令和3年11月24日(水)

 今朝の閣議において,法務省案件として,主意書に対する答弁書が1件ありました。

車座対話等に関する質疑について

【記者】
 大臣の出張の関連でお伺いします。今日,明日で,就任後初めてとなる九州への出張を予定されていると思いますが,この中では鹿児島県内で,来年4月から成人年齢が18歳に引き下げられることを受けて考えられるトラブルや影響などについて,高校生たちと意見を交わすことになると伺っています。
 これについて,出張の目的をお伺いするとともに,高校生たちから出た意見などをもとに,今後,法務省としてどう政策に生かしていきたいか,お考えをお願いします。

【大臣】
 成年年齢の引下げは,若者の自己決定権を尊重し,その積極的な社会参加を促すとともに,社会の活性化を図る上で重要なものです。
 他方で,成年年齢の引下げにより,若年層に消費者被害が拡大する懸念も指摘されているところです。
 法務省では,消費者庁などの関係省庁と連携して,政府横断的な環境整備の施策の推進に取り組んできました。成年年齢引下げの意義を理解してもらい,また,消費者被害を防止するという観点から,特設ウェブサイトでの周知活動にも取り組んでいます。
 高校生との車座対話については,成年年齢の引下げの施行を約4ヶ月後に控え,若者と直接対話することにより,自らその意義や内容について改めて考え,理解を深めてもらうことが重要だと考え,行うこととしました。
 私自身も,率直な生の声を聴ける良い機会だと思っています。

【記者】
 車座対話のお話が出ましたが,前回の記者会見でもやはり非行少年の改善更生についての車座対話のお話が出ました。これは,直接生の声を聴いて,それで行政課題に直結する,そういった現場へ足を運んでですね,その政策に反映させるという,岸田内閣の方針の流れの中にあると思います。
 私はこの間の記者会見で,入管難民行政において,仮放免者の厳しい生活状況にいる難民申請者とかその家族,それから行き場を失って支援団体に保護されている元技能実習生などもたくさんいらっしゃいますけれど,そういったことに関する質問をさせていただきました。まさにこれも,いろいろ入管難民行政の法制度そのものに欠陥があったりですね,十分に機能していない,そういった理由で生じた深刻な人権問題になっているわけです。
 これは入管収容問題も同様だと思うんですけれども,この件について政府与党がなかなか動こうとしていないんですが,今年2月の話でありますけれども,野田聖子さん,当時幹事長代行でしたが,現在内閣府特命担当大臣の野田大臣が,難民や移民の支援に関する勉強会を開催して,難民申請中で仮放免中のそのお子さんたちとの話も直接聞いたりですね,その上で,「今までの政治家人生で,皆さんと出会う機会がなかったことを恥じる。」というコメントをしたという報道もございました。その参加した方の話を私もちょっと聞いたことがあります。
 それで,大臣はこの勉強会があったということ,またその内容について御存知かどうかということと,野田聖子さんとほかの議員もいらっしゃったようですけど,その方とこういったことで難民申請中のお子さんですとか仮放免中の家族について,何か意見交換とかしたことがあるのかどうかということが1点。
 それとですね,古川大臣は今までも,名古屋入管で死亡したスリランカ人女性の御遺族に面会することは検討しているというお答えですけれども,車座対話の一環としてですね,難民申請者とその家族,それから支援者,技能実習生などに直接お会いになって,現状改善のために行政対策を検討するということは考えていらっしゃるかどうかということ。この2点について伺います。よろしくお願いします。

【大臣】
 まず,野田聖子議員の勉強会があったことは存じませんでした。
 私は,出入国在留管理行政に限らず,生の声を聴くことは大事なことだと思っています。車座対話に限らず,直接声を聴くことは大事だという考えを持っていることは,申し上げておきます。

【記者】
 今,生の声を聴くのは大切だというふうにおっしゃっていましたけれども,常々入管法の改正にしてもですね,パッケージで対処するというような言い方なんですが,やはり生身でそういう状況に置かれて実際生活しているという,どういう状況なのかと,どういうところに一番法改正の必要があるのかといったようなことで,やはり直接そういった声を聴かれるようなことは必要だと思います。今重要だとおっしゃっていましたが,来年,国会で入管法の改正案がまた提出されるということもあると思いますが,生の現場の声を聴く,あと支援者,支援団体から申入れもいろいろあると思いますが,そういったことを直接聴くということは必要だと大臣は思っていらっしゃるのかどうか。そこは大臣の姿勢としてもう1回確認させてください。お願いいたします。

【大臣】
 あらゆる制度・法律について,あるべき姿は何かを見極め,改めるべき点があれば改めるという不断の努力をしていくことは大事なことだと考えています。
 出入国在留管理行政について,様々な意見があることもよく承知しています。ですから,生の声も含め,識者の御意見も含め,様々な御意見をお聴きしながら,不断の努力を続けていく気持ちを持っています。様々な意見を聴く機会は大事にしていきたいと考えています。

(以上)