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金子農林水産大臣記者会見概要

日時 令和3年12月10日(金曜日)9時29分~9時36分 於: 本省3階会見室
主な質疑事項
  • WCPFC年次会合の結果及び今後の資源管理について

質疑応答

  • WCPFC年次会合の結果及び今後の資源管理について(1)

記者

  WCPFCの年次会合で、太平洋クロマグロの漁獲枠が15パーセント増えましたが、その受け止めをお聞かせください。

大臣

  1日から7日までの日程でWCPFC年次会合が開催されまして、太平洋クロマグロにつきましては、大型魚の漁獲枠の15パーセント増などが正式に決定されました。これによりまして、我が国の大型魚の漁獲枠は、来年の1月から、今年の漁獲枠に比較いたしまして、732トン増枠されることになりました。今回の結果につきましては、関係者の皆様による資源管理の取組により、資源が増大したとの結果が国際的に認められたものと評価しています。今後とも、漁獲枠の適切な管理を含め、太平洋クロマグロの持続的な利用に向けた取組を推進してまいりたいと思っております。

  • WCPFC年次会合の結果及び今後の資源管理について(2)

記者

  今の点に関連しまして、国内への増枠を含めた配分がこれから具体化していくと思うんですけれども、大型魚、小型魚とかですね、沖合とか沿岸とかありますけれども、大きな増枠の配分の方針について教えてください。

大臣

  今日ですね、令和4年1月1日から開始される、令和4管理年度の配分案について、漁業者等関係者との意見交換が開催される予定になっております。今回の配分先は、先月開催されました「水産政策審議会くろまぐろ部会」で取りまとめられました配分の考え方に基づいて作成をしております。すなわち、WCPFC基準年(2002~2004年(平成14年~平成16年))の漁獲実績を基本といたしまして、都道府県の沿岸漁業へも配慮しながら、近年の漁獲実績を勘案して配分することといたしております。具体的には、大型魚につきましては6,231.9トン、小型魚につきましては3,577.1トンを、先ほどの基本的な考え方に従い、漁業種類ごとに配分することとしております。本日の意見交換会でいただいた御意見を踏まえまして、令和4管理年度の漁獲可能量配分案を、12月14日に開催予定の水産政策審議会に諮問しまして、答申が得られ次第、漁獲可能量とその配分を決定する予定となっております。なお、配分案の詳細につきましては、非常に技術的な内容となりますので、事務方に問い合わせしていただきたいと思います。以上です。

  • WCPFC年次会合の結果及び今後の資源管理について(3)

記者

  クロマグロの関連でお尋ねなんですけど、来年1月から公的IQ制度も始まると思うんですけれども、こちらのねらいと、進めていく上での難しさと言いましょうか、留意すべき点みたいなものを教えていただけますでしょうか。

大臣

  クロマグロでは、令和4管理年度から、かつお・まぐろ漁業及び大中型まき網漁業におきまして、漁業法に基づく漁獲割当て(IQ)による管理が開始されます。IQの導入により、漁業者は割り当てられたIQの範囲内で、自身の経営判断において計画的に漁獲を行うことが可能となります。従来の総量管理の下での先取り競争の弊害が是正されることから、漁期を通じた適切な漁獲データの収集に加え、より公平な形で資源の管理と利用が進むものと考えております。クロマグロにおいて初めての公的IQであり、本制度を着実に実施し、引き続き、クロマグロの適切な資源管理に努めてまいりたいと思います。

記者

  個別に割り当てられるということで、ある種、収入にキャップがはめられるという面もあると思うんですけど、この点、留意すべき点と言いましょうか、漁業者の理解を得ながらということになるでしょうか。

大臣

  ある一定の漁獲量を割り当てします。一番大事なのは価格の安定なんです。今までは、オリンピック方式でやっている時は、お互いそれぞれが獲り合いながら。そうすると、マグロの漁期というのは地域によって決められたところがありますから、そこはお互いに、枠をいただいたそれぞれの生産者が、ある程度調整をしながらやっていくと。大量に揚がると値段は下がりますから。そこはやっぱり、計画的に漁業者同士で話し合いをして、自主的にあなたはここの期間で操業してください、あなたはこの期間で操業してくださいというような形で持っていかないと、なかなか、やっぱり一度にみんなヨーイドンでやると、魚価の安定が非常に厳しくなって、逆に言うと、前年度より水揚げ減という形になると思います。そのへんをやっぱり、みんなが自主的な話合いをしていかなきゃいけないということが、一番大事だと思います。

報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終了いたします。

以上

 

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