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令和3年9月14日(火曜日)
教育、その他

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高等教育の修学支援新制度、令和4年度大学入学者選抜、受験生に配慮したワクチン接種について、町田市女子児童が自死した件、幹部人事

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年9月14日(火曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年9月14日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年9月14日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 おはようございます。冒頭、私から5件ございます。
 まず、「高等教育の修学支援新制度」でありますけれども、家庭の経済事情に左右されることなく、誰もが希望する質の高い高等教育を受けられるよう、真に支援を必要とする者に対し、授業料等減免と給付型奨学金の支援を行うものです。初年度である令和2年度は、約27万人に対し支援を行いましたが、これまでの様々な周知・広報活動により、制度開始2年目となる今年度は、現時点で約32万人の学生等に支援を行っています。今月から大学等在学者向けの後期募集も始まっていますので、多くの方に申請していただきたいと思います。また、高校3年生の予約採用の募集は毎年春に行っていますが、就職希望のために申込みをしていなかったものの、その後、夏休みなどを通じて、進学に進路を変更した生徒等を対象とした秋の募集期間を新たに設けることにしました。大学等へ進学を待たずに申し込むことができますので、まだ申し込んでいない高校3年生の方々には、積極的に活用いただきたいと思います。文部科学省としては、引き続き、支援を必要とする学生等に情報が行き渡るよう周知・広報に努めるとともに、子供たちが経済的理由により進学・修学を断念することのないよう、制度の実施を確実に進めてまいりたいと思います。
 2件目です。令和4年度大学入学者選抜の試験日程については、既に本年6月に公表していますが、大学入学共通テストの本試験の2週間後に設定する追試験を体調不良の受験生が安心して選択できるよう、昨年同様、全国47都道府県に試験場を設置をすることとしました。本日、その旨通知を発出したいと思います。各大学の個別入試については、文部科学省の要請に基づき、既に95%以上の大学が追試験の設定や別日程の振替受験を実施することを公表されていますが、各大学の取組を更に促進するため、昨年度同様、定員管理に係る例外的な取扱いを認めることを決定し、これについても本日付けで各大学に通知を発出をします。対応を検討中の大学は、受験機会の確保への配慮をぜひお願いしたいと思います。また、各大学においては、既に総合型選抜が始まったところですが、昨年度の共通テストを含め、大きな混乱なく実施することができた経験も活かしつつ、新型コロナウイルス感染症に対応した試験実施のガイドラインを踏まえて、万全の体制で実施に臨んでいただきたいと考えます。受験生の皆さんについては、現在の感染状況の中で不安を抱えながらも大学進学を目指し準備を進めているところと思いますが、引き続き、マスクの着用や手洗い、密の回避など基本的な感染対策の徹底を行っていただき、目標に向かって頑張っていただきたいと思います。
 3件目です。受験生の中には、ワクチン接種の状況に関して不安を感じておられる方もいらっしゃるかと思います。受験生のワクチン接種について申し上げます。各自治体におかれましては、高齢者から順次、ワクチン接種を推進いただいているところですが、現在、ワクチンの供給も進んできており、職域接種分も含めると、10月10日までに12歳以上の対象人口の約9割に相当する分量のワクチンが全国に配送される予定となっています。このことを踏まえ、各自治体におかれましては、各地域のワクチン接種の進捗状況に応じて、接種を希望する受験生が速やかに接種を受けられるよう、入試の時期も踏まえつつ、特段の配慮をお願いしたいと思います。また、各自治体の取組に資するよう、文部科学省では、厚生労働省と連携し、受験生へのワクチン接種について、積極的な取組を実施している自治体の取組事例を集めて事務連絡を発出することとしました。併せて、文部科学省として、大学拠点接種を実施している大学に対しても、受験生に対する配慮について要請してまいりたいと思います。先ほども申し上げた通り、現在、ワクチンの配送が順次進められていますので、接種を希望する受験生やその保護者におかれては、お住まいの自治体等の接種スケジュールや予約方法を確認の上でワクチン接種を受けていただきたいと思います。また、文科省としても、希望する方のワクチン接種が進むよう、関係省庁とも連携しながら、引き続き、必要な取組を行ってまいりたいと思います。
 4件目です。昨年11月に、町田市の当時小学6年生の女子児童が自ら命を絶ったという痛ましい事案につきまして、亡くなられた児童に対し、哀悼の意を表しますとともに、ご遺族に対してお悔やみを申し上げたいと思います。本件に関し、昨日、ご遺族及び代理人弁護士による会見が行われ、町田市教育委員会において、いじめ防止対策推進法等に則った対応を行うこと、常設の調査委員会ではなく、本件に関する新設の第三者委員会による徹底した調査を行うこと、1人1台端末を利用する学校におけるいじめ防止対策を再点検し、徹底することといった点について、ご説明・ご要望があったと承知しております。本会見の内容等を踏まえ、文科省としては、昨日、オンラインにて町田市教育委員会及び東京都教育委員会より事情を伺う場を設けるとともに、本日、直接お越しいただいて、事実確認などを行った上で、いじめ防止対策推進法等に基づく対応がなされるよう、必要な指導・助言を行っていきたいと考えております。また、本件については、児童に配布されたICT端末がいじめに用いられていたとの報道がありますが、文部科学省においては、1人1台端末の本格運用に際し、他人を傷つけることを書き込まないなどの留意事項を整理したチェックリストなどを示しているところ、当時、適切な対応が取られていたか、町田市教育委員会等に事実確認などを行う必要があると考えています。いずれにせよ、本件は、子供の命が自らの手で失われたという大変痛ましい事案に対し、真摯に取り組むべき教育委員会や学校の対応の適切性が疑われているというものであるということを、文科省として、大変重く受け止めており、先ほど申し上げた通り、本日、早急に町田市教育委員会及び東京都教育委員会を通じて事実確認を行い、必要な指導・助言を行ってまいりたいと思います。
 最後に、本日の閣議において、9月21日付け局長級以上の人事について、内閣の承認を得ました。内容については、別途、お知らせしている資料の通りです。この度、勇退する藤原誠事務次官の後任として、義本総合教育政策局長を起用することとしました。また、局長級人事では、義本局長の後任に藤原章夫内閣官房内閣審議官を、初等中等教育局長に伯井高等教育局長、その後任に増子大臣官房長を、そして、その後任に矢野文化庁次長を、研究振興局長に池田内閣官房教育再生実行会議担当室長をそれぞれ起用をいたします。文部科学省は、内閣の最重要課題である「教育再生」の着実な実行や、GIGAスクール構想と連動した教育のハード・ソフト・人材の一体改革の推進、世界トップレベルの研究基盤の構築、Society5.0の実現に向けた科学技術・イノベーションの創出などに加え、新型コロナウイルス感染症に対応した子供たちの「学びの保障」の確保など、喫緊の課題を着実に実施する必要があり、義本新事務次官のリーダーシップの下、これらの諸課題にしっかりと取り組んでもらいたいと考えております。私からは以上です。

