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2022年1月14日

萩生田経済産業大臣は、1月9日(日曜日)から1月14日(金曜日)にかけて、各国の関係閣僚等との二国間会談等を行うため、インドネシア共和国、シンガポール共和国、タイ王国を訪問しました。また、この機会を捉え、現地企業等と意見交換を行ったほか、アセアン各国との経済関係の深化に向けて、ポストコロナを見据えた日アジアの協力の方向性として、「アジア未来投資イニシアティブ」を現地で発表しました。

1. アジア未来投資イニシアティブの発表

萩生田大臣は、インドネシアのシンクタンクFPCI等の共催によるオンラインイベントに参加し、ポストコロナを見据えたアジアでの新たなイニシアティブとして、未来志向の新たな投資をアジア各国と共に積極的に推進する「アジア未来投資イニシアティブ」を発表しました。

2. インドネシアでの二国間会談等

今回の出張中には、インドネシアのアリフィンエネルギー鉱物資源大臣、ルトフィ商業大臣、アグス工業大臣、ルフット海洋・投資担当調整大臣及びアイルランガ経済担当調整大臣との会談を実施し、アジア未来投資イニシアティブの考え方も踏まえた二国間経済関係の深化へ向けた取組や、エネルギー・トランジション等について幅広く議論を行いました。また、リムASEAN事務総長と会談を実施し、RCEPや日ASEAN経済協力等について意見交換を行いました。

(1)アリフィンエネルギー鉱物資源大臣との会談

脱炭素化に向けたインドネシアの事情を踏まえ、幅広い技術・エネルギーを活用した現実的かつ多様なトランジションを進めるため、アリフィンエネルギー鉱物資源大臣との間で、エネルギー・トランジションの実現に関する協力覚書に署名し、アジア・エネルギー・トランジション・イニシアティブ(AETI)の下での両国の連携を確認しました。加えて、インドネシアが今年議長を務めるG20での協力を含め、エネルギー分野での協力をより一層深化させることで一致しました。また、石炭輸出の一時停止措置に対して、輸出の早期正常化を働きかけ、インドネシア政府から措置の緩和方針が発表されました。

Memorandum of  Cooperation between the Ministry of Economy, Trade and Industry of Japan and the Ministry of Energy and Mineral Resources of Republic of Indonesia on the Realization of Energy TransitionsPDFファイル

日本国経済産業省とインドネシア共和国エネルギー鉱物資源省との間のエネルギー・トランジションの実現に関する協力覚書PDFファイル

(2)ルトフィ商業大臣との会談

ルトフィ商業大臣と、日インドネシア二国間経済関係の強化に向けて、「アジア未来投資イニシアティブ」に基づく日本としての取組等を説明しました。また、インドネシアにおける事業環境の整備やG20、日インドネシアEPA、RCEP等などの通商政策に加え、幅広く個別の産業政策等について意見交換を行いました。

 

(3)アグス工業大臣との会談

アグス工業大臣と、日インドネシア二国間経済関係の強化に向けて、「アジア未来投資イニシアティブ」に基づく日本としての取組等を説明するとともに、インドネシアにおいて実施している人材育成等を含む裾野産業の協力や、自動車産業など幅広い個別の産業政策等について意見交換を行いました。

(4)リムASEAN事務総長との会談

萩生田大臣より「アジア未来投資イニシアティブ」に基づき、サプライチェーン、連結性、デジタル・イノベーション、人材等の分野で未来志向の新たな投資を積極的に行っていく旨を説明し、日ASEAN関係の深化について意見交換しました。
また、本年1月1日に発効したRCEP協定の完全な履行の確保に向けて日本とASEAN事務局とで緊密に連携をしていく旨を確認しました。

(5)ルフット海洋・投資担当調整大臣との会談

ルフット海洋・投資担当調整大臣と、日インドネシア二国間経済関係の強化に向けて「アジア未来投資イニシアティブ」に基づく日本としての取組等を説明するとともに、インドネシアにおける事業環境の整備やAETIの下でのエネルギー分野の協力など個別の産業政策を含む幅広い観点から意見交換を行いました。
また、石炭輸出の一時停止措置に対して、輸出の早期正常化を働きかけ、インドネシア政府から措置の緩和方針が発表されました。

