外務省・新着情報

「佐渡島(さど)の金山」の世界文化遺産への推薦

【毎日新聞 飼手記者】「佐渡島(さど)の金山」の関係で伺います。「世界の記憶」では、日本が主導する形で、異議申立ての制度が導入されたと聞いております。このルールは、世界文化遺産では適用されないという指摘もあります。これ全く別物のルールなのか、ユネスコ改革を主導した立場上考慮すべきものなのか、見解をお願いします。

【小野外務報道官】ご質問いただいているように、「世界の記憶」につきましては我が国が制度改革を主導した結果、昨年4月に、ユネスコ加盟国による異議申立制度が導入されまして、異議申立てが行われた場合には、各国間の対話が解決するまでは、登録手続が進まないという制度となりました。
 これに対しまして、世界遺産の登録は、世界遺産条約の締約国のうち、21か国からなる世界遺産委員会の場で決議をされるということでありまして、その委員会におけるその世界遺産の登録は、投票に至る場合には、3分の2の多数決による意思決定を行われるということになっておりますが、実務上は、コンセンサスによる意思決定を基本とする運用となっています。
 更に、昨年4月に、今、申し上げました「世界の記憶」の制度改革が実現した後に、世界遺産委員会においても、2021年の7月に、推薦書の提出の前の段階での、当事者間の対話を促す作業指針が、採択をされています。それが、今の現状であります。
 ご質問の点は以上でございますけれども、「佐渡島の金山」関係につきましては、現在においても、登録を実現するために、何が最も効果的かという観点から、総合的に検討を進めているという状況においては、特に変更はございません。そういう状況にあるということであります。

新型コロナウイルス(水際措置)

【ラジオ・フランス 西村記者】よろしくお願いします。水際対策について質問させていただきます。国内外から、声を上げている人が増えていますが、それを踏まえて、政府は、これから水際対策の緩和とか、どういった形で考えているのでしょうか。

【小野外務報道官】政府としては、オミクロン株への対応に際しましては、慎重にも慎重を期して対応すべきであるという観点から、G7で最も厳しい水際対策を講じてきておりまして、オミクロン株の流入を最小限に抑えながら、国内感染の増加に備えるという、そういった時間を確保してきたという現状であります。
 現時点における、内外のオミクロン株の感染状況の差は明らかでございまして、水際対策については、引き続き、当面2月末まで、人道上、国益上の観点から必要な対応を行いつつ、現在の水際対策の骨格を維持することとしております。
 他方で、例えば、ご質問ありましたように、米国の日本研究者からの書簡など、様々な形でご指摘もあるということは承知はしております。そういったところも踏まえつつ、「特段の事情」による新規入国につきましては、厳格化して運用化していくこととしておりますけれども、引き続き、個別の事情を勘案しながら、必要かつ適切な対応を継続していく方針であります。例えば、留学生ですとか、研究者の入国についても、そういった個別の事情を勘案しながら、今後検討して参ります。

【ラジオ・フランス 西村記者】関連ですが、その水際対策について、外務省とか法務省とか、あるいは他の省との意見が一致していますか。

【小野外務報道官】そうですね、水際対策というのは、政府全体として、様々な要素を勘案しながら意思決定をしていくという意味において言えば、一致をしているということが、答えになるかと思います。

外国人技能実習制度について

【ラジオ・フランス 西村記者】技能実習生の制度についての質問ですが、外務省は、例えば、外国人の技能実習生に何か問題トラブルとかがありましたら、その方の国の大使館とかから、何か問合せが来るのでしょうか、何らかの形で外務省もそのことを担当する、したことがあるのか、あるいはすることが可能性があるのか。

【小野外務報道官】ご指摘の技能実習生につきましては、外務省が主管官庁ではございませんので、担当省庁の方にお問い合わせいただきたいと思いますけれども、外務省としての関わりはケース・バイ・ケースといいますか、事象が起こりましたら、政府として検討した上で、場合によっては外務省が役割を果たすこともあり得るということだと思います。

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