経産省・新着情報

2021年6月18日(金曜日)
11時44分~12時03分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

エネルギー基本計画

Q:エネルギー基本計画の改定について2点伺います。
 まず、1点目、時期的な話なのですが、基本政策分科会が先月から約1か月開催されていないのですが、現在の進捗状況とあと策定時期のめどがあれば教えてください。
 それから、2点目は先日のG7までに骨子だけでも示して、日本の気候変動対策を世界にアピールするということも手法としてはあり得たのではないかと思料しますが、そういったことを政府内で検討されたのかということと、もしされたのであれば見送った理由を教えてください。
 
A:まず、1点目のエネルギー基本計画の見直しに向けては、これまでも期限ありきではなくて、多様な観点からタブーなしでしっかり議論するという考え方の下で検討を進めているところであります。
 これまでに御承知のように12回審議会を開催いたしました。菅総理が表明された2050年カーボンニュートラルの実現に向けた課題や対応の方向性、そして2030年に向けた政策の在り方について議論を深めてきたところであります。
 例えば2030年の新たな削減目標に向けては、2030年の省エネ量の見通しについて見直しを行い、従来の石油換算で5,030万キロリットルから6,200万キロリットル程度に深掘りをしたところであります。
 この6,200万キロリットルというのは、2013年度のエネルギー消費量の約2割を占める百貨店やスーパーなどの小売、オフィス、事務所などの業務部門のエネルギーを全て削減することに相当する数値でもあります。また、再エネ拡大に向け環境アセスの要件緩和などの政策強化の結果、2,900億キロワットアワー程度を示してさらなる政策対応によりどの程度導入拡大が見込めるかということを今検討しているところであります。
 原子力については、国民の信頼回復に努めて安全最優先の再稼働を進めること、石炭火力などについては、安定供給確保を大前提に、できる限り電源構成比での比率を引き下げていくことといった論点について検討を重ねておりまして、都度公開をしておりますので、御承知のこととは思いますし、また都度総理にもお話をさせていただいているということであります。
 総理からも4月の温対本部において検討を加速するよう指示があり、またG7の首脳コミュニケにおいても、COP26までに新たなNDCやパリ協定長期戦略を提出することが明記をされていることなども踏まえて、引き続き様々な意見に耳を傾けながら、結論ありきではなくて議論を進めてまいりたいと思っております。
 もう一点、2点目、エネルギー基本計画の見直しに向けては、これまでも期限ありきではないが、COP26などの国際動向も注視しながら、様々な論点についてタブーなしで検討を進めてきており、具体的なスケジュールを定めたことはこれまでもありません。
 先ほども申し上げましたとおり、これまでに12回審議会を開催いたしました。菅総理が表明された2050年カーボンニュートラルの実現に向けた課題や対応の方向性、2030年に向けた政策の在り方について、議論を積み重ねてきているところであります。
 総理からも4月の温対本部において、先ほども申しましたけれども、検討を加速するように指示があり、またG7の首脳コミュニケにおいてもCOP26までに新たなNDCやパリ協定長期戦略を提出することが明記をされていることなども踏まえて、引き続き様々な意見に耳を傾けながら、結論ありきではなく議論を深めてまいりたいと考えております。
 都度総理にはその積上げの数値等もお話をしております。その上での様々な国際の議論の場ということに臨んでおられると思っております。

東芝調査報告書

Q:東芝問題について、大臣は前回の会見で調査する考えはないということで御説明されましたけれども、経済界からももっと説明すべきだという声もあり、改めて事実関係を2点お伺いしたいと思っています。
 まず、1点目、株主提案を巡る働き掛けということで、K1課長とされる方が例えば去年の6月にエフィッシモとのやり取りの中で、政府全体の話として外為法を含め規制当局が調査をし始めているとか、あと3Dに対して対岸のバーベキューの話というのがあったと思うのですけれども、事実関係はどうかということが1点、それが1点と、あともう一点、情報漏えいという話があって、これは同じくK1課長がエフィッシモのレター情報を東芝に逆流しないようにと伝えた上で、これが漏えいとされている問題について、この事実関係を伺いたいと思います。
 
A:調査はしないということに変わりはないのですけれども、今御指摘がありましたので、例えばまず第1点目、情報漏えいということでお話をさせていただきますと、これは情報漏えいに当たらないものと考えております。
 その上であえてこの点について申し上げれば、まず経済産業省は国の安全の確保に支障を生ずるおそれがないか等の観点から、東芝との間でコミュニケーションを取っていましたが、エフィッシモ社からも株主提案についての意見を求められておりました。
 その際当時の情報産業課長、K1と今おっしゃった課長ですけれども、エフィッシモから多くの株主、投資家に対して既に広くレターを配布していると聞かされたこと、打合せのやり取りにおいて問題ないので、レターを提供すると言われたこと、他の多くの株主、投資家に対して自分たちの主張を東芝に伝えてほしい、声を上げてほしいとの理由でこのようなレターを発出したということを聞かされたこと、東芝の執行部に対してもヒアリングを通じてそうした内容は伝えていたと聞かされていたことから、このレターに機密性はないものと認識をしていたと事務方から聞いているところであります。
 これまでも申し上げているように、こうした状況を鑑みれば、国家公務員法の守秘義務違反の問題となるようなものではないと考えておりますし、あなたがおっしゃった情報漏えいには当たらないものだと思っております。
 
