初登庁後の記者会見の様子

令和3年10月5日(火)

 このたび,法務大臣に就任いたしました古川禎久です。
 皆さま,どうぞよろしくお願いいたします。
 法務省は,基本法制の維持及び整備,法秩序の維持,国民の権利擁護等,国民生活の安全・安心を守るための法的基盤を整備する重大な使命を帯びています。
 法務大臣を拝命し,重責に身の引き締まる思いです。
 法務行政の課題ですが,総理からは,「1 国民に身近で頼りがいのある司法の実現に向けて,司法制度改革を推進する。」,「2 差別や虐待のない社会の実現を目指し,個別法によるきめ細かな人権救済を推進する。」,「3 関係大臣と協力し,『世界一安全な国,日本』をつくるため,犯罪被害者の支援,刑務所等出所者の再犯防止や社会復帰支援,組織犯罪対策など,社会を明るくするための施策を総合的に推進する。」,「4 我が国の領土・領海・領空の警戒警備について,関係大臣と緊密に連携し,緊張感を持って,情報収集を行うとともに,事態に応じて我が国の法令に基づき適切に対処する。」,「5 関係大臣と協力して,一定の専門性,技能を有する外国人材を円滑に受け入れるとともに,在留管理を徹底し,技能実習生の失踪などの不適切事案を防止する。特定技能制度について,技能実習制度の在り方を含めて総合的な検討を行う。共生社会の実現に必要な環境整備を着実に進める。」,「6 ポストコロナの時代を見据え,観光立国に相応しい入国管理を実現する。」との指示を受けています。
 いずれも,国民生活にとって大変重要な課題であると認識しています。
 上川前大臣の下でも,これらを含む様々な課題にしっかりと取り組んで来られたものと承知しています。
 私としても,関係大臣等と十分に連携し,また,法務副大臣,法務大臣政務官の御協力も得ながら,法務省の職員と一丸となって,法務大臣としての重責を果たしてまいりたいと考えています。
 なお,本日の朝,定例閣議が開催されましたが,法務省案件はございませんでした。

死刑制度に関する質疑について

【記者】
 幹事社より2点質問させていただきます。
 まず1点目,死刑制度についてお尋ねします。2019年12月以来,死刑の執行は行われていない状況です。また,諸外国では死刑制度を見直す動きも増えています。
 死刑制度に対する古川大臣のお考えをお聞かせください。

【大臣】
 死刑制度の存廃については,国際社会における議論の状況や諸外国における動向等を参考にしつつも,基本的には,各国において,国民感情,犯罪情勢,刑事政策の在り方等を踏まえて,独自に決定すべき問題であると考えています。
 国民世論の多数が極めて悪質,凶悪な犯罪については死刑もやむを得ないと考えており,多数の者に対する殺人や強盗殺人等の凶悪犯罪がいまだ後を絶たない状況等に鑑みると,その罪責が著しく重大な凶悪犯罪を犯した者に対しては,死刑を科することもやむを得ないのであり,死刑を廃止することは適当でないと考えています。

入管行政に関する質疑について

【記者】
 2点目,入管法改正案についてお尋ねします。先の通常国会に提出された改正案は,衆議院解散により廃案となる見通しです。今後の法案再提出の見通しや内容の見直しなど,現時点でのお考えをお聞かせください。

【大臣】
 御指摘の入管法改正法案は,様々な方策を組み合わせ,パッケージで送還忌避・長期収容問題の解決を図るものであり,先の通常国会の閉会に伴い,現時点では,継続審議となっていると承知しています。
 送還忌避や長期収容の解消は,非常に喫緊の課題,重要な課題であり,この問題の解決に向け,あらゆる対応をとっていきたいという考えを持っています。

【記者】
 今の質問の関連で,入管行政についてお伺いします。
 現在,日本の入管行政については国内外から賛否両論がございますが,大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

【大臣】
 入管行政の在り方について,様々な御意見があることは承知しています。
 出入国在留管理行政は,我が国の在り方に関わる重要な役割を担っており,様々な関係者の御意見に十分に耳を傾け,実情をしっかり踏まえた政策の立案・施策の実施に重きを置いて努力をしていきたいと思っています。

