経産省・新着情報

2022年3月18日(金)
9:11~9:24
於:本館10階記者会見室

 

冒頭発言

戦略物資・エネルギーサプライチェーン

私から3点ございます。
初めに本日18日、岸田総理から指示を受けて、経済産業省に戦略物資・エネルギーサプライチェーン対策本部を設置することになりました。これはサプライチェーンのグローバル化、新型コロナウイルスの感染拡大、国際法違反の武力による一方的な現状変更等の国際情勢の変化を踏まえ、我が国の存立、国民生活、経済、産業にとって不可欠な戦略物資・エネルギー供給における脆弱性を解消するとともに、グローバル・サプライチェーンにおけるチョークポイント技術の優位性を獲得・維持することを目的とし、経済産業省を挙げて横断的な体制で議論を行うものです。また、岸田総理から関係省庁としっかり連携しながら進めてほしいとの指示を受け、オブザーバーとして関係省庁からも参画を得ることとしております。
まずは足元のロシア、ウクライナ等の戦略物資供給不安への対応策を早急に取りまとめるよう指示を行ったところでございまして、速やかに議論を進めていきたいと思います。

水素・アンモニア

2点目です。
3月29日火曜日より総合資源エネルギー調査会に新たに小委員会を設置をし、水素、アンモニアの導入拡大に向けた議論を開始します。水素、アンモニアは化石燃料を使用しないゼロエミッション火力への転換のカギとなるものです。加えて、産業や運輸など幅広い分野の脱炭素化が可能であり、カーボンニュートラルに不可欠なエネルギーであると考えております。また、ウクライナ情勢等を踏まえ、エネルギー安全保障の確保が更に強く求められる中、エネルギーの安定供給と脱炭素化を両立できる水素、アンモニアの社会実装の加速が一層重要となっております。
他方、現時点では既存の化石燃料に比べ割高な燃料であることも事実でありまして、商用化に向けて需要の拡大と効率的な供給インフラの整備を通じて価格低減を図ることが必要です。そのため、この審議会では既存燃料とのコスト差やインフラ整備の在り方などにも注目しながら、水素、アンモニアの導入拡大、商用化に向けた検討を行ってまいります。
詳細につきましては、事務局にまたお尋ねいただければと思います。

洋上風力

最後、3点目ですが、洋上風力の公募を見直します。
ウクライナ情勢を踏まえ、エネルギー安全保障の面でも重要な脱炭素の国産エネルギー源として、エネルギー基本計画に基づく再エネ導入加速が急務です。特に洋上風力は昨年末の再エネ海域利用法に基づく公募結果により、実際に太陽光等と競争可能なコストの大規模電源であることが明らかになりました。これまでも運転開始が早いことは評価項目の一部でしたが、今後の公募においては、価格だけでなく早期の導入という観点でも各社の競争を促す仕組みとしたいと思います。
そこで、現在行っている秋田県八峰町、能代市沖の公募についても、早期稼働を担保する仕組みとするべく締切りを延長し、今年の夏以降に新たに指定する促進区域と併せて公募を実施することにいたします。具体的な公募の在り方については、来週から審議会で議論を開始し、その結論を審査基準に反映したいと思います。
本件につきましても、詳細ありましたら事務局にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

石油製品価格高騰

Q: よろしくお願いします。
原油高関連で2問お伺いします。
まず、石油元売り会社の補助金の件なのですけれども、10日に上限を25円に引き上げたばかりなのですけれども、17日の支給から早くも25円に到達をしたということで、今後更にガソリン価格が上がると抑制効果というのがだんだん薄れていくということになります。

ガソリン価格の上昇に歯止めがかからずに25円になってしまったと、この現状の受け止めと当面この今の25円という上限で対応していくというお考えでいいのか、その辺りちょっと確認させていただければと思います。よろしくお願いします。

A: 3月17日からの支給額は、上限の25円になったと承知しておりますが、これは7日の週の原油価格の急騰を受けたものでありまして、激変緩和事業の拡充策は先週の木曜日から支給を開始したばかりでありまして、まずは今回の拡充策をしっかりと実施し、効果を見てまいりたいと思います。
激変緩和事業の効果については、14日のレギュラーガソリンの全国平均価格は175.2円という結果となりました。今般の激変緩和事業がなければ、原油価格の上昇により189.7円になっていたと予測されるため、14.5円の価格抑制効果が確認されました。また、軽油、灯油についても同様に14.4円の価格抑制効果が確認されたところです。このため、価格上昇の抑制という目的は一定程度達成できていると考えております。
その上で、今後原油価格の高騰がどの程度長期化するのかも見極めながら、あらゆる選択肢を排除することなく、何が真に効果的な対策か、政府全体で不断の検討を行ってまいりたいと思います。

Q: 関連してもう一問お伺いします。
トリガー条項の凍結解除の件です。
大臣は前回の会見でも、発動すればバラ色になるというような制度ではないよということで、問題点についても指摘されておりました。こういった状況ですけれども、自民党と公明党と国民民主の3党で幹事長が会談をして、解除についての検討チームというのを発足するということになりました。

こうした動きが政党間で進んでいることについての受け止めがあればお伺いします。よろしくお願いします。

A: そもそも先日の記者会見は、TBSさんの方からトリガーのデメリットについて考えを示してくれと言われたからデメリットだけ話したので、メリットとデメリットを紹介してくれと言われれば両方話したんですよ。したがって、私もニュースを見ていたら、私がすごい否定的な意見ばかり言っていて、何か嫌なやつみたいに映っていましたけれども、そうではなくてトリガーはトリガーでいい点もあるわけでして、利用者からすればそれは25円安い方がいいに決まっているわけですから、そこはちょっと誤解のないように是非お願いしたいと思います。
御指摘のあった報道は承知しておりますけれども、政党間のやり取りについて、経済産業省の立場でコメントするのは現時点では控えたいと思います。
経済産業省としては、エネルギー市場の高騰から国民生活や日本経済を守るため、激変緩和事業について、元売り事業者に対する支給額の上限を5円から25円に大幅に引き上げております。また、これに加えてもともとあった業種別の対策、これも手厚く様々な対策を講じているところでありますが、今後原油価格の高騰がどの程度長期化するのかも見極めながら、トリガー条項を含めてあらゆる選択肢を排除することなく、何が真に効果的な対策か、政府全体で不断の検討を行ってまいりたいと思います。
与党に野党が加わっているから、今までとちょっと違うスタイルなので、コメントしづらいのですけれども、それはそれで皆さん問題意識を共有してお話合いをしているのでしょうから、それはそれで是非やっていただきたいですし、我々政府ももちろん年度末に向かって今様々なシミュレーションを加速させていただいておりますので、それがどこかで合致すれば一番よろしいのではないかなと思っています。

Q: 大きく3点お願いします。
1点目が原油価格の上昇が一服して、1バレル100ドル前後で今推移しています。引き続き高い状況ではありますが、この価格水準について大臣の受け止めを一言伺えればと思います。

2点目も併せてなんですけれども、萩生田大臣を始めとして政府として産油国への働き掛けを続けていますが、週末に林外務大臣の方が産油国のUAEなどを訪問する予定です。エネルギー関係の情報交換などで働き掛けを行うということになるかと思いますが、どのような成果を期待するでしょうか、まず2点お願いします。

A: 3月7日に一時的に1バレル130ドルを超えた原油価格でありますけれども、足元ではまた一度90ドルに戻って、今100ドルぐらいを行ったり来たりという、こんな状況だと思います。引き続き高騰した状態にあることは否定できませんので、企業活動や暮らしへの影響を心配しております。
ただ、130ドルになったときは、このままどこまで行ってしまうのかとちょっと心配になって、先ほど冒頭の質問ではないですけれども、25円の後はどうするのだという本当に頭を抱えたのですけれども、今ちょっと落ち着いていますので、少しずつ暖かくなってきていますので、今はこれはしっかり効果を見ていきたいなと思っています。
当然のことながら、我が国としては、これまでもあらゆるレベルでUAEですとかサウジアラビアですとかクウェートですとか、様々な産油国に対して累次の働き掛けを行ってまいりました。また、先日のIEAの臨時閣僚会合ですとかG7の臨時エネルギー大臣会合でも、主要な消費国で連携して働き掛けを行うということを呼び掛け、また一致をしたところです。

今後の予定や増産の見通しについてコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、引き続き主要な消費国や国際機関などと連携を一層強化し、様々な機会を活用して、これは産油国への継続的な働き掛けは当然行っていくべきだと思いますし、私自身も行っていきたいと思います。今回、林大臣がUAE(※)を訪問するに当たって、この話題をしないということは当然想定されませんので、それはまた違う立場でしっかりお願いしてもらいたいなと思っています。

Q: 昨夜になりますが、岸田総理とサウジアラビアの皇太子による電話会談が行われました。その中で、原油市場の安定化であるとかカーボンニュートラル時代に向けた協力を深化させていくことで一致したということですが、さらに、エネルギー大臣同士で協議を行うとのことでした。今後具体的にどのような取組を行っていく考えでしょうか。

A: 昨日総理とムハンマド皇太子の会談でのやり取りの中で、石油の安定供給について、私とアブドルアジーズ大臣との間で話をしていくことになったとの報告を受けております。そもそもアブドルアジーズ大臣とはやり取りを続けておりますので、それをまた更に強化していくということだと思います。
今後適切なタイミングで国際原油市場の状況や今後の対応などについて、大臣としっかり話をしようと思っております。

Q: 冒頭の質問の回答にも関連しますが、激変緩和事業について、25円の上限拡充の中で、3月末までの一応の想定の事業の中、4月以降についてはどのように考えているのか、現時点でのお考えをお聞かせください。

A: この激変緩和事業につきましては、3月までの暫定的な制度であることは今までも申し上げてまいりましたので、4月以降仮に原油の高騰が続くということであれば、何らかの対策を打っていかなくてはいけない。それが先ほどから申し上げているようなあらゆる選択肢を排除することなくやっていこうということなので、3月と4月がシームレスになるように、これは来週以降少し加速してやらなくてはいけないなという問題意識を持っております。

先ほど他社からも質問ありましたけれども、与党、野党合同の検討会なども始まっておりますので、ここは皆さんで知恵を出しながら、一番いい方向を見つけていきたいなと思っています。

(※)実際の発言は「サウジ」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。
 

以上

最終更新日:2022年4月18日

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