外務省・新着情報

令和4年4月7日
NATO外相会合を前に、NATO事務総長と握手をしながら記念撮影を行う林外務大臣の様子
NATO外相会合の様子
ブリンケン米国務長官と、NATO外相会合に招待された、日本、豪州、ニュージーランド、韓国の外相の記念撮影

 ベルギーを訪問中の林芳正外務大臣は、現地時間4月7日午前9時45分(日本時間7日午後4時45分)から約2時間45分間、NATO外相会合に出席したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 今回のNATO外相会合への出席は、NATOからの招待を受けたものであり、日本の外務大臣による初めての出席です。林外務大臣が出席したNATOパートナーセッションには、NATO加盟国30か国及び招待を受けたパートナー(日本、豪州、フィンランド、ジョージア、韓国、ニュージーランド、スウェーデン、ウクライナ及びEU)の外相等が出席し、ウクライナ情勢や国際的な安全保障情勢等について議論が行われました。
  2. 林外務大臣は会合において、概要以下のとおり述べました。
  • (1)日本の外務大臣として、初めてNATO外相会合に出席することは大変光栄。ロシアによるウクライナ侵略に象徴されるように、国際秩序が深刻な挑戦を受けている今こそ、欧州とインド太平洋地域の安全保障を切り離して論じることはできず、NATOと日本を含むパートナー国との連携を強化すべき時。
  • (2)ロシアによる暴挙により、生命を脅かされ、国外への退避を強いられているウクライナの人々を見て胸が締め付けられる思い。キーウ近郊のブチャ等における民間人の殺害などの残虐な行為も深刻な国際人道法上の違反であり、断じて許せず、強く非難する。ロシアはその責任を厳しく問われなければならない。
  • (3)日本は、主権と領土、祖国を守るために戦うウクライナの方々と共にあり、総額2億ドルの緊急人道支援や前例のない形で防衛装備品等の供与を決定。
  • (4)先日ポーランドを訪問し、避難民の状況を直接見聞きした。そしてワルシャワ訪問中にクレーバ・ウクライナ外相とも会談を行い、対露制裁とウクライナ支援を継続する日本の強固な意思を示した。ウクライナ避難民を政府専用機で日本に退避させたが、ウクライナへの支援に引き続き取り組む。
  • (5)ロシアによる侵略は、国際秩序全体の根幹を揺るがす深刻な事態。断じて許されるものではなく、日本はこれまでにない強力な制裁措置を機動的に講じてきている。先月、ロシアは、日本の対応を非難し、長年取り組んできた平和条約交渉の中断を宣言したが、日本がこれにひるむことはない。
  • (6)力による一方的な現状変更は、どの地域においても許されるものではない。今回の侵略を直接・間接的に支持している国がいることは憂慮されるべき事態である。また、中国は、ウクライナ侵略について今なおロシアを非難していない。さらに、北朝鮮はロシアによるウクライナ侵略の間隙を利用してICBM級の弾道ミサイル発射を繰り返している。
  • (7)ポスト冷戦時代が終焉し、複雑な国家間競争の時代に突入する中で、日本としては、自国の防衛力強化と日米同盟の抑止力・対処力の強化を軸に、地域のパワーバランスの変化に対応する取組を推進。今回のウクライナ侵略は、新たな国際秩序創設の重要性を明らかにした。世界の平和と安定のためには、普遍的価値に基づいた国際秩序の維持・発展が死活的に重要であり、基本的価値を共有する同志国間での連携を強化する必要がある。
  • (8)本日、日本を始めとするアジア太平洋のパートナー国が出席していることは、国際社会に対して我々の連帯を示す力強いメッセージとなる。
  • (9)NATOのアジア太平洋のパートナーとの関係強化に関するストルテンベルグ事務総長とNATOの取組を歓迎。NATOのインド太平洋への更なる関与に向けた具体的協力を進めるとともに、法の支配に基づく国際秩序を確立するため、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の実現に向けて、連携を強化していきたい。

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