厚労省・新着情報

日時

令和3年8月4日(水) 18:00~21:00

場所

WEB会議(厚生労働省 共用第9会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより、第66回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第15回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席いただき、ありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが、御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち5名の委員に御出席いただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお、全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。
柿崎委員、倉根委員より御欠席する旨の御連絡をいただいております。
また、宮川委員より遅れての御出席となる旨の御連絡をいただいております。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましてはここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
本日の審議の前に、傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の「傍聴への留意事項」を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に反した場合は、退場していただきます。また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので、御留意願います。
本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項につきまして報告をお願いいたします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。
本日御出席をされた委員の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は、麻しん、風しん、おたふくかぜ、水痘、帯状疱疹、23価肺炎球菌、HPV、百日せき、ジフテリア、破傷風、不活化ポリオ、7価、13価肺炎球菌、Hib、BCG、日本脳炎、B型肝炎、ロタウイルス、インフルエンザ、新型コロナウイルスの各ワクチンであり、その製造販売業者は、一般財団法人阪大微生物病研究会、グラクソ・スミスクライン株式会社、KMバイオロジクス株式会社、サノフィ株式会社、第一三共株式会社、武田薬品工業株式会社、デンカ株式会社、日本ビーシージー製造株式会社、ファイザー株式会社、MSD株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。
各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜ、新型コロナウイルスの各ワクチンについて、石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受け取りがあるため、DPT、DT、4種混合、破傷風、MR、麻しん、風しん、おたふくかぜの各ワクチンについて、意見を述べることはできますが、議決に参加いただけませんことを御報告いたします。
また、伊藤澄信委員はインフルエンザワクチンの薬事承認申請資料等の作成に関与していることから、当該ワクチンの審議に参加いただけません。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受け取りについて、通帳や源泉徴収票などの書類も御確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岡座長 次に、事務局から本日の配付資料の確認をお願いいたします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-5-3、資料2、資料3-1から3-31、参考資料1から6になります。
不備等がございましたら、事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等」について、まずは資料1-1-1から1-4-2について事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 まず資料1-1、1-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
今回の集計対象期間は令和3年7月25日報告分までとなっております。
2ページ目をご覧ください。表の一番下の「合計(2021年7月25日現在)」でございます。表の左半分がコミナティ、右半分がモデルナでございます。
まずコミナティですが、7月25日までの推定接種回数が7413万7348回接種。医療従事者と一般接種の内訳につきましては、表の下の※の3つ目に記載しております。副反応疑いの報告件数は1万9202件、報告頻度としましては0.03%で、前回と同一の値となっております。うち、重篤の報告件数が3,254件、報告頻度としては0.00と表記しておりますが、正確には0.0044%で、前回報告時の0.0048%とほぼ同一の値となっております。死亡事例につきましては665件としておりますが、後ほど製造販売業者からの報告事例も含めまして資料1-3-1にて御説明いたします。
続いて、右に行っていただきまして、モデルナでございます。7月25日までの推定接種回数が358万9581回、報告件数としましては903件、頻度としては0.03で前回の0.02から若干の増加となってございます。うち、重篤の報告件数が84件、死亡事例については5件としておりますが、後ほど資料1-3-2にて御説明いたします。
6ページ目のマル4、副反応疑い報告の報告基準別報告件数をご覧ください。アナフィラキシー疑い事例として医療機関から報告されたものの件数でございまして、コミナティが2月17日以降、モデルナが5月22日以降の累計でございます。コミナティで1,887件、モデルナでは103件のアナフィラキシー疑い事例が報告されております。
以降のページにつきましては、これまでと同様に性別、年齢別等で集計しております。
続きまして、資料1-2-1「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。
こちらも集計対象期間は7月25日まででございまして、2ページ目の表の一番下、合計7月25日の行をご覧いただければと思います。
まずコミナティですが、こちらは重篤なものが報告対象となっておりまして、8,751件、頻度としましては0.01%で、前回と同一の値となっております。死亡事例は655件としておりますが、後ほど御説明いたします。
続いて、右半分のモデルナのほうに行っていただきまして、副反応疑い報告件数につきましては242件、死亡事例については5件報告されておりますが、死亡事例につきましては資料1-3-2にて改めて御説明いたします。
4ページ目をご覧いただければと思います。
アナフィラキシー疑い事例の報告件数でございます。コミナティで1,992件、モデルナで58件報告されております。ブライトン分類の評価結果につきましては、後ほど資料1-4の中で御報告したいと思います。
続きまして、資料1-3-1「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要(コミナティ筋注)」をいただければと思います。
コミナティの死亡事例について御報告いたします。
「1.報告状況」の部分でございます。前回の合同部会以降、医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例は新たに84件ございまして、7月25日までに報告された事例は828件となっております。
なお、こちらの数字につきましては、重複と取下げ事例を除いた数字となっております。
2つ目の○の部分でございます。上記に加えまして、集計対象期間外となりますが、7月26日から30日までに医療機関等から報告された死亡事例は84件ございました。
「2.専門家の評価」の部分でございます。7月25日までに報告された828事例を対象に、ワクチンと死亡との因果関係の評価を実施しておりまして、結果としましてはβが3件、γが825件となってございます。
以降のページにおきましては、死亡事例のラインリストと集計結果をおつけしております。
続いて、資料1-3-2「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」をご覧いただければと思います。
モデルナの死亡事例について御報告いたします。
1ページ目、「1.報告状況」の部分でございます。前回の合同部会以降、死亡として報告された事例は新たに1件ございまして、7月25日までに報告された死亡事例は計6件となってございます。
集計対象期間外となりますが、7月26日から30日までに報告された事例が1件ございました。
「2.専門家の評価」でございます。7月25日までに報告された6事例を対象に評価を実施しておりまして、結果はいずれもγとなっております。
以降はコミナティ同様、ラインリストと集計表をおつけしております。
続いて、資料1-4-1「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして報告された事例の概要(コミナティ筋注)」をご覧いただければと思います。
コミナティにつきましては、製造販売業者からの報告内容に基づき、ブライトン分類で評価をしております。
1ページ目、「1.報告状況」の部分ですが、前回の合同部会以降、製造販売業者からアナフィラキシー疑い事例と報告されたものが新たに139件ありまして、7月25日までに報告された事例は計1,992件となっております。
「2.専門家の評価」の部分でございます。この1,992事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、結果を表でお示ししております。
2ページ目に進んでいただきまして、一番上の部分にブライトン分類1~3の報告件数をおまとめしております。7413万7348回接種について360件、100万回当たりの報告件数ですとブライトン分類1~3に該当するものは5件でございました。
続きまして、資料1-4-2「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシー疑いとして医療機関から報告された事例の概要(COVID-19ワクチンモデルナ筋注)」をご覧いただければと思います。
モデルナにつきましては、医療機関からの報告内容に基づきましてブライトン分類評価を実施しております。
1ページ目の「1.報告状況」の部分でございます。前回の合同部会以降、医療機関からアナフィラキシー疑いとして報告された事例が新たに57件ありまして、7月25日までに報告された事例は計103件となっております。
「2.専門家の評価」の部分でございますが、この103事例を対象にしましてブライトン分類評価を実施しておりまして、1~3に該当する事例は8件でございました。
2ページ目の一番上に100万回当たりのブライトン分類1~3の報告件数を記載しておりますが、2件となっております。
最後に、モデルナのブライトン分類の評価についてですが、一定の接種数になるまでは、速報的な観点から医療機関からの報告に基づき評価を実施しておりました。現時点でモデルナの接種数がコミナティのときに切り替えた段階とほぼ同程度となっておること、また、医療機関、企業からの報告数もある程度集積しておりまして、傾向も見えてきたかなと思いますので、次回からモデルナのブライトン分類につきましてもコミナティ同様製造販売業者からの報告の内容に基づき行いたいと考えております。
資料1-1-1から1-4-2までの説明は以上となります。
○岡座長 ありがとうございます。
引き続き、資料1-5-1から1-5-3について事務局から御説明をお願いします。
○事務局 事務局でございます。
資料1-5-1につきまして御説明申し上げます。
資料1-5-1「副反応疑い報告の状況について」をご覧ください。
まず2ページ目でございます。こちらは今御説明申し上げました資料1-1から1-2でお示しした、副反応疑い及びそのうちの重篤例あるいは死亡例に関し、医療機関報告及び製造販売業者報告数につきまして、上段の青囲みのところにファイザー社ワクチン、下段に武田/モデルナ社ワクチンについてまとめた資料でございますので、ご覧いただければと思います。
