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4月4日(月)、萩生田大臣は兵庫県に出張し、神戸大学のバイオ生産工学研究室およびカネカ高砂工場にて「バイオものづくり」の現場を視察しました。続いて、神戸市の水素コージェネレーションシステムスマートコミュニティ実証サイトや液化水素荷役実証ターミナルを訪問し、水素の輸送や利用の実証を視察しました。

神戸大学のバイオ生産工学研究室では、微生物のゲノムの設計・合成・編集を繰り返すことで、プラスチックや繊維といった、より高機能な目的物質をより効率的に生産できるようにする産業用微生物(スマートセル)を設計・開発するためのプラットフォーム技術の研究開発施設を視察しました。神戸大学では微生物設計・開発プロセスの自動化にも取り組んでおり、開発中の最先端の自動化装置もあわせて視察しました。ゲノム改変技術の急速な進歩により、「バイオものづくり」には、何を原料にして、何を製造するか、無限の可能性が広がってきています。

また、カネカ高砂工場では、微生物を活用した、海洋生分解性プラスチック製造設備を視察しました。ゲノム編集により開発された、海洋生分解性プラスチックを体内に大量に蓄積できる微生物を活用することで、コストの大幅削減を実現し、世界で初めて商用生産に成功しています。今後、さらにCO2を原料にしてこのプラスチックを作る挑戦をしており、これが実現されれば、気候変動対策の切り札になります。

水素コージェネレーションシステムスマートコミュニティ実証サイトを視察しました。喫緊の課題であるクリーンエネルギーへの転換に向けて、水素の利活用は非常に重要です。この実証サイトでは水素100%のガスタービン発電によって、市街地へ熱と電力を供給することを、世界初で達成しました。

さらに、液化水素荷役実証ターミナルにて、液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」を視察しました。この船は、海上輸送用液化水素タンクを搭載した世界初の液化水素運搬船です。オーストラリアから9,000kmの海を渡り、今年2月に神戸港に到着し、新しい時代を切り拓く第一歩となりました。

視察を終えて、神戸市内にて行った会見で、萩生田大臣は、バイオものづくりについて、中途半端な取組では世界の競争に打ち勝つことはできないとし、「世界をリードしていけるような規模の大胆な投資を行っていく」と述べました。また、水素についても、「商用化に向けた大胆な政策措置を検討するよう、改めて指示した」と発言しました。

  • 神戸大学バイオ生産工学研究室視察の様子
  • カネカ高砂工場視察の様子
  • 水素コージェネレーションシステム
    スマートコミュニティ実証サイト視察の様子
  • 液化水素運搬船「すいそふろんてぃあ」

最終更新日:2022年4月12日

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