経産省・新着情報

2021年7月30日(金曜日)
11時44分~11時58分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

特になし。

質疑応答

エネルギー基本計画

Q:よろしくお願いします。

質問は先日示されたエネルギー基本計画の素案に関してです。

30年エネルギーミックスの野心的な見通しとして、再エネ比率を大幅に引き上げました。これに関してまず所感をいただきたいのと、一方で原子力発電に関してはこれまでの水準に据え置きました。現状で国内で原発が再稼働しないということに関して、10年間での達成は難しいのではないかという声も出ています。

今後、地元の自治体や住民の理解を得ながら具体的な道筋をつけることは重要と思われますが、改めて大臣のお考えをお聞かせください。お願いします。

A:21日の基本政策分科会において、事務局からエネルギー基本計画の素案を提示をしたところであります。

素案においては、2050年のカーボンニュートラルや2030年の新たな削減目標の実現に向けたエネルギー政策の道筋を示すこと、またS+3Eのバランスを取りながら、日本のエネルギー需給構造が抱える課題の克服に向けて必要な取組を示すことの2つを重要なテーマとしてお示しをしたところであります。

本日も審議会を開催し、様々な団体から御意見を伺うこととしておりますけれども、この素案を基にエネルギー基本計画の策定に向けて、引き続き議論を進めてまいりたいと思っております。

また、新たなエネルギーミックスは2030年の新たな削減目標を目指し、徹底した省エネルギーや非化石エネルギーの拡大を進める上で、需給両面における様々な課題の克服を野心的に想定した場合に、どのようなエネルギー需給の見通しとなるかを示すものであります。

この中で原子力比率は徹底した省エネや非化石エネルギーの拡大を進める中で、現在のエネルギーミックスと同じ20から22としたところであります。新たな削減目標に向け、安全最優先の下で原発再稼働を進めてまいります。

その際原子力発電所の重要性や必要性について、国民や立地自治体の皆様に対して丁寧な説明を尽くして御理解を得られるように、今後とも粘り強く取り組んでまいりたいと思っております。

これまで事故後の10年も再稼働するという方針の中で取り組んできたところでありますが、その経過が進んできているものもありますし、これからの30年までの間にどれだけ再稼働ができるか、国の方針において安全基準を満たしたもの、そして安全を大前提にそういったものが動かせるかということ、これも最大限努力をしていかなければならないと思いますし、30年の削減率、2050年のカーボンニュートラルを目指す中でベストミックス、エネルギーミックスというものをしっかりと考えていく必要があると思っております。

地球温暖化対策計画

Q:あともう1点関連して、26日に環境省と一緒に出された地球温暖化計画というところで、30年の13年度比温室効果ガス46%減達成に向け、家庭部門でCO2排出量66%減、工場などの産業もので37%減と、そういう目標を掲げています。

こうした数字に関して、大臣の所感と今後の取組を教えてください。

A:今御指摘ありましたように、26日に地球温暖化対策計画案が経済産業省と環境省の合同会議で示されました。CO2削減につきましては、30年度は13年度からは家庭部門は66%、産業部門は37%削減するとのことですけれども、この計画案について野心的な2030年目標の実現に向けて、具体的な施策を取りまとめるものであるということであります。性質としてはそういうことであります。

2013年度比で46%削減という数字自体、これまでの目標を7割以上引き上げるものであります。御指摘の家庭部門や産業部門における削減も含めて、その実現は容易なものではないと考えております。

他方地球温暖化への対応は経済成長への制約ではなく、成長戦略としての挑戦であるという認識の下に、その実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと考えております。

具体的には非化石エネルギーの拡大に加えて、家庭部門においては住宅建築物の省エネルギー化やエネルギー消費効率の高い機器や断熱材等の導入、また産業部門においては省エネルギーポテンシャルの高い高効率設備の導入等を進めるとともに、非化石エネルギーの導入比率の向上を事業者に促すような枠組みの構築をしてまいりたいと思っております。

こういった取組によって我が国の温室効果ガス排出の8割以上を占めるエネルギー分野の脱炭素化を進めてまいりたいと思っております。

これは2013年度比ということですから、46%、同じように2013年度比、それぞれの部門においても、例えば産業部門も17%ぐらい現時点でこれは削減しているということ、家庭部門についても約24%弱削減をしているということ、さらに加えて先ほどのような数値を提示をしたということで、なかなか難しい数値ではありますけれども、できる限りの努力をしていくという中で、具体的な方策を対応してまいりたいと思っております。

エネルギー基本計画  

Q:2点、お伺いさせてください。
まず、エネルギー基本計画について、ちょっと関わるのですけれども、再生可能エネルギーの36%から38%のベストミックス、これは実現可能性について、率直にどういうふうに受け止められていますか。

