経産省・新着情報

2021年7月2日(金曜日)
11時18分~11時38分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

経団連中西会長

Q:2点質問があります。

1点目、中西前経団連の会長がお亡くなりになったことが明らかになりました。

産業構造審議会の会長を務めるなど経産省との関わりもありましたが、今回の大臣の受け止めをお願いいたします。

A:経団連の中西宏明前会長が今週の日曜日に亡くなられたという発表が昨日なされたと承知をしております。心からお悔やみを申し上げたいと存じます。

中西前会長は、経営者として、リーマンショック後の経営危機にあった日立製作所の大胆な事業再編に取り組むなど、業績のV字回復を果たされたと承知をしております。

また、経団連会長として、我が国の経済界全体のかじ取り役も務められました。

加えて、産業構造審議会の会長も務められるなど、私自身も様々な場で御一緒をさせていただきましたが、常に前広の視野で、将来を見据えた御意見、御提言を頂いたと感じております。取り分け、日本社会のさらなるデジタル化、脱炭素化の必要性を早くから提唱されていた方でもありました。こうした中西前会長の思いを受け継いで、経済産業省としても、グリーン成長戦略やデジタルトランスフォーメーションに取り組んでまいりたいと考えております。改めてその御功績に敬意を表するとともに、心から哀悼の意を表したいと思います。

私個人的にも地元の日立の工場が幾つか複数ありますので、以前からのお付き合いをさせていただいておりまして、今申し上げたように、仕事上のお付き合い、またいろんなお付き合いも裏表のない方でありまして、非常に勉強になりました。

今後とも、こういった思いというものを受け継いでまいりたいと思っておりますし、心から御冥福をお祈り申し上げたいと思います。

三菱電機不正検査

Q:もう一点、追加で質問があります。三菱電機をめぐる不適切な検査体制に対して質問いたします。今回の三菱の件に関しては、公に会見等は開かれていないといったところもありますし、不適切な検査体制というのは三菱電機に限らず、近年、他社を含めて次々に明らかになっています。産業界を所管する経産省の監督体制等も問われてくるかと思いますが、大臣の受け止めをお願いします。

A:三菱電機から6月25日、金曜日に鉄道向けの空調設備の不適切な検査に関する第一報がありました。6月30日にブレーキシステムの空気圧縮機、コンプレッサーに関する追加報告がありました。

経産省としては三菱電機に対しまして、組織的な関与も含めた全容の解明、そして安全性の検証など事実関係の究明、情報提供等の適切な顧客対応、そして、問題の経緯や今後の対応についての十分な対外説明、原因の徹底究明、再発防止策の実施を指示をしたところであります。

三菱電機からは本日、多分、記者会見があると聞いております。これを受けて、現在、三菱電機が詳細な事実関係の確認や原因究明を行っているものと認識をしております。三菱電機が不適切な検査を長年実施してきたとすれば、本件は日本のものづくりに対する信頼を大きく傷つけかねない問題であり、大変遺憾であると思っております。

今後、事実関係の確認や原因究明などが着実になされるように三菱電機の対応を注視してまいりたいと思っております。その結果、法令違反等の事実が判明した場合には関係法令に基づいて政府として適切に対応してまいりたいと思っております。

また、経済産業省としての取組ということで、2017年における複数の品質不正データ事案が発生したことを踏まえて、経済産業省として製造業全体の品質管理に対する意識を向上させるために、産業界が取り組むべき指針を示したものであり、これまで産業界に対して広く周知を行ってきたところであります。

産業界においても、この指針を受けて複数の業界で品質に関するガイドラインの策定が行われるとともに、複数の業界においてIoT技術を活用した品質管理向上のための取組も始まっているものと承知をしております。

経済産業省としては引き続き製造業全体の品質管理の向上に向けてしっかりと取り組んでまいりたいと思いますけれども、まずは三菱電機が顧客との関係でしっかり情報を共有した上で全容解明を行う、その上で経済産業省としてこれまでの品質管理上の不備な点があれば、しっかりと対応もしてまいりたいと思っております。

エネルギー基本計画

Q:一部報道で、今回策定目指すエネルギー基本計画なんですけれども、原子力発電所のリプレースを盛り込まないとの報道が出ていますが、事実関係等、大臣のお考えをお聞かせください。

そもそもその建て替えなしにそのカーボンニュートラルが実現できるのかという、現実的な視座というのも踏まえた上で、お考えをお聞かせ願えればと思います。

A:原子力につきましては、まずは国民の信頼回復に努めて、既存の原発の再稼働を進めることは重要であり、現時点では新増設・リプレースは想定をしていないというのが政府の現状の立場ということであります。その考えに変わりはございません。

その上で、エネルギー基本計画については、これまで総合資源エネルギー調査会において議論を行っている最中でありまして、結論は出ていないというのが現状であります。

ただ、ここの議論につきましては、原子力に積極的な方も、慎重な方も両方の意見を聞いてまいりましょうと。また、再生可能エネルギーを積極的に取り入れるというか、現実的にどのくらい取り入れることが可能なんだろうという議論も含めてですね、それぞれの立場からお話を伺っているところでありまして、一昨日の総合資源エネルギー調査会においては、六つの団体からそのシナリオ分析についてお話を聞かせていただいた、そして、団体間の疑問についても議論をさせていただき、そしてまた委員からもいろいろな指摘がなされたというところであります。

そういったものを基に取りまとめていくということでありますけれども、これまでの議論の中では、原子力の新増設はリプレースも含めて、先ほど申しましたようにタブーなく議論をしているというのが現実だということ。13回の議論をしております。

2050年カーボンニュートラルや2030年の新たな削減目標を目指す中にあっても、3E+Sのバランスを取り続けていくことが重要であると考えております。

脱炭素等、安価なエネルギーの安定供給の両立に向けて、今後もエネルギー政策全体について、様々な意見に耳を傾けて集中的に議論を深めて結論を出してまいりたいと思っております。

職員逮捕

Q:家賃支援給付金詐欺についてお伺いします。

この事件はですね、語るに落ちた悪質なものでですね。

A:語るに落ちた。

Q:語るに落ちた悪質なものだというふうに私は個人的には思いますが、組織の責任というのを。

A:誰が語るに落ちたのかな。

Q:国民全体がですよ。これ、だって……

A:いやいや、分かりません、言葉遣いの話。

Q:はい。身内の詐欺師にお金が行って、本当に困っている人にお金が行かないというような、そういう意味で語るに落ちると申し上げているんですが、個人としての手続は、警視庁が今捜査しているところですけども、組織としての責任を大臣はどうお考えになっているのでしょうか。

A:今あなたがおっしゃったように、困っている方に給付金が行き渡るような形で体制も組んできたわけであります。ただ、これは国会の議論もありました。そして、皆さんからの議論もありました。性善説で審査を通してほしいというお話もありました。

申請があって審査があって給付があるんですけれども、その申請ということで考えると、申請と審査ということで考えると、97~98%審査が通っているんですね。ですから、今度はこういう事件が出ると、審査が甘かったんじゃないかという議論もあるわけでありますが、形式的にそろっていればお支払をしましょうと、後でまたそういった捜査についてはしっかりとしてもらいたいという思いでやってきたということでありますけれども、まず捜査における全容解明が必要だと思っております。

経産省の職員だからということで知り得た情報というのはないと思っております。これは全てオープンの形でやっておりますし、そのほかにも詐欺事件が生じているということ。ただ、経産省職員として、国家公務員として高い倫理感を持つべきであり、こういったことが日頃の業務においてどう現れていたかということも含めて、経産省としてはしっかりと対応していかなければならないと思っております。

Q:これ、だって、貸主に自分の名前を登録してお金が行っているんですよ。これ、組織のシステムとして、この仕組み自体が破綻しているというふうにはお考えになりませんか。