3ページ目は、新型コロナワクチンにおいて死亡として報告された事例の概要ということでまとめさせていただいております。先ほど御説明申し上げましたとおり、前回の審議会までの時点で死亡として報告された事例は663件でございましたけれども、今回の審議会時点、7月25日時点で死亡として報告された事例は828件でございました。
次のスライドでもお示しいたしますけれども、症状の概要に記載された死因等、こちらは、死因等については死因として確定されていないものも含めて計上しておりますけれども、前回同様、上位の3疾患につきましては心不全79件、虚血性心疾患76件、肺炎68件等でございました。
また、データ登録期間外でございますが、30日までに医療機関あるいは製造販売業者から死亡として報告された事例が84件ございました。
武田/モデルナ社ワクチンにつきましては、今回、審議会時点、7月25日時点までで6件、または30日時点までで1件の報告がございました。
続きまして、4ページ目をご覧ください。こちらは死亡として報告された事例についてということで、上段のところにファイザー社ワクチンにおける死亡として報告された828例のうち、年齢及び症状の概要に記載された死因等として以前よりお示ししているところでございます。下段のところに武田/モデルナ社ワクチンについての情報をまとめております。
まずファイザー社ワクチンのところでございますけれども、年齢別というところで、以前より65歳以上、括弧囲みの中に前回値ということでそれぞれ載せさせていただいておりまして、65歳以上、65歳未満、または年齢の記載がないものということで載せさせていただいております。
65歳未満のうち、前回症例が38例のところ、今回が49例といった状況でございました。65歳未満の49例、11例増えまして、追加で報告のございました11例のうち、主なものといたしましては出血性脳卒中、大動脈疾患、不整脈等となっておりまして、ご覧いただいた数字のとおりの御報告がございました。
また、こちらの資料で補足のところ、小さい字で恐縮でございますが、注釈3~5にかけて記載させていただいておりますけれども、今回の資料においても、死亡として報告された事例数は今回828例のうち1%を超えた9例以上の死因等について具体的な数値を記載しているものでございます。また、前回御議論の中でお話のございましたアナフィラキシーについてでございますけれども、今回アナフィラキシーは9例未満でございましたため、その他に記載しておりますが、本ページにおけるアナフィラキシーの記載については、7月7日の審議会におきましても岡委員のほうから御指摘をいただきましたので、改めて御説明申し上げます。
本ページでお示ししているのは、死因として確定されていないものも含め、報告書に記載のあった死因と関連する可能性のある全ての症状名を計上しておりまして、前回アナフィラキシーは7件とお示ししておりましたけれども、ワクチン接種と死亡との因果関係についての専門家による評価の結果はいずれも情報不足等によりγとされております。また、この7件のうち1件は専門家によるブライトン分類で5、アナフィラキシーではないと評価されており、残りの6件は4、十分な情報が得られず、症例定義に合致すると判断できないと評価されております。このため、前回の岡委員の御指摘のとおり、現時点においてはアナフィラキシーを原因として死亡に至ったと評価された事例はないと考えられます。
こうした背景も踏まえまして、今回資料をこのようにまとめさせていただいておりますけれども、注釈も含めまして、資料についての御議論をいただければと考えております。
また、下段におきましては、武田/モデルナ社ワクチン接種後に死亡として報告された例としまして6例ございまして、その内訳をお示ししておりますので、こちらについてもご覧いただければと思います。
続きまして、5ページ目は日本における死亡として報告された事例ということで、ファイザー社ワクチンのものについてまとめておるものでございます。傾向としましては、引き続き横ばいから漸増といったところでございまして、100万人接種当たりですと19.0件、100万回接種当たりですと11.1件という状況でございます。
また、6ページ目は海外の死亡例に関する最新の報告状況ということで、ファイザー社ワクチンについてまとめさせていただいております。こちらにつきましては、米国の死亡についての情報のアップデートがなかなかないといった状況でございましたけれども、今回7月26日、CDCより100万回当たり18.5件という記載がございましたので更新させていただいております。また、英国におきましてもアップデートさせていただいております。こちらもご覧いただければと思います。
また、7ページ目は日本における死亡として報告された事例、武田/モデルナ社ワクチンについての資料でございます。件数としましては6件ということでございまして、推定接種回数から100万人接種当たりの件数としましては2.2件あるいは1.7件といった状況でございます。
注釈2を設けさせていただいておりまして、このモデルナ社ワクチンにつきましては、使用されております職域接種の接種実績が反映されるまでには時間を要する場合があることに留意が必要でございます。現時点でお示ししている推定接種回数は、右の出展・備考のところに載せさせていただいておりますとおり、首相官邸ウェブサイトで更新されております接種実績を載せさせていただいておりますので、その点御了承いただければと思います。
また、8ページ目をご覧ください。こちらは海外の死亡例ということで、武田/モデルナ社ワクチンについての海外情報を更新させていただいております。
続きまして、9ページ目をご覧ください。こちらはファイザー社ワクチンにおける日本のアナフィラキシーに係る医療機関からの報告状況についてということで、以前から載せさせていただいているものでございまして、直近の値としましては100万回接種当たり25件といった状況で、引き続き漸減傾向が続いております。
また、10ページ目におきましては、製造販売業者からアナフィラキシー疑いとして報告された件数、及びそれに基づきましてアナフィラキシーの件数、ブライトン分類に基づき、専門家によりアナフィラキシーと評価された件数を載せておりますけれども、直近、製造販売業者からの報告件数としては100万回当たり27件、また、アナフィラキシーと専門家により評価された件数が5件ということで、こちらも引き続き漸減傾向が続いているという状況でございます。
11ページ目につきましては、ファイザー社ワクチンの海外の情報をアップデートしておる次第でございます。
また、12ページ目におきましては、武田/モデルナ社ワクチンの日本におけるアナフィラキシーの医療機関からの報告状況についてということでございます。直近のデータとしましては100万回接種当たりの件数が28.7件、及びブライトン分類に基づき専門家によりアナフィラキシーとして評価された件数が2.2件といった状況でございまして、こちらも注釈のとおりモデルナ社ワクチンの推定接種回数については留意が必要と考えております。
13ページ目は、海外の武田/モデルナ社ワクチンのアナフィラキシーにおける報告状況ということでご覧いただければと思います。
続きまして、14ページ目をご覧ください。こちらから心筋炎に関してのスライドでございます。国内の新型コロナワクチン接種後における心筋炎関連事象の疑い報告ということで、こちらは引き続き医療機関から心筋炎関連事象を発症したとして報告された事例の概要としてまとめさせていただいており、ファイザー社ワクチン接種後の心筋炎関連事象をまとめております。
こちらは医療機関から最新で46件(43例)の報告がございました。年齢群別では現時点で因果関係が疑われております若年者さらには男性の報告数が注視されておりますけれども、そちらにつきましては、40歳未満は14件(13例)ということで、若年男性において1件の追加報告がございました。そのほか、追加報告としましては65歳以上の方が10件(9例)あったと承知しております。
また、武田/モデルナ社ワクチンにつきましては下段に記載させていただいておりますけれども、以前より御報告のありました65歳女性の1例に加えまして、52歳男性の1例及び33歳女性の1例の2例が新たに報告され、計3例となっております。
15ページ目につきましては、以前から載せさせていただいております令和元年度における心筋炎関連事象の発症者ということで、いわゆる非ワクチン接種者のバックグラウンドデータとなっておりますので、御参考にしていただければと思います。
16ページ目につきましては、ファイザー社ワクチン接種後における心筋炎関連事象についてということで、こちらは日本における経時的な推移ということで、直近でいいますと100万人接種当たり1.1件、100万回接種当たりですと0.6件といった状況でございます。海外の値と比較しながら御議論いただければと考えております。
また、17ページ目でございますけれども、こちらはモデルナ社ワクチンの日本における報告件数の推移です。直近ですと100万人接種当たり1.1件、100万回接種当たり0.8件といった状況でございまして、こちらも海外のデータを載せさせていただいておりますので、ご覧いただければと思います。
続きまして、18ページ目は、海外における新型コロナワクチン接種後の心筋炎関連事象についての当局の報告あるいは対応状況といったところでまとめさせていただいております。特に、米国におきまして記載がございますけれども、ファイザー社ワクチンを接種した若年層に関しては、接種後の局所及び全身反応のごく一部が心筋炎によるものである。若年層を含む全ての人において当該ワクチン接種のベネフィットは心筋炎関連事象のリスクを上回る。引き続き12歳以上の全ての人に対し、当該ワクチンの接種を推奨するといったことで、同じトーンで引き続き状況を注視しつつ、接種を続けていくといったことが述べられております。
続きまして、19ページ目でございます。こちらは以前の6月23日の審議会におきまして、多屋委員より提出資料として頂きましたものを一部抜粋して載せさせていただいております。こちら、アナフィラキシー、死亡あるいは心筋炎以外の疾患についても注視していく必要があるかというところで御議論いただいたところでございますが、海外におけるWHOあるいはSPEAC、CDCにおいてサーベイランス疾患として掲載されている疾患や症状及び国内の報告義務の対象としている疾患、症状及び積極的に報告を求めている疾患、症状が整理されており、それに付随しまして、日本における医療機関報告及び企業報告をまとめていただきました。
こうした中で、多屋先生あるいは森尾先生とも御相談させていただきながら、20ページに資料として、今後の注目すべき疾患に係る検討の進め方についてということでまとめさせていただきました。
検討の進め方についてでございますけれども、新型コロナワクチンの接種開始から半年近くが経過し、国内外での安全性の知見も蓄積していることから、副反応疑いとして広く報告されている疾患/症状のうち、その疾患特性や接種との関連の可能性などの観点から、特に丁寧に検討していく必要がある疾患や症状について順次検討していくという方針とさせていただいております。
また、先生方と御議論させていただきながら、検討に当たって考慮すべき情報の例といたしまして、以下のようなものを挙げさせていただきました。国内における報告数や報告の頻度、対象疾患/症状の自然発生頻度との比較、新型コロナウイルス感染症自体での合併症、海外規制当局における取扱いの状況、論文情報等最新の科学的知見に関する状況、疾患/症状の重篤性や不可逆性及び回復に要するまでの期間、接種との関連性を検討する上で丁寧なモニタリングを要する疾患や症状といったものを総合的に考慮していくべきではないかという御意見を頂戴し、まとめさせていただきました。
こうした状況を踏まえまして、現時点においては、国外においても引き続きmRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患はございませんけれども、国内における報告数及び報告の頻度あるいは疾患の重篤性等を考慮し、今回先生方にも御指導いただきまして、虚血性心疾患及び出血性脳卒中に関して、現時点でできる評価をさせていただいた資料を後ほど御紹介したいと思います。
21ページ目につきましては、前回の審議会におきまして新型コロナワクチン接種と接種後の死亡事象との因果関係に関する現時点での考えということで、資料の再掲をさせていただいております。
22ページ目でございますけれども、こちらから出血性脳卒中に関する評価の資料でございます。
