外務省・新着情報

冒頭発言

(1)茂木大臣のニューヨーク訪問

【茂木外務大臣】冒頭、私(大臣)の方から簡単に3点申し上げます。
 まず私(大臣)のニューヨーク出張でありますが、諸般の事情が許しましたら、来週水曜日、9月22日から24日まで国連総会が開かれるニューヨークを訪問しまして、日本が議長を務めます安保理改革に関するG4外相会合等に参加する予定です。
 また、この機会に、各国の外相もニューヨーク入りしておりますので、各国とのバイ会談を行う方向で、調整をしておりまして、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の重要性を確認するとともに、北朝鮮、アフガニスタン、ミャンマー、インド太平洋を始めとする地域情勢等についても、率直な意見交換を行いたいと思っております。

(2)EUのインド太平洋戦略

【茂木外務大臣】二点目ですが、昨日、EUの「インド太平洋戦略に関する共同コミュニケーション」が発表されまして、私(大臣)から、EUがインド太平洋に関与していくとの強い意思と共に、今後の具体的な取組を表明したことを歓迎する旨の談話を発出しているところであります。
 今年の1月に、私(大臣)が日本の外務大臣として初めて参加をしました、EU外務理事会において説明をしました「自由で開かれたインド太平洋」に関する日本の考え方や取組が踏まえられたものと受けとめております。
 日本として引き続き、「自由で開かれたインド太平洋」への実現に向け、EUやEU加盟国を含みます同志国と連携をしていく考えであります。

(3)日豪外相電話会談

【茂木外務大臣】最後、三点目ですが、先ほど10時半から、オーストラリアのペイン外務大臣との間で、日豪の外相電話会談を行いました。今、ペイン外相はワシントンの方におりまして、冒頭、ペイン外務大臣から、米国時間の9月16日にワシントンで行われた豪米「2+2」の結果や、豪英米3か国間安全保障パートナーシップ(AUKUS)、この創設について説明がありました。これに対して私(大臣)から、インド太平洋地域への関与を強化しようとする米豪安全保障協力及びAUKUSの創設を歓迎する旨述べたところであります。
 その上で、来週は、日米豪印首脳会談が実施される予定でありまして、日米豪印の協力も含めて様々な形で連携をし、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、引き続き日豪で協力していくことを確認いたしました。
 また、北朝鮮への対応についても意見交換を行いました。その中で、私(大臣)から、一昨日の弾道ミサイルの発射は国連安保理決議違反でありまして、強く抗議をした、北朝鮮による最近の核・ミサイル活動は、日本、地域、国際社会の平和と安全を脅かすものであると述べ、ペイン外相よりも同様の認識が示されました。日豪の緊密な連携、この点でも確認をしたところであります。私(大臣)からは以上です。

TPP11(中国による加入申請)

【日本経済新聞 飛田記者】昨晩、中国がTPPに加盟申請、正式に出しました。実現可能性というか、受け止めをまずお伺いしたいのと、米国側がTPPから離脱しているというか、トランプ政権で離脱しましたけれども、そこに対する日本の考え方を改めて教えてください。

【茂木外務大臣】このTPP11は、私(大臣)が担当大臣として、まさに日本がリーダーシップを発揮して進めてきたマルチの経済連携協定であります。
 このTPP11、これは市場アクセスの面でも、それから電子商取引、知的財産、政府調達、国有企業等、ルールの面でも高いレベルの内容となっているわけでありまして、これはこれまでも繰り返してきたことでありますが、ここに加入したいということになりますと、そういう高いレベルを満たす準備ができているかどうかと、こういったことについて、しっかり見極める必要があると思っておりまして、日本としては、今般、加入申請を提出した中国についても、TPPのこうした高いレベルを満たす用意ができているかについて、まずしっかりと見極める必要があると、このように考えております。
 いずれにしても、他の参加国ともよく相談しながら、戦略的な観点も踏まえて対応していく必要があると思っています。
 そして今、このTPPについては、英国の新規加入、これに対する加入手続きが進められておりまして、これがまずは先行していくと、このように思っております。