A:これは先ほど申しましたように、できるだけ早く多くの方に支給をするという前提で組ませていただいた。そして、その審査が厳しければ、これはもっと緩めるべきだという御議論もいただいたということであります。そして、これもまるっきり経産省だけで決めてきたわけではなくて国会の議論、また皆様の意見も取り入れながらやってきたということでありまして、性善説に基づいてやってくれという野党からの言い分もありました。また、国会でのそういうやり取りもありました。その中で、あとは国家公務員としての倫理感、そういったものはしっかり持ち得たのかどうか、そして経産省の仕事の中でそういったものをしっかりと把握できたのかどうかということについてはこれからの検証だと思っております。

ただ、一件一件の詐欺というか、かなりの数の詐欺事件があります。その中で出てきたものであり、これ、警察の捜査の中で出てきたものでありますから、それについて今経産省の責任だということ、その審査についてなんでしょうけど、多分その審査を通すことが問題だという表現だと思いますけれども、それについては、審査というものは非常に要件だけをしっかりそろえていれば大体はお支払いしているというような実情があるということを御理解を頂きたいと思います。

Q:いや、審査の……

事務方:ごめんなさい。質問の際は挙手をお願いします。

Q:審査を受けている現場の声を私たちが取材して、この家賃支援給付金については支給率が2割程度ですよ、今。滞っているんです。

A:ん?

Q:支給率が今2割程度です。

A:家賃支援給付金、そんなことないね。もう終わっていますからね、これ。90数%お支払いしていますよ、審査については、審査も終わっていますから。2割ということはあり得ません。

Q:現場の方で……

A:いやいや、2割はあり得ません。もう終わって精算をしていますから。

Q:分かりました。

Q:私も今の関係なんですけれども、詐欺容疑で逮捕された経産省職員、一部報道で家賃請求等に加えて持続化給付金も詐取していたんじゃないかというような報道がありますけれども、その件について大臣の御意見をお願いします。

A:今のマスコミの報道の範囲内でという、今日の報道であったということですね。

職員2名について家賃支援給付金の詐欺の疑いで逮捕されております。警察による捜査中であるために、他の給付金の詐欺の疑いも含めてコメントは差し控えたいと思っております。警察には必要な情報は全て提供しておりまして、引き続き捜査に最大限協力をしてまいりたいと思っております。

全体の資料の中でそういう捜査の中での裏付けというものが出てくると思っております。一件一件取り立てての資料の提供ということではなくて、全体の調査の対応というものをさせていただいております。

Q:大臣、先日検証とか再発防止を進めるというような考え、示されていますけれども、例えばそもそも兼業が原則禁止されている国家公務員の方が申請するという行為自体がちょっと違和感あろうかと思うんですけれども。国民の信頼は……

A:それは国家公務員の、多分、法律であるとか規律違反ということに、もしそれが事実であればなってくるということなので。捜査で事実が明らかになった上で採用させていただくということで申し上げております。今の時点で捜査でこうだろうああだろうという話がある。そしてそのマスコミの情報もある。確定したものではありません。ですから、そのことについて今、処分を確定するとか、どこに責任があったかということは、今の時点では申し上げられないということを再三申し上げているということです。

Q:捜査と関係なく、国民の信頼回復に向けて、例えば今の観点に照らして、例えばこれまでの申請者と職員の方々、例えば名寄せをするとか、そういった作業も可能かなと思うんですけれども……

A:それは数十万件出ている、例えば持続化給付金であれば、400万件以上の、450万件近い申請がある名寄せというのはなかなかできていないというのは現実だと思っております。

とにかく、昨年の5月1日から始まってすぐにもう5月中に支払が始まる。とにかく急げということで、いろんな議論させていただいた。審査が堅すぎるというお話も頂いた。そういった中で今の申請の書類の内容、そして審査の在り方、そして給付の在り方というものも議論して詰めてきたわけですから、その中で反省点があればしっかりと対応していきたいと思っております。

