経産省・新着情報

2021年9月3日(金曜日)
12時04分~12時24分
於:本館10階記者会見室

冒頭発言

日露エネルギー協力

私から1点申し上げます。

昨日ロシア・ウラジオストクで開催された東方経済フォーラムの中で、シュリギノフエネルギー大臣とテレビ会談を行いました。持続可能なエネルギー協力に関する共同声明について署名をさせていただきました。本声明に基づいて水素、燃料アンモニア、CCS、CCU、カーボンリサイクル分野に関するワーキンググループを新設をし、両国の連携を加速をしてまいります。

また、こうした脱炭素分野における両国の企業間協力を推進するために、経済産業省とロシア・ノヴァテク社との協力合意に署名をいたしました。カーボンニュートラル実現に向けて、これまでの石油、ガスに加えて水素、燃料アンモニアの調達も含めて、資源国との包括的な資源外交を積極的に展開をしてまいりたいと考えております。

詳細については、事務方までお問い合わせいただきたいと思います。

私からは以上です。

質疑応答

自民党総裁選

Q:よろしくお願いします。

たった今ですけれども、菅首相が自民党総裁選に立候補しないという報道が出ましたけれども、現時点での大臣の受け止めをお聞かせください。

A:今部屋からの出がけにニュースを見てそのことを知りました。大変残念だと思っております。お一人で考えた上での決断であったと思います。空白がないようにしっかり行政はつないでいかなくてはならないと思っておりますし、私も内閣が代われば後任というものも出てくるでしょうから、残任期間しっかりと仕事をしてまいりたいと思いますし、今継続中の特に一番重要なのはコロナの対応ということでもありますから、そういったことも含めて、大臣間で連携を取りながら対応してまいりたいと思います。

成長戦略

Q:昨日成長戦略会議がありまして、菅首相からこの秋に向けて成長戦略のテーマ、方向性、具体化の議論を進めるようにという指示がありました。グリーンやデジタル分野の経済産業省案件の部分でどういったことが重要になるか、そのあたりを改めて伺えますでしょうか。

A:昨日の成長戦略会議においてデジタル化、グリーン成長、経済安全保障、事業再構築など、今後政府として具体的に取り組むべき重要課題が提示をされました。菅総理からは、秋に向けてこうした課題を具体化するため議論を進めていくよう指示があったところです。経済産業省としては、社会経済課題の解決のための政策を総動員し、産業発展を図る経済産業政策の新機軸を打ち出し検討を進めていく考えであります。

例えば経済と環境の好循環を生み出すための電動車の普及促進や蓄電池の製造立地の推進、デジタル社会に不可欠な先端半導体工場の国内立地や技術開発、次世代データセンターの最適配置、そしてコロナ禍を乗り越えて将来に向けて事業再構築や生産性向上に取り組む中小企業への支援等を中心に、成長戦略における重要課題の具体化に向けた検討を進めてまいりたいと思っております。

デジタル化応援隊事業

Q:おととい「NEWS23」という弊社の番組で、100億円規模のデジタル化応援隊事業というものの補助金を巡って大がかりな不正受給が行われている疑惑を報道しました。

ITの専門家でも個人事業主でもない人が偽物同士がコンサルもしないまま補助金を受け取っていたようなのですが、大臣はこうした不正受給についてどの程度把握されていたのでしょうか、また捜査機関などと連携はしているのでしょうか、教えてください。

A:デジタル化応援隊事業に関して、不正受給しているものがあるという報道がなされていることは承知をしております。一昨日ということで、昨日私に報道の報告が上がってまいりました。

こうしたことも踏まえて、現在本事業を実施している中小企業基盤整備機構及び事務局において被害件数や被害額などを明らかにするために、過去に遡って徹底的な調査を実施しているところであります。

また、不正を指南している者がいる事実については、事務局から警察当局に対して情報提供を行い、今後の対応について相談をしているところであります。これは報道の前からそういうことがