺対策基本法に、9月10 日から9月16 日まで「自殺予防週間」と位置付けております。この自殺予防週間自体を幅広く啓発していくということでありまして、ご承知のとおり自殺者の数が、平成22年から10年連続で減少しておりましたが、令和2年は11年ぶりに前年を上回る数となりました。女性の自殺者数が増加し、また、小中高生の自殺者数が増加したということでありまして499人となり、小中高生は過去最多となったということであります。
 9月10日から自殺予防週間なのですが、特に、小学生・中高生、夏季休暇、夏休み明け直後にお亡くなりになられる方が非常に多いものでありますから、そういう意味では、自殺予防週間の前、もう9月(初め)から、もう既にそういう対応をしていかなければならない。一つは8月中から動画等流させていただいておりますし、今日からツイッターで、いろいろな相談窓口でありますとか、自殺予防週間に向かってのいろいろな情報を発信させていただいておりますので、10日からと言わず、この夏休み明け直後から、しっかりとした自殺予防の対応をしていかなければならないと思っております。
 ポスターの掲示、インターネット公告など様々ございますが、この11年ぶりに昨年増加したということを我々重く受け止めさせていただいて、しっかりと自殺予防に取り組んでまいりたいと思います。いろいろなご家族でありますとか、知人でありますとか、それぞれ悩んでおられる方がおられる場合には、しっかりと耳を傾けていただきながら、そのような状況にならないように、いろいろな形で相談窓口もございますので、お声がけをいただいて、自殺予防につなげていただきたいと思っておりますし、我々もしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
 続きまして、待機児童解消に向けた取組の状況でありますが、令和3年4月時点の状況であります。待機児童数が5,634人となりまして、前年より6,805人減少いたしました。調査開始以来、3年連続(減少)ということでございまして、最小ということになったわけであります。今年度からスタートした「新子育て安心プラン」これに基づき、更に必要な受け皿確保でありますとか、待機児童解消に取り組んでまいりたいと考えております。  
 あと、もう一点、これは報道もいろいろとなされましたが、千葉県で非常に痛ましい出来事でございました。妊婦の方が早産ということで、そのまま病院に入れず新生児の方の命が失われたということでございまして、これはコロナ患者の方々の周産期の医療体制に関して、既に我々、各都道府県に要請してきたわけですが、このようなことが実態として起こりましたので、受入体制の実効性を確保すること、また、周産期(医療)体制について、やはり確認・共有それぞれの状況を把握いただくということ、これも重要だと思います。
 コロナ患者である妊婦の方々の把握、これも必要になってくるわけでありまして、これはそういう意味では医療体制のみならず、例えば、消防機関との情報の共有でありますとかそういうことが非常に重要になってまいりますので、そういうことを改めて文書で発出をさせていただいたわけでありますが、我々としては、HER-SYSを使っていただくと、そういう妊婦の方々の新型コロナ患者の情報というものを把握できますので、そういうような入力ですね、HER-SYSへの入力等の徹底、こういうことも更にお願いをしていかなければならないということであります。
 併せて、妊婦やその配偶者の方々のワクチンの接種希望がある場合には、こういう方々に対して、早期かつ円滑に接種が行われるように、地方自治体にも配慮を要請させていただくということであります。もう一つはやはり妊婦の方ですね。やはりコロナということになりますと非常に医療機関としても対応が大変であるということもございます。そこで、診療報酬において特例的な対応ということで、ハイリスク妊娠管理加算という形で1日当たり1,200点という形で対応をさせていただきます。
 それから、分娩をされた方、これに関してハイリスク分娩管理加算ということで1日当たり3,200点という形で、ハイリスクの方々に対する加算という形で、しっかりと医療機関等がコロナ患者の妊婦の方々のいろいろな出産のみならず対応ですね。こういうことに対応をいただけるように、しっかり評価をさせていただく。診療報酬上の評価をさせていただくということを、今日からこれは対応をさせていただくということを決めさせていただいたということであります。私からは以上であります。