【記者】
 3月6日に名古屋入管で亡くなられたスリランカ人女性について伺います。御遺族の1人がまだ日本に残られていますが,大臣自ら面会をされて,裁判の前に任意でビデオ映像を開示するつもりはないのか伺いたいと思います。

【大臣】
 御遺族との面会については,現在,証拠保全手続が進んでいる状況であることなどを十分考慮しつつ,判断していく必要があるだろうと思っています。
 任意での開示については,ビデオ映像は,収容施設内や被収容者等の具体的状況の記録であるため,情報公開請求に対しても,法に基づいて,基本的に不開示情報として取り扱っています。
 調査報告書が公表された現在においても,保安上の問題に加えて,亡くなられた方の名誉・尊厳の観点からの問題もあるため,代理人弁護士の方を含めて,ビデオ映像を公開することは適当でないと考えています。

【記者】
 質問の確認になるのですが,スリランカ人女性の御遺族との面会と証拠保全の手続との関連がよく分からなかったのですが,証拠保全の手続が進んでいるから,御遺族との面会の可否について,今は結論が出せないという趣旨の御回答だったと思うのですが,その関連をもう少し分かりやすく御説明をいただきたいのが1つ。
 それから,昨日の報道で,ビデオに関しては既に裁判の手続で開示の見通しというふうになっていると思うのですが,それでも任意で開示をなさるおつもりがないということでよろしいでしょうか。
 昨日のTBSの報道が一番早かったと思うのですが,全部開示の見通しということが報じられています。それを踏まえて,任意でその前に開示されるおつもりはないのかということをお聞きしたいです。

【大臣】
 訴訟が提起されていない現時点で,それを仮定して,ビデオ映像の取扱いについてどうするかということを,ここでお答えするのは適切ではないと思いますので,お答えを差し控えたいと思います。

【記者】
 先ほど入管の関係で様々な意見を聴いていきたいということでしたが,大臣も御存じのように,国連の人権作業部会等から,司法審査のない入管収容や収容期間に上限期間が定められていないことなどが国連からも批判されております。こういった点にも真摯に耳を傾けるつもりなのか。
 大臣は,2018年の入管法改正の際,特定技能1号と2号を創設し,入管法の取締りを強化するという法案に賛成しています。その後,御存じのように長期収容者が増え,ハンストで抗議するナイジェリア人男性が餓死するという痛ましい事件が起きました。ハンストを誘発したことで死者が出てしまったその先に,今お話になられたスリランカ人女性の問題も起きています。当時,この改正に賛成した立場として,その後起きてしまった現在のような問題をどういうふうに受け止めているか。
 それから,コロナによって入管法の取締りを強化したのですが,結局拡大すると良くないということで,当時1,300人いた人たちが,現在150人程度まで収容者数が非常に激減しました。入管庁が当初,世界一安全・安心な五輪等の開催のためにと,先ほど言った治安維持のためにということで,この取締強化ということを言っていましたが,結果として,今は150人しか収容していませんが,治安悪化のようなことは起きていません。
 こういうことも踏まえまして,大臣として当時賛成したこと,また,現状を踏まえて,これから入管行政がどうあるべきか,全件収容主義から撤退したいということを,出入国在留管理庁長官や上川前大臣もおっしゃっておりました。こういった点についても,大臣としてどうやって向き合っていくつもりか,お聞かせください。

【大臣】
 御存じのとおり,上川前大臣の下で,プロジェクトチームが置かれ,そこで様々な検証をし,そして,調査報告書というものを出しております。
 やはり,改めるべきは改めるべきだという精神に基づいて,この調査が行われたものと承知しております。
 その趣旨にのっとり,入管行政が,より適切なものになるよう努力をしていくべきだと考えています。

【記者】
 国連の恣意的作業部会等から批判されている司法審査の欠如や,上限期間がない,司法審査がないまま収容が行われていることや,現在,何か月とか何年とか上限がないという点の批判が続いていますが,これについて大臣としてどう向き合っていくおつもりですか。

【大臣】
 先ほど申し上げた調査報告書の中で,そうした点についても,問題意識として浮き彫りになってきていると思っています。
 あるべき行政の在り方について,それをきちんと正面から受け止めて,より良いものになるように努力することは,当然の務めだと私は思っています。