まず、人口動態統計を用いまして、令和元年度1年間における各疾病における年齢別の死亡数をお示ししております。以前にも出血性脳卒中に関しまして評価させていただいた際には、くも膜下出血及び脳内出血をバックグラウンドデータとして集計させていただきましたけれども、下の注釈のところにございますが、米国のVSDでの基準を照会しましたところ、くも膜下出血、脳内出血に加え、その他の非外傷性頭蓋内出血も計上しているということがわかりましたので、症例数といたしましては少数でございますけれども、こちらの報告数も加えまして、出血性脳卒中による死亡に相当する報告数として計上させていただいております。
続きまして、23ページ目をご覧ください。こちらは出血性脳卒中による死亡数についてということで、出血性脳卒中による死亡の発生頻度の比較のスライドでございます。現時点で比較が可能なデータといたしまして、上段にワクチン接種群の出血性脳卒中による死亡の報告の発生率、下段に、先ほどのスライドでご紹介させていただきました一般人口での出血性脳卒中による死亡の発生率、をそれぞれ枠囲みで比較にできるように準備させていただきました。
上段の四角囲みのワクチン接種分の出血性脳卒中による死亡の報告の発生率につきましては、注釈に記載のとおり、観察期間の設定がこちらの値を変動させるものになってきますが、例えば観察期間を30日として算出した場合には0.03件/100万人・日で、観察期間を米国のVSDのリスクインターバルを参考に21日としました場合にはおおよそ0.04件/100万人・日となります。一方で、一般人口での出血性脳卒中による死亡の発生率を同じように計算いたしますと、0.75件/100万人・日でした。こちらのデータソースにつきましては、下の数値の出典のところに記載がございますけれども、前回の審議会7月11日までの副反応疑い報告及び推定接種回数に基づいて概算させていただいておりますので、御了承いただければと思います。
続きまして、24ページ目をご覧ください。死因等の評価につきましては、全年齢のみでなく、65歳未満と年齢を区切った形で若年層においての評価も重要であろうということで以前から御議論いただいておりましたけれども、こちらのページにおきまして、若年層、今回は65歳未満の推定接種回数の概算の仕方についてのスライドを準備させていただきました。詳細につきましては割愛させていただきますけれども、計算の結果、全体の65歳未満の推定接種回数といたしましては、1回目が928万5249接種、2回目が556万1077回接種と概算させていただきました。
この数値を基に、25ページ目をご覧ください。こちらは出血性脳卒中による死亡についてということで、65歳未満に絞った比較スライドとなります。上段におきまして、ワクチン接種群の出血性脳卒中による65歳未満の死亡の報告の発生率0.02件/100万人・日、観察期間を21日とした場合に0.03件/100万人・日といった数値と概算されるところ、一般人口での出血性脳卒中による死亡の発生率は0.22件/100万人・日といった状況でございました。
続きまして、26ページ目から28ページ目につきましては、同様に虚血性心疾患という枠組みで比較のスライドを御準備させていただきました。
26ページ目におきまして、虚血性心疾患、代表的な疾患として狭心症、急性心筋炎、再発性心筋梗塞、その他の急性虚血性心疾患等が人口動態統計におきまして虚血性心疾患ということでまとめておりますので、こちらをレファレンスデータといたしまして27ページ目、28ページ目で計算しております。
27ページ目の上段におきましては、ワクチン接種分における全年齢層においての虚血性心疾患による死亡の報告の発生率ということで、0.04件/100万人・日、こちらも観察期間を21日間とした場合には約0.05件/100万人・日、一般人口での虚血性心疾患による死亡の発生率が1.46件/100万人・日といった比較のスライドとなります。
また、下の注釈のところ、小さい字で恐縮でございますけれども、ワクチン接種群のうち、虚血性心疾患で死亡したとして報告された事例の全てが虚血性心疾患ではなく急性心筋梗塞であったと仮定して算出した場合においても、一般人口での虚血性心疾患の年間死亡者数は一般人口での発生率としては0.68件/100万人・日であり、ワクチン接種分の値約0.04~0.05件/100万人・日はこれを下回ると考えられます。
同様に、28ページ目につきましても比較の数値をお載せしておりますので、御議論いただければと思います。
最後、まとめのスライドでございます。29ページ目及び30ページ目、31ページ目をご覧ください。
29ページ目が死亡の報告状況及び因果関係に関する考え方についてのまとめでございます。副反応疑い報告制度におきまして、ファイザー社ワクチンの死亡例として報告されたものは、接種開始から7月25日までに828件ございました。また、ワクチン間における被接種者の属性等に大きく差があることに留意が必要であるが、武田/モデルナ社ワクチンは6件でございました。
報告された症状等は、心不全、虚血性心疾患、肺炎等でございました。
死亡例については、引き続き透明性をもって公表するため、個人情報につながる情報を除き、報告情報を可能な限り公表するとともに、併せて専門家の評価を行っております。
専門家による評価は、ファイザー社ワクチン828件のうち、825件がγ、3件がβ、また、武田/モデルナ社ワクチンについては6件ともγとされております。
現時点においては、個々の死亡事例について、mRNAワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認められず、mRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係に統計的に認められた疾患もないが、引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより、接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていくということでよいか。
また、死亡例の報告に関しては、被接種者の属性の変化や海外の報告状況も鑑みて、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいか。
30ページ目におきましては、同様にアナフィラキシーについてまとめさせていただいておりまして、青囲みの最下段でございますけれども、アナフィラキシーの疑いとして報告され、転帰が確認されたほとんどの例で軽快したことを確認しておりますので、新型コロナワクチンのアナフィラキシーとして報告された事例に関しては、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、両ワクチンの被接種者の属性の差に留意しつつ、引き続きワクチン接種を継続することとしていく。
31ページ目でございます。心筋炎関連事象及び副反応疑い報告の例に関する全体のまとめでございますけれども、ワクチン接種後の心筋炎関連事象については、現時点においてワクチン接種の体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められず、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象及び疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続き最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくことでよいか。
全体としては、死亡、アナフィラキシー及び心筋炎関連事象を含めた国内の副反応疑いの報告の発生状況については、現時点においてワクチン接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、引き続き国内外の情報を収集しつつ、新型コロナワクチンの接種を継続していくこととよいかということでまとめさせていただいております。
また、資料1-5-2及び1-5-3につきましては、現在注視されております心筋炎関連事象についての症例報告の一覧及び、こちらにつきまして、転帰として死亡として報告されているものがございますので、転帰が死亡となっているものにつきましては資料1-5-3ということで載せさせていただいております。
特に資料1-5-3につきましてご覧いただければと思います。こちらの資料の説明でございますけれども、注釈のところでございますが、こちらは心筋炎関連事象として医療機関からの報告の中で転帰が死亡であったものをまとめております。心筋炎関連症例として副反応疑い報告をされた事例について、報告された症状の概要や診断根拠等を示すため、症状名として「心筋炎」または「心膜炎」が報告され、かつ転帰が死亡であった症例について報告書の記載を抜粋しております。副反応疑い事例として報告されたものを転帰したものであり、ワクチン接種と当該症状または当該転記との因果関係が示されたものではないということで、そういった前提でこちらをご覧いただければと考えております。
事務局からは以上でございます。
○岡座長 ありがとうございます。
ただいま、事務局からこれまでの副反応疑い報告の状況について御説明をいただきました。最後に事務局から論点を示していただいておりますので、これに沿っていつものように進めていきたいと思います。
まずは死亡事例についての審議から始めたいと思いますけれども、委員の先生方から何か御意見等ございますでしょうか。
今回は新たな症例についての御報告の追加と、前回少しお願いしました件数として、予防接種後に死亡したとして報告されている中で疾患名として記載のあったものについて、出血性の脳卒中と虚血性の心疾患については、ある程度その数字の解釈のような形での検討もしていただいていると思いますけれども、何か御意見等ございますか。いかがでしょうか。よろしいですか。
そうしましたら、事務局から、論点としては、現時点においては個々の死亡事例についてmRNAワクチンとの因果関係があると結論づけることのできた事例は認められず、mRNAワクチンの接種と疾患による死亡との因果関係が統計的に認められた疾患もないが、引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより、接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていくことでよいか。
また、死亡事例の報告に関しては、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいか。
このようにおまとめいただいていますけれども、この2点についてどう考えるかということについて何か御意見をいただけますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいですか。
特に御意見がないようですので、今までどおり引き続き情報収集を継続していくということで、ここで検討していただくということを続けたいと思います。ありがとうございます。
次に、アナフィラキシー疑いとして報告された事例について、事務局から論点として挙げていただいておりますけれども、新型コロナワクチンのアナフィラキシーとして報告された事例に関して、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、両ワクチンの被接種者の属性等の差に留意しつつ、引き続きワクチン接種を継続していくこととしていく。そのようにまとめていただいておりますけれども、アナフィラキシーについてはいかがでしょうか。何か御意見、御質問等ございますでしょうか。
モデルナについては、先ほど事務局からも300万件以上の接種になったということで、次回以降は製造販売業者からの報告に基づいての資料で示していただくということでどうかということですけれども、特に御意見はございませんでしょうか。
ありがとうございます。
それから、3番目の点として、心筋炎・心膜炎についてということですけれども、事務局からの論点としては、現時点においてワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められず、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続き最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくことでよいかという形でまとめをいただいておりますが、この点について何か御意見、御質問等ございますでしょうか。今回は心筋炎についても丁寧に資料をつけていただいておりますけれども、よろしいでしょうか。
佐藤委員、どうぞ。お願いします。
○佐藤委員 全体的なことなのですけれども、資料1-5-1の4ページ目ですが、今はモデルナの症例が少ないから一枚紙になっているということで、この書式で1枚ずつに変わっていくのですよね。要するに、ファイザーの書き方に全てのワクチンをそろえていただかないと見比べづらいなと思ったので、今後その辺りを工夫していただけるとありがたいなと思いました。
