経産省・新着情報

2021年11月5日(金曜日)
11時18分~11時31分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

COP26

Q: よろしくお願いします。
COP26についてお伺いします。
今月4日、エネルギーがテーマになって、議長国から野心的な声明が発表されたかと思います。日本が石炭火力を輸出するベトナムを含めた国、組織がこれらの声明に賛同しました。大臣の受け止めをお伺いできますでしょうか。

A: 昨日COP26において排出削減対策が講じられていない石炭火力発電の新規建設の廃止等を含む世界の石炭からクリーンな電力への移行に関する声明が発表されたと承知しています。エネルギーを巡る状況は各国千差万別でありまして、資源が乏しく、周囲を海で囲まれた我が国においては、S+3Eを満たす単一の完璧なエネルギー源がない現状では、多様なエネルギー源をバランスよく活用することが重要だと思っております。そのため日本は今回の声明には賛同しておりません。
その上で海外の石炭火力支援については、本年6月のG7首脳コミュニケにおいて、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援の年内の終了にコミットしたところです。今後その内容をしっかり実行していきたいと思っています。

原油価格高騰

Q: 原油高のことでお伺いします。
昨日OPECプラスが追加増産をしない方針を決めたことへの萩生田大臣の受け止めと、その上でサウジのエネルギー担当大臣が萩生田大臣から増産要請を受けていないというふうに明らかにしました。サウジアラビアとの会談の調整状況についてお伺いできますでしょうか。

A: 昨日開催されたOPECプラス閣僚会合において、これまで合意された増産ペースを維持し、12月に日量40万バレルを増産することについて合意されたことは承知をしております。
今週2日に中小企業・小規模事業者の皆様の経営をしっかりお支えするため、中小企業向けの相談窓口を全国1,000か所に設置をすること、また資金繰りの支援、そして取引適正化に向けた配慮要請を実施することを公表しました。まずはこうした施策の活用が進むように周知徹底をしてまいりたいと思います。
その上で、今回のOPECプラス閣僚会合の決定が今後の原油の需給や価格にどのような影響を与えられるかを注視しつつ、必要に応じて経済活動に支障がないように機動的な対応をしてまいりたいと思いますが、私も報道でさっき見て、アブドラアジズエネルギー大臣が直接の要請を受けてないというような趣旨の発言をされたのは承知しています。
それで、多分それはテレビ会議の日程が最終的に詰まらなくて、私が大臣と直接オンラインを通じてお話しした事実はないということだと思います。中身については、増産要請については、先々週(※)に既にレターを送っておりまして、これは現地の関係者が大臣に伝達されていることを確認を複数しておりますので、そういう意味では間接的な要請は承知はしていたのだと思うけれども、要は私と会ってないと、しゃべってないということなのだと思います。
ちなみに就任の電話をしたという報道も一部ありましたけれども、それもちょっと私は受けてないので、違う人にかけてしまったのではないかと思っています。

RCEP

Q: RCEPについてお伺いします。
来年1月1日の発効が決まったことを受けてのまず受け止めをお伺いしたいのですが、米中対立が続く中で、中国はTPPへの加盟申請も行うなど、アジア太平洋地域の通商分野でも存在感が高まっています。日本としてどのように対応していくか、お考えも併せてお聞かせください。

A: RCEP協定について、2022年1月1日の発効が確定したことを歓迎します。
RCEPは世界の人口、GDP、貿易額の3割をカバーし、また地域の15か国間で自由で公正な経済秩序の構築に資するルールを規定する協定であり、我が国の経済成長への寄与が期待されます。
例えば工業製品については、対象14か国全体で92%の品目の関税撤廃を獲得をしました。特に初のEPA相手国となる中国及び韓国については、我が国からの輸出品目のうち、無税品目の割合が最終的には中国は8%から86%に、また韓国は19%から92%に上昇することにより、部品、素材を中心に製造業等の幅広い分野の輸出拡大が期待できます。
また、中国やアセアンの一部の国がEPAで初めて約束する技術移転要求の禁止や周知商標の保護といったルールによって、各国に進出する日本企業に、より透明かつ予見可能性の高い事業環境を提供する効果も見込まれると思います。
今後RCEP協定の円滑な運用と各国による着実な履行に向けて、引き続き各国と緊密に連携するとともに、中小企業も含め日本企業がRCEPから最大限の利益を得られるよう、協定の内容の周知をしっかり取り組んでまいりたいと思っています。
RCEP協定は参加国に技術移転要求の禁止ですとか、知的財産の保護といった点も含めて共通のルールが適用され、仮に協定の履行に問題が見られる場合には、関係国とともにその適切な履行や遵守を求めていくことができることから、特定国の影響力が拡大するということにはならないと考えています。
その上で我が国としては、通商分野においてまずはRCEP協定やCPTPP協定を活用し、地域における自由で公正な経済秩序の構築に取り組んでいきたいと思います。
それに加えて、デジタル経済に関する国際的なルールづくりの推進ですとか、企業の公平な国際競争を妨げる市場歪曲的措置への対応などにより、ルールベースの新たな国際秩序の形成に取り組んでまいりたいと思っています。