質疑

記者:
モデルナ製の新型コロナワクチンに異物混入が見つかって、163万回分が使用見合わせとなり、各地の職域接種に影響が出ております。大臣の受け止めと、代替のワクチンの供給について教えて下さい。
大臣:
河野大臣の下で、このモデルナ対応の供給に関してはやっていただいておりまして、今日も河野大臣と閣議の前に打ち合わせしたのですが、なるべく滞ることのないように、いろいろな形で対応をさせていただく予定ということでございます。
 それから、こういう異物混入ということ自体は接種をいただく方々を非常にご不安にさせ、ご心配をいただくわけでありますから、起こったことは起こったこととして早急に原因等を究明して、こういうことが起こらないように再発防止を、これはモデルナ社、武田薬品工業といろいろと対応していかなければならないと思っております。今、そういう形で原因究明も含めて対応いただいていると認識をいたしております。なお、今のところ健康被害等が発生したという報告は受けておりません。
 何かございましたら、早急にご連絡をいただければありがたいと思っております。このようなことがないように、再発防止にしっかりとメーカーの方に我々としても申し入れていきたいと思っております。
記者:
新型コロナによる預け控えによって、待機児童数は大幅に減少しました。減少の一方で、働く女性の就労に影響していることが考えられます。大臣の受け止めをお願いいたします。
大臣:
待機児童の解消ということで、そういう意味ではかなり保育所の整備も十数年続けてきているわけでありますが、一方で、これは社会的に少子化ということで、国の大きな課題の一つになっているわけでありますが、少子化が進む中で出生数が減っているわけでありますので、本来はもう少し出生数が増えた中で保育所整備を進めていくということであるわけでありますが、その出生数が減っていくということと、保育所の整備を進めてきたということで、ある意味待機児童という形が減少してきているものだと認識いたしております。そのために計画を作ってきておりますので、その計画を合わせて次に向かっての新プランという形になっているわけであります。
 一方で、女性の皆様方がコロナ禍で雇用が不安定になっているという課題、これはこれで確かにございますので、女性の皆様方、特に飲食業・サービス産業・対人サービス、こういう所でお勤めいただいておった女性の方々はコロナ禍で非常に大きな影響を受けておられるわけでございます。女性だけではありませんが、そういう意味ではそういう方々が離職をされるという形も増えてきておりますので、そういう方々に対して新たな職の対応という意味で、教育訓練も含めながらしっかりと次の職種に移っていただけるような対応、それこそいろいろな形でメニューを作ってパッケージでお示しをさせていただいておりますが、そういう形で職種転換も含めて我々としては次の就職に向かってつなげられるようにしっかりと努力してまいりたいと思っております。
記者:
モデルナの異物混入に関連してなのですけれども、現時点で原因はどのようなことがあるとお考えになっていらっしゃるかということと、健康への影響というものがどの程度あり得るのか、もしくはないのかというところ、そのあたりどのようにお考えでしょうか。
大臣:
非常に針が細いので、異物がそれを通って人体に入るかどうかというのが、なかなか我々としてもまだ十分にどういう状況なのかというのは把握しきれていません。それともう一つは、目視でワクチンを打つ前にはそれぞれ医療関係者の方々が見られますので、そういうもので異物が混入しておればそのワクチンは使わないというような形で対応いただいていると思います。
 そういう意味では、我々としては今のところ健康被害はございませんが、もし健康被害があるようでございましたら、しっかりと対応していかなければならないと思っております。なお、どういう原因であったかということ、これは一部報道で金属片であるというような報道もございますが、どういうものであるかまだちょっとわかりませんので、これは武田薬品工業、またモデルナ社としっかりと原因を解明していかなければなりませんので、製造元、販売元にそこのところは調査をしていただいて再発防止をしていただくと、今はその過程でございますので、やがて結果というものがご報告いただけるものではないかと思っております。
記者:
HPVワクチンについてお伺いしたいのですが、一部報道で、厚労省が10月にも積極的勧奨の再開に向けた議論を始めると報じられているところがあるのですが、こちらについて検討状況と積極勧奨の再開についてどのように考えておられるのか教えていただければと思います。
大臣:
そういう報道が出ているのですか。HPVワクチンはご承知のとおり、私が前回の大臣の時にマスコミの報道等でもいろいろございまして、積極勧奨(の取扱い)を審議会にお諮りしましたら、一旦積極勧奨を止めるということで、今に至っております。
 一方で、世界的に見てもHPVワクチンというのは広く打たれ、我々WHOからもHPVワクチンを積極勧奨しないことに対していろいろとご意見をいただいている状況であります。そういうところを鑑みながら、専門家の方々のご議論をいただいた上でどうしていくかということは決めていくという話になろうと思いますが、今10月からというような話はあるわけではございません。
記者:
予備費についてお伺いします。治療薬の確保なのですが、現在不足が言われているロナプリーブはどれくらい確保できたのでしょうか。
大臣:
不足が言われているというよりかは、必要な方々の当面の分は我々確保していると思っております。症状が軽い、しかしリスクが高いという方々に早く打つということで確保いたしておりまして、今順次登録医療機関を増やして、体制が日々増えてきているということでございますが、ちょっとこれはなかなか企業も秘密保持等ございますので、どれくらい(の量)ということに関しては申し上げられませんが、我々としては今当面の分は確保していると思いますが、これから更に新型コロナとの戦いは長引いてまいりますので、そういう意味では更なる確保というものをしっかりとしていかなければならないということで予算の計上もさせていただいた、ロナプリーブだけではありませんけれども、今回治療薬ということで予算の計上をさせていただいておるということでございます。ちょっと数に関しては申し上げられないということでご理解いただきたいと思います。
記者:
緊急事態宣言の解除基準の見直しについて伺います。加藤官房長官も先日「専門家の意見を聞いて議論を進めたい」と発言されていましたが、仮に見直しとするならば来月12日の宣言期限までに議論を終えることができるのか、大臣のお考えをお願いいたします。
大臣:
基本的には感染者の状況でありますとか、それから医療の提供体制が中心になってくるというのは専門家の方々も仰っておられるわけです。そういう意味からすると、なかなか感染状況は非常に厳しいというのが現状です。今までのステージの考え方からすると、急激に感染者が減っていくということは、今の状況ではなかなか考えにくい状況になってきていると思います。
 一方で、病床というものを考えた場合、これはやはりデルタ株という状況を考えると、今まで我々病床を倍に増やすなどやっておりましたが、それでは追いつかない感染力があることは間違いないわけでありまして、そういう意味では病床を更に、各都道府県を中心に確保いただくということが非常に重要になってこようと思います。でありますから、そういうものも総合的に勘案しながら専門家の方々がどういうような基準、基本的には言われておるのは、そんなに急激に基準が変わることではないのだと思いますが、総合的な判断の下で専門家の方々がご勘案いただけるものと思っております。9月の12日までの間にご検討いただけるとありがたいなと我々も思っておりますので、今検討いただいている最中だと認識いたしております。
記者:
そうすると、9月12日までに解除もあり得るということになるのでしょうか。
大臣:
どういうことがあるかわかりませんから、何とも先のことは言えないということでありますが、9月12日を基準にしておりますので、それまでに総合的な判断の下で専門家の方々がこれならば解除してもいいですよねというような基準に達すれば、それは解除ということはあると思いますが、そういう状況になるかどうか、これはまだわからないわけでございますので、今、予断を持ってお答えするということはできないということであります。
記者:
コロナで減収となった世帯向けに国民健康保険料を減免するという制度について、コロナで所得が赤字になった人が制度の対象外になっていることが問題になっています。この制度見直しのお考えはありますでしょうか。
大臣:
基本的に、今おっしゃった国民健康保険料に関しては、前年の所得から出してくるわけです。もちろん、前年の所得から大幅に下がってきた場合に減免がかかるという形になるわけでありますが、その理由は何かというと、現状の所得だけではなくて、収入のあった方はその収入を基に例えば借り入れ・返済をしておられるわけであって、そういう返済等も含めていろいろな生活設計も含めて急激に減った場合に、減ったからと言って返済しなくていいというわけには民間の契約上いかないと思いますので、そういうものも勘案して減額等をしているわけですので、その時の収入だけを比べてどうだという話ではないのだと。
 つまり、減ったときの収入が他の方と比べてどうだというのではなくて、前年を基に保険料を設定しますから、前年の収入から激減した場合には生活を急に変えるというか、返済なんか変えるわけにいきませんから、減ったから返済しませんということもできないわけでありますので、そういうことも踏まえての対応であるということであります。なお、そうは言いながら免除という形もございますので、そういうことをどうするのかというのは、制度として中長期的にどうするのだという課題ではあると認識いたしておりますが、今現状これに関して改めるということは考えておりません。
記者:
感染症法に基づく病床の確保の要請をされているわけですが、先週も伺ったのですが、国立病院機構とJCHOの話ですね。設置法に基づく要求というのは、もっと強い要求ですよね。ある意味、国が関与している機関も、姿勢を示す意味でも、そういった要請をしてもいいのではないかと思うのですが。
大臣:
もう要請は何度もさせていただいて、その都度、対応ができる範囲で病床は増やしていただいております。前も申し上げましたが、今回この感染症法第16条に則った対応もそうですが、正当な理由があった場合には、これは要するに要請の後も公表などというような対応にはならないわけで、今患者の方々が入っておられて、その方々を追い出すわけにはいきませんよね、当然のごとく。
 それから看護師だとか、医師が足らないのに、ベッドだけ確保してコロナ患者が入っても対応ができないということはできませんよね。というような常識的な範囲の中で適切な対応ができるという範囲の中において今までも病床の確保をお願いしてきておりますし、順次増やしてきております。今なおお願いもさせていただいておりますので、そういう中で病床をこれからも確保をできる限り増やしていきたいということはお願いをいたしております。
記者:
そうすると感染症法に基づく要請というのは、主に民間の医療機関を念頭に置いて要請されたということですか。
大臣:
いえ。全ての医療機関です。ですから、JCHO、NHOのみならず、いろいろな医療機関がありますから、そういう医療機関全般にお願いをさせていただいているところであります。もちろん民間も含めてです。
記者:
学童保育と放課後デイについて、職員による児童へのわいせつ事案が多数起きている件について伺います。利用者も施設も増え、現場に十分な研修を受けていない職員が増えているという課題も指摘されているのですが、ある施設でわいせつ行為をしたことを隠して別の施設に再就職する事例も散見されているということで、改めて事案の受け止めと防止策について大臣のお考え、厚労省から施設などへ指示することがあればお聞かせください。
大臣:
当然のことですが、国の基準を省令等で決めておりますが、職員が利用児童に対してわいせつ行為、これは禁止を当然のごとくしているわけですし、支援員ですね、こういう支援員に研修を行うわけでありますが、そういうところではしっかりと、子どもへの、これも当たり前の話なのですが、わいせつ行為はやってはいけないということをしっかりと禁止事項として知らしめてきているわけであります。
 そういう中においてもわいせつ事案が起こるということで、非常に遺憾な話なのですが、これ前国会で教職員の児童生徒への性暴力等の防止等に関する法律、こういうものが成立したわけでありますが、この附則の中に、言うなれば教職員のみならず、子ども達全体として、性的被害を与えた者にかかる照会制度のあり方、これについて検討する規定が盛り込まれております。いわゆる「日本版DBS」といって良いと思うのですが、そういうものをどうするかということはこの検討規定に則って、これできるだけ早くということでございますので、検討をしていくという形になっておりますので、そういうところでしっかりと検討して、そのような事案が防げるように我々としても取り組んでいかなければならないと考えております。

(了)

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