○岡座長 事務局。
○事務局 ありがとうございます。
御指摘のとおり、事務局のほうでも、実際にモデルナワクチンについても同じような形式で作らせていただいて、武田/モデルナのみ単独にすると、資料としてバランスが悪くなってしまうところを考慮しまして・・・
○佐藤委員 今はそうですよね。今後、その辺がならされていってだんだん同じような感じになって、各ワクチンの特徴量みたいなものが出てくる可能性があるので、できれば書式をそろえていただけるとありがたいです。この文章の中で読み取るのがつらかったので、お願いできればと思いました。
○事務局 ありがとうございます。
御指摘のとおりでございまして、恐らく次回ぐらいからまた症例数の報告が上がってくる可能性がございますので、次回、こちらはスライドを分けてお示ししていくことになるかなと事務局としても考えておりました。
○佐藤委員 よろしくお願いします。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
続いて、事務局の資料にはございませんけれども、私のほうから1つ提案をさせていただきたいと思っています。資料の集計対象期間についてですけれども、現在は部会開催前の週の日曜日の時点となっております。これはできるだけ迅速に何らかの副反応が出た場合に状況を把握するという観点で、これまで事務局にはこの時点での集計をお願いしてきたという経緯があります。
一方で、接種数が増加して、ワクチンの種類の増加に伴い、各部会において確認すべきデータ量も増えており、今まで以上に資料を事前に確認する時間も必要かと考えております。一方で、新型コロナワクチンの接種開始から半年近く経過して、国内外での安全性の知見が集積してきておりますので、ある程度副反応の傾向についても見えてきている状況とは考えられます。
論点ですけれども、締め切りの時期ですが、前の週の日曜日、会議開催の10日前から、前々週の日曜日、会議開催の17日前に1週間早くして、資料を事前に確認できる期間を確保してはどうかと思います。ただし、事務局には引き続き状況を継続的に注視していただいて、状況によってはこの会議の緊急の開催等も含めて検討いただくとして、それ以外の場合に集計対象期間の締め切りを前々週の日曜日にするということを御提案したいと思いますけれども、いかがでしょうか。何か御意見はございますでしょうか。
全体としては傾向が分かってきましたので、むしろ情報量を十分に吟味した上で提示していただいたものをゆっくり見せていただくということが必要かなと思いますけれども、よろしいでしょうか。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 舟越です。
mRNAのワクチンに関してはおっしゃるとおりで、属性と傾向で大体分かってきたので、それで構わないと思います。
今後、市町村のほうにアンケートは来ていますが、アストラゼネカ社のワクチンについては同じように締め切りをそういう形でセットするのでしょうか。アストラゼネカのワクチンの締め切りという部分に対しては、先ほど岡先生がおっしゃったように状況によって個別対応をしていくという形でしょうか。よろしくお願いします。
○岡座長 何か事務局のほうでこういう形がいいというのはございますか。
○事務局 ありがとうございます。
接種量とか接種後の副作用の件数によるかと思っておりますけれども、基本はデータロックとして一定程度限った上で対応し、その上で我々としてはできる限りの範囲においてまとめていくということを考えていきたいと思っております。すなわち、突発的な事項があったらもちろんそれはすぐに対応させていただきたいと思いますし、新しいワクチンについては、最初はできる範囲のことを何らか考えてやっていきたいと思っております。
○舟越委員 分かりました。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほかいかがでしょうか。
では、今の点は御同意いただけたかと思いますけれども、最後にその他の副反応、全体についてそのほかの御意見、御質問等ございますでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 5-1の19ページ、多屋先生のほうで提出していただいた資料がございます。これは非常に有益だと思います。今、この会議で話し合われているのは死亡、アナフィラキシー、心筋炎ということが中心で、それ以外の状況がよく分からなかったのですけれども、これを見ると、ほかの副反応がどれぐらい起きているかということがよく分かると思います。この資料をどう解釈をするかということなのですけれども、アナフィラキシーの報告が多いというのは分かるのですが、例えばけいれんもある程度、多いわけではないですけれども、60ですか。それから、顔面神経麻痺が当初からある程度出るというデータも治験とかの段階であったのですけれども、それも出ている。あと、心不全といったものもあるということなのですけれども、今後これを見ていった場合にどう変化を捉えていったらいいのかと。増えている、ちょっと気をつけなければいけない、その辺を多屋先生あるいは事務局なりから教えていただければと思っておりますが、いかがでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
大事な御指摘かと思いますけれども、事務局、あるいは多屋先生、もしよろしかったら何か御意見をいただければ幸いです。
○多屋委員 ありがとうございます。多屋です。
濱田先生、作表を見ていただきましてありがとうございます。
今後、どの疾患を見ていくということが決まりましたら、資料1-1-1の一番最後のページにその疾患が接種からどれぐらいの間隔で起こっているかという表を作っているのですけれども、そのような表を出していくことで、どこかに集積していないかとか、期間に関係なくまんべんなく報告されているのかといったことを見ていけると思っています。
もう一つは、今日事務局の方がかなり丁寧に検討してくださいましたけれども、一般人口での発生数、そして、副反応疑い報告で報告された数の比較を対象疾患を増やしていきながら検討していくということが考えられるかと思います。
まずは疾患を決めて、解析をするのはどうかと思っています。
最後に、海外の情報なども収集しながら、海外との比較なども大事かなと思っています。
ほかにこういうものを検討すべきということがあれば御意見をいただければと思います。
以上です。
○濱田委員 ありがとうございます。
私ども、ラインリストを細かく見る時間がとてもないので、こういうものがあると助かりますので、ぜひ有効に使っていければと思っております。
○多屋委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
事務局のほうで、今後作業としてどうしたらいいか、その辺り、何かございますか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
多屋先生、本件につきましては、多大なる御協力をいただきまして、本当にありがとうございます。森尾先生におかれましても、多大なる御協力をいただきましてありがとうございます。
まさに20ページ目にまとめているところで、何か一つのファクターだけでどこの疾患に注目していくということは現状ではやはり難しいのかなと思っておりまして、この検討に当たって考慮すべき例というところで挙げたようなところをまさに総合的に見ながら、多屋先生、森尾先生にも御意見を頂戴しながら、今回2つの疾患、特に死亡というのはやはり非常に重要な事項でございますので、その中でも上位の候補に挙がってきた2つの疾患をまとめさせていただきました。
一方で、先ほど濱田委員からけいれんというような疾患のお名前も出ましたけれども、疾患に関してはどれも軽視していいわけではないのですが、やはり疾患の特性によってより注目していくべき疾患というのがあるかなと考えておりまして、また一方で、疾患によってはバックグラウンドデータが広く分かっているものとそうでないものといったところがございますので、そこら辺のバックグラウンドデータの集積にも努めつつ、先生方のほうでも、多屋先生にもお作りいただいている表のところもご覧いただきながら、まずは分子数としてこの疾患は少し多そうではないかとか、疾患の重要度的にもう少し注目するべきではないかといったところも御議論いただきながら、また、今回、3週間のお時間があるようであれば、先生方にもまた資料をよく見ていただきながら、さらに注目すべき疾患がないかどうかという視点もお持ちいただけるのかなと考えておりますので、そうした上で審議会の中で御議論を進めていただければと思っております。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
少なくともmRNAワクチンに関してはある程度データも集まってきて、私どもも冷静に集まってきた数字を評価できるようになってきているのかなと思いますので、事務局のほうでも引き続きお願いいたします。
そのほかの副反応に関してよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
そうしましたら、これまで議論された内容をまとめたいと思いますので、よろしくお願いします。
まず、副反応疑い報告の状況についてでございますけれども、マル1として、コミナティの評価期間中の副反応疑い報告の頻度は、医療機関からの報告に基づけば0.03%であった。
また、モデルナの評価期間中の副反応疑い報告の頻度は、医療機関からの報告に基づけば0.03%であった。
マル3として、死亡事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、前回の合同部会から集計対象期間である7月25日日曜日までに新たに84件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降、集計対象期間までに報告された828例については、825件が「ワクチンと死亡との因果関係が評価できない(γ)」、3件は「ワクチンと死亡との因果関係が認められない(β)」と評価された。また、7月26日月曜日から7月30日金曜日までには、さらに84件の報告があった。
モデルナについては、前回の合同部会から集計対象期間である7月25日日曜日までに新たに1件の死亡事例の報告があった。専門家による評価では、接種開始以降、集計対象期間までに報告された6件については、いずれも「ワクチンと死亡との因果関係が評価できない(γ)」と評価された。また、7月26日月曜日から7月30日金曜日までにはさらに1件の報告があった。
死亡例の報告に関しては、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考えられる。
引き続き集積する事例に関する情報を収集し、丁寧に評価を行っていくことにより、接種と因果関係のある疾患がないかを見極めていくことが重要であるとこの時点についてはまとめましたけれども、よろしいでしょうか。
続けさせていただきますけれども、アナフィラキシーについては、マル1として、アナフィラキシー疑い事例の報告状況を整理すると、コミナティについては、接種開始から7月25日まで、医療機関から1,887件、製造販売業者から1,992件の報告があった。また、製造販売業者からの報告に基づくブライトン分類評価については、レベル1から3に分類されたものは360件であった。
モデルナについては、接種開始から7月25日まで、医療機関から103件、製造販売業者から58件の報告があった。また、医療機関からの報告に基づくブライトン分類評価については、レベル1~3に分類されたものは8件であった。
なお、次回以降は、コミナティ同様、モデルナについても製造販売業者からの報告に基づきブライトン分類評価を進めることとする。
アナフィラキシー疑いとして報告され、転帰が確認された例は、引き続きほとんどの例で軽快されたことが確認されている。
以上のことから、アナフィラキシー疑いとして報告された事例に関して、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められず、両ワクチンの被接種者の属性等の差に留意しつつ、引き続きワクチン接種を継続することとしていくということでよいのではないかとアナフィラキシーについてはまとめさせていただきました。
そして、心筋炎・心膜炎についてでございますけれども、マル1、心筋炎・心膜炎については、現時点においてワクチンの接種体制に直ちに影響を与える程度の重大な懸念は認められず、国内の接種状況を踏まえつつ、国内の心筋炎関連事象疑い報告の状況や海外における報告状況を注視していくとともに、引き続き最新の情報の周知及び注意喚起を行っていくということでよいのではないか。
