経産省・新着情報

2021年4月23日(金曜日)
9時47分~10時07分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

洋上風力発電

Q:洋上風力の発電に関連して海底の直流送電ケーブル、それが計画が大分具体化してきましたが、まだ検討中ですけれども、それについて1点お聞きします。

例えば北海道から沖合を通じて直流で関東圏に電気を送った場合、北海道に電気を落とさなければ地産地消につながらないので、お金も落ちない。北海道内の再エネの比率の向上にもつながらない。地元にあまりメリットが、これは九州も同じだと思うのですが、ないということになると思います。

あとレジリエンスの面からも、緊急時に電力融通できる北本連系なら意味があると思うのですけれども、直流送電で送ってしまうとそこら辺の融通の対応もできないのではないかと思うのですけれども、どちらかというと同じお金を付けるんだったら、北本連系線を太くしたほうが意義はあると思うので、そこについて1点と、あと数千億円程度掛かるのではないかと、そういうふうに広域機関のほうは、関東まで投資した場合は数千億円程度掛かるのではないかというふうに言っていますけれども、それの負担は託送料金に乗せて全国で負担するのか、それとも国が一部きちんと費用負担するのか、負担の在り方についてどう今の時点でお考えなのか、その2点お願いします。 

A:まず、現時点ではそんなに具体化はしておりません。検討しているということで、昨年7月から始まった風力発電の官民協議会の中でそういう課題が出てきて、昨年の末ぐらいに検討を始めましょうかということですから、まだ数か月ということになります。

直流送電と交流の比較であるとか、海底ケーブルにどういうコストが掛かるのかということも含めて、様々な検討を今しているということでありまして、北海道や東北、関東などの大消費地を結ぶ地域間連系線の強化、今、記者がおっしゃった増強についても検討の課題に一つ入っていることは事実であります。

具体的にどのように増強を行うかは、今後の検討次第だと思っております。海底ケーブルにつきましては実証段階であって、技術的課題や費用両面での課題を含めて、その実現可能性について検討している段階であり、このくらい掛かるというのもまだ想定はしておりません。ですから、具体的にどのように活用するかも決まってないというのが現実、現状であります。

引き続き再エネ拡大とレジリエンスの強化に向けて、送電網を計画的に整備するマスタープランの検討などを通じて、具体的な送電網の整備費用の負担の在り方も含めて検討していきたいと思っています。

きっかけとなったのは、さっき言った風力発電の官民協議会で、事業者側からそういうものをしっかりやっていただきたいということがあって、直流送電、検討課題ですねということで始まったのがきっかけということで、これも昨年末の官民協議会だと思っておりますので、まだそこまで具体化してないということで御理解をいただきたいと思います。

温室効果ガス削減目標(NDC)

Q:温室効果ガスの削減目標に関して伺います。

昨日の総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会でも、委員の中から調査会でエネルギーミックスを議論してから削減目標を決めるのが筋なのに順番が逆で、積上げではなく政治的に決まっているというような趣旨の御意見もありました。

エネルギー政策の決め方が問われていると思うのですが、大臣の御見解を伺います。

A:昨日地球温暖化対策推進本部と気候サミットの場で、2030年における我が国の温室効果ガスの排出を2013年度比で46%削減を目指して、更に50%の高みに向けて挑戦していくことが総理から表明をされました。46%の削減目標は、これまでの目標を7割以上引き上げるものでありまして、決して容易なものではないと思っております。

ただ、前回決めたときと今回の状況というのはかなり国際情勢も変わってきているということ、本来ですとCOP26までにということになりますけれども、国際間でそういう議論が高まってきていて、そしてアメリカにおける気候サミットにおいてできるだけ発表しようではないかという話になった中で、総理の決断で発表されたものだと思っております。

当然これは2050年のカーボンニュートラルの問題とネットゼロにするという問題と、あとエネルギーミックスとの整合性というのは必ず問われる形になりますので、しっかりとそれは整合が取れたものであると、そしてこれからもまたその調整もしていくということになると思います。

Q:昨日のブリーフィングでも、何か積上げというような印象をどうしても持てなかったのですけれども、整合性の部分については取れているというふうに大臣はお考えなのですか。
 

A:我々もずっと昨日で10回目の議論をしています。総合資源エネルギー調査会でも、その中で議論をする中で脱炭素対策ということで、例えば再エネを増やしていこう、再エネの中にも電源が幾つかある、どういう条件であればどれだけ増やせるかというようなことも含めて考えていく、さらにまた脱炭素の電源であって、安全が確認された原子力については利用していこうということも決まっております。そういった中で、非エネルギーとエネルギー起源のものというものを大体数値を出しておりますので、そういった中で総理の決断があったものだと思っております。粗々の数値は出した上での政治決断ということだと思っております。

そして、当然のことながら我々も数字は出していますから、そして議論もしていますから、その中で最終的な整合を図っていくということになると思います。

Q:これまでの26%削減のときの電源構成のイメージですと、再エネ24%とか原子力22%、50%弱が化石燃料ではないもの、脱炭素のものというイメージだと思うのですが、大臣の現時点のイメージはそれをどれぐらい増やせるというふうに、粗々でいいので。

