外務省・新着情報

冒頭発言

【茂木外務大臣】恐らく菅政権では最後の会見になると思います。1年間というか、安倍政権から含めると2年間、大変皆さんにお世話になりました。私(大臣)の方からは以上です。

菅政権の外交総括と次期政権の外交政策に対する期待

【日本経済新聞 飛田記者】今、先ほど冒頭にもありましたけれども、今日、最後の会見ということで、菅内閣の外交の振り返りと、岸田政権での外交への期待、ここを教えてください。

【茂木外務大臣】昨年の9月に、菅政権が発足をしたわけでありますが、新型コロナの世界的な感染拡大が続くと、更には2月1日にミャンマーでクーデターが起こり、ミャンマー情勢、そして8月にはアフガニスタン情勢、こういった、国際社会が大きく変化する中で、外交を力強く推進することができたのではないかなと考えております。
 新型コロナの感染拡大によって、対面での外交と、これは制約される部分もあったわけでありますが、そういった中でも、菅総理、4月の16日に、世界で初となる日米首脳会談、これを実現したり、欧米そして東南アジアの訪問、オンライン会談、こういったものを通じて、積極的な首脳外交を展開をされたと考えております。
 コロナ対策ということでいいますと、感染拡大を抑える決め手となるのはワクチンということになると思いますが、このワクチンの公平なアクセスの確保のために、6月2日の日にはCOVAXワクチン・サミット、Gaviと共催をいたしまして、更には東南アジアを始めとする国・地域に対するワクチン、この提供と、恐らく世界でも3番目になると、こういう大きな提供も行い、更には日本の取組として、非常に評価をされている「ラスト・ワン・マイル支援」、こういったことも含めて取組をしまして、各国から高い評価を受けた、このように考えております。
 日本外交の基軸である日米同盟でありますが、米国との間では、確固たる信頼関係を築き、そして、バイデン米大統領と菅総理との個人的な信頼関係というのも築かれたと思っておりまして、そういった下で、日本外交・安全保障の基軸である日米同盟の強化に努められたと。
 また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、今年は、まずはオンラインで、そして、つい先日は対面という形でクワッドとして、外相会談は2019年から行っておりますけれど、今年に入って初めてクワッドの首脳会談を行う、更にはASEAN、そして欧州など、関係国とこの「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて様々な協力・連携を深めてきた、このように考えております。
 更に、近隣諸国との安定的な関係構築にも取り組むとともに、経済面でも日英EPA、更にはRCEPの締結を行うなど、自由で公正な経済圏の拡大、これに向けてリーダーシップを発揮してきました。
 このように菅政権では、日本の平和と安定、そして繁栄を確保して、自由で開かれた国際秩序の構築に向けて、全力で外交を進め、成果を上げることができたと考えております。
 そして、いよいよ来週の月曜に岸田新政権、発足ということになるわけでありますが、世界が直面している新型コロナ、気候変動、こういった課題の中で、多国間主義の下、日本の国益を守り、世界の平和と繁栄に貢献するため、積極的な外交、日米同盟の強化、「自由で開かれたインド太平洋」の実現、更には、国際的な新たなルール作りを指導するという、こういう積極的な外交を展開するということを期待いたしております。
 岸田新総裁、外務大臣としても歴代最長の在任期間を務められ、2015年の日韓合意、そして、2016年のオバマ大統領の広島訪問と、こういった、様々な実績を残しておられるわけでありまして、岸田政権においても、外交面でも大きな成果と、これを上げられることを期待をいたしております。

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