最後に、集計対象期間の締め切り日について、マル1として、資料の集計対象期間の締め切り日については、次回以降、前々週の日曜日に1週間早め、資料を事前に確認できる期間を確保することとする。ただし、アストラゼネカ等につきましてはまた接種状況を踏まえながら適宜対応するという御指摘もいただきました。
このようにまとめさせていただきましたけれども、何か御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 ありがとうございます。お認めいただいたということで進めさせていただきます。
以上、今回報告のあった具体的な事例を踏まえまして、2種類の新型コロナウイルスワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについては、何か御意見はございますでしょうか。
特にないようでしたら、御審議いただきましたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 皆さんうなずいていただけたと思いますので、そのような結論で進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
続きまして、新型コロナワクチン接種後の健康状況に係る調査について、資料2に基づいて伊藤委員から御説明をお願いいたします。
○伊藤(澄)委員 伊藤でございます。
前回に引き続き、モデルナ筋注についての集計結果を報告させていただきます。
一昨日までに1万2855人の自衛隊関係者に1回目の接種、5,305人の2回目接種が終わっております。自衛隊隊員の方々ですので、日誌の回収に時間がかかっていることについては以前に説明させていただいておりますが、1回目接種後の日誌が7,615人、2回目接種後の2,491人のデータに基づいた集計結果をお示しいたします。
2回目接種データの収集時期が7月30日とおとといの8月2日の2時点になっておりますが、少しでも多くのデータをお届けするためにこういった形にさせていただいております。日誌自由記載欄を集計するのは短期間では大変難しいので、一部データの時点が先週末になっているということについては御理解いただければと思います。
7ページ目の発熱についてのデータですが、2回目接種後のデータは前回の980人から今回の2,500人弱にまでなりましたので、比較的安定したデータをお届けできているのではないかと思っております。2回目接種の翌日の発熱は8割弱に及びます。少し濃くなっているところが38℃以上なのですが、ここが6割とかなり高率です。それでも接種翌々日、2日たつと発熱者は2割程度、3日目には2%程度になっておりますので、2日間辛抱していただければ、発熱は自然に下がっております。後で説明いたしますが、どうも解熱薬で下がっているわけではなさそうです。
8ページ目は倦怠感、頭痛です。倦怠感は発熱よりも少し長引くかもしれません。鼻水、鼻漏については接種翌日に出ておりますので、自律神経症状の一環だろうと思います。
9ページは局所反応ですが、1回目に比べると発熱や腫脹、硬結、熱感、かゆみが明らかに高く出ているというのはご覧いただいて分かるとおりだと思います。痛みについては1回目、2回目がほぼ同様というところでした。
局所反応に関しては全身反応よりも少し長く、数日は続くかもと理解していただければと思います。
11ページです。被接種者の年齢が60歳以下の男性に偏っておりますので、男女別の集計はしておりませんが、コミナティ筋注に比べると年齢ごとの違いが小さいということが分かります。また、多少びっくりはしたのですが、疼痛については、年齢が高いほうが痛みを自覚されているようです。
12ページ、13ページは、PMDAに報告した症例と、自衛隊の隊員の方々なので骨折などのSAEが出ておりますが、その一覧です。
14ページ、15ページは、前回提示させていただいた発熱、倦怠感などのAEと性別、年齢の調整オッズです。1回目、2回目を含めて女性のほうの頻度が高いというのはコミナティと一緒なのですが、痛みは年齢が高いほうが頻度が高いというデータが統計的にも出ております。それ以外は、年齢が若い人のほうが倦怠感などの頻度が少し高い傾向があります。
15ページの年齢のオッズをご覧いただければと思いますが、コミナティ筋注の2回目の年齢の調整オッズは、発熱が0.966です。モデルナは0.976でコミナティのほうが少し低い。同様に疼痛が0.994で、倦怠感が0.973、頭痛に関しては0.975でした。この数字が何を意味するのかというと、年齢1歳ごとに増減する傾きを示しておりますので、モデルナ筋注のほうが年齢の影響が少ないということがこういった数字でも示されていると思います。
16ページと17ページは、1回目と2回目の副反応について添付文書と同じ形式で整理をいたしております。コミナティ筋注とどこが違うのかというのは皆さん興味を持たれることだろうと思いますが、一番大きな違いは、17ページの2回目の副反応リストをご覧いただくと、病休39.46%というのが突出して高いということです。一方、リンパ節腫脹やリンパ節がコミナティ筋注は0.97とか0.47%だったのに比べると少し少ないのかなと。発疹や下痢も同じように半分程度ということで、そこら辺に違いがあるのかと思います。
18ページは、モデルナアームと言われておりました遅延性の皮膚反応、モデルナだけではなくコミナティも起きているので、遅延性皮膚反応というのが正しいと思いますが、解析のために日誌2が回収できて、日誌1と突合した4,927人のデータを整理しております。Day7、1回目接種6日後が最低で、それ以後発赤が増えているというのが分かります。
19ページは、純粋に遅延性皮膚反応と言える人だけを抽出するために、Day3、翌々日に発赤がなく、その後に発赤が発現し、かつDay10以降に継続した人90人を抽出して時間的推移をまとめました。箱ひげ図でDay3のところがゼロなのは、そういった理由です。接種2日後に発赤があった人は除いておりますので、遅延性皮膚反応と臨床的に考えられる人はもう少し多いと思いますが、かなり絞り込んだ形でも1.83%という頻度になっています。
結果ですけれども、6日ぐらいから赤くなってきて、8日目ぐらいには発赤が明らかになっているということのようです。それが13日から16日ぐらいまで1週間程度続くというのが集計結果から分かります。左下に性別及び年齢階層別分布を作っておりますが、自衛隊隊員の方なので女性が少ないのですけれども、30歳代、40歳代の女性が多くて、少しびっくりするのですけれども、20歳代女性には少ない。なぜかよく分かりません。30歳代、40歳代の女性の8%に出ているというのが特徴的かと思います。
アトピー性皮膚炎があって遅延性皮膚反応が発現した人から問合せがありましたので、特定の誘因がないかどうか、遅延性皮膚反応が発現したかどうかを独立変数にして、食物などのアレルギー歴、喘息、アトピー性皮膚炎、高血圧、糖尿病というような背景因子を共変量にしてロジスティック回帰分析をしてみました。アレルギーとか喘息、アトピー性皮膚炎も含めて有意な因子はありませんでした。ですので、表としては作っておりません。
20ページです。発熱などの治療薬についての御質問を受けておりましたので、日誌の自由記載欄から抽出いたしました。市販薬の商品名を全て検索しているわけではございませんので、漏れがあるとは思っておりますが、発熱の頻度に比べて薬剤を使っている人はコミナティ筋注については少ないことが分かりました。医療機関従事者と自衛隊員という違いが大きいのかもしれません。
下に病休者の推移を示しましたが、8割近くの方が発熱しております。これは説明したとおりなのですが、発熱をしていると通常勤務は困難ですので、それに比べれば病休者35%という数字は少ないといえば少ないのですが、勤務をしようと思っていても勤務できなかった人が全体の35%いらっしゃったということだと理解しております。
この結果からは、以前からお願いをしておりましたが、少なくとも2回目接種翌日に勤務の予定を入れないでいただきたいということと、接種翌々日も勤務ができない人が1割程度はいるということを前提にして勤務体制を組まれたほうがいいのではないかと思います。病休が2日間あった人が10.3%はいらっしゃったという結果が出ているところであります。2,000人の結果ですのでかなり確度の高いデータだろうと思います。
21ページは、COVID-19の既往のあった方の1回目接種後の副反応ですが、発熱と倦怠感及び発赤の頻度が高くて、基礎免疫がついていると当然副反応の頻度が高くなっているということなのかなと思っておりまして、初回接種でも2回目接種に近い反応が出ているのだろうと。逆の見方をしますと、1回目に強い副反応が出る人は、どこかでSARS-CoV-2に被ばくしていた可能性があるのではないかと思うところです。
22ページは、コミナティ、インフルエンザワクチンとの比較表で、23ページがまとめです。
報告は以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
ただいまの伊藤委員からの御説明について、何か御意見、御質問等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
例数が随分増えて、前回80%という発熱が衝撃的だったわけですけれども、やはり2回目接種されるとそれだけ高い率で、少なくとも自衛隊の方は発熱があったようです。
よろしいでしょうか。
長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
お伺いしたいのですけれども、モデルナアームと言われている発赤についてなのですけれども、2回目接種後であってもやはり発症する時間というのは6日目以降に出てくるものなのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 データを取るべく準備しておりますが、2回目接種終了後28日のデータがまだ数十例しか集まっておりませんので、その中を見ましたが、まだ出ておりません。
前回お話しさせていただきましたが、コミナティでは、同じように解析をしたときに2回目接種後で2例しかみつからなかったので、同じと考えるのであれば、今回は2%程度出ておりますが、2回目接種後は少なくなっている可能性はあると思っています。
○長谷川委員 発症する時期的なものは、例えば既にばく露されているので、遅延型のアレルギー反応が大量に出てしまうとかということは考えられないのですか。
○伊藤(澄)委員 それも含めて、データを眺めて解析した結果を報告させていただきます。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡座長 伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
今のモデルナアームのところなのですけれども、Day3で発赤がなくて、その後に発赤が発現して、10日以降に継続した方の解析をしていただいたのですけれども、実際、Day3に発赤があって、10日も発現しているケースのほうが多いのでしょうか。どちらが多いとか。
○伊藤(澄)委員 スライド18をご覧いただくと分かると思うのですけれども、Day3で6%強の方に発赤があった。そこがDay7で1%以下のところまで落ちていましたので、それでこういった解析をしております。ですので、接種1週間後に発赤があった方が約4%弱いらっしゃいますので、この中に最初も出て一回よくなったのだけれどももう一回出てきている人が混じっている可能性はもちろんあると思います。ただ、その方も含めて解析すると、何を見ているか分からないなと思ったので、Day3のときに発赤が出ていなかった人だけを抽出して、今のような形の解析してみています。
ちょっと角度を変えて切り取ると、モデルナアームというのはもう少し頻度が高い可能性はもちろんあると思っております。ですので、説明の中でも申し上げましたけれども、純粋に誰が見てもモデルナアームでしょうと言われている90人の方のデータをまとめたのが今お示ししたデータです。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
3日目ぐらいまでに発赤が出た方のほうが出やすいということでもないということでしょうか。
○伊藤(澄)委員 3日目に出た人は、少なくとも7日目のときには全体として見たときには1%以下にはなっています。そういう3日目までに出て一回よくなって再び出たという人に関しては今回調べておりませんので、幾つかのパターンで、例えばそういう人も含めて10日目以降に出ている人を解析してみてはいますが、それよりもピュアなモデルナアームの人をまずつかもうと思ってこういった解析をお示ししました。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
