農林水産省・新着情報

野上農林水産大臣記者会見概要

日時 令和3年9月24日(金曜日)10時50分~10時59分 於: 本省3階会見室(オンライン)
主な質疑事項
  • (大臣から)国連食料システムサミットについて
  • 米国による日本産食品の輸入規制撤廃について
  • 国連食料システムサミットの成果等について
  • 台湾のTPP11加盟申請について

冒頭発言

大臣

  本日、私から1点、御報告がございます。現在、国連食料システムサミットがオンラインで開催をされています。我が国からは菅総理が参加され、本日未明、総理から生産性の向上と持続可能性の両立、自由で公正な貿易の維持・強化、各国・地域の気候風土、食文化を踏まえたアプローチの重要性について提唱するとともに、「みどりの食料システム戦略」に基づき、持続可能な食料システムの構築を進めていく旨、発言いただきました。今回のサミットは、食料システムの変革に向けた国際的な流れを加速する重要な機会となったと考えております。我が国としては、持続可能な食料システムの構築に、より一層取り組んでまいりたいと考えております。そのためには、「みどりの食料システム戦略」の取組を着実に実行していくことが主軸となることから、法制度の整備や支援の充実を検討してまいります。また、食料システムの変革には、生産者から消費者の皆様まで、様々な関係者との連携、協力が不可欠であることから、関係者の皆様との対話を継続してまいります。加えて、プレサミットに合わせて締結しました、東南アジア各国、EU、フランスとの共同文書に従い、連携を進めていきます。この点については、先日参加したG20農業大臣会合においても、私から発言したところであります。これら共同文書の賛同の輪を広げていくとともに、特に東南アジア各国とは、アジア・モンスーン地域の特性に応じた、具体的な連携や協力を進めていきたいと考えております。私からは以上です。

質疑応答

  • 米国による日本産食品の輸入規制撤廃について

記者

  アメリカが、日本時間の22日、14県産の一部食品を対象に続けていました輸入停止措置を撤廃しました。これに対する受け止めをお聞かせください。

大臣

  お話ありましたとおり、日本時間9月22日(水曜日)未明、米国食品医薬品局(FDA)は、科学的な根拠に基づき、米国による放射性物質にかかる日本産食品の輸入規制を全て撤廃したことを発表しました。これによりまして、これまで米国に輸出できなかった福島県産の米などの対米輸出が可能となります。米国の輸入規制につきましては、3月に、私からビルサック農務長官に対し、また、4月の日米首脳会談において、菅総理大臣からバイデン大統領に対して、撤廃の働きかけを行いました。その後も、FDAと農水省・厚労省との間で、科学的根拠に基づく協議を継続し、その結果、東日本大震災から10年という節目の年に、米国の規制が撤廃に至ったことをうれしく思います。米国は我が国にとって世界第3位の農林水産物・食品の輸出相手国でありまして、これらの輸出額目標を達成する上でも、非常に重要な市場と認識をいたしております。今回の規制撤廃を機に、関係者が米国に対する農林水産物・食品の輸出促進に積極的に取り組まれ、米国在住のより多くの方に、安全で高品質な日本産の農林水産物・食品を楽しんでいただきたいと思います。また、今回の規制撤廃によりまして、輸入規制を設けている国・地域が14となりましたが、これらの国・地域の規制撤廃に向け、引き続き粘り強く働きかけをしてまいりたいと考えております。

  • 国連食料システムサミットの成果等について

記者

  食料システムサミットのことでお伺いします。日本の演説は終わりまして、今後、国際ルールメイキングの議論が本格化すると思われます。改めて、サミットまでの議論でどういった成果があったとお考えになっておられるでしょうか。それからですね、今後のルールメイキングに向けた議論の課題というのは何になるとお考えでいらっしゃるでしょうか。

大臣

  今回の国連食料システムサミットでは、グテーレス事務総長によりまして、今後の取組の方向性を示した行動宣言が発出をされ、また、各国政府などからの食料システムの変革に向けた取組・考えに関するステートメントが示され、さらに、様々な関係者の連携、協力を推進するための複数のイニシアチブが紹介をされています。これらをはじめですね、今回のサミットの一連のプロセスを通じまして、世界中の食料システムに関わる政府及び関係者が連携、協力をして、SDGsの達成に向けた食料システムの変革を加速をしていく大きな流れが形成されることが、今回のサミットの成果となると考えております。我が国としても、今回のサミットで形成されました、食料システムの変革の流れを加速していけるように、みどりの食料システム戦略の着実な実行、また、国内関係者との対話の継続などを通じまして、持続可能な食料システムの構築を推進をしていく考えであります。
  また、国際ルールメイキングに向けました今後の取組等々でありますが、本年はですね、食料システムサミットだけではなくて、気候変動枠組条約第26回締約国会議、COP26ですとか、生物多様性条約第15回締約国会議、COP15等がですね、農林水産分野に関係の深い、環境関係の重要な国際関係会議が予定をされているところであります。我が国では、これらの動きも見据えまして、食料・農林水産業の持続的な発展や、気候変動、生物多様性の問題など、地球規模課題の解決に向けて、本年5月にみどり戦略を策定したところであります。今般の国連食料システムサミットでも、菅総理から、今、申し上げたように、このみどり戦略に基づきまして、持続可能な食料システムの構築を進めていく旨、発言をいただいたところでありますが、引き続き、あらゆる機会を捉えて、本戦略を発信をして、欧米と気象条件や生産構造が異なるアジア・モンスーン地域の特性に応じた、持続的な食料システムを提唱して、今後、国際的なルール作りなどの議論にも適切に参画をしてまいりたいと考えております。

  • 台湾のTPP11加盟申請について

記者

  すいません、もう一点、話題変わってですね、TPPのことでお伺いしたいんですけれども、水曜日の夜ですけれども、TPPに台湾が加入を正式に申請いたしました。台湾がですね、日本産食品の輸入規制の解除を日本と協議する考えも示しておりますが、そういったことに関する受け止めですとか、ちょっと気が早いんですけれども、今後、交渉が進んで、農産物関税の交渉といったものが段階に入ってきた場合に、台湾の農業を踏まえて、どういった品目が課題になるというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

大臣

  まず、放射性物質規制の話でありますが、現行のですね、TPP協定は、食品安全や衛生、植物防疫措置等を含む様々なルールの面でですね、高いレベルの内容になっています。我が国としては、台湾がTPPの高いレベルを完全に満たす用意があるか、まずは、しっかりと見極める必要があるものと考えております。なお、日本産食品は科学的に安全性が証明されていることから、現行TPP締約国はいずれも放射性物質に関する規制は設けておらず、台湾の放射性物質規制につきましては、これまでも台湾に対しまして、あらゆる機会を捉えて早期撤廃の働きかけを行っているところであります。また、農林水産業への影響等々でありますけども、これは交渉がまだ開始されていない段階で、今後の交渉を予断するような発言は控えさせていただきたいと思います。

報道官

  他に御質問ございますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上

 

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