記者)
 1問質問させていただきます。先ほど大臣から発言もありました町田のいじめ自殺問題について、文科省として、改めて今後、具体的にどのように対応されるのか、また、1人1台端末が導入されていたモデル校でIDとパスワードなど、管理がちょっとあまりにもずさんであったところがあったと思います。GIGAスクール構想が進む中で同様の事態が起きていないか全国的に調査をされる予定はあるかどうか、合わせて教えてください。

大臣)
 改めて、亡くなられた児童に、心よりご冥福をお祈りを申し上げたいと思います。今回の事案においては、昨年度、この事案のあった小学校の一部の学年の児童においてICT端末が先行的に使用されていたところ、当該児童に対するいじめの一部がその端末のチャット機能を使って行われていたものと聞いております。本日、町田市教育委員会及び東京都教育委員会に文部科学省にお越しいただく予定ですので、本件に係る事実関係の確認を丁寧に行いながら、いじめ防止対策法等に基づく、適切な調査の実施を行うことや、何よりご遺族に寄り添った対応をとることについて、指導・助言を行ってまいりたいと思います。また、ご遺族からはですね、IDやパスワードの管理がずさんだったというご指摘もございました。端末の管理状況についても当時の事実関係を確認してまいりたいと思っております。文科省といたしましては、今年度より全国で活用が本格化しているICT端末について、これまでもIDやパスワードの管理も含め、本格運用に際しての留意事項を整理したチェックリストを作成・周知するなど取組を進めてきたところですが、今回の事案を踏まえて、事実関係の把握をした上で、さらにどのような対応をしていくべきかしっかりと検討していきたいと考えております。

記者)
 町田の件について、1点、お尋ねします。ご両親と代理人弁護士の方が、今回の件について、法に基づく常設の委員会ではなく第三者委員会での調査を求めておられますが、この点については、大臣はいかがお考えでしょうか。

大臣)
 町田市においては、弁護士や臨床心理士といった専門家を、常設とした、常設の委員会が設置をされていらっしゃるというふうに承知していますが、この委員会による第三者調査が行われているものと承知をしております。また、ご遺族から、調査委員会に関する要望事項として、昨日の会見では、「常設の調査委員会ではなく、本件に関する新設の第三者委員会の設置による徹底した調査を実施すること」が示されていたと承知しております。これは、多分ここへたどり着くまでの学校側とのやりとりの中で何らかの不信感などがあって、今の状態では事実関係が明らかにならないという保護者の方の不安から出た提案だというふうに思いますので、文科省としては、こうしたご遺族のご要望への対応を含めて、まず、ちょっと両方聞いてみないとですね、昨日は親御さんのお話を聞きましたけど、本日、町田市教育委員会及び東京都教育委員会から事情をしっかりと伺って、事実確認などを行った上で、いじめ防止対策推進法等に基づいた対応がなされるよう、必要な指導・助言を行ってまいりたいと思っています。