A:これは可能な限り再エネは増やしていきましょうということになると思います。そして、原子力は今再稼働ができているもの、できていないものありますし、信頼の問題もあるという中で構成をしていくということになりますけれども、ここは私のほうからまたいずれ正確な数値というものは発表させていただきたいと思いますけれども、大前提は再生可能エネルギーを最大限伸ばしていくということになると思います。

ただ、最大限伸ばしていくとなるとどれだけ伸びるのだということになりますけれども、これは9年後ですね、2030年というのは9年後ですから、現実にできるものというのはアセスの問題もあり、装置の組立ての問題等もあるということになると、大体太陽光がどれだけあと敷設をできるかということになろうかと思います。

太陽光で言うと、まだまだ余地があるとおっしゃる方もいるけれども、ドイツと比較をすると平地は大体2分の1、そういった中で敷設面積というのは日本のほうが多い、発電量も多いということですから、あとは地方に行けば割合地方で太陽光発電の事業者と、また地域とのトラブルも起きているということもありますので、今回の改正温対法で例えばポジティブゾーニングというような自治体の責任、またそういう形で適地を選んでいただければ、そこにまた置くことができると、そういったものも含めて前提として考えていきますので、そういったものも正確な数値は後日出させていただきたいと思います。

Q:少なくとも今50%弱なので、それを6割、7割ぐらいにはしていかないとというイメージでしょうか。
 

A:今はっきりしたことは申し上げられませんけれども、5割は超えるというようなことだと当然思いますね。それは26%のときと数値が同じでは上がるわけがありませんから、そこをどうするかということ、あとは省エネとか、そういったものもかなり掘り下げてやっていこうという中で、ああいう数値になると思います。

Q:2点ありまして、まず1点目なのですけれども、再エネを増やす方策として、環境省などを中心に太陽光パネルの住宅への設置の義務化の議論を進めています。それが義務化となると制約もあると思うのですけれども、経済産業省としてはどういうふうにお考えでしょうか。

A:これは今議論が始まったということであります。2030年、46%という野心的な目標達成に向けて、可能な限り、繰り返しになりますけれども、増やしていこうと、それには適地がなかなかありませんねということがまず言われるわけですけれども、新築住宅の屋根ではどうかということで提言がありました。
 

それに関しまして、現在国土交通省、また環境省、経済産業省と共同で検討会を設置をして、住宅建築物分野での省エネ推進、再エネ導入拡大に向けた検討を進めております。これには太陽光パネルを住宅の屋根に置くということと、あとは断熱基準等の問題もあるということで議論がされていますけれども、新築住宅への太陽光パネルの設置義務化についても議論が行われていますけれども、賛否両論の意見があるということであります。

日本全国太陽光がどのくらい日射時間があるのかどうかということもありますし、費用で言うと大体1戸当たり130万円増額になるということもある。それが本当に強制的にできるかどうかというような議論も今始まったところですけれども、始まった段階では賛否両論があるということですので、各省連携をしながら、できるだけ前向きの方向で検討してまいりたいと思うし、結論を出してまいりたいと思っております。

原子力政策

Q:もう一点、すみません、この後自民党の電源供給議連が要請すると思うのですけれども、要請の内容として、原子力についてエネルギー基本法の書きぶりとして可能な限り依存度を低減するという文言の削除だったりとか、新増設、リプレイスを書き込むことを求めると見られていますけれども、それについて受け止めといいますか、どのようにお考えですか。

A:私はタブーなくいろいろな議論をしたいと思っていますし、総合資源エネルギー調査会においてもタブーなくこの議論をする。さらにまた双方の立場にある人たちの意見も聞くということで今議論を進めてきているところであります。
 

自民党の中でもこれまでずっと長い時間をかけて議論をしてきた調査会、また議員連盟ということでもありますので、御意見を承った上でしっかりと受け止めたいと思っております。書きぶりに関しては、今後の検討ということになります。

温室効果ガス削減目標(NDC)

Q:よろしくお願いします。

温室効果ガスの削減目標についてお聞きします。

大臣はかねてから積上げの重要性を強調していらっしゃいまして、野心にしても積上げなのだということをおっしゃっていましたが、今回の目標について、エネルギー政策に責任を持つ経済産業大臣としてのまず受け止めと所感をお願いしたいのと、その上で今回いろいろな議論をして数字も出してきたとおっしゃっていましたが、どこまでが積上げでどこからが野心なのか、つまり国民にどれだけ追加の負担をお願いするかとか、産業界への影響も関わってくるところだと思うので、そこら辺のイメージがあればお聞きしたいと思います。

A:前にもお話ししたと思いますけれども、積上げにしても野心的なものにしたいと。
 

というのは、例えば下限から上限まであって、そういう議論をしてきています。これまでだったら中央値を取るというようなことだったと思いますけれども、できるだけ上限に近い数値を取っていくということが野心的なものに我々の立場としてつながると思っております。

