議案審議経過情報

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項目 内容
議案提出者 中司宏 君外二名
衆議院審議時会派態度 少数
衆議院審議時賛成会派 日本維新の会
衆議院審議時反対会派 自由民主党; 立憲民主党・無所属; 公明党; 国民民主党・無所属クラブ; 日本共産党; 有志の会; れいわ新選組
議案受理年月日 2022-04-06
公布年月日

要項または提出時法律案

一 目的
  この法律は、通信・放送技術の進展その他の内外の諸情勢の変化に伴い、情報通信行政において、電波の有効利用の促進並びに行政運営の透明性及び公正性の確保を図ることが喫緊の課題となっていることに鑑み、これらの課題に対処するため、情報通信行政の改革について、その基本理念及び基本方針その他の基本となる事項を定めることにより、情報通信行政の改革を迅速かつ着実に推進することを目的とすること。
                          (第1条関係)

二 基本理念
  情報通信行政の改革は、情報通信分野において、事業者間の公正な競争の促進等を通じた事業活動の活性化を図るとともに、国民の利益の増進及び行政に対する国民の信頼の確保に資することを旨として、行われなければならないこと。              (第2条関係)

三 国の責務
  国は、二の基本理念にのっとり、情報通信行政の改革に関する施策を策定し、及び実施する責務を有すること。      (第3条関係)

四 情報通信行政の改革の基本方針
  同一の周波数の電波を共用することができる仕組みの一層の活用の促進
   政府は、複数の無線局がそれぞれの地理的状況、運用時間等を勘案して同一の周波数の電波を共用することができる仕組みの一層の活用を促進するため、必要な措置を講ずるものとすること。
(第4条関係)
  無線局の免許について競争を経て申請を行う制度の導入
   政府は、無線局の免許について競争を経て申請を行う制度を導入するため、次に掲げる措置その他必要な措置を講ずるものとすること。
  ① 無線局の免許の申請に係る競争(以下「競争」という。)は、電波の需給のひっ迫の程度、公益上の必要性等を勘案してこれによることが適当でないと認められる場合を除き、基幹放送局を含めた全ての無線局を対象として、無線局の免許の申請を行うことができる者を決定するために行うこととし、特定基地局開設料の制度は、廃止すること。
  ② 競争は、無線局の免許を受けた場合において使用することができる周波数の電波の経済的価値に相当する金額について、競りの方法をもって行うこととし、無線局の運用に当たって公益上の観点から付された条件を満たすことができると認められる者のうちその競りにおいて最も高い価額の申出をした者が、無線局の免許の申請を行うことができる者となるようにすること。
  ③ 競争を行うに当たっては、競争に係る競落金の価額が過度に高騰すること及び周波数の割当てが特定の者に集中することを防止するための措置を講ずること。
  ④ 競争を経て無線局の免許を受けた者については、電波利用料は徴収しないこととし、そのことも考慮して競争に係る最低競落価額を定めること。
  ⑤ 競争に係る競落金は、競争を経て無線局の免許(特定基地局にあっては、その開設に関する計画について認定を受けた後最初に開設する特定基地局の免許)を受ける際に支払われるものとすること。
  ⑥ 競争に係る競落金は、一般会計の歳入とし、その一部については、電波を使用する高度情報通信ネットワークの整備を促進するために必要な施策その他の当該高度情報通信ネットワークを用いたより良い社会環境の整備に関する施策に要する費用に充てられるようにすること。
  ⑦ 競争を経て与えられる無線局の免許の有効期間は、おおむね現行の有効期間の三倍程度の期間となるようにすること。
(第5条関係)
  二次取引に係る事業実施の制限の緩和
   政府は、電気通信事業及び放送事業への民間事業者の一層の参入を促進するため、電波法の規定による二次取引に係る事業実施(免許人又は登録人から売買その他の取引により当該免許人又は登録人に係る無線局をその用に供する事業の譲渡等を受けた者が当該事業を営むことをいう。)の制限を緩和することについて速やかに検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
(第6条関係)
  多様な主体による基幹放送の業務の健全かつ効率的な運営の促進
   政府は、多様な主体による基幹放送の業務の健全かつ効率的な運営が促進されるよう、次に掲げる措置を講ずるものとすること。
  ① 複数の放送対象地域で同一の放送番組の放送を同時に受信できる制度を導入し、基幹放送の業務に係る事業の再編を促進すること。
  ② 新聞社を経営する者等からのテレビジョン放送による地上基幹放送の業務への影響を防止する観点から、基幹放送による表現の自由享有基準を見直すこと。
  ③ 認定放送持株会社に係る保有基準割合に係る制限を緩和すること。
(第7条関係)
  情報通信に係る事業の規制に関する事務をつかさどる独立行政委員会の設置
   政府は、総務省が所掌する情報通信に関する事務のうち放送を含む情報通信に係る事業の規制に関する事務について、中立公正な立場で独立して事務をつかさどる独立行政委員会を新たに設置し、これに移行させるため、必要な措置を講ずるものとすること。(第8条関係)

五 法制上の措置等
  政府は、四の基本方針に基づく情報通信行政の改革に関する施策を実施するため、法制上の措置その他必要な措置を講じなければならないこと。
  の法制上の措置については、四(を除く。)の基本方針に基づくものにあってはこの法律の施行後一年以内に、四の基本方針に基づくものにあってはこの法律の施行後三年以内に、それぞれ講ぜられるものとすること。
(第9条関係)

六 施行期日
  この法律は、公布の日から施行すること。      (附則関係)