記者)
 冒頭にありました人事のことについてお伺いしたいんですけれども、今回、義本氏が就任されまして、これまで文科省の事務次官は文教系と科技系のたすき掛け人事というのをされていたと思いますが、今回は、文教系から文教系ということでそれが崩れたと思うんですが、それに対する、もし狙いなどがありましたら教えてください。

大臣)
 崩れたと言うと何かね、あれなのですけれど、文部省と科技庁が合併してもう20年を超えました。そして、残念ですれけど、直近では幹部職員がですね、処分を相次いでされるという不祥事もあって、私が就任した2年前からは、まさに文部科学省の再生に向けてみんなで歩みを進めていこうということで気持ちを新たにスタートしたつもりです。この2年間の中では、例えば一般職を文科審議官に充てるという人事も行ってきましたので、もはや旧文部、旧科技というその概念はですね、もう要らないんじゃないかと。もうグレート・リセットでですね、もう、一つの文部科学省として、しっかりお互いに協力し合って政策を前に進めていくということを、この2年間、申し上げてまいりましたので。その延長で、たまたま適材適所で義本さんということになりましたので、もしかすると、将来、科技出身の方が2期続くこともきっとあると思いますし、念のため過去を調べましたら、2期文部省出身の次官が続いたことも過去にはありましたので、そんなに、科学技術を軽視しているわけでもなんでもなくてですね、逆に、官房長を、今度、高等局長に据えましたので、そういう意味では、今までのような、まさに、現場でもSTEAM人材と言っていますけれど、文科省自らですね、文系だ理系だなんてことじゃなくて、本当に、お互いにしっかりと連携しながら、一つ一つの政策を前に進めていくことを皆さんにお願いしたいなと思っておりますので、もはや旧役所の壁というのは文科省の中にないという思いでですね、しっかり皆働いていただきたいなと、そういう期待をしています。

記者)
 町田のいじめの件でお伺いしたいんですが、コロナもありまして、本当に必要性の中で、大臣は、GIGAスクールというのを進めてこられたと思っておりまして。その中で、使用上の注意というのも文科から度々こう発信していた中で、やはりこういったことというのが起きてしまったということの率直な受止めと、あと、こういったいじめが起きたときというのは、亡くなられた方のご遺族に寄り添うことがとても大事である一方で、教育委員会とか学校としても、加害者にも配慮している点があるのかなと見受けているんですが、その、往々にして、自殺されたご家族たちが学校や教育委員会に不信を抱くことというのが多いように思われるんですけども、それについてどう思われているかという2点をお願いします。

大臣)
 GIGAスクール構想に基づいて整備された1人1台端末を活用するにあたっては、児童生徒にとって安全・安心なICT環境を確保することが重要だということは、もうこれは、スタート前から繰り返し申し上げてきましたし、全国の自治体の皆さんとも共有しながら進んできたつもりでおります。そのために、やや細かすぎるですね、チェックリストも作って、自治体ともやり取りをしていたのですが、本件につきましては、どちらかというと今年4月以降のGIGAスクール本格稼働を前に先進的に取組をしていた自治体で起きてしまった事案でありまして、そういう意味では、ちょっと残念な思いをしています。あの、逆に先進市ほどですね、いろんな意味で長けていらっしゃるという自負もあるものですから、文科省のそういったチェックリストなどをしっかり読み込まない、もう既にできているという思いがおありになるところも、もしかしたら全国にあるのだと思うので、私、今回の件を機にですね、やっぱり全国の皆さんに重く受け止めていただいて、安心・安全なツールとして使いこなしをしていただきたいなと思っています。チェックリストを作るに当たってそういうことも想定をしました。SNSを使ってはいけないというルールにするよりは、ルールを守って使うという方がいいんじゃないかとか、この辺は、自治体の判断をいろいろ尊重したいと思うのですけれど、しかし現実として、学校現場での、こういったパソコン・タブレットを通じていじめが起きていたということは極めて残念な事実でありますので、これは重く受け止めてですね、先ほど申し上げましたけれど、今日、東京都、町田市それぞれ文科省に来ていただくようにお願いしましたので、事実関係を確認して、この上で、今後、全国の自治体に、改めて、周知をしなきゃならないことがあるとすればしっかりやっていきたいと思っています。また、このいじめ対策防止法ができてですね、学校での対応というのは、割とマニュアルに沿ってやれるようになっているはずなので、私は、やっぱり家族を失ったご家族の気持ちに寄り添ってですね、学校現場も教育委員会も丁寧な対応をまずしていただくことが大事なのだと思います。お亡くなりになって、昨年からこの9月までの間にどういうやり取りがあったのか、その結果、多分、昨日、外に向けてご両親は思いを発信をせざるを得ないという判断に至ったのだと思いますので、その辺のプロセスも含めてよく確認をしていきたいと思いますけれど、いずれにしましても、法律に則って、重大事案についてはきちんと報告をする、調査をする、こういったことの徹底は、改めて全国にお願いしていきたいと思っています。

(了)

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