外務省・新着情報

冒頭発言

【茂木外務大臣】おはようございますの方が多いんでしょうか。今日から2日間、2年ぶりの国連総会ハイレベルウィーク期間中のニューヨークを訪問しているところです。昨年のハイレベルウィークではほぼ全ての会議がオンラインとなりました。今年は、一部の会合が対面で実施されるということもあり、多くの外相がニューヨークに集まっているところであります。この機会に、様々なマルチやバイの会談に臨み、国際社会が直面する喫緊の課題について議論をしていく予定であります。
 今日は1日目ということになりますが、まず安保理改革に関するG4外相会合、今年は日本が議長でありますので私が議長をを務めました。ブラジル、ドイツ、インドの外相とともに、安保理改革の具体的進展を図るための共通の取組について意見交換を行い、G4の結束と決意を再確認しました。また、国連総会議長を支持していくこと、そして、アフリカ共通ポジションへの支持を表明して、アフリカ諸国を始めとする関係国とも連携をしながら、文言ベース交渉の早期開始に向けて協力することで一致をしました。
 アフガニスタン情勢に関するG20の臨時外相会合がその後あったのですが、それにも出席をいたしました。アフガニスタンからの出国希望者の安全な出国、これを確保し、また深刻な人道状況に対応していく、さらに、アフガニスタンが再びテロの温床となることを防ぐことが重要であります。こうした点について、国際社会が足並みを揃えて、タリバーンが誤った方向に向かわないように、統一したメッセージ,これを出していく必要性を確認いたしました。また、政府としては、邦人、そして現地職員等の安全かつ迅速な出国のため、引き続き全力を尽くしていく考えであります。
 このG4の会合、そしてアフガニスタンに関するG20の後、英国のトラス新外相と会談を行いました。彼女が貿易を担当していた時に共に日英のEPAを交渉した間柄でありますので、気心の知れた仲でありますが、外相としては初めての対面会談ということでありまして、安全保障、経済等の分野で日英関係の更なる強化に向けて緊密に連携していくことを確認するとともに、東シナ海や南シナ海、北朝鮮等の地域情勢、アフガニスタン情勢についても意見交換を行いました。また、G7、今年は英国が議長国ということでありますが、このG7を通じた連携を更に進めていくことで一致をし、気候変動問題への対応や新型コロナ対策についても引き続き協力をしていくことを確認いたしました。
 その後、予定盛りだくさんだったのですが、アメリカのブリンケン国務長官との間で、日米外相会談を行いまして、日米同盟を今後も強化していくことで一致するとともに、先週発表された米英豪安全保障パートナーシップAUKUS、これも踏まえつつ、引き続き「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、日米、日米豪印を始め、様々な枠組みで同盟国・同志国の協力を深めていくことを確認いたしました。さらにアフガニスタンや中国について意見交換を行ったほか、北朝鮮について、先般の弾道ミサイル発射を始めとする最近の核・ミサイル活動について意見交換するとともに、拉致問題の即時解決を含めて北朝鮮への対応について日米の緊密な連携を再確認いたしました。
 その後、同じホテルで行われました日米韓外相会合、これは5月に引き続き開催されたものでありますが、北朝鮮が弾道ミサイル発射した直後というタイミングで非常に時宜を得た意見交換となったと思っております。私から、先般の弾道ミサイル発射を含め、北朝鮮によります最近の核・ミサイル活動は、日本、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものである旨述べた上で、北朝鮮の完全な非核化に向けて、外交的な取組の強化、安保理決議の完全な履行及び地域の抑止力強化の観点から、日米韓の連携を一層進めていきたいと指摘をしまして、三者の間で認識の一致を見ました。また、拉致問題について、両長官の引き続きの理解と協力を求め、支持を得ました。さらに、ミャンマー情勢、中国を含みます地域情勢、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組についても意見交換を行いました。さらには、気候変動等のグローバルな課題についても意見交換を行いまして、日米韓三か国によります連携・協力を一層進めていくことで一致をいたしました。
 なお、北朝鮮情勢についてですね、冒頭申し上げたG4外相会合の開始前に、今安保理メンバーでもありますインドのジャイシャンカル外相と、北朝鮮情勢について協議をしました。ジャイシャンカル外相との間では安保理での対応を含め、引き続き日本でインドで連携していくことを確認をしたところであります。私の方からは以上です。

質疑応答

【記者】日米外相会談をはじめ、一連の会談の中で、日本では来月総理大臣が替わるという状況になっていますが、こうした日本国内の政治状況について大臣の方から説明をする場面はあったのでしょうか。 

【茂木外務大臣】実際、日本の国内政治状況について議論は行っておりません。今日は先ほど申し上げたように様々な二国間の問題であったり、北朝鮮、また、東シナ海、南シナ海を始めとする地域情勢アフガニスタンの問題、ミャンマーの問題、更には気候変動、コロナ対応、議論すべき問題がたくさんありまして、会議いろいろありましたので、時間の制約もありましたこともあって、国内情勢の議論にまでは至っておりません。

【記者】別件で、TPPについて、先週中国が加入申請したばかりですが、台湾が加入申請したことが明らかになりました。このことについての受け止めをお願いします。

【茂木外務大臣】台湾はですね、我が国にとって、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的価値を共有して、密接な経済関係を有する極めて重要なパートナーであります。また、かねてからTPPへの加入申請に向けた様々な取組を台湾は公にしてきていると承知しておりまして、そのような台湾が今般加入申請を提出したことを、我が国としてまずは歓迎したいと思っております。
 その上でですね、これまでも申し上げていることでありますが、TPP11、これは市場アクセスの面でも、ルールの面でも、高いレベルの内容となっておりまして、我が国としては、加入申請を提出した国、また、台湾のようなエコノミーが、TPP11のこうした高いレベルを完全に満たす用意ができているかどうかについて、まずは、しっかりと見極める必要があると考えております。
 加入申請を提出したエコノミーの扱いについては、他の参加国ともよく相談する必要がありますが、我が国としては、戦略的な観点や国民の理解も踏まえながら、対応していきたいと思います。

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