エネルギー基本計画

Q:先ほどの総合エネルギー調査会の分科会の話に戻るんですけれども、エネルギー基本計画、エネ基ですが、様々議論がされている、リプレースに関しても様々な議論を。とはいえ、正に安価なエネルギーどうするのかとか、このシナリオですとかなり電力のコストがかかってしまうというようなシナリオも出たということなんですが。実際このエネルギー基本計画、いつぐらいにできるのか。一部では選挙後というような話も出ているというところもあって、大臣の中ではいつぐらいに出したいと思っていらっしゃいますか。

A:これ、エネルギー基本計画の改定時期は未定ということでありますけれども、今後のCOP26などの国際会議が予定されておりまして、そちらの動向を注意しながら検討して、検討を加速してまいりたいと思っております。

逆算していくと、COP26にはその手前でNDCとか行動計画というものを国連に提出をしなければならない。それを決めるためにはやはりエネルギー基本計画が必要だ。そのエネルギー基本計画を決めるに当たっては、パブコメも含めて様々な手続が必要だということで対応してまいりたいと思っております。

職員逮捕

Q:大臣、ごめんなさい。先ほど私、言い間違えました。一時支援金が予算に対して2割程度しか支給されていないというふうに申し上げようと思っていました。これの間違いです。

ただ、お聞きしたいのは、なかなかやっぱり申請しても来ない、お金が来ないという中小企業の現場の方の声を私ども取材して、ほとんど悲鳴に近いようなことなんです。それと今回の事案を比較したときに、単に公務員の倫理とかそういうこと以前に、組織の体制とかあるいはシステム自体に欠陥があったのではないかと、そういうことについてどうお考えになるかということをお聞きしたかった。

A:組織の体制については中小企業庁でこれ対応したわけでありますけれども、ここではかなりの人を割いて、人員を割いて対応してきております。その都度やはり各党から審査の在り方、審査会場の在り方、そして給付までの時間のかかり方というものもいろんな御指摘も頂きました。最大限の努力はしてきているということで、申請イコール支払じゃないと、給付じゃないということを御理解いただくことと、そこの確認の中で飽くまでも税金ですから、原資は。その中でしっかりと最低限の確認をさせていただく。ただそれがどうしても書類が整わずに善意の申請者であっても、やはり書類のことでずっと長引いていることもあるということでありまして、そういった手続については申請者の方と丁寧に話合いをしていかなくちゃならないと思っております。

ただ一方で、今おっしゃったような経産省の職員が詐欺を働いていたということは大変申し訳なく思いまして、先般も臨時の記者会見を開かせていただきました。その中で何に不備があったのか、体制に不備があったのか。また例えば遡って経産省での採用時の確認事項にそういったものに不備があったのか。日頃の上司による管理監督によってそういった不備があったのかも含めて、捜査した上で全容が分かり次第、そういった対応をしていきたいと思っております。

ですから、詐欺事件というのはいろんな形で出ております。学生さんが関わったものもある。余り犯罪認識がなくてやったものもある。そういったものの分類というものもしていく必要がありますけれども、経産省の人間がやっていたということは私にとっては非常にショックであり、また遺憾であると思っておりますので、この対応というものはしっかり全容が分かり次第、対応してまいりたいと思います。ただ、今の時点で、まだ起訴もされていない時点ではなかなかそういったものができないということでありますから、その点だけは御理解を頂きたいと思います。

Q:という意味で、昨日付の経産省の人事異動ございましたよね。あれを見ると、中小企業庁、長官も代わりましたし、それから関係支援部長とか、関係者が随分異動しています。この異動というのは、今起こっていることの反映がなされた結果の異動なんでしょうか。

A:これは定期異動ということであります。そして、組織としてしっかりとこういった課題というのは引き継いでおりますので、昨年の5月から始まったコロナ禍での対応、支援金も含めた対応というものは組織でしっかり引き継いでいくということで、その途中で担当課長が代わった例も昨年にはありますから、組織としてしっかり対応してまいりたいと思います。属人的な対応ということではなくて、組織としてしっかり対応させていただくということで御理解をいただきたいと思います。

以上

最終更新日:2021年7月14日

発信元サイトへ