経産省・新着情報

2021年10月12日

10月5日(火曜日)、経済産業省は、気候変動問題に関する企業の情報開示の枠組みであるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言について先進的に取り組む世界の企業や金融機関等のリーダーを集めた「TCFDサミット2021」を開催しました。また、サミットでの議論の要旨をサミット総括として取りまとめました。

1.開催の背景

気候変動への関心の高まりをうけ、世界で120か国以上が2050年カーボンニュートラルを宣言し、これを実現させるために金融機関も投融資先のネットゼロに向けた活動を活発化させています。
企業等の気候変動に関する情報開示の重要性は一層高まっており、開示の枠組みとして国際的に支持されているTCFDへの賛同も加速しています。2021年9月30日時点で、TCFD賛同者は世界2,529機関(+1,096)、日本509(+203)機関まで拡大しました。

「経済と環境の好循環」の実現に向けて、TCFD開示に対する企業のコミットメントをさらに促すとともに、投資家の適切な投融資判断に資するよう、企業は開示の質の向上・内容を深化させ、投資家はそれを的確に理解することが重要です。
第3回となるTCFDサミット2021では、産業界・金融界のリーダーが適切な投資判断の基盤となる開示の拡充を促すべく、更なるTCFD提言の活用に向けて議論しました。具体的には以下を主要な成果として共有しました。

  • 投資家によるカーボンニュートラルへのコミットメントは、ダイベストメントではなく、エンゲージメントにより達成することが重要
  • サプライチェーン全体での排出削減が重要である中、スコープ3は実践面での課題解決のために算定方法の確立が必要であり、チェックボックス方式に陥らずスコープ3開示がなぜ必要なのか背景を理解することも重要
  • 化石燃料への依存度が高いアジアを中心として、世界的にトランジション・ファイナンスは不可欠であり、開示の中でトランジション戦略が示されることが重要
  • 日本のコンソーシアムの活動をきっかけに海外でもコンソーシアム設立に向けた動きがある。日本からの貢献が世界的な開示の拡大に果たす役割が大きい
  • 「グリーン投資ガイダンス2.0」、「ゼロエミチャレンジ第2弾」を発信

2.TCFDサミット2021の概要

日時

2021年10月5日(火曜日)13時30分から18時30分

開催方法

オンライン

主催

経済産業省

共催

WBCSD、TCFDコンソーシアム

視聴登録者数

約3600人

プログラム

別紙1のとおり

議論の概要

別紙2のとおり

3.議論の内容

(1) Welcome Message 萩生田光一経済産業大臣(経済産業省岸本産業技術環境政策統括調整官による代読)

日本国が2050年カーボンニュートラルの目標の達成に向けてチャレンジし、さらに、世界のカーボンニュートラルに貢献していくこと、その中で、各国が実態に応じた様々な道筋を追求することが重要で、イノベーション創出が鍵となる。日本政府はTCFD開示を支援し、率先して気候変動対策へ貢献していく。

(2) Welcome Message 広瀬直経済産業審議官

世界全体のカーボンニュートラルの達成に向け、日本は「ビヨンド・ゼロ」を実現する革新的技術の確立と社会実装を目指し、世界の脱炭素化をリードする。これらの技術への資金供給を通じ、ファイナンスが企業のカーボンニュートラル実現に向けた取組を加速する流れを作り出すことを目指す。その際、開示は企業の取組評価の基盤となる。

Opening Remarks以降の議論の内容については別紙3をご覧ください。

関連資料

関連リンク

担当

産業技術環境局環境経済室長 梶川
担当者: 小川、橋本

電話:03-3501-1511(内線 3453)
03-3501-1770(直通)
03-3501-7697(FAX)

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