あと、使用した薬に関しても調べていただいてありがとうございました。Day8までということで、いわゆるモデルナアームに対して使った薬とか、その後についてはまたもしかしたら教えていただけますか。
○伊藤(澄)委員 遅延性皮膚反応の方の数が多くないと、コミナティのときは医療従事者の方でしたので、かなり詳細に記載していただけていたと思っておりますが、一般の方を対象にモデルナ接種をされていますので、詳細にお書きいただくのは難しいなとは実感としては感じておりますので、コミナティとモデルナの両方を直接比較するのは大変だと感じてはおります。症状のチェックボックスについては客観的に比較ができると思いますが、自由記載欄について比較ができるかどうかと言われると、生のデータを見ておりますと厳しいなと正直ベースでは思っております。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
Day9以降ですか、モデルナアームに対する薬については今後何か解析されますか。
○伊藤(澄)委員 分かりました。御報告できる内容が出てくるかどうか確認してみます。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
○岡座長 そうしましたら、先に山縣委員で、その後濱田委員ということで、山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 伊藤先生、本当にいつも貴重なデータをありがとうございます。
スライド21のCOVID-19の既感染者の影響というのは非常に興味があったのですが、これは先生がおっしゃるとおりの反応だとは思うのですが、コミナティのときというのはこういう解析はできたのでしょうか。
○伊藤(澄)委員 できませんでした。皆さんから御指摘いただいて、モデルナのときは倫理審査委員会で承認をいただいて調査票を変えて、こういった形のデータを取りましたので、解析ができております。コミナティのときの比較は残念ながらできません。
○山縣委員 逆に、コミナティのときは医療従事者なので、感染した人があまりいなかったとか、そういうこともあったのでしょうか。それも分からないですか。
○伊藤(澄)委員 よく分からないのですけれども、ただ、コミナティの接種はリクルートが1週間程度でしたので、やはりあの当時の状況下から考えると、過去に感染された方が最初期に参加された2万人の中で打たれたかといわれると、コミナティも分かっていないし、過去に感染したことがある人が打って大丈夫かどうかも分からない中で勇気を持って最初期の1週間に接種されるかどうかと言われると、接種された可能性は多くはないと思ってはおりました。
○山縣委員 ありがとうございました。
○岡座長 濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 伊藤先生、毎回ありがとうございます。
今の山縣先生と似た質問なのですけれども、最近よく質問があるのは、過去に感染しているのですけれども、打っていいのでしょうかと。2回打ったほうがいいのでしょうかとか、1回では駄目ですかという話をよく聞きます。プロトコル上の問題で伺いたいのですが、事前に感染しているかどうか聞いているか。その場合、ある程度期間を置いてから打ったほうがいいようには思うのですが、プロトコル上はどうなっているかということと、それから、既感染者は2回接種をされているのですか。その2点を伺いたいと思うのです。
○伊藤(澄)委員 手続上は過去にいつ感染したかを聞いておりませんでした。ですので、1か月離れていても、それ以前でも、直近であったとしても、接種が可能というプロトコルになっておりました。
一回感染された方に関して2回接種したかどうかに関しては、今、2回接種の方がデータとして4,000人ぐらい出てきておりますので、その4,000人の方にCOVID-19の感染既往がある方が接種されたかどうかは、調べれば分かると思います。コミナティのときの経験から申し上げますと、コミナティで1回目の副反応が強かった人は2回目接種されなかった人が相当数いましたので、モデルナの1回目を打ったときに発熱された方は、もう一回打つのはどうしようとためらわれた方がいらっしゃるかもしれません。これについてもそういう視点も踏まえて調べた上で報告させていただきます。
○岡座長 それでは、佐藤委員、お願いいたします。
○佐藤委員 聞き逃してしまったかもしれないのですけれども、14ページ、15ページ辺りにオッズ比を出してくださっているのですが、モデルナ筋注の年齢のオッズ比はどこで線を引かれたのかなというのがよく分からなかったのです。
○伊藤(澄)委員 線は引いておりません。線を引いていないというか、これは実年齢をそのまま入れております。
○佐藤委員 群を2つに分けて、1と書いてあるのですけれども、どの群とどの群が一緒だったのかなというのがよく分からなかったので。
○伊藤(澄)委員 ロジスティック回帰というのは従属変数は1つしか設定できませんので、発熱があった人となかった人を比べて年齢と男女の属性がどんな影響を与えたのかを見ておりまして、発熱に対しては、例えば男女だと女性の場合がオッズ比として1.7倍発熱しやすいのと、それから、年齢のオッズ比が0.96になっていますので、1歳ずれるごとにオッズとして4%の割合で発熱の可能性が低くなるという読み方をしていただければ。いわゆる直線の傾きをこの場合は大体見ていると考えていただいて、1歳ずれるごとに0.04下がる。
○佐藤委員 群間の比較ではないのですね。
○伊藤(澄)委員 違います。だから、そういう意味では、年齢と性別の影響を見ていると理解していただければ。
○佐藤委員 分かりました。ありがとうございます。
○岡座長 そのほかいかがでしょうか。
森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 伊藤先生、ありがとうございます。
職種を見ると事務の方が4.2%いらっしゃって、数が少ないのでなかなか解析は難しいと思うのですが、自衛官の方と事務の方で副反応が違うかどうかもし分かれば、どこかで出していただけるとありがたいかなと思いました。
○伊藤(澄)委員 分かりました。筋肉もりもりの人とそうではない人の違いがあるかどうかというのは見てみます。
○岡座長 そのほか、よろしいでしょうか。
そうしましたら、伊藤先生、引き続きよろしくお願いいたします。本当に社会的にも非常に注目されているかと思いますので、ありがとうございました。
続きまして、議題3「コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性評価について」に移りたいと思います。
まず、事務局から資料3-1から3-31までの説明をお願いいたします。
○事務局 事務局でございます。
今回は新型コロナワクチン以外の審議対象の全てのワクチンについて、2021年1月1日から3月末までの3か月間における副反応が疑われる症例の報告状況について御説明いたします。
それでは、資料3-1から3-31について説明いたします。
まずは資料3-1、MRワクチンでございます。接種可能延べ人数約46万人、製造販売業者からの報告は3件、医療機関からの報告は22件、うち重篤なものが11件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.0006%、医療機関からの報告頻度は0.0047%となっております。今回対象集計期間内での後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
資料3-1は以上となります。
続きまして、資料3-2、麻しんワクチンとなります。こちらは製造販売業者、医療機関のいずれからも報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
資料3-2は以上となります。
続きまして、資料3-3、風しんワクチンになります。接種可能延べ人数約2万人、製造販売業者からの報告はございませんで、医療機関からの報告は1件でした。医療機関からの報告頻度が0.0059%となっております。今回の集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例の報告はありませんでした。
資料3-3は以上となります。
資料3-4がおたふくかぜワクチンになります。接種可能延べ人数が約31万人、製造販売業者からの報告が4件、医療機関からの報告は18件、うち重篤なものが10件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.0013%、医療機関からの報告頻度は0.0058%となっております。こちらも今回の集計対象期間内での後遺症症例、死亡症例はありませんでした。
3-4は以上となります。
3-5になります。水痘ワクチンです。接種可能延べ人数は約51万人、製造販売業者からの報告が5件、医療機関からの報告は19件ございました。うち重篤なものが11件でした。製造販売業者からの報告頻度は0.00098%、医療機関からの報告頻度は0.0037%となっております。今回の集計対象期間内の後遺症症例、死亡症例はありませんでした。
3-5が以上となります。
続きまして、3-6、帯状疱疹ワクチンでございます。こちらは製造販売業者、医療機関、いずれからの報告もございませんでした。
3-6は以上となります。
3-7、23価肺炎球菌ワクチンになります。接種可能延べ人数が約55万人、製造販売業者からの報告が12件、医療機関からの報告が28件、うち重篤なものが7件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.0022%、医療機関からの報告頻度は0.0051%となっております。
対象期間内での死亡症例の報告はございませんでしたが、後遺症症例が1例ございました。資料3-28のNo.11をご覧ください。こちらは70歳女性、ギランバレー症候群が回復した後に後遺症が残ったとされる症例でございます。専門家による因果関係評価はγとなっております。
資料3-7は以上です。
続きまして、HPVワクチンのサーバリックスになります。サーバリックスは対象期間内に製造販売業者及び医療機関のいずれからも報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
3-8は以上となります。
次に3-9、ガーダシルとなります。接種可能延べ人数が約9万8000人で、製造販売業者からの報告が15件、医療機関からの報告は29件、うち重篤なものが7件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.015%、医療機関からの報告頻度は0.029%となっております。
今回、報告対象期間内の後遺症症例、死亡症例はありませんでした。一方で、報告期間対象後に死亡症例が1件報告されております。詳細については資料3-31、No.9をご覧ください。企業から、製品名不明、接種時期2015年、「本症例は情報源がインターネット記事で医療機関が不明のため、これ以上の調査不可」と報告されております。専門家による評価もγでございました。
資料3-9は以上となります。
資料3-10はシルガードとなります。シルガード9は令和3年2月販売開始となったため、今回より審議対象となっております。
接種可能延べ人数は約5,500人、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告はございませんでした。製造販売業者からの報告頻度としては0.018%で、死亡症例、後遺症症例はございませんでした。
3-10は以上となります。
続きまして、3-11のHPVワクチンの失神に関する資料になります。
HPVワクチン接種後の失神関連の副反応が疑われる症例をまとめた資料の1年間のアップデートになります。2~9ページ目がサーバリックス、10~14ページ目がガーダシル、15~16ページ目がシルガード9のまとめとなります。
2ページ目がサーバリックスの国内発生状況をまとめたものになりまして、本年3月末まで報告が996件ございました。発生率が10万接種当たり14.18例、このうち意識消失のあった症例が663例で10万接種当たり9.44例でございました。
10ページ目がガーダシルの国内発現状況でございますが、本年3月末までの報告が460例、発生率が10万接種当たり20.3例、このうち意識消失のあった症例が319例で10万接種当たり14.1例でございました。
12ページ目からは意識消失のあった症例の期間ごとの発生傾向を示したものでございまして、14ページ目がガーダシルの最近のものとなります。ここ最近の事例として、意識消失事例が報告されておりますが、接種者数当たりの発生頻度には変化はございません。
