議案審議経過情報

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項目 内容
議案提出者 篠原豪 君外十四名
衆議院審議時会派態度
衆議院審議時賛成会派
衆議院審議時反対会派
議案受理年月日 2021-12-17
公布年月日

要項または提出時法律案

第二〇七回
衆第一一号
   領域等の警備及び海上保安体制の強化に関する法律案
目次
 第一章 総則(第一条-第三条)
 第二章 領域警備基本方針及び海上保安体制強化計画(第四条-第六条)
 第三章 基本的施策(第七条・第八条)
 第四章 領域警備・海上保安体制強化会議(第九条-第十二条)
 第五章 雑則(第十三条)
 附則
   第一章 総則
 (目的)
第一条 この法律は、領域等の警備において警察機関及び自衛隊が事態に応じて適切な役割分担の下で迅速に行動できるようにするため、領域等の警備に関する基本原則を定め、並びに領域警備基本方針及び海上保安体制強化計画の策定その他の領域等の警備に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、領域警備・海上保安体制強化会議を設置することにより、領域等における公共の秩序を維持し、もって国民の安全の確保に資することを目的とする。
 (定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一 領域等 我が国の内水、我が国の領海及びその周辺の政令で定める海域並びに我が国の領域のうち国境周辺の離島その他の政令で定める陸域をいう。
 二 警察機関 警察及び海上保安庁をいう。
 三 海上保安体制 警察機関による海上の安全及び治安の確保を図るための体制をいう。
 (基本原則)
第三条 領域等における公共の秩序の維持のための活動は、警察機関をもって行うことを基本とし、警察機関をもっては公共の秩序を維持することができないと認められる事態が発生した場合には、自衛隊が、警察機関との適切な役割分担を踏まえて、当該事態に対処するものとする。
2 警察機関、自衛隊その他の関係行政機関は、領域等における公共の秩序の維持に関し、必要かつ十分な体制を維持しつつ、正確な情報を共有する等相互に緊密な連携を図りながら協力しなければならない。
3 この法律の施行に当たっては、関係行政機関の活動により事態が更に緊迫することのないよう留意するとともに、この法律に基づき実施する措置は、対処することが必要な行為に対して均衡のとれた対抗措置として相当と認められる範囲内において行われなければならない。
4 この法律の施行に当たっては、我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行を妨げることがないよう留意するとともに、確立された国際法規を遵守しなければならない。
   第二章 領域警備基本方針及び海上保安体制強化計画
 (領域警備基本方針)
第四条 政府は、五年を一期として、領域等の警備に関する基本的な方針(以下「領域警備基本方針」という。)を定めるものとする。
2 領域警備基本方針に定める事項は、次のとおりとする。
 一 領域等の警備に関する基本的な事項
 二 海上保安庁の船舶、航空機等の装備の増強、人員の養成及び確保その他の海上保安体制の強化に関する基本的な事項
 三 警察機関、自衛隊その他領域等における公共の秩序の維持に当たる関係機関の連携に関する基本的な事項
 四 その他領域等の警備に関する重要事項
3 内閣総理大臣は、領域警備・海上保安体制強化会議の作成した領域警備基本方針の案について、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の閣議の決定があったときは、遅滞なく、領域警備基本方針を公表しなければならない。
5 前二項の規定は、領域警備基本方針の変更について準用する。
 (対処要領)
第五条 国家公安委員会、国土交通大臣及び防衛大臣は、領域警備基本方針に基づき、領域等において治安を維持するための行動準則について定めた対処要領を定め、内閣総理大臣の承認を得なければならない。
2 前項の規定は、同項の対処要領の変更について準用する。
 (海上保安体制強化計画)
第六条 政府は、海上保安庁の船舶、航空機等の装備の増強、人員の養成及び確保その他の海上保安体制の強化の計画的な実施に資するため、領域警備基本方針に即して、五年ごとに、海上保安体制の強化に関する計画(以下この条及び第十条第二号において「海上保安体制強化計画」という。)を定めなければならない。
2 海上保安体制強化計画には、計画期間に係る海上保安体制の強化の目標及び概要を定めるものとする。
3 第四条第三項及び第四項の規定は、海上保安体制強化計画の策定及び変更について準用する。
   第三章 基本的施策
 (警戒監視の措置)
第七条 防衛大臣は、領域等における公共の秩序の維持を図るため、自衛隊の部隊に対し、必要な情報の収集その他の警戒監視を相当期間にわたり継続して常時実施する措置を講じさせることができる。
 (適切な連絡体制の構築等)
第八条 政府は、領域等の警備に関し実施する活動に伴い不測の事態が発生することを防止するため、各国政府との間で、国の防衛に関する職務を行う当局、海上における公共の秩序の維持に関する職務を行う当局その他の関係行政機関相互間の意思疎通と相互理解の増進、安全保障の分野における信頼関係の強化及び交流の推進、緊急時の連絡体制の構築その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