【記者】
 2018年の入管法改正についてもう少し具体的に話していただきたいのですが,改正によって入管法の取締強化という流れが進みました。外国人労働者をいっぱい受け入れようという一方で,取締りも強化しようとしました。
 結果として,長期収容者が増え,これに抗議するハンストが全国各地で起き,1人の方が餓死したということで,これを踏まえて長期収容の見直しという動きが,今,廃案になりそうな入管法改正法案だったのです。大臣も賛成した立場として,当時こういう形で入管法の取締りを強化をすることに賛成はしました。しかし,結果として,たくさんの方がハンストという形で,自分の体を痛めながら抗議をする形になり,かつ死者まで出してしまった。名古屋入管のスリランカ人女性は,もし1回目の仮放免で許可さえしていれば助かった方だったのです。もう後付けになりますが,現時点で,当時改正法案で,より取締りを強化することに賛成したことについて,大臣はどう思うのか。
 それから,これからもこういった形で,より入管法を厳しくして,法律に違反するならとにかく収容しろというお考えなのか,むしろもっと全件収容主義から撤退するという意味で,より法案の中身,制度の中身を見直していくということなのか,お答えいただけますか。

【大臣】
 お亡くなりになったスリランカ人女性について,本当にこれは痛ましいことで,心からお悔やみを申し上げたいと思います。日本が好きで日本に来られた方が,このような形で命を落とされたということについては,私も日本人の一人として大変辛い気持ち,申し訳ない思いを持っております。
 法務省としても,上川前大臣が,この出来事を重く重く受け止めたからこそ,調査チームを作って,問題点を洗い出し,論点として見いだした中に,例えば,お尋ねになったような観点からの問題意識が含まれていると私は認識しています。
 しっかりその方向性を踏まえ,よりふさわしいものになるように努力をするのは当然のことと思っていますから,調査報告書の出した方向性に従って実行していくことが大事だと申し上げておきます。
 それと,広くこの出入国在留管理行政というものについて,どう考えているかということですが,それは,先ほども申し上げましたように,様々な御意見があるわけですから,その御意見にしっかり耳を傾けていく中で,より良い行政の姿になっていくように努力をするということです。

【記者】
 入管行政に関する問題ですが,大臣は,御自身のブログの中で,孫文の大アジア主義演説から始まって,その後の日中関係,日米関係,日米の法的地位協定の見直しの問題であるとか,非常に積極的・大局的に国際協調主義に基づくような御発言をたくさんブログに書いていらっしゃいます。
 おそらく大臣は,国際人権法などにもすごく関心がおありなのではないかと思いました。ただ,今も質問で出ましたように,日本も国連の人権理事会の理事国の一つではありますが,今の入管の長期収容の問題や,技能実習生の問題でもアメリカ国務省からも人身売買であるということで,非常に問題の多い制度であるというような指摘がされています。
 そういった入管行政で,特に外国人労働者については,外国人材という形で,正面から外国人労働者,そして移民政策という形で,二世代,三世代にわたってきちんと受け入れていくという法整備が全くされていません。結果,あるのは出入国管理行政だけです。
 その中で,自由裁量の問題であるとか,今言ったような長期収容の問題もあるわけですが,大臣が今までブログなどで主張されていたような主張を日本の国内法にもきちんと反映させていくような取組というのも必要だと思うのですが,そういったことを法務大臣になられたということで,検討していくようなことは考えていらっしゃるのかどうか,お願いいたします。