続きまして、15ページ目のシルガード9の国内発生状況でございますが、本年3月末までの報告が2例、発生率が10万接種当たり36.8、このうち意識消失のあったものが2例で、10万接種当たりが36.8例でございました。
発生状況は以上になるのですけれども、ガーダシルの意識消失の発生事例を受けまして、企業からワクチン接種後の体制に関するお願いの再周知が出されております。参考資料6として掲載させていただいております。こちらはPMDAのメディナビにおいても情報発信をしておりまして、その中で、接種直後に前に倒れるかもしれないので、接種後30分は注意するよう注意喚起を行っております。
資料3-11は以上となります。
資料3-12、DPTワクチンについてになります。接種可能延べ人数が約1万2000人、製造販売業者からの報告はありませんでした。医療機関からの報告は1件、うち重篤なものはなく、医療機関からの報告頻度が0.0081%となっております。こちらは後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
3-12は以上です。
3-13、DTワクチンになります。接種可能延べ人数は約20万人、医療機関からの報告が1件、医療機関からの報告頻度が0.0005%となっております。こちらも後遺症症例、死亡症例の報告はございませんでした。
3-13が以上となります。
3-14、ジフテリアトキソイドになりますが、報告はございませんでしたので、説明は省略いたします。
3-15が破傷風トキソイドとなります。接種可能延べ人数が約15万人で、製造販売業者からの報告は1件、医療機関からの報告が1件ございました。報告頻度はともに0.00064%となっております。今回、死亡症例の報告はございませんでしたが、対象期間の後遺症症例が1件ございます。資料3-28のNo.15になりますが、専門家による評価、因果関係評価はγとなっております。
資料3-15は以上となります。
資料3-16、不活化ポリオワクチンになります。こちらは報告がございませんでしたので、説明は省略いたします。
3-16は以上となります。
続きまして、3-17、4種混合ワクチンになります。接種可能延べ人数が約91万人、製造販売業者からの報告が9件、医療機関からの報告が24件、うち重篤なものが14件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.00099%、医療機関からの報告頻度は0.0026%となっております。
今回、医療機関から後遺症症例が1例、死亡症例が1例報告されております。後遺症症例に関しましては資料3-28のNo.28になります。13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンとの同時接種症例で、専門家の意見に基づき、因果関係評価はγとなっております。
また、死亡症例につきましては、死亡症例一覧の3-31に示しますNo.4をご覧ください。こちらは現在調査中とのことで、調査結果が得られ次第改めて御報告させていただきます。
戻っていただいて、資料3-17の13ページ目、GBS/ADEMについての評価になります。医療機関からGBSの可能性のある症例が1件報告されておりまして、こちらは対象期間前に報告された再評価いただく事例が1件報告されておりますが、専門家の意見に基づき、GBSとは判断できない、γとされております。
資料3-17は以上となります。
資料3-18が7価肺炎球菌ワクチンについてです。こちらの7価肺炎球菌ワクチンの販売は既に終了しているため、接種者はおりませんが、製造販売業者から1件報告がありましたので、資料とさせていただきました。
資料3-18は以上となります。
資料3-19をご覧ください。13価肺炎球菌ワクチンになります。接種可能延べ人数が89万人、製造販売業者からの報告は25件、医療機関からの報告が38件、うち重篤なものは28件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.0028%、医療機関からの報告頻度が0.0043%となっております。
今回集計対象期間内で医療機関から死亡症例が2件報告されております。また、6か月間の死亡症例の報告頻度は0.17~0.28となっておりまして、この数値は急ぎの件等が必要とされる0.5を下回っております。
死亡症例につきましては、資料3-31の2ページ目、3ページ目のNo.4、No.5が対象期間内の症例になりまして、対象期間後の症例としてNo.7をご覧ください。いずれも現在調査中のため、調査結果が得られ次第改めて御報告させていただきます。
今回集計対象期間前に医療機関から後遺症症例が1例報告されておりますが、資料3-17の4種混合ワクチンと同一症例になりますので、説明は省略させていただきます。
17ページ目がアナフィラキシーのまとめになります。対象期間前の症例で3件報告されておりますが、ブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-19は以上となります。
資料3-20はHibワクチンとなります。接種可能延べ人数が約88万人、製造販売業者からの報告が18件、医療機関からの報告は38件、うち重篤なものが27件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.0021%、医療機関からの報告頻度は0.0043%となっております。今回、報告対象期間内で医療機関から死亡症例が2例報告されております。また、6か月間の死亡症例の報告頻度は0.17~0.28となり、急ぎの検討が必要とされる0.5を下回っております。死亡症例につきましては、対象期間内に2例、対象期間後に1例報告されておりますが、いずれも資料3-19の13価肺炎球菌ワクチンで御説明した症例と同一となっておりますので、説明は省略いたします。
また、後遺症症例も1例報告されておりますが、資料3-17の4種混合ワクチンと同一症例となります。
13ページ目がアナフィラキシーのまとめになりますが、対象期間前の症例で3件報告されており、ブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-20は以上となります。
資料3-21をご覧ください。BCGワクチンになります。接種可能延べ人数が約22万人、製造販売業者からの報告が2件、医療機関からの報告は34件、うち重篤なものが4件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.0009%、医療機関からの報告頻度は0.015%となっております。
今回、報告対象期間内で医療機関からの後遺症症例が1例ございました。後遺症症例については資料3-28をご覧ください。No.1は対象期間内の症例になり、接種当時4か月の女児で11年後に生検にてBCGによることが強く疑われた症例になります。専門家による因果関係評価はαとなっております。
10ページ目はアナフィラキシーのまとめで、対象期間内に1件報告されましたが、ブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-21は以上となります。
次に、資料3-22が日本脳炎ワクチンとなります。接種可能延べ人数が約98万人で、製造販売業者からの報告が3件、医療機関からの報告は12件、うち重篤なものが9件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.00031%、医療機関からの報告頻度は0.0012%となっております。今回、報告対象期間内に後遺症症例、死亡症例はございませんでした。
一方で、対象期間後に1例死亡症例がございまして、資料3-31の対象期間後の症例No.10をご覧ください。現在、詳細は調査中とのことで、調査結果が得られ次第改めて御報告させていただきます。
8ページ目に戻っていただいて、アナフィラキシーのまとめになります。対象期間内に1件報告されましたが、専門家の評価により、ブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-22は以上となります。
資料3-23がB型肝炎ワクチンになります。接種可能延べ人数が約100万人、製造販売業者からの報告が18件、医療機関からの報告は30件、うち重篤なものが19件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.0018%、医療機関からの報告頻度は0.0030%となっております。
今回の集計期間内で医療機関から死亡症例が2例報告されております。死亡症例については資料3-31の2ページ目、3ページ目、No.4、No.5、対象期間後の症例としてNo.6をご覧ください。いずれも現在調査中であるため、調査結果が得られ次第改めて御報告させていただきます。
11ページ目がアナフィラキシーのまとめになります。対象期間内に2件、対象期間前の症例で1件報告されておりますが、専門家の評価により、ブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-23は以上となります。
資料3-24がロタウイルス(1価)のワクチンです。接種可能延べ人数が約29万人、製造販売業者からの報告が21件、医療機関からの報告は13件、うち重篤なものが10件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.0073%、医療機関からの報告頻度は0.0045%となっております。
今回、報告対象期間内で医療機関からの死亡症例が2例報告されておりますが、死亡症例については資料3-31のNo.4、No.5になりますので、いずれも現在調査中のため、調査結果が得られ次第改めて御報告させていただきます。
12ページ目がアナフィラキシーのまとめになります。対象期間内に1件、対象期間前の症例で2件報告されておりますが、専門家の評価によりブライトン分類が3以上とされた症例はございませんでした。
資料3-24は以上となります。
資料3-25が5価のロタウイルスワクチンとなります。接種可能延べ人数は約18万人、製造販売業者からの報告は8件、医療機関からの報告は8件、うち重篤なものが7件でございました。報告頻度はいずれも0.0044%となっております。
今回、報告対象期間内で死亡症例の報告はなく、医療機関から後遺症症例が1件報告されておりますが、詳細は4種混合ワクチンのときに御説明させていただいておりますので、説明は省略させていただきます。
3-25は以上となります。
資料3-26をご覧ください。こちらはロタウイルスによる腸重積の発症状況につきまして、製造販売業者であるグラクソ・スミスクライン社、MSD社より資料の提供を受けております。まず、2ページ目から6ページ目がグラクソ・スミスクライン社のロタリックスについて、ワクチン接種時の週齢でまとめたグラフになっております。7ページ目以降は、MSD社のロタテックについて、ロタリックスと同様にまとめた資料となっております。
資料としましては、2020年10月に定期接種化されましたので、その前後と比較しても報告頻度に変化はございませんでした。また、ブライトン分類レベル1であった症例の転帰についても、VAERSに基づく海外との比較においても転帰として腸切除や死亡に至った事例は低いことが示されております。
資料3-26は以上となります。
資料3-27について御説明いたします。資料3-27はインフルエンザワクチンとなります。こちらについては2020年10月から2021年3月末までの結果をまとめており、今シーズンのインフルエンザウイルスワクチンの集計結果となっております。
接種可能延べ人数が約6547万人となっております。製造販売業者からの報告は62件、医療機関からの報告は323件、うち重篤なものが107件でございました。製造販売業者からの報告頻度は0.000095%、医療機関からの報告頻度は0.00049%となっております。
死亡症例は、報告期間内に医療機関から3件報告がございまして、報告期間後に1件が報告されております。2ページ目以降についてなのですけれども、医療機関からの報告について、関連性の内訳別に集計した結果となりまして、3ページ目の下段では、参考として2019年/2020年シーズン、2018年/2019年シーズンを記載しておりまして、今回の報告頻度と比べて特段高いという状況ではございませんでした。
後遺症症例については資料3-28をご覧ください。No.4、No.9、No.10、No.12、No.14、No.16、No.17、No.18、No.19が今シーズンワクチンの後遺症症例となります。いずれも専門家による因果関係評価において、No.16以外に関しましては因果関係評価はγとなっておりますが、No.16は因果関係が否定できない(α)とされた症例となっております。