それプラス巷間というか、世界の首脳間で言われているような野心的なというものはどう取るかというのはまた別の話だとは思っておりますけれども、私どもは10回展開をしてきた総合資源エネルギー調査会の議論というのは、都度官邸にはお伝えをしております。そして、我々もその議論の中で検討をする再生可能エネルギーの導入の可能性であるとか、原子力の再稼働の安全を大前提とした可能性であるとか、そしてまた省エネであるとか、あと省エネを含む化石燃料(※)の部分の削減ということも含めて総理にお話をしてまいりました。

私どもの経済産業省のみならず、総理は環境省からも、農林水産省からも、また国土交通省からもお話を聞いていると思いますので、そういったものを総合して今回の発言につながったという思いがいたします。

私どもだけで全て賄うつもりでもありませんから、そこは産業界、非エネルギー分野、エネルギー起源分野に関しては私どもの責任であると思っておりますけれども、どこからが野心でどこからが違うのかということは、私ではここはお答えすることはできないと思っております。

Q:大臣としては、今回の数字について率直な御評価というのをお願いします。

A:かなり野心的なものだと思っております。

と申しますのも26%から46%まで上げているということ、7割近く上げているということですね。

総理が昨年10月26日にカーボンニュートラルを宣言した。その宣言によって産業界の思いというのも変わっているのも事実ですけれども、この短期間でここまでよく数字が積み上げられることができたなということと、これに向かって2030年、9年後に向けて最大限の努力をしてまいりたいという思いです。そして2050年につなげたいということです。

Q:最後に。これからエネルギー基本計画の議論にもつながっていくところだと思うんですが、経済性ですとか安定供給とかというところに今回の目標が先んじて出たことによって、悪い影響が出ているであるとか、与えることがあるという御懸念はないでしょうか。

A:日本の方式だけで物事が決まるかというとそうじゃないんで、世界の潮流がどうなのかということ、世界の潮流の中で、またEU、米国等も積極的にこういうものに取り組んでいる。バイデン政権ができて、すぐバイデン大統領の下に気候サミットを開くということで、気候への取組、気候変動への取組というものを世界中でしっかり示そうじゃないかという意気込みだと思っております。そういった中で、日本だけ外れるわけにも当然いかない。ただ、日本も賛同していますよ、これ、賛同しているという中で最大限できる限りの数値を出したと思っています。

東京電力

Q:各社の報道で既に出ているのですが、東京電力ホールディングスの会長職に三菱ケミカルホールディングスの小林会長が就く方向で各社報じていますが、東電のガバナンスというところが今、かなり問題というところにもなっているかと思いますけれども、まずは大臣の受け止めというか、所感を頂ければと思います。

A:報道の流れというのは承知をしておりますけれども、東京電力の役員人事についてはその指名委員会、そして取締役会の決定を経て株主総会で正式に決定されるものですから、同社から何か決まったとの報告は受けておりませんので、現時点で私からコメントすることはありません。正式に決まれば、またしっかりとコメントさせていただきたいと思います。

Q:6月に恐らく株主総会があると思うので、そこに向けてという。

A:今、まだ決まっていない段階では私からのコメントは、経産省からはコメントできないということですので、決まった時点でお話をさせていただきます。 

温室効果ガス削減目標(NDC)

Q:先ほど、再エネ等原発の非化石の電源について、5割は超えるだろうというお話でしたけれども、再エネはもちろん伸ばすとしても、原発も更に今の20から22というのは引き上げていく考えなんでしょうか。

A:これはまだ内訳というものは発表しておりませんから、その中で決めてまいりたいと思いますけれども、いずれ発表する時期があると思いますから、そのときにまたお答えをさせていただきたいと思います。最大上げていくのは再生可能エネルギーだということであります。

緊急事態宣言対策

Q:話題が変わりまして、新型コロナの関係でお伺いしたいと思います。

今日、西村大臣が基本的対処方針分科会で、緊急事態宣言を4都府県に発令する方針を表明しました。で、酒類を提供する飲食店や百貨店などの店舗の休業を要請するという説明でした。こうしたものを受けて、今後、どういった企業支援対策、企業支援策を検討中なのか、検討状況はいかがでしょうか。

A:本年1月の緊急事態宣言による影響を受けた事業者を対象に、これまで緊急事態宣言の期間を対象として一時支援金による支援を行ってまいりました。
 

加えて、4月1日のコロナ本部の取りまとめを踏まえた、まん延防止等重点措置の地域における飲食店時短営業の影響により売上が半減した中小中堅事業者に対しても政府として支援を行うこととしたところであります。

今回の緊急事態宣言、ぎりぎりまで都道府県と国とのやり取りがあって、どこまでの措置にするか、どこまでを対象とするかということもあったと思いますので、今日の決定を受けて、しっかり対応してまいりたいと思っております。まだ昨日の時点でもまだやり取りをしている最中だったと思いますので。

 ※実際の発言は「非化石燃料」でしたが、事実関係を踏まえて上記のとおり修正しました。

以上

最終更新日:2021年5月6日

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