【大臣】
 私のホームページの記事に触れていただきましたが,そこに書いているのが私の考えです。私は,今の日本も世界も,より良い社会になるために,私なりの考えを持っています。
 今お尋ねの件についても,この時代の流れにおいて,やはり日本は,日本人だけで生きるものではありません。世界で生きているわけですから。外国人と共に生きていく,共生といいますかね。それは日本に限らず,世界における時代のすう勢だと思っています。
 また,日本人自身が,歴史をずっと振り返れば,様々なところからこの列島に渡ってきた人たち,そういうことが重なって,現在の我々がいるわけであり,日本人と外国人ということに境界線を引くということが,やはり,本来の日本人の姿からいったときに,私は,時代の流れの中で,ちょっとそぐわないなということを感じています。時代の大きな流れの中で,そこはより解消されていくべきもの,緩和されていくべきものであり,それが日本人自身の幸せ,あるいは,発展につながっていくのだと,私は固く信じています。
 歴史というものは,その時々,時代時代で様々なことがあります。目の前でいろいろな事件があって,例えば,大きな出来事があって渦を巻いていることもあるだろうし,流れがほとばしり出て,はみ出したり逆流したりすることもあるでしょう。しかし,時代の流れというものには,やはり,とうとうと大きく流れる本流というものがあるのだと私は思います。
 ですから,その本流がどこにあるのかということをしっかりと見つめながら,政治・行政というものは行っていかなければならないと思っており,その意味から,今御質問のあった件については,日本人と外国人との共生,あるいは人権に重きを置きながら,足元の施策に向き合っていきたいと思っています。

経済安全保障に関する質疑について

【記者】
 岸田内閣では経済安全保障担当の閣僚の創設や「成長と分配の好循環」を掲げています。例えば経済安保における公安調査庁の取組など,法務大臣として,岸田内閣の方針をどのように法務省の方針に生かしていこうとお考えでしょうか。

【大臣】
 経済安全保障の確保には,近年,大変に関心が集まっています。安全保障の裾野が経済・技術の分野に急速に拡大している状況の中で,その重要性は高まっており,岸田内閣においても,新たに経済安全保障担当大臣を置くなど,極めて重要な施策として位置付けていると認識しています。
 法務省での取組として,公安調査庁においては,本年2月に「経済安全保障関連調査プロジェクト・チーム」を発足させ,経済安全保障に全庁的に戦略的かつ統一的に対処するための指令塔機能を持たせ,関連する情報の収集・分析等を行い,政府中枢を始めとする関係機関等への情報提供を実施してきたとの報告を受けています。
 今後も,公安調査庁における情報収集能力の一層の強化に努め,経済安全保障担当大臣を含む関係閣僚とも緊密に連携し,政府の情報関心に更に貢献するとともに,国民生活の安全・安心を確保する法務行政に努めてまいりたいと考えています。

刑事裁判記録の閲覧に関する質疑について

【記者】
 上川大臣のところで大きく進んだものの一つとして,裁判記録の保存や公開があったと思います。これについて,刑事確定訴訟記録法では,基本的に検察官への申請があれば閲覧ができるというふうになっていますが,水際というか,実際には申請しても検察庁で刑事記録を見せていただけないという事例が報道や記者の方から上がっていたり,記録の中では見せないものとして,裁判が終わった後,3年後になると見られないという規定があるなどの話があったところで,上川前大臣の下で,その点についても見直しの検討があるという話もありましたので,古川大臣の下で,裁判記録の公開について,どういう認識を持たれているのか,方針があるのかというところを教えていただければと思います。

【大臣】
 刑事確定訴訟記録法では,原則として,請求があったときは保管記録を閲覧させなければならないとされています。
 一方,同法では,被告事件終結後3年を経過したときは,原則として訴訟記録の閲覧が制限され,例外的に訴訟関係人又は閲覧につき正当な理由があると認められる者から閲覧の請求があった場合には,閲覧が認められることとされています。
 確定した刑事裁判記録の一般公開には,裁判の公正を事後的に担保するという重要な意義がある一方で,刑事裁判記録には,プライバシーに深く関わる供述調書等が含まれます。
 そのため,その開示の在り方については,公開の要請と関係者の名誉・プライバシーの保護等の利益とが調和したものである必要があります。これが制度の趣旨だろうと思っており,その意味では,この制限には,相応の理由があると認識しています。
 なお,上川前大臣におかれては,刑事裁判記録のうち,特に学術的な研究に資するというような意味で,刑事参考記録について,指定の在り方の見直しを進められ,活用の在り方の検討に言及されていたと承知しています。
 私としても,刑事参考記録について,その活用の在り方を含め関心を払ってまいりたいと思っています。

