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令和3年9月10日(金曜日)
教育、スポーツ、文化、その他

キーワード

公立小学校への視察、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた新学期への対応等に関する状況調査の結果について、政府の「ワクチン接種が進む中における日常生活回復に向けた考え方」と学校活動について、緊急事態宣言の延長と学校での新型コロナウイルス感染防止対策について、日本大学理事の背任容疑に関する報道、学校連携観戦プログラム

萩生田光一文部科学大臣記者会見映像版

令和3年9月10日(金曜日)に行われた、萩生田光一文部科学大臣の定例記者会見の映像です。

令和3年9月10日萩生田光一文部科学大臣記者会見

令和3年9月10日萩生田光一文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)

萩生田光一文部科学大臣記者会見テキスト版

大臣)
 すいません。お昼のニュースには間に合わなくて申し訳ないのですけれど、私から2件ございます。
 本日、総理とともに、杉並区立天沼小学校を視察しました。天沼小学校は、厳しい感染状況の中においても、基本的な感染症対策に取り組み、教育活動の継続に取り組んでいます。私からは、まず、日々、子供たちの学びと健康を守るため、先生方にご尽力いただいていることに感謝を申し上げるとともに、加えて視察を受け入れていただいたことについても御礼を申し上げました。天沼小学校では、具体的な感染症対策として、水道の前のように混みやすいところでは、床に足型ステッカーを貼り、子供と子供の距離を取ること、あるいは健康観察カードを毎日確認することによって、児童の状況を把握することなどの取組を校長先生にご紹介をいただきました。次に、5年生の算数の授業を拝見しました。このクラスでは、やむを得ず登校できない児童にオンラインで授業を配信している様子も見せていただきました。続いて、タブレットを効果的に活用した3年生の国語の授業を拝見しました。天沼小学校は、早くからタブレットを活用した授業に取り組んできており、その成果が活かされた授業でした。ちなみに、杉並区は、区単独で35人学級を先行して行っておりましたので、ちょうど私と総理が拝見した5年生のクラスは35人のクラスでございました。また、天沼小学校は、エコスクールとして、太陽光発電や屋上の芝生、日光や外気を校舎内に取り入れる構造など環境に負荷をかけない工夫がこらされていて、私自身、ここで学んでみたいという教育環境が整えられていました。こうした教育活動、感染対策に、スクールサポートスタッフの皆さんが活躍されていることも改めてお伺いをしたところです。本日、視察を行い、厳しい感染状況の中、学校において、感染症対策と教育活動の両立に取り組み、学校で子供たちが互いに学び合うことの大切さを改めて実感いたしました。文部科学省としてはもちろんですけれども、視察をした総理からも、子供たちにとって、学校は極めて重要な場所であるとの発言がございました。子供たちの学びや健康を守るため、教育委員会や学校の取組を、引き続き、しっかり支援をしてまいりたいと思います。
 もう1件です。この度、文化庁では、文化庁長官の下に「文化芸術分野の適正な契約関係構築に向けた検討会議」を設置をし、第1回会議を9月17日に開催することにしました。我が国の文化芸術分野においては、これまで、例えば公演主催者側の発注者が事前の業務内容や報酬額、支払時期、キャンセルポリシーなどを十分に明示しないため、芸術家やスタッフなど立場の弱い受注者が不利な条件の下で業務に従事せざるを得ないという状況がしばしば生じておりました。また、芸術家やスタッフ等がコロナ禍において各種の支援事業等を申請するに当たっても、契約内容が書面化されていないために、コロナ以前の報酬額からの減少や活動機会の減少などを客観的に証明することができなかったという事態が生じております。今回のコロナ禍において、我が国の文化芸術分野におけるこうした脆弱性がより明らかになりましたが、文化芸術の担い手である芸術家やスタッフなどが安心・安全な環境で活動できるようにするため、現在の慣行を見直し、我が国の文化芸術分野において適正な契約関係を構築すべく検討を進め、本年度内に成果を上げてまいりたいと考えております。私からは以上です。

記者)
 質問をさせていただきます。7日に公表されていますが、新型コロナの影響を踏まえた新学期への対応についての状況調査の結果が出ています。この中で、9月1日時点で、夏休みの延長や臨時休校とした幼稚園・小学校・中学校が1割を超えていて、高校は2割近くとなりました。また、先日から話題に上がっている教職員へのワクチンの優先接種ですが、こちらは、回答があった自治体で8割以上で実施、もしくは予定されていることもわかりました。あわせて、大臣の受止めをお願いします。

大臣)
 先日公表した調査結果において、9月1日時点で562の公立学校の設置者が夏季休業の延長や分散登校などを実施又は実施予定であることなどが、状況がわかりました。このことについては、各地域の感染状況に応じ、それぞれの学校設置者が新学期を慎重に開始しようとしている表れであると認識しております。一方、そのような場合でも、児童生徒の学習に著しい遅れが生じないようにすることが重要です。今回、各地域において、ICTの活用などにより、学習機会の確保に努めていただいている状況も明らかになったと認識しております。文部科学省としては、引き続き、児童生徒の健康を守りながら学びを継続していく観点から、各地域における学校の運営状況をしっかり注視してまいりたいと考えています。また、同じ調査結果において、約8割の自治体において、教職員へのワクチンの優先接種に取り組んでいる状況がわかりました。教職員の安全を確保するとともに、教職員から児童生徒への感染を防ぐ観点から、希望する教職員がワクチンを接種できる環境を整備することが重要であり、自治体をはじめ関係者の取組に感謝を申し上げたいと思います。各自治体には、引き続き、教職員の接種希望者に対する特段の配慮をお願いするとともに、教職員でこれから接種を希望する方はできるだけ早く接種を済ませていただきたいというふうに思っているところです。

記者)
 私、昨日、政府の対策本部で示された、ワクチン検査パッケージを活用した行動制限の緩和について伺いたいと思います。これによりますと、ワクチンの接種を前提として、緊急事態の宣言下であっても、県境をまたぐ移動の自粛を求めないですとか、また、大学等の部活動・課外活動において、感染リスクの高い活動についても原則可能とするとなっています。緊急事態宣言の下でも、そうした県境をまたぐ移動が可能になれば部活動などでは全国規模の大会とかブロックの大会が開催しやすくなると思いますけども、一方で、ワクチン接種が前提になりますので、もしこれが中学や高校にも影響が及ぶとしたら、なかなか、学校にとっては判断が悩ましいところがあると思うんです。こうした行動制限の考え方が、部活動を始めとする小中高のですね、学校の活動にですね、どのような影響を与えるとお考えなのか、お考えを伺えればと思います。

大臣)
 昨日開催された政府の新型コロナウイルス感染症対策本部において、「ワクチン接種が進む中における日常生活開始に向けた考え方」が示されました。この「考え方」においては、旅行をはじめとした県をまたぐ移動について、ワクチン・検査を受けた者は自粛要請の対象に含めないなど、人の移動についての制限緩和の考え方が示されております。今後、部活動の全国大会や修学旅行など県をまたぐ移動を伴う学校活動は、こうした考え方の影響が及ぶ可能性も考えられますが、そもそも修学旅行等はですね、不要不急の外出だと私は思っておりませんので、これは、ある意味、当然、学校行事・学習行事の中身としてやるべきものだと思っています。他方、大きな考え方の中では、大学生や高校生など、例えばサークルのようなものでも今は自粛傾向にあるものが、皆がワクチンを打てばそういう移動もしやすくなる世の中ができますよという将来へのメッセージとして、昨日の●●会では示したものだと思っていますので、この更新が、直ちにですね、義務教育の修学旅行や、あるいはスポーツの大会などにも影響を及ぼすということがあると、かえって間違ったメッセージになってですね、じゃあ、打っていない生徒は行っちゃいけないのかと、こういうことにも当然なりますので、そういうことの間違ったメッセージにならないように、ここは、政府ときちんと方向性を共有していきたいなと思っています。規制緩和の対象がワクチンを受けた者等とされているため、これがそのまま適用されれば、児童生徒にワクチン接種などの圧力がかかったり、あるいは検査費用の負担が発生したりするなどの恐れが生じ得るため、こうした制限緩和を学校の教育活動に直ちに適用することについては慎重であるべきだということは、これは、発表する前から内閣官房のコロナ室にはしっかり申し上げておりますので、そういう意味では、ざっくり学校とは書いてありますから全ての学校が網羅されるように見えたように思いますけれども、どちらかと言うと、成人の学生さんなどを対象にしたお話だというふうに受け止めていただいていいんじゃないかなと思います。今後、自治体や事業者の方々と、しっかり、議論も含め、国民的な議論を踏まえて具体的な進め方をしていくことになっているというふうに承知しておりますので、文科省としては、今後の政府全体の議論や検討も注視しながら、「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル」に基づいて、学校活動を円滑に継続することができるように、必要な取組や検討を進めてまいりたいと思います。あの、質問になかったのですけれど、例えばこの一連ので、授業の再開みたいなことを書いてありましたよね、対面授業の再開、大学の。じゃあ、言い換えると、今、対面授業やらなくていいんじゃないかという、こういう間違ったメッセージになるので、ちょっと例示として出すのはいかがなものかと、実はやりとりが、コロナ室と文科省の間ではあったんですよ。だけど、1つの将来の明るい例示として示すのに、心配なく対面授業ができるようになりますよということを1つ示したいということだったので、私、了解しましたけれど、今はもう、大学は対面とオンラインをハイブリットでということを言い続けているわけですから、この方針を持ってですね、対面を入れている学校が、政府がこう言っているのだから今はオンラインでいいのだという間違った判断をするのは困るなという懸念を持っていましたので、この機会に改めて、私の考えを示させていただきたいと思います。

記者)
 2点、お伺いさせてください。新型コロナの新規感染者数の減少傾向が続く一方、10代以下の感染者数の割合は上昇しています。教育現場で分散登校やオンライン授業などの対応に追われていますが、緊急事態宣言の延長が決まった今、文科省として、検査キットの配布以外に何らかの対策を講じる考えはありますでしょうか。

大臣)
 既に2学期が始まる前に、幼稚園・小学校・中学校にも検査キットの配布という新しいツールをお届けすることにしましたが、これは、再三ご心配いただいているように、まずは、学校の教職員を対象、そして、次は親御さんがすぐに迎えに来れない、あるいはすぐに診療所に診察に行けないお子さんのためのツールとして4年生以上を対象に使ってほしいということなので、実は、今後を考えると、安全性などを考えると、PCR検査が、学校で一定感染者が出た場合に直ちに対応できるようなことが望ましいと思いますので、残念ながら、この2学期には間に合っていないのですけれど、今後、更なる対策を政府として検討していく中では、そういったものを要求してみようと思っています。

記者)
 それで、もう1点、話が全然変わって恐縮なんですけれども、東京地検特捜部が日本大学の本部などに家宅捜索に入ったと報道がされています。現在捜査中の事案ではありますけれども、大学を所管する省庁の大臣としてご所感があればお願いいたします。

大臣)
 8日(水曜日)に、学校法人日本大学の本部等が東京地検特捜部の捜査を受けたことは承知をしております。学校法人は、公的助成や税制上の優遇措置などが採られているなど、公共性が極めて高く、その学校法人において、法人自らに関わる問題で捜査を受けたことは私は極めて遺憾だと思います。文科省としては、学校法人に対して捜査に全面的に協力しつつ、事実関係を含む真相究明に向けた調査を行うよう求めるとともに、責任を持って適切に対応するように、昨日、指導をしたところです。今後、捜査の状況や学校法人からの報告を踏まえ適切に対処したいというふうに考えておりますが、今は、捜査が始まったばかりですからそれを見守りたいなと思っています。

記者)
 パラリンピックの学校連携観戦について伺います。これについては、東京都の教育委員からも、出席者全員が反対するなど、反対の声が相次ぎました。都の教育委員会では、教育委員会の出席者全員が反対意見を述べているのに、事務局側が報告事項だからと決を採らずに強行してしまうということがありました。こういったやり方は教育委員がお飾りになってしまうのではないかというふうに感じますが、こういった教育委員会の在り方は妥当なんでしょうか。また、妥当でなければ、今後、指導するのかどうか、大臣、文科省としてのご見解をお聞かせください。

大臣)
 各地方自治体が教育委員会を設置をして、一定のルールに基づいて会議の運営をしております。私、東京都の教育委員会がどういうルールでどういう形で運営するかは詳細は承知していませんが、報告を聞く限り、学校連携に行くか行かないかというのは、委員の皆さんに採決を取って反対・賛成で事を決めるというのではなくて、意見聴取をしたというところに留まったお話だと承知をしております。もちろん、心配される方の意見が多かったということは報道でも承知していますけれど、最終的には、教育長が、皆さんのお話を総合的に判断をして、東京都教育委員会の責任において実施をされるという方向を決めたのだと思いますし、そこには、東京都だけじゃなくて、参加をされる府市町村の教育委員会の意思というものもあったわけですから、東京都としては予定通り行う、しかしそれは、あくまで地方教育委員会の判断を尊重するという、二重三重の建付けの中で、行った学校と行かなかった学校、行った児童と行かなかった児童さんがいらっしゃるということは、限りなく自由意志を尊重した丁寧な対応の結果だと思いますので、今回の件について、私、直ちに問題があって、文科省として、東京都教育委員会に指導の必要性があるとは現時点では思っておりません。

(了)

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