(6)アイルランガ経済担当調整大臣

インドネシアは2022 年のG20 の議長国であり、担当閣僚であるアイルランガ経済担当調整大臣に、日本としてG20 の成功に最大限協力していく意向を伝えるとともに、G20 の貿易、デジタル、エネルギー・気候変動の各会合へ向けた意見交換を行いました。
また、日インドネシアの二国間経済関係の強化に向けて、「アジア未来投資イニシアティブ」に基づく日本としての取組等を説明するとともに、イニシアティブに基づく取組を、インドネシアの実状に即したより具体的な取組にしていくために官民対話を立ち上げる「日インドネシア・イノベーティブで持続可能な経済社会の共創パートナーシップ」を設立しました。

         

3. シンガポールでの二国間会談等

今回の出張中には、シンガポールのガン・キムヨン貿易産業大臣と会談を実施し、二国間関係やRCEP、CPTPP等について幅広く議論を行いました。また、コワーキングオフィスを訪問し、ベンチャーキャピタルやスタートアップ、日系企業等の方々との意見交換を行いました。

(1)ガン・キムヨン貿易産業大臣との会談

ガン・キムヨン貿易産業大臣と、日シンガポール二国間経済関係の強化に向けて「アジア未来投資イニシアティブ」に基づく日本としての取組等を説明するとともに、通商分野やエネルギー分野における二国間の協力等、幅広い分野で意見交換を行い、連携の方向性について共同声明を公表しました。

また、脱炭素化に向けたシンガポールの事情を踏まえつつ、アジアのエネルギー・トランジションの加速化に向けて、トランジション・ファイナンスのあり方も含め、低炭素技術に関する協力覚書に両大臣が署名し、AETIの下での両国の連携に合意しました。

Memorandum of  Cooperation between the Ministry of Economy, Trade and Industry of Japan and the Ministry of Trade and Industry of the Republic of Singapore for Cooperation on Low-Emissions SolutionsPDFファイル

イノベーティブかつ持続可能な経済の創出に向けた共同声明(英語)PDFファイル

イノベーティブかつ持続可能な経済の創出に向けた共同声明(仮訳)PDFファイル

(2)スタートアップ等との意見交換

東南アジアにおける日系企業によるイノベーション創出の活動拠点となっているコワーキングスペースのOne&Coを視察し、各社の取組について説明を受けました。
また、ベンチャーキャピタルやスタートアップ、日系企業等の方々との意見交換では、東南アジア市場の更なる成長可能性や現地人材の獲得・活用の重要性、イノベーション創出に向けた日系企業自身の組織変革の必要性等について、活発な議論がおこなわれました。

4. タイでの二国間会談等

今回の出張中には、タイのプラユット首相を表敬するとともに、スパッタナポン副首相兼エネルギー大臣、ドーン副首相兼外務大臣、アネーク高等教育・科学・研究・イノベーション大臣及びスリヤ工業大臣とそれぞれ会談を実施し、二国間関係やアジア未来投資イニシアティブ、エネルギー・トランジション等について幅広く議論を行いました。また、トヨタの現地工場を視察しました。

(1)プラユット首相への表敬

プラユット首相と、長年にわたる両国の貿易・投資・人材交流等による強固かつ良好な二国関係を確認しました。その上で、萩生田大臣より、「アジア未来投資イニシアティブ」に基づき、未来志向の新たな投資を積極的に行っていく旨を説明し、また、日本のグリーン成長戦略とタイのバイオ・サーキュラー・グリーン(BCG)経済モデルとの連携、エネルギーや産業分野での協力について議論を行いました。

加えて、プラユット首相立ち会いのもと、持続可能な成長及び温室効果ガス排出削減を成し遂げるため、AETIを踏まえた多様かつ現実的なエネルギー・トランジションを加速すべく、萩生田大臣とスパッタナポン副首相兼エネルギー大臣との間で「日本国・経済産業省とタイ王国・エネルギー省間のエネルギー・パートナーシップの実現に関する協力覚書」に署名しました。