A: これは2050年のカーボンニュートラル、そして2030年のNDC46という数値を出すときにも、緻密に私どもは積上げ、産業界との対話をしながら、また可能性というものを模索をしながら積み上げてきているということであります。
再生可能エネルギーについては、関係各省庁や団体からのヒアリングを含む数か月の議論を経ているということでありますけれども、S+3Eを大前提に、最優先の原則の下で、現時点で政策的な裏づけのある導入量の見込みとして3,120億キロワットの確実な実現を目指すこととしております。
その上で36から38という数値にしましたけれども、その上で2030年度の温室効果ガスの46%削減に向けて、今後は社会構造の変化等による導入効果なども見込んで、最大限野心的にどこまで積み上げられるかという検討をしてきているところでありまして、エネルギー基本計画の素案において、3,300から3,500億キロワット程度の導入見込量をお示しをしたところであります。
この野心的な目標の実現は容易なものではないということは、私どもも承知をしておりますし、認識をしておりますが、適地の確保や地域との共生、系統制約の克服など、着実に対応する必要があると思っております。こうした課題に対応しつつ、経済産業省を始め関係省庁が一体となって、施策の具体的な取組の加速化を図ることにより、実現を目指してまいりたいと思っております。
改正温対法、さきの国会で成立をいたしました。そういった中で地域のポジティブゾーニング等、そういったものへの対応をしていただく、さらにはまた系統を増やすために送電線の増強等も必要になろうかと思います。
また、2030年以降になると思いますけれども、洋上風力の大きな電力を需要地に持ってくるためにどうしたらいいのかというような中で、海底の直流送電というものも実現性も含めて今検討をしているところでありまして、今確実なもの、そしてこれから取り組んでいくもの、取り組んでいく中で何がそういった可能性があるかということも含めた数値として、3,300から3,500億キロワット程度の導入見込みをお示ししたということであります。

半導体

Q: もう一点、今の別件なのですが、TSMCについて、半導体大手のTSMCが26日に株主総会を開いて、日本に製造拠点を設けることも検討していく意向を明らかにしたほか、一部の報道で九州に工場設備を設置するという情報もあります。
事実関係や進捗状況について教えてください。

A: 26日にTSMCの株主総会が行われて、その中での質疑の中で、そういう話があったとは聞いております。報道については承知しておりますが、個別企業の件であり、私どもから現時点でのコメントは差し控えたいと思っております。
一般論としてあらゆる産業に必要不可欠な産業のコメである半導体について、サプライチェーン強靱化や産業競争力強化のために国内に先端半導体の製造基盤を持つことは大変重要であると考えております。
経済産業省としては、先月6月4日に公表いたしました半導体・デジタル産業戦略を踏まえて、先端半導体の国内製造基盤の確保など、半導体の安定的な供給体制の構築に取り組んでまいりたいと思っております。
あとは先方は企業としての判断ということになるでしょうし、先ほどの件は株主総会でのコメントということでして、そこまでが表に出せるということなのでしょう、多分。ということも含めて、こちらからはコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

エネルギー基本計画

Q: 先ほどの原発依存度の低減と必要な規模というのが矛盾するのではないかという発言についてなのですけれども、原発立地地域からも矛盾するのではないかという声が上がっているのですが、先ほどの大臣のお答えを聞いていると、まず原発依存度を低減させて、その上で必要な規模を活用していくということで、原発依存度の低減が先に優先されるという理解でよろしいのでしょうか。

A: 低減というのは、絶対量というよりも比率の中でしっかり依存度を下げていくということだと思っております。そういった中で、ただエネルギーミックス、資源のない我が国にとってカーボンニュートラルを目指す上で、またNDCの46%削減という数値を目指す上で、現時点の技術力、現時点での可能な電力の発電、送電も含めたシステムの中で原子力というのは欠かすことのできないものだと思っておりますので、そういう先ほど申しました大前提の下に活用していくということであります。

柏崎刈羽原発

Q: 別件なのですけれども、先週東京電力が総合事業特別計画を提出しましたけれども、その中で柏崎刈羽原発について、仮置きとしながら最短で2022年に再稼働するという方針を示しています。
御存じのとおり、核物質防護の不備によって再稼働は見通せない状況ですけれども、東電が2022年という時期をあえて示したことについて、大臣としてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

A: これは規制委員会とのやり取りがまずは大事だということで、規制委員会の指導の中で、まずはPP、核物質防護に対する体制、またこれからの取組というものをしっかりと皆さんに理解いただけるような形でやっていただきたいということであります。
その上で、そういう前提の上で、特別計画については、私どもの方もしっかりと検討してまいりたいと思います。
 

以上

最終更新日:2021年8月13日

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