Q:バーベキューの話ですとか外為法を巡る働き掛け、規制当局が動いているとか、そういう圧力とされている問題について、事実関係をお伺いします。
 
A:経済産業省としては、国の安全の確保のために重要な事業、技術の安定的な発展を図る観点から、当然のことを行っているものであり、問題はないと認識をしております。
 あと報告書では、外為法の運用とも関連して、経済産業省の課長は所掌事務の範囲を逸脱し、行政手法に照らし問題をはらむとの指摘もあると承知をしているところでありますけれども、そもそも当時の課長が取った行動は、行政指導であるとまでの根拠を持って断定されていない上、一般論として外為法に基づく対外直接投資管理は貿易経済協力局と事業所管部局とが連携して行っております。また、その事業所管部局の担当課長が関係する企業への対応を行うことは通常行っていることであり、問題にはならないと考えているところであります。
 
Q:関連して、漏えいについては、漏えいなのか、提供なのかという点を今回エフィッシモ側に確認はされたのでしょうか。
 
A:しておりません。しておりませんし、ただ向こうの報告書というのは、調査書というのが事実に反することもありますので、私どもは一つ一つに対して反論はしないということでありますが、今お尋ねがありましたので、これは機密の漏えいとか、情報漏えいということには当たらないというお話をさせていただいたということであります。
 
Q:そういう認識だということですね。
 
A:しかもある程度の公知というか、株主に広く渡しているということもあります。これは機密性がどれだけあるかということもあると思います。そして、その結果どうなるかということもあると思いますけれども、そういった観点を勘案した上で、情報漏えいや機密の漏えいには当たらないというこちらの考え方です。
 
Q:同じく東芝問題についてお伺いしたいと思います。
 調査報告書では、東芝と経産省が水野参与に対して、ハーバード大の基金運用ファンドに議決権を行使しないよう交渉することを事実上依頼したと認定しております。それに関する事実関係と、こういった指摘に関する御見解をお伺いします。
 
A:まず、経済産業省として水野氏にこうした交渉を依頼した事実はないということがまず第1点、この点は水野氏も経産省から依頼は受けていなかったという認識を持っていると事務方から聞いております。また、水野氏が調査者によるヒアリングにおいても、そのことを調査者に述べたにもかかわらず、調査報告書にそのことが記載されていないことも、事務方から聞いているところであります。
 先方の調査者から、水野氏にヒアリングをしたいということで経産省に間に入ってほしいという話がありました。それで、経産省も立会いの上に、そのヒアリングを行っておるということです。その場で、今申し上げましたように水野氏も自分の考えを述べられたということですが、そのことが調査書には入ってないんですね。一方的に断定をされているということであります。
 また、水野氏とハーバード大学基金とのやり取りについては、経産省はコメントする立場にありませんけれども、その上で申し上げると、水野氏は自らの行動について、シニアフェローの立場にあり、かつ友人としてハーバード大学基金からエフィッシモとの資本関係を踏まえて助言を求められたので対応をしていたと、助言については感謝をされていたと発信していると承知をしております。 

石炭火力発電

Q:石炭火力の輸出支援についてお伺いしたいと思います。
 昨日の経協インフラ戦略会議で示された取組方針では、G7サミットの声明を反映して、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な積極支援を年末までに終了するという形に見直されました。
 高効率石炭火力については、従来一定の条件下で支援対象としていましたけれども、今後も支援対象となるのかどうか、お考えを伺えますでしょうか。
 
A:この輸出支援の対象については、高効率化という観点ではなくて、排出削減対策が講じられているかどうか等により判断をされるものだと考えています。
 他方で排出削減対策とは厳密に範囲が決まっていないということでありまして、各国の状況や技術の進展、普及状況に応じて様々であるところでありまして、関係省庁で連携をしてこれから検討を進めていくということであります。
 今までは、日本の考え方というのは、日本の輸出というよりも、途上国支援という意味も含めて、先進国だけでカーボンニュートラルというのは実現はできないと、アジアの諸国であるとかアフリカの諸国、そこに対する支援とか考え方が入ってこないと、一方的にこの方法しか駄目ですよというのはあまりにも整合しないのではないですかという主張をしてまいりました。
 今後そういった支援も含めて議論をしていくという中で、この声明が発出されたものだと認識しております。
 
Q:現時点で高効率石炭火力に対する輸出支援の考え方というのは、従来と変わっていなくて。
 
A:ですから、排出削減対策が講じられているかどうかにより判断をされるということで、高効率か否かという観点ではないということになりましたということですね。
 
Q:高効率石炭火力というのは、もう対象にはならないということですか。
 
A:言葉どおりに受け取れば、そういうことだということは先般も申し上げたとおりであります。
 ただ、排出削減対策というものが、どういうものかというものを今後の議論の対象になっていくということで、まずは国内での議論をしっかりまとめていくということ、そしてそれに対応して国際的な議論というルールづくりにもつながると思いますけれども、そういったものもしっかりやっていくということになろうかと思います。 

東芝調査報告書

Q:再び申し訳ありません。
 先ほどの東芝の件で、主要な論点について御説明があったのですけれども、念のため確認ですが、あくまでも今回確認されたのは職員の方に確認されたということで、東芝やエフィッシモやハーバードなど、そういった省外の方には確認してないということでいいのかということと、そうなると客観性ですとか、そういったものに疑問の声が今後出てくる可能性もあって、その辺についてどうお考えなのかということが1点と、あと外為法の運用に関して、運用や裁量の範囲が曖昧なのではないかという指摘もあると思いますが、その辺について大臣のお考えをお聞かせください。
 
A:私は、まず外為法に関しては、通常の業務としてやっていることであって、その指摘は当たらないと思っております。と申しますのは、国の重要な技術、また重要な産業に対して関心を持つのは当たり前のことであります。そういった中で、日々、担当、事業所管の部署の課長がしっかりとやり取りをするということは当たり前のことでありまして、それが外為法の行使というものと、また外為法の行使は全然していませんから、外為法というものは手段ということでありますけれども、日本の安全保障ということを考えながら活動をしているという中での活動、行動だということで御理解いただきたいと思います。説明責任とおっしゃいますけれども、向こうの社内の調査ということで、東芝のコーポレートガバナンスがどうなのかということ、エフィッシモもそういう発表をしていますけれども、それらに関しての調査書であると。そして私どもはこれには事実でない点も含まれている、曖昧な点も、判断に至るまでの曖昧な点も含まれるということで、私どもは、これは調査はしないということにしております。 

石炭火力発電

Q:先ほどの石炭火力の関連でお伺いなんですけども、関連省庁で検討するという話なんですが、これは高効率を支援することも排出削減対策と言えるのかどうかとか、そういうことについて日本としてどういう方針で臨むかということを検討する、そういう理解でいいですか。
 
A:いや、これは今回の文書、共同声明だけ言うと、排出削減対策が講じられているかどうかということですから、高効率かどうかという観点ではないということですので、今後、例えば石炭火力発電所、例えばCCUSであるとか、そういったものが含まれる。例えば日本の考え方からいうと、アンモニアとの混焼というものも、これはCOを削減する方法であるということ。どういったものが含まれるかということも含めて、国として各省庁で検討していくということになると思いますし、早急にですよ、これは早急にやっていかなくちゃならないということ。さらにまた、これはルールづくりにもつながると思うんですね、国際間のルールづくりにもつながるということ。ということで、例えば国内で石炭開発を使うときにそれらが認められるかどうかというルールづくりにもつながるということだと思っています。
 ただ、私どもが主張してきたのは、あくまでも日本の産業のためにこれを使わせてくれということではなくて、今、海外の話をしているわけですけども、先進国だけでカーボンニュートラルは実現はできませんよと。そういった中でアジア各国をどう取り込んでいくか、また、アフリカ各国をどう取り込んでいくか。しかもこれから経済成長をしていく中で非常にエネルギーの需要が増えていく中で、安価なエネルギー、そして安定供給、大量のエネルギーという需要がある中で、どういった形で先進国が支援をできるのか。その支援の対象は何なのかということも含めてルールづくりにつながっていくと考えています。
 
Q:そうすると、今まで、放っておくと低効率の火力を作るところを高効率にするというのが、ある意味削減に資するという考え方もあると思うんですけど、そういうことではなくて、もう一個何か排出量削減の取組が上乗せできるんじゃないかと、そういうものを議論するということですね。
 
A:はい。というのは総理から何度も国際社会に向けて、やはりそういう枠組みを作るべきじゃないかと、途上国支援という、途上国のエネルギー支援ということ。例えば石炭しか資源がない国もあるわけです。そして、これからも石炭火力を作ろうという国もあるわけです。そういった国に対して将来のカーボンニュートラルへの取組というものをコミットすることによって、そういった支援をしていこうとか、あと先進国でどういった規模で、どういった支援ができるかというのをこれから議論をしていくべきだと思いますし、私も機会があるたびにエネルギー担当大臣会合でそういうお話をさせていただいていますし、アジアの国々はトランジションという考え方で、例えば日本で言えば2050年に至るまで、ほかの国々もカーボンニュートラルを宣言をして、それに至るまでのどういう工程でカーボンニュートラルを目指していくかというものを考えていかなくちゃならない、そういうところにも手助けをしていこうということでいろんな議論がまとまってきているということであります。

 東芝調査報告書

Q:東芝の件で、昨日エフィッシモ社が声明を出されまして、株主総会の公正な運営が株式会社制度の根幹を揺るがすというような指摘をされておりますが、これについて経産省としてというか、政府としての受け止めがもしあれば。
 
A:経済産業省としても株主との対話を通じたコーポレートガバナンスの向上は大変重要であると考えております。東芝において必要な対応が取られるものと思っております。東芝に対するコメントだと思いますので、それは東芝において、その株主、上位の株主からの発信ということですから、対応が取られるものだと思っております。
 

以上

最終更新日:2021年6月28日

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