Memorandum of  Cooperation on the Realization of Energy Partnership between the Ministry of Economy, Trade and Industry of Japan and The Ministry of Energy of the Kingdom of ThailandPDFファイル

日本国・経済産業省とタイ王国・エネルギー省間のエネルギー・パートナーシップの実現に関する協力覚書PDFファイル

(2)スパッタナポン副首相兼エネルギー大臣との会談

スパッタナポン副首相兼エネルギー大臣と、長年培ってきた日タイの二国間関係をより深化させていくために、「アジア未来投資イニシアティブ」の考え方も踏まえながら、「未来志向の新たな投資」を進めていくこと意向を伝えました。また、イノベーション推進、競争力強化、安定的な経済成長を確保するとともに、AETIに基づく現実的なエネルギー・トランジションなど、日タイ両国の経済関係を深めるための様々な意見交換を行いました。

会談の成果として、両大臣により「日タイ経済大臣会談における未来投資に向けた共創パートナーシップ」の共同声明を発表し、また、両大臣は、ジェトロとタイ投資委員会及び東部経済回廊(EEC)事務局との覚書の署名に立ち会いました。

日タイ経済大臣会談における未来投資に向けた共創パートナーシップ(英語)PDFファイル

日タイ経済大臣会談における未来投資に向けた共創パートナーシップ(仮訳)PDFファイル

(3)ドーン副首相兼外務大臣との会談

タイは2020年のAPEC議長国であり、ドーン副首相兼外務大臣にたいし、日本として、APECにおいて、タイが設定したテーマ「オープン、コネクト、バランス」に沿い協力していくことを伝えました。また、APECの優先事項としてタイが掲げる、①社会的課題への対応等の新たな貿易課題に関する議論、②バイオ、サーキュラーエコノミー、環境問題への対応等を中心に成長を目指すBCG経済モデルについて日本は支持していく意向を伝えました。その他、RECP協定の完全な履行に向けた協力等通商政策について意見交換を行いました。

(4)アネーク高等教育・科学・研究・イノベーション大臣との会談

萩生田大臣から、イノベーションのインキュベーション機能を所管するアネーク大臣に対し、アジア未来投資イニシアティブに基づき「未来志向の新たな投資」を積極的に進めていくこと、ASEANの企業との協業などを通じて、イノベーションを共に創造していく「共創」を進めていくことについて説明を行うとともに、日本のグリーン成長戦略と同大臣がイニシアティブをとるBCG(Bio-Circular-Green)経済モデルグリーン成長戦略との連携の在り方について意見交換を行いました。
加えて、今後の両省間の更なる協力関係の構築に向け協力枠組み文書の交換を行いました。

(5)スリヤ工業大臣

スリヤ工業大臣と、日タイが多くのサプライチェーンを共有する重要なパートナーであることを確認し、引き続き、人材育成の協力や、サプライチェーン強靱化などに取り組んでいくことについて意見交換を行いました。
また、両大臣による、「協力フレームワーク文書」の交換、更に、両大臣立ち会いのもと、ジェトロ・バンコクとタイ自動車研究所による協力文書(Letter of Intent)の更新にかかる署名が行われました。

(6)トヨタ工場の視察

バンコク近郊にあるトヨタのサムロン工場を訪問しました。1960年代からタイに進出した同社の自動車工場の生産現場を視察するとともに、工場関係者の皆さまとサプライチェーンの重要性や、タイ政府におけるカーボンニュートラルの実現に向けた新たな政策への対応など、自動車産業の現状や課題について意見交換しました。

関連資料

関連リンク

担当

  • 通商政策局 アジア大洋州課長 池谷
    担当者:加畑

    電話:03-3501-1511(内線 3011)
    03-3501-1953(直通)
    03-3501-5898(FAX)

  • 資源エネルギー庁 長官官房国際課長 小泉
    担当者:下京田、安達、嘉喜

    電話:03-3501-1511(内線 4491)
    03-3501-0598(直通)
    03-3595-3056(FAX)

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