欧州との安全保障における協力

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 自由で開かれたインド太平洋構想の下で、EUと日本の協力が増加・拡大していることに関してです。(EUは)より軍事的に(インド太平洋地域に)関与しているように見受けられます。空母クイーン・エリザベスやオランダの艦隊も地域に派遣されています。特に、中国との間で尖閣諸島に関する問題がある中で、大臣は、EUが軍事面でより関与するようになるとお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】EUというか、NATOも含めてでありますが、欧州とのインド太平洋に関して安全保障面の協力ということでいいますと、英空母の「クイーン・エリザベス」の横須賀への寄港。更には本年5月の仏海軍の練習艦隊「ジャンヌダルク」、この日本への寄港。更に、独のフリゲート艦「バイエルン」のインド太平洋地域の派遣など、日本として、この地域での欧州との交流の拡大、歓迎をしているところであります。
 先日も、当時の外相でありましたラーブ外相(英国)と電話で会談をしまして、安全保障・防衛分野での日英協力を一層促進していくこと確認したところであります。
 NATOとの協力について、昨年12月のNATO外相会合で、NATOは「自由で開かれたインド太平洋」の実現を目指す、力強いパートナーであると呼びかける、私(大臣)のステートメントを発出したところであります。
 NATOとの実務レベルの協力も拡大をしておりまして、本年4月には、NATOサイバー防衛協力センターの演習に、日本が初めて参加するなどの協力も強化をいたしております。
 もちろんそのEUとのインド太平洋におけます協力と、これは安全保障面にとどまらず、連結性の強化であったり、防災、気候変動問題、デジタル、様々な幅広い分野に及んでくると考えておりまして、こういった幅広い分野での協力関係、これを進めていきたいと考えております。

インドネシアにおけるテロ攻撃の脅威

【トリビューン・ニュース スシロ記者】
(以下は英語にて発言)
 日本の外務省からの注意喚起に関して、今週はインドネシアでは非常に騒々しい週となりました。主要メディアも大きな見出しで、「要注意。日本のインドネシアへの注意喚起。」と報じていました。個人的に親しい友人を含め、多くの友人が私に対し、「リチャード、インドネシアで自爆攻撃が発生する可能性があるとして、日本が注意喚起を発出したというのは本当か」と聞いてきました。私は、「茂木大臣から何も聞いておらず、『外務省安全情報ホームページ』を含め、外務省ホームページにも情報は載っていないため、私には分からない」と答えました。そこで伺います。9月初めに外務省が注意喚起を発出したというのは本当でしょうか。また、自爆攻撃の可能性があるとの注意喚起が発出された背景にある理由は何でしょうか。

【茂木外務大臣】まず、今、引用というか、発言のあった部分については、事実と異なっております。インドネシアについては、そのような言及は行っておりません。
 9月12日、13日、東南アジアの一部の国に所在する日本大使館・総領事館から「礼拝場等の人が多く集まる場所への自爆攻撃が発生する可能性が高まっている」、こういう情報がある旨の領事メールを発出して、在留邦人に対して、テロに対する警戒を呼び掛けましたが、この領事メールが発出された国に、インドネシアは含まれておりません。

中東情勢

【パンオリエントニュース アズハリ記者】
(以下は英語にて発言)
 大臣、中東について伺います。先月、日本はおよそ100%、いや98%の原油を中東のアラブ諸国から輸入するなど、同地域は日本経済に非常に重要で不可欠です。他方で、日本が石油を調達する油田にも近接するイエメンでは紛争が続いています。以前大臣は、日本がイエメン情勢に関して平和的な紛争解決を支持すると何度か述べられたと思います。最近、恐らく昨日だと思いますが、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、米国、及び英国は、イエメンの状況を改善し、経済を活性化させ、人命を救うことに関する共同声明を発表しました。イエメンの現状に関する日本の立場を教えてください。

【茂木外務大臣】確かに、日本、原油の9割近くを中東地域に依存していると、こういった観点からも、中東地域の平和と安定、これらは極めて重要だと考えております。
 日本政府としては、9月4日に発生しましたサウジアラビア東部州へのミサイル攻撃事案を始め、ホーシー派によりますサウジアラビアへの累次にわたります越境攻撃を強く非難をします。
 日本政府はこれまでも、ホーシー派を含みます全ての関係者に対して、イエメンにおける即時の停戦と政治的解決に向けた早期の対話の開始を呼びかけているところであります。グランドバーグ国連イエメン担当特使によります活動を始め、国際社会のイエメン紛争の終結に向けた取組を後押しをしていきたいと思います。
 私(大臣)自身も、関係国のカウンターパートとの電話会談であったり、先日の中東訪問、この機会に、イエメンにおける停戦と平和の実現に向けた働きかけを行ってきました。引き続き、域内外の関係国と連携して、人道支援の実施を含めて、イエメン及び中東地域の平和と安定の実現に向けて取り組んでいきたいと思います。

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