戻っていただきまして、資料3-27の47ページ目がアナフィラキシーの可能性のある症例についてまとめたものになります。アナフィラキシーとして報告された数、ブライトン分類3以上とされた報告数を集計しておりまして、全体で29件報告がございまして、ブライトン分類が3以上とされたものが7件となっております。
48ページ目が昨シーズンの結果で、特段大きな違いはございませんでした。詳細につきましては資料3-27となります。
死亡症例につきましては、資料3-31をご覧ください。報告期間対象内のNo.1、No.2、No.3及び報告期間対象後のNo.8をご覧ください。いずれも情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの(γ)とされております。
資料3-27の御説明は以上となります。
資料3-28から資料3-31につきましては、各ワクチンの資料にて説明しておりますので、説明は省略させていただきます。
御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○岡座長 ただいまの事務局からの御説明について、御質問、御意見等ございますでしょうか。いかがでしょうか。
多屋委員、お願いいたします。
○多屋委員 多屋です。
2つ教えてください。資料3-15の破傷風トキソイドと3-21のBCGです。
まず、3-15の破傷風ですけれども、破傷風の副反応疑い報告の症状として破傷風になっている方が報告されていますが、これについてはどのような状況だったのかお教えください。
次に、3-21、BCGですけれども、Koch現象というのが今回何人か報告されています。Koch現象というのは副反応疑い報告ではなくて、別にKoch現象報告書というものがあって、この副反応検討部会ではなくて別のところで検討されていると思うのですが、こちらについてはどのような切り分けがされていますでしょうか。
以上2点についてお教えください。
○岡座長 いかがでしょうか。事務局、お願いいたします。
○事務局 御質問ありがとうございます。
まず2点目のほうから御説明させていただきます。Koch現象に関しましては、副反応で報告されたものに関しましては、現在のところ、この資料として掲載させていただいているのですけれども、Koch現象の報告書としてPMDAのほうに来たという場合は、Koch現象を検討される適切な場所に報告するよう案内している状況ではございます。また先生の御指摘も踏まえて、少し調整させていただけるように検討させていただきます。
1点目は少し調べさせていただきますので、お時間をいただきます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
森尾委員、お願いいたします。
○森尾委員 資料3-21、BCGです。6ページ目でしょうか。重篤症例の中で4番目の方の基礎疾患に慢性肉芽腫性疾患と書いてありますけれども、慢性肉芽腫症なのかなと思いました。それで、発熱、リンパ節炎を起こしていて、重くて今未回復ということです。もしこれの基礎疾患が慢性肉芽腫症だとしますと、BCGは禁忌のはずなのです。なので、恐らくどこかで通知をしっかりしていただいていると思うのですけれども、慢性肉芽腫症だと細胞内寄生菌を排除できませんので、BCGによる骨髄炎とかが長引くという形になります。ここら辺、また周知の仕方等を含めて御検討いただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○岡座長 ありがとうございます。
事務局のほうで何かありますか。非常にまれな疾患ではありますけれども、禁忌であるということ、注意喚起の方法という御指摘だったかと思います。
○事務局 御指摘も踏まえて、少し考えさせていただきます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
山縣委員、お願いいたします。
○山縣委員 ありがとうございます。
そんなに大きな変更はないと思うのですけれども、HPVワクチンに関して簡単に計算してみると、ここのところ、接種そのものが増えているのですか。昨年の報告では3か月に換算すると3万6000ぐらいで、次に前回の報告だと3か月で7万7000、今回が約10万という感じで、これは増えているというのは何か理由があるのでしょうか。
○岡座長 この部会とはまた変わるかもしれませんけれども。
事務局、お願いいたします。
○事務局 HPVワクチンの接種者数については、いろいろな要因があると思いますけれども、本部会に関連するところで申し上げると、従前から御議論いただいていた情報提供を行ってきております。本部会で御議論いただいた個別のHPVワクチンの定期接種を受けられることに関して、あるいはリスクとベネフィットに関する情報提供の資材等を個別に送付する取組が定着してきておりますので、そういったことの影響もあるのではないかと考えております。
○山縣委員 ありがとうございます。
私が関係している母子保健の国民運動計画の健やか親子21などでも、推進協議会から今こそ知ってほしいヒトパピローマウイルス感染とかという感じで出ていて、それに対してがんとの関係やその予防の一つの方法としてワクチン接種というものが出ているのですが、こういうパンフレットの中で、厚労省のここでの情報だとかここで出しているリーフレットのリンクがうまくできていないと、きちんとした情報提供ができないケースもあると思うので、例えばこういうものが出ていくときに、副反応といいますか、有害事象に関してこれまで出ているものをしっかりと把握できるような形の対策も取っていく必要が、これから増えてきたときにあるのかなという気が改めていたしました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
先ほどの点はいかがですか。
○事務局 多屋先生、破傷風の件に関しまして、こちらで調べさせていただきました。概要に関しましてですが、路上で転倒し破傷風が疑われたので破傷風トキソイドを使用したという経緯となっておりますので、先生の御指摘どおり、発症予防としての使用かと思います。その後、敗血症が発症しております。
○岡座長 多屋先生、よろしいですか。
○多屋委員 破傷風を疑って、その予防のために破傷風トキソイドを接種されたということであれば、副反応の症状ではないので、ここに破傷風というのが残るのはあまりよろしくないのかなと思いますので、検討いただければと思いました。
以上です。
○事務局 御指摘を踏まえて検討させていただきます。ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 先ほどの山縣委員につながっているのですけれども、HPVワクチンのサーバリックスは直近で991、ガーダシルが基本的に公費でメインに使われていて5万4985とありますが、シルガード9は5,429でまだ公費ではなくて自費の形だと思うので、急激に数字としては伸びないと思うのですが、海外の失神とかそういった副反応の状況は、3つどれもあまり変わらないようなデータになっていると思います。日本のものに関して、今後、シルガード9もほかのHPVワクチンとある程度同じ程度であると判断というか評価していくのは大体どれぐらいをめどにしているのでしょうか。
○岡座長 事務局のほうで何かお考えはありますか。
事務局、お願いします。
○事務局 シルガード9については承認されておりますけれども、まだ定期接種として使われているものではございませんで、接種数、また、供給も非常に限られているということですので、接種数が伸びていくのは少し時間がかかるのかなと思っております。そういった意味で、何と何がどれぐらい同じかということを今評価できるかどうかというのは、御指摘のとおりで、なかなかまだその時期に達していないのかも分かりませんけれども、いつとは申し上げられませんが、今後の接種数も見ながら、またこの部会でも注意深く見ていっていただければと思っております。
○舟越委員 分かりました。やはり公費になる前ということで使用量が急激に伸びることはないと思うので、この部会の中でも注視しながら評価していきたいと思います。ありがとうございました。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか何かございますでしょうか。よろしいでしょうか。
そうしましたら、いただいた御指摘としては、BCGの免疫不全のある方の禁忌についての周知、あるいはKoch現象の報告の流れについて、そして、HPVに関しては今後接種がまた増えてきたという中での情報の周知の仕方、その辺りの御指摘をいただいたかと思いますので、事務局のほうでもまた引き続き御検討いただければと思います。
それでは、これまでで議論された内容をまとめたいと思いますけれども、まずマル1として、副反応疑いの報告頻度はこれまで検討したワクチンに比べて特段高いということはないとまとめさせていただきました。
マル2、インフルエンザワクチンにつきましては、副反応疑い報告数、死亡数、アナフィラキシーの発生頻度等については昨シーズンのそれらと同程度であり、大きな変化はなかった。
マル3、後遺症の報告は対象期間内に14例が報告され、うちBCGワクチンの単独接種の1例、インフルエンザワクチンの単独接種の1例でワクチンとの因果関係が否定できないとされました。
マル4として、ADEMの可能性のある症例は対象期間内に7例報告され、そのうちインフルエンザワクチンの単独接種の1例でワクチンとの因果関係が否定できないとされ、残り6例はいずれもワクチン接種との因果関係は評価できないとされました。
マル5、GBSの可能性のある症例は対象期間内に8例報告され、そのうちインフルエンザワクチンの単独接種の3例で因果関係は否定できないとされ、残り5例はいずれもワクチン接種との因果関係は評価できないとされました。
マル6、ブライトン分類3以上のアナフィラキシーと評価された症例はおたふくかぜワクチン、水痘ワクチン等の同時接種事例で1例、2020/2021シーズンインフルエンザワクチンの7症例、昨シーズンインフルエンザワクチンの1例でありました。
マル7、死亡症例は、対象期間内に、インフルエンザワクチンの単独接種が3例、4種混合ワクチン・13価肺炎球菌ワクチン・Hibワクチン・B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンの同時接種症例で1例、13価肺炎球菌ワクチン・Hibワクチン・B型肝炎ワクチン、ロタウイルスワクチンの同時接種症例が1例で、いずれもワクチン接種との因果関係は評価できないとされております。
対象期間後に報告された5例につきましては、インフルエンザワクチンの単独接種で1例、HPVワクチンの単独接種で1例については、いずれもワクチン接種との因果関係が評価できないとされております。そのほかの3例については現在詳細情報を調査中であり、次回以降に改めて報告される予定であるとさせていただきました。
マル8として、なお、13価肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンの6か月間における死亡例の報告頻度は、いずれのワクチンも急ぎ検討が必要とされる10万接種当たり0.5を下回っていた。
以上のようにまとめさせていただきましたけれども、これでよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 皆さんうなずいておられるということで、お認めいただいたということで進めさせていただきます。
この内容を踏まえまして、新型コロナワクチン以外の各ワクチンにつきまして、現状の取扱いを変更する必要があるかどうかについて御意見はございますでしょうか。よろしいでしょうか。
特に御意見がないということであれば、御審議いただいたワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)
○岡座長 皆様うなずいておられるということで、お認めいただいたということで進めさせていただきます。
そのほか、全体を通じて御質問、御意見等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、本日の議事は以上とさせていただきます。
そのほか、事務局からございますでしょうか。
○事務局 本日は長時間にわたり、活発に御議論いただきましてありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了させていただきます。
活発な御議論、ありがとうございました。

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