外務省・新着情報

令和4年4月8日
【記者】貴大臣は岸田文雄総理の特使としてポーランドを訪問され、土曜日(注:4月2日)にワルシャワでクレーバ・ウクライナ外相にお会いされた際に、ウクライナのナショナルカラーの、青と黄色のネクタイを着用されていたと承知しているが、これはロシアに侵攻されている国にとっては、特別な支持の象徴だったのではないだろうか。キーウ(ウクライナ)に対する東京(日本)の支援について伺いたい。また、どのような対モスクワ(ロシア)制裁を行っているかについて教えていただきたい。
 
【大臣】クレーバ外相にはミュンヘンでお会いし、ちょうど侵略が始まった直後に電話でも会談を行った。今回同外相がワルシャワにおられることがわかったので、この機会に再度お会いすることとなった。同外相には、日本は元々決まっていたウクライナに対する1億ドルの人道支援に加えて、もう1億ドルの人道支援が決定した旨申し上げた。
 これらの予算は、国際機関とNGOにそれぞれ拠出される。それがどのように利用されているのかを自分の目で確認したく思っていた。それぞれの国際機関・NGOの代表の方々と、ワルシャワとジェシュフにおいてお会いし、我々の支援が、避難民の方々の医療支援や食糧購入費等に活かされているということが確認できて大変よかったと思っている。支援がどのように実現されているか目で見て確認することが自分にとって重要であった。
 今回のロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更の試みであり、非難されるべきものである。特に、只今判明したブチャにおける虐殺は断じて許容できない。我々はこれを厳しく非難しなければならない。
 日本政府は、G7の枠組みでも強調しているように、一刻も早くロシアの侵略を止めなければならないと考えている。このため、ロシアに対して様々な制裁措置をとっており、具体的に申し上げると、プーチン大統領や同大統領に近いロシア関係者・団体に対する資産凍結や、SWIFTからのロシア中央銀行の排除の支持、ロシアの7銀行に対する資産凍結、さらにはロシアとの輸出入の制限、例えば半導体やぜいたく品の輸出禁止である。加えて、暗号資産を用いた制裁回避の可能性を制限する措置も講じている。これらは全て、制裁をさらに強化するものである。
 
【記者】それでは、ウクライナに対する武器供与について、日本はどのような態度をとっているのか。
 
【大臣】日本は平和憲法をもっており、武器を輸出することが禁じられているため、ウクライナに武器を供与することは不可能である。他方で、規則を一部変更して、ヘルメットや防弾チョッキ等の防衛装備品については、ウクライナに供与できた。これは歴史上初めての事例である。
 
【記者】このような対ウクライナ支援は、日露関係にどのような影響を与えるのか。東京(日本)が北方領土と呼ぶクリル列島の返還も含め、今後についてもお伺いしたい。
 

【大臣】これまでについては、太平洋地域における平和と経済発展のために、ロシアとの対話に努めてきた。これら全ての対話は、北方領土返還問題の解決を含む、ロシアとの和平交渉の妥結と平和条約締結実現に向けたものであった。しかし、現下のウクライナ情勢を踏まえれば、北方領土返還問題・平和条約交渉の今後について見通すことはできす、今申し上げる状況にはないと考えている。
 
【記者】ロシアはウクライナに侵攻した。日本が位置する地域においては、中国が攻撃的な政策をとっている。中国国民の統一は「必ず為されなければならない」と主張し、台湾を脅かしている。日本は台湾をめぐる戦争を恐れているのか。またそれは台湾だけの話であるのか。
 
【大臣】ロシアによるウクライナ侵略のような、力による一方的な現状変更の試みは、容認できるものではない。同様に東アジア、そしてインド太平洋においても疑いなく許容できない。近年、中国とロシアとの関係は緊密さを増し、軍事分野においても同様である。日本政府は、G7諸国と連携し、中国政府に対し、この問題についても責任ある行動を呼びかけていくつもりである。





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