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令和3年10月26日(火曜日)
教育、科学技術・学術、その他

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児童虐待の根絶に向けた大臣メッセージ、星出宇宙飛行士が搭乗する米国民間宇宙船の帰還について、新規感染者数の減少や各場面での制限緩和と学校での新型コロナウイルス感染防止対策について、科学技術分野における基礎研究力の低下及び若手研究者の減少について、新型コロナウイルス感染症と外国人留学生の入国制限について、「教師のバトン」プロジェクト、小学校高学年における教科担任制の推進

末松信介文部科学大臣記者会見映像版

令和3年10月26日(火曜日)に行われた、末松信介文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年10月26日末松信介文部科学大臣記者会見

令和3年10月26日末松信介文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

末松信介文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 お待たせしました。
 まず、冒頭、私の方から発言をさせていただきます。先ほど、今日、閣議がございましたんですが、その場所でもお話が出ました。児童虐待の根絶に向けました大臣メッセージにつきましてでございます。本日の閣議で、厚生労働大臣より協力要請がありましたが、11月は「児童虐待防止推進月間」でございます。子供たちへの虐待は、特にコロナ禍での生活不安やストレス等に伴い、そのリスクが一層高まっている状況にございまして、極めて深刻な状態であります。そこで、今年の月間に向け、私から全国の家庭・学校・地域の皆様に、新たに子供たちに対して、児童虐待の根絶に向けましたメッセージを発信することにいたしました。児童虐待の防止には、家庭・学校・地域が一丸となりまして取り組むことが極めて重要でございます。全国の関係の皆様におかれましては、この月間を機に、児童虐待防止に向けまして、改めて徹底した取組をお願いしたいと思っております。マスメディアの皆様方におかれましても、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 2つ目でございます。星出彰彦宇宙飛行士が搭乗する、クルードラゴン宇宙船2号機の帰還日時につきましてでございます。現在、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の星出彰彦宇宙飛行士が搭乗します、米国のクルードラゴン宇宙船2号機が、地球帰還に向けまして、日本時間11月5日(金曜日)、ISSから離脱する予定となりましたのでお知らせをいたします。星出宇宙飛行士は、本年の4月より約半年間にわたりまして、ISSに滞在をされました。滞在中に日本人2人目となりますISS船長をお務めになりまして、国際的な宇宙飛行士のチーム全体の指揮を執るという重要な任務を立派に完遂をされました。これまで、日本人として最長記録となります船外活動の実施や、無重力環境の特性を活かしました科学実験、また、GIGAスクールにつきましても、構想推進のため、宇宙から全国の子供たちに向けた特別な講座の配信などを行っていただきました。聞きましたら、5万人の方のアクセスもあったということでございまして、星出さんから色んな質問をしていただいて、それに答えるという内容であったということでございます。以上が私からの、すみません、ありますか。すみません、1つ抜けておりました。それと、星出宇宙飛行士には、地球帰還までの残り期間、引き続き、緊張感を持って任務に当たっていただくとともに、帰還に向けました準備等につきまして着実に進めていただきたいと思っております。文部科学省としましては、引き続き、関係機関と密接な連携を取りつつ、星出宇宙飛行士ら搭乗員の安全とISSの着実な運用に尽力してまいりたいと思います。以上でございます。すみません、最後ちょっと3番が抜けました。

記者)
 質問1問お願いいたします。新型コロナウイルスの新規感染者が都内で今年最少となるなど、全国的に大幅に減少しております。それに伴って、飲食の場面などで制限が緩和される動きが出ておりますけれども、これによって、家庭での感染防止の意識の緩みなども懸念されるのかなと思っておりまして、これに応じて、家庭で緩めば子供も緩むような事態もあるかと思うんですけども、学校現場でですね、感染対策、第6波の到来も懸念されておりますけれども、どういうふうな課題がありましてどういうふうな対策が必要というふうに認識されておられるのか、大臣のご認識を伺えればなと思います。

大臣)
 現在、国内の新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は減少傾向にございまして、児童生徒の感染者数も同様の傾向でございます。このことが、学校での感染症対策の緩みにつながることのないように対応することが重要だという認識をいたしております。このため、文部科学省としては、感染拡大への警戒を緩めることなく、引き続き、地域の感染状況に応じまして、衛生管理マニュアル等に基づきまして、感染症対策の徹底を継続していただくよう、教育委員会等を通じまして各学校に促しております。今後も、社会全体の感染状況を注視しながらですね、必要な対応を取り組んでまいりたいと思います。なお、先々週の金曜日、総理からも、前の会見でお話し申し上げましたけれども、やはり第6波ということは気になるところでございまして、引き続きの、現場での体制強化を取ってほしいということ、大学病院についても同じように、もしかのときにはきちっと対応できるように、2割増しの対応ができるようにということの、これは、この部分だけは、厚生労働大臣からそういう要望を伺っております。今後もしっかりと受け止めていきたいと思います。お話の通り、マスクと、とりあえず手洗いと換気はきちっとやっていくわけなのですけれど、ここで見ていましたら、やはり色んな原因がありますけれども、学校現場での、確かに感染というのは、ずいぶん減っていますね。むしろ、家庭内感染が、この1年間の状況、昨年の6月から9月30日まで見る範囲では、家庭内の感染が一番大きな原因になっているということでございます。

記者)
 科学技術関連で、1点、お伺いしたいんですけれども。先週のグループインタビューでお聞きしたかったことでもあるんですが、現在、基礎研究力の低下だったり若手研究者の減少というのが課題に挙がっていますが、大臣、それについてどう思われているかということをお聞きしたいのと、文科省でどういうふうに、今後、解決していきたいかというふうにお考えかというのをお伺いできますでしょうか。よろしくお願いいたします。

大臣)
 今日も、昼から東京大学の方に視察に行かせていただくわけなのですけれども、そういうお話も出るかなと思ってございます。我が国の、今、お話ありました研究力なんですけれども、近年、世界と比べまして相対的に低下しているという状況は明白でございます。特に、基礎研究力の低下や若手の研究者の減少に歯止めが、かけるということが、これは急務であると、これはもう、文部科学省幹部から現場で活躍する若手職員もみんな同じ思いでございます。こうした状況の背景には、研究者を取り巻きます研究環境の悪化、特に博士課程学生を含む若手研究者が厳しい環境に置かれているということ、博士になってもなかなか食べていくのも大変、博士の後期課程におるのも、ものすごく生活を維持するのも大変ということは、たぶん皆さんもご理解されていると思うんですけれども、そうした研究現場のことを考えましたら、諸外国と比べて十分な研究開発投資が行えていないという状況が挙げられるというふうに認識をいたしてございます。このことを受けまして、近年、科学技術関係予算の拡充を進めるとともに、若手研究者が最長10年にわたって研究に専念できる環境を整備するための「創発的研究支援事業」の創設、これは基金を組んでおりますのでかなり大きな金額になっています。それとか、今申し上げました博士後期課程への経済的支援の抜本強化であるとか、それと、世界に伍する研究大学を実現するため、ご存知と思います、10兆円規模の「大学ファンド」を創設、既に4兆5,000億は積んでおりますけれどもこのこと、といった基礎研究力の強化のための取組に着手したほか、研究費が使いやすい制度改革の環境実現に取り組んでいるところでございます。それと、今後、取組を一層充実するとともにですね、これはよく他の大臣もよく質問されるんですけれども、頭脳の流出の問題等あるんですけれども、国際頭脳の循環や国際共同研究の強化とか、我が国全体の研究力を底上げするために地域の中核となる大学の研究力強化の取組についても進めていきたいと思います。最後になりましたけれども、基礎研究は、新たな知的・文化的価値を生み出すという社会のイノベーションの源泉となる重要なものでございます。文部科学省としても、今後、引き続き、基礎研究力の向上と優れた研究者の確保に全力で取り組んでまいりたいと思います。かつて議運の委員長をやっていましたときに、本庶佑先生が、必ずノーベル賞を取られた方、議会に来られます、衆議院の議運、参議院にも、お話も聞きまして、若い人にもっとお金を出してやってほしいという、すごい形相でおっしゃられましたので頭に残っておりますので、よくご意見を頂戴して反映できるように努力したいと思います。

記者)
 先ほどお話のあった国際頭脳循環や研究力強化にも関係するかと思うんですが、外国人留学生の入国制限についてお尋ねします。95%を占める私費留学生が入国できない状態が長期化しています。早期の入国再開を求める国内外の大学関係や留学希望者から、強く入国再開を要望する声が寄せられているかと思います。こうした現状に対する大臣の所感と、文部科学省として今後どのような対応をお考えかお伺いします。