鉄鋼・アルミ製品への追加関税

Q: アメリカのレモンド商務長官が日本の鉄鋼・アルミ製品への追加関税について、撤廃したいという発言をしたという報道が出ているのですけれども、この受け止めと今後の対応についてのお考えをお伺いさせてください。

A: 今日午前7時から、米国のレモンド商務長官と初めての電話会談を行いました。
会談では、両国の産業競争力強化やサプライチェーン強靱化などに向けた協力について意見交換を行いました。また、私からは米国の通商拡大法232条に基づく日本の鉄鋼・アルミ製品への追加関税の問題の解決を強く要請をしました。今後とも共通の関心事項について意見交換を続けることで一致をしましたので、引き続き協議をしてまいりたいと思っています。
報道については、私も会談前に承知はしていますけれども、いろいろな意味で日本側の要求ですとか、国内事情については御理解いただけているのではないかという感触をいただきましたので、今後信頼関係を持ってしっかり話合いをしていきたいと思います。

原油価格高騰

Q: 産油国への働きかけは今後も続けるおつもりなのかということの確認と、UAEに対しては直接要請されたわけですけれども、今回の事態になったことについて受け止めをお願いします。

A: 今回のOPECプラス閣僚会合の決定が今後の原油の需給や価格にどのような影響を与えるかを引き続き注視をしていく必要があると思います。
その上で、原油価格の上昇が日本を含む世界経済に悪影響を与えないように、国際社会の動向を踏まえ、IEAや米国と連絡を取りながら、様々なチャンネルを通じて主要産油国に対し消費国としての立場を理解してもらうように、これは努力を続けていきたいと思います。
こういうなかなか対面で各国と話合いができない中で、また就任直後でしたけれども、UAEにはしっかり日本の考え方を伝えたつもりでいますし、例えばクウェートは茂木外務大臣が連絡を取っていただきました。今話題になっているサウジは直接お話しすることができませんでしたけれども、前回もお話ししたように向こうは向こうなりの考え方、要するにCOP26の真っ最中に原油の増産をしてくれと、本当にちゃんと買ってくれるのですかという思いもきっとあるのだと思うので、この辺は是非引き続き来月のOPECに向かってきちんと寄り添いながら、日本としての思いというものは伝えていきたいし、その先も含めて、産油国の皆さんが安心して日本と関係を構築できるような体制というのをつくっていきたいなと思っています。

石油の位置づけ

Q: 政府は原油高を受けまして、石油増産の働きかけをする一方で、COP26では脱炭素の議論がされています。
大臣として、今後のエネルギーミックスにおける石油の位置づけについてどのようにお考えでしょうか。

A: 石油は運輸、民生、電源などの幅広い燃料であるとともに、災害時にはエネルギー供給の最後の砦となる国民生活、経済活動に不可欠なエネルギーであると認識をしています。
先月閣議決定された第6次エネルギー基本計画において示された野心的な2030年の温室効果ガス排出削減目標と整合的な2030年度のエネルギーミックスの中でも、我が国は石油を引き続き第1次エネルギー供給の3割程度を占めると見込んでおり、これを変更する考えはございません。徹底した省エネや再エネの最大限導入などに取り組むことで、2030年46%削減やその裏付けとなるエネルギーミックスの実現を目指していきたいと思います。
したがって、今確かにCOPをやっているよそで、石油の話というのは分かりづらいではないかという、私もそう思います。したがって、日本はこういう基本的な姿勢で、目先のことで原油高で困っているというだけではなくて、将来的な安定的な需給をきちんとしていくということを産油国にきちんとお伝えをしていくということが大事だと思っていますので、そういう姿勢を貫いていきたいなと思っています。

事業再構築補助金

Q: 先日の事業再構築補助金を巡って誤採択が明らかになりましたが、受け止めと再発防止策等ございましたらお伺いしたいと思います。

A: 今年6月に採択事業者を公表した事業再構築の第1回目の公募において、本来補助対象者でない医療法人を誤って採択してしまったということは事実です。
事業再構築補助金は、事務局による確認、外部有識者による審査を経て採択を決定した後に、交付審査において補助対象経費の妥当性を一つ一つ確認した上で交付決定を行うという重層的な手続を経ることとしております。そのため今回の事案は誤って採択してしまったもののまだ補助金の交付決定は行っておらなかったので、該当する事業者に対する補助金交付はいまだ行われておりません。
いずれにしましても、本件は事務局による確認が十分でなかったことが原因であり、謝って採択された事業者の方々にはおわびを申し上げたいと思います。
経済産業省としては、今後同様の事案が起きないように、改めて補助対象者等について、しっかりと周知するとともに、事務局のチェック体制を強化することなどを通じて、適正な執行に努めてまいりたいと思っています。

(※)実際の発言は「先週末」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。

以上

最終更新日:2021年12月14日

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