財務省・新着情報

1.はじめに
 おはようございます。こんにちは。こんばんは。皆様を東京にお招きできなかったことは残念ですが、世界が最もIDAを必要とする時期に、IDA第20次増資の最終会合を主催できることを光栄に思います。世銀事務局と参加者の皆様のこれまでの努力に感謝と敬意を表したいと思います。
 世界では、新型コロナウイルス感染症による未曾有の危機が継続中です。これまで「貧困撲滅」と「繁栄共有」に向けて我々が努力して達成してきた成果が後退の危機にあります。今こそ世界の連帯が必要です。
 全世界の問題に対処するIDAは、コロナ危機からのグリーンで強靭かつ包摂的な回復において、その重要性が一層高まっています。
 このため、日本は、当初から増資の前倒しの議論を主導し、また、最終会合を主催することとしました。IDA20への日本の資金貢献をプレッジするに当たり、3点述べさせていただきます。

2.国際保健
 国際保健について。新たな変異株が流行していますが、この繰り返しを避けるためには、途上国も含め、ワクチン・治療薬の普及を進めることが不可欠です。
 これは最後の保健危機ではありません。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの普及も含む、予防・備え・対応を一層強化しなければなりません。

3.気候変動と自然災害
● 気候変動と自然災害について。気候変動により、自然災害はより頻繁かつ深刻になっています。このため、気候変動への「適応」としての防災の重要性はかつてないほど高くなっています。私の出身地である岩手は、10年前に大震災により大きな被害を受けましたが、強靭なインフラの構築と不屈の精神により良い復興を達成しました。日本は防災の知見と経験で貢献したいと考えています。

4.低所得国の債務問題
 債務について。債務国の能力向上、債権国によるデータ共有及び債務データの突合を通じた債務の透明性の向上が重要です。これにより、債権国・債務国の双方がより正確な情報に基づく意思決定が可能となります。安定的な投資資金の流入と債務持続可能性に配慮した借入、ひいては持続的な経済成長に繋がります。世銀グループの果たす役割に期待します。

5.IDAの役割とプレッジ
 これらの重要なアジェンダは、IDAの重点支援分野に盛り込まれており、日本はこれらの問題が対処されることを期待しています。
 IDAを支援するため、日本は、拠出額を6.9%増加させ、過去最大の貢献である3,767億円(約34億ドルに相当)を拠出し、249億ドルのうち13.8%の貢献シェアを維持することとしました。
 他のドナー各国には積極的な貢献を奨励します。IDAの歴史上初の増資の前倒しを成功させ、世界に希望のメッセージを届けましょう。

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