大臣)
 各報道機関もこの問題については色んな記事を書かれておりまして、拝見をいたしております。現在、政府では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、全ての国・地域から我が国への外国人の新規入国を、原則一時停止をしておりまして、外国人留学生の大部分の方が、新規入国できていない状況でございます。文部科学省といたしましては、外国人留学生の新規入国の停止は、外交及び教育・研究分野のみならず、地域社会や経済にも大きな影響を与えておりますので、関係省庁と協議の上、まず、国費留学生の一部の留学生について、段階的に入国を再開しているところでございます。もちろん、PCR検査をして陰性を確認しながらです。同じ対応なのですけれどもそういう状況でございます。引き続き、国内外の新規コロナウイルスの流行状況を踏まえながら、私費留学生も含めた外国人留学生の入国の早期再開に向けまして、関係省庁と調整をしてまいりたいと思います。やはり、来ていただかない限りは、こちらの方の学生さんも向こうへ留学をさせることができないという状況でありますし、そういった親日的な方をきちっと生み出すというか、そういった方を我々は誕生させなきゃいけませんので、そういう点では、有意義なご意見だと思ってございます。

記者)
 「教師のバトン」プロジェクトに関して伺いたいんですけれども、これは萩生田大臣の時代にですね、今年の春に立ち上がったもので、SNS、ツイッターとか、そういったSNSを使って現場の声とか現場の好事例とかいうのを拾い上げながら、政策立案に活かしたりとか、好事例を、横展開というか紹介していくということで、教師の魅力とかのアップとか、良い政策につなげていくとか、そういうプロジェクトだったと思うんですけれども、大臣、10月4日に就任されまして、このプロジェクトに関してどのように考えておられるのかと。9月にですね、このプロジェクトに関しては、何か情報更新があったそうですけども、大臣が就任されてからはまだないということなので、これを、今後続けるのかとかですね、このプロジェクトに関して末松大臣としてどういった意義をお感じになっておられるのかというのをちょっと伺いたいなと思います。

大臣)
 まず、続けたいと、私は現時点ではそのように考えてございます。3月の26日から、これは始まったということで、萩生田前大臣からも少しお話を伺いました。温かいご意見も出るだろうと、色んな工夫をしたようなお話が出てくるだろうと思っておりましたけれども、現場の厳しいお話が返ってきたことも承知をいたしてございます。話は、教師のバトンにつきましては、教師という職の魅力向上に向けまして、広報の充実を図るために、前大臣のリーダーシップで本年始まりました、3月からですね。ツイッター上では、学校現場の先生方から、やはり一番多い声は長時間労働、それと、部活動、そして免許更新制などに関する声が多く寄せられていると聞いてございます。現場の声を聞いて現場を支えていくという本プロジェクトの趣旨は私も重要と考えておりますことは今申し上げましたので、この視点はぜひ大切にしていって、大切にしていきたいというのは私の考え方でございます。いずれにしましても、大変お忙しい中、子供たちのですね、教育指導を図っていく上で、目指していく上で、日々、真摯に取り組んでいただく現場の先生をサポートしていくためにしっかりと取り組んでいくという、こういう考え方でございます。政策を策定していく上で、私は一つの根拠にしたいという、そういう考えです。

記者)
 来年度から小学校の高学年で導入される教科担任制についてお伺い、お尋ねします。教科担任制ですが、学習効果の向上ですとか先生の負担軽減への期待がある一方で、学校や教育委員会が、コロナ禍への対応に追われるといった事情で、なかなか準備が進んでいないという話もそく聞するところです。円滑に始めるために、文部科学省としてどのような手立てを講じれば良いとお考えか伺います。

大臣)
 教師の確保は、大変大切な、一番のテーマでございます。小学校高学年における教科担任制は、1つは、新しい時代に向けた学びとして必要な、ご存知の通りのSTEAM教育を推進する観点からも、早期から専門性の高い教科指導を行うとともに、2つ目は、今ご指摘がありました、教師の持ちコマ数軽減など学校における働き方改革を進めるものでございます。文部科学省としては、そのため、これまで小学校高学年における専科指導のための加配定数の充実を行ってきています。特に、ご指摘の令和4年度以降の取組の推進に当たりましては、学級担任制が基本とされてきました小学校の教育の良さを活かしつつ、教師の確保の観点や各地域の事情を踏まえまして、段階的に取組を進めるとともに、まずは、特定教科における専科指導の充実を図っていくということにしてまいりたいというふうに思います。特に、全般的に教師確保は大変難しい課題でございますけれども、前進していきたいと思います。今、言えるのはそこまでですね。

(了)

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