議案審議経過情報

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項目 内容
議案提出者 足立康史 君外二名
衆議院審議時会派態度 少数
衆議院審議時賛成会派 日本維新の会
衆議院審議時反対会派 自由民主党; 立憲民主党・無所属; 公明党; 国民民主党・無所属クラブ; 日本共産党; 有志の会; れいわ新選組
議案受理年月日 2022-03-14
公布年月日

要項または提出時法律案

第二〇八回
衆第一〇号
   経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関する法律案
 (目的)
第一条 この法律は、国際情勢の急激な変化、社会経済構造の変化等に伴い、安全保障を確保するためには、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大していることに鑑み、経済安全保障に関する諸施策について、その基本原則及び配慮事項を定めるとともに、国の責務等を明らかにし、その推進のため必要な事項を定めることにより、経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進することを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において「経済安全保障」とは、経済施策を一体的に講ずることによる安全保障の確保をいう。
 (基本原則)
第三条 経済安全保障に関する諸施策は、次に掲げる事項を基本として行われなければならない。
 一 我が国経済の成長に十分配慮しつつ、我が国の経済安全保障上重要な物資(プログラムを含む。以下同じ。)、役務、技術その他の利益が確保されるようにすること。
 二 次に掲げる事項を達成することを目指して行われること。
  イ 国民の生存に必要不可欠な又は広く国民生活若しくは経済活動が依拠している重要な物資及びその生産に必要な原材料、部品、プログラムその他の物(イにおいて「重要物資等」という。)について、外部に過度に依存し、又は依存するおそれがある場合において、外部から行われる行為により国家及び国民の安全を損なう事態を未然に防止するため、重要物資等の安定的な供給を確保すること。
  ロ 国民生活及び経済活動の基盤となる重要な役務であって、我が国の外部から行われる行為によりその安定的な提供に支障が生じた場合に国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものについて、当該事態を生ずることを未然に防止すること。
  ハ 将来の国民生活及び経済活動の維持にとって重要なものとなり得る先端的な技術のうち、当該技術若しくは当該技術の研究開発に用いられる情報が外部に不当に利用された場合又は当該技術を用いた物資若しくは役務を外部に依存することで外部から行われる行為によってこれらを安定的に利用できなくなった場合において、国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれがあるものについて、その研究開発を促進すること及びその成果を適切に活用すること。
  ニ 特許に係る発明に係る情報を適正に管理することその他公にすることにより外部から行われる行為によって国家及び国民の安全を損なう事態を生ずるおそれが大きい発明に係る情報の流出を防止すること。
 三 新たな国際経済秩序の形成が促進されることとなるようにするとの観点を踏まえること。
 (配慮事項)
第四条 経済安全保障に関する諸施策の策定及び実施に当たっては、次に掲げる事項に配慮しなければならない。
 一 経済安全保障に関する諸施策の対象となる物資、役務、技術その他の利益の選定に当たっては、次に掲げる事項を行うこと。
  イ 客観的な指標に基づく厳正な評価を行い、選定過程の公平性を確保すること。
  ロ 客観的な費用効果分析を行い、その結果を考慮すること。
 二 経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進するため、罰則に関する規定の整備その他必要な措置を講ずること。
 (国の責務)
第五条 国は、第三条の基本原則にのっとり、かつ、前条の配慮事項に基づき、経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進する責務を有する。
2 国の関係行政機関は、経済安全保障に関する諸施策の実効的かつ総合的な推進に関し、相互に協力しなければならない。
3 国は、経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進するために必要な資金の確保その他の措置を講ずるよう努めるものとする。
 (事業者の責務)
第六条 事業者は、国が実施する経済安全保障に関する諸施策に協力するよう努めなければならない。
 (法制上の措置等)
第七条 国は、経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進するため必要な法制上又は財政上の措置その他の措置を講じなければならない。
 (連携協力体制の整備)
第八条 国は、経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進するため、国、事業者等の相互間の緊密な連携協力体制の整備に努めなければならない。
 (調査研究等)
第九条 国は、経済安全保障に関する諸施策の実施の状況についての調査研究及び検証(次条において「調査研究等」という。)を行うとともに、経済安全保障に関する情報の収集、整理及び分析(同条において「情報収集等」という。)を行わなければならない。
 (専門的な機関の整備等)
第十条 国は、調査研究等及び情報収集等を行う専門的な機関の整備その他経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進するために必要な体制の整備を行わなければならない。
 (国民の理解の増進)
第十一条 国は、広報活動その他の活動を通じて経済安全保障の重要性に関する国民の理解を深めるよう努めるものとする。
   附 則
 この法律は、公布の日から施行する。

     理 由
 国際情勢の急激な変化、社会経済構造の変化等に伴い、安全保障を確保するためには、経済活動に関して行われる国家及び国民の安全を害する行為を未然に防止する重要性が増大していることに鑑み、経済安全保障に関する諸施策について、その基本原則及び配慮事項を定めるとともに、国の責務等を明らかにし、その推進のため必要な事項を定めることにより、経済安全保障に関する諸施策を実効的かつ総合的に推進する必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。