   第四章 領域警備・海上保安体制強化会議
 (設置)
第九条 領域等における公共の秩序の維持に関し、必要な情報を収集するとともに、関係行政機関が相互に適切に連携を図りながら協力することを確保するため、内閣に、領域警備・海上保安体制強化会議(以下この章において「会議」という。)を置く。
 (所掌事務)
第十条 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
 一 領域警備基本方針の案の作成及び実施の推進に関すること。
 二 海上保安体制強化計画の案の作成及び実施の推進に関すること。
 三 前二号に掲げるもののほか、領域等の警備及び海上保安体制の強化に関する施策で重要なものの企画に関する調査審議、その施策の実施の推進並びに総合調整に関すること。
 (組織)
第十一条 会議は、議長、副議長及び議員をもって組織する。
2 議長は、内閣総理大臣をもって充てる。
3 副議長は、内閣官房長官をもって充てる。
4 議員は、次に掲げる者をもって充てる。
 一 国家公安委員会委員長
 二 国土交通大臣
 三 防衛大臣
 四 前三号に掲げるもののほか、議長及び副議長以外の国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指名する者
 (主任の大臣)
第十二条 会議に係る事項については、内閣法(昭和二十二年法律第五号)にいう主任の大臣は、内閣総理大臣とする。
   第五章 雑則
第十三条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。
   附 則
 (施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
 (海上保安庁法の一部改正)
第二条 海上保安庁法(昭和二十三年法律第二十八号)の一部を次のように改正する。
  第五条第十九号中「いう。)」の下に「、自衛隊」を加える。
 (自衛隊法の一部改正)
第三条 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)の一部を次のように改正する。
  第二十二条第二項中「海賊対処行動」の下に「、第八十二条の二の二第一項の規定による海上における警備準備行動」を加える。
  第八十二条の二の次に次の一条を加える。
  (海上における警備準備行動)
 第八十二条の二の二 防衛大臣は、国土交通大臣から自衛隊の部隊に海上保安庁が行う警備を補完させるよう要請があつた場合において、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため海上における警備をあらかじめ強化しておく必要があると認めるときは、自衛隊の部隊に対し、海上において海上保安庁が行う警備を補完するための行動(次項において「海上における警備準備行動」という。)をとることを命ずることができる。
 2 防衛大臣は、前項の規定により自衛隊の部隊に対し海上における警備準備行動をとることを命じたときは、速やかにその旨を内閣に報告しなければならない。
  第八十四条の四の次に次の一条を加える。
  (警戒監視の措置)
 第八十四条の四の二 防衛大臣は、領域等の警備及び海上保安体制の強化に関する法律(令和三年法律第▼▼▼号)の定めるところにより、自衛隊の部隊に対し、警戒監視の措置を講じさせることができる。
  第九十三条の二の次に次の一条を加える。
  (海上における警備準備行動の際の権限)
 第九十三条の二の二 海上保安庁法第十六条の規定は、第八十二条の二の二第一項の規定により行動を命ぜられた海上自衛隊の三等海曹以上の自衛官の職務の執行について、同法第十七条第一項及び第十八条の規定は、海上保安官がその場にいない場合に限り、第八十二条の二の二第一項の規定により行動を命ぜられた海上自衛隊の三等海曹以上の自衛官の職務の執行について準用する。
 2 第八十二条の二の二第一項の規定により行動を命ぜられた自衛隊の自衛官は、その職務を行うに際し、自己若しくは自己と共にその職務に従事する隊員又はその職務を行うに伴い自己の管理の下に入つた者の生命又は身体の防護のためやむを得ない必要があると認める相当の理由がある場合には、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度で武器を使用することができる。ただし、刑法第三十六条又は第三十七条に該当する場合のほか、人に危害を与えてはならない。

     理 由
 領域等における公共の秩序を維持し、もって国民の安全の確保に資するため、領域等の警備に関する基本原則を定め、並びに領域警備基本方針及び海上保安体制強化計画の策定その他の領域等の警備に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、領域警備・海上保安体制強化会議を設置することにより、領域等の警備において警察機関及び自衛隊が事態に応じて適切な役割分担の下で迅速に行動できるようにする必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。