検察に対する指揮権に関する質疑について

【記者】
 法務大臣の検察に対する指揮権について,お考えをお聞かせください。

【大臣】
 指揮権の行使については,検察権が行政権に属することによる法務大臣の責任と,検察権の独立性確保の要請との調和を図るという検察庁法第14条の趣旨に鑑み,検察権の不当な制約とならないよう,極めて慎重に対応しなければならないと考えています。

法務大臣政務官を務めた経験を生かした法務行政等に関する質疑について

【記者】
 大臣はこれまで法務大臣政務官を務められたほかにも,財務副大臣も務められて,元々建設省の職員でいらっしゃいますし,そういった幅広い経験を今回大臣に就任するにあたって,どのように生かしていきたいかというのが1点。
 また,先の総裁選では,大臣は河野候補の推薦人でありましたけれども,今回岸田内閣に入閣されたということで,特にどういった内閣にしていきたいかというメッセージを岸田さんから感じたかという2点をお伺いします。

【大臣】
 法務大臣政務官をさせていただいたことを振り返ったときに,一つ印象に残っているのは,中央アジアのタジキスタン共和国に,我が国は法整備支援をしておりますが,その関係で現地を視察し,現地の法務大臣と意見交換をしたことがありました。
 その中で大変印象深かったのは,やはり世界の国々に対して,法制度といういわばインフラを構築するために協力をし,かの地の人々の自由や民主主義,法治という国の在り方に対して,我が国が大変有効な協力ができる,非常に大事なツールの一つではないかということを強く感じたわけです。
 現在,世界に目を移せば,相も変わらず,世界中で様々なことが起きています。紛争もあるし,人権,あるいは民主主義の在り方など,大きな時代の激動がリアルタイムに動いているわけです。その中で,やはり日本がその国に対して,例えば,法務省でいえば,法整備支援という法治国家の基盤づくりに協力できるということは大変意義のあることであり,また,日本人として,大変誇らしいことだと思っていますので,そういう観点をもって事に当たりたいという思いを持っています。
 それから,総裁選を受けて,岸田内閣ということですが,今回の自民党の総裁選に4人の候補者がお出になりました。それぞれ,素晴らしい見識や政策を持っておられると思います。
 私は,河野太郎候補を応援したわけですが,その理由は,簡単に言ってしまうと,風通しの良い自民党に戻したいという思いがあったからです。結果,河野候補は選ばれませんでした。しかし,岸田内閣が船出をし,昨日の岸田総理の記者会見を聴きました。やはり私が思っておりました風通しの良い自民党,聴く耳を持つ自民党です。様々な意見があって,それに素直に耳を傾ける度量を持っているのが自民党の本来の良さだと思いますが,岸田総理は,正にそのことをおっしゃったと受け止めました。
 したがって,今申し上げたように,党の在り方については,意見の違う人に対しても聴く耳を持つ,そういう度量のある,寛容と言ったらいいでしょうか,そういう自民党らしい政治に戻していければ良いと思っています。また,今後もそういう思いを持って政治活動をしていきたいと,私は思っています。

【記者】
 論点が重複するのですが,法務大臣政務官を務めた経験がおありになられて,そのときの経験を法務行政にどう生かそうと考えているのか教えていただければと思います。

【大臣】
 先ほどのお尋ねの中で,私は法整備支援ということに触れました。これは私が申し上げたように,日本と外国とのつながり,国際社会に協力できる分野なわけです。
 それは,日本のこの法務省が所管している分野なわけですけれども,そういうものに更に磨きをかけて,外国に対して,日本が協力できることがあれば協力をしていく,それがひいては世界の平和と安定につながるだろうし,あるいは,自由や人権というものの向上にも役に立つだろうと考えており,その意味で,法整備支援という例を挙げました。
 また,当時は裁判員裁判の準備が進んでいる時期でした。様々な議論もあったわけですが,司法・法務というものは,国民の信頼が根幹であるということを,当時,改めて認識したわけです。
 それはいつの時代も変わらない。今の時代は,なお一層それが求められるのかもしれません。その意味で,やはり法というものに対する国民の皆さんの信頼を守ることが,何よりも大事だなということは,かつて法務大臣政務官をさせていただいたときの経験として,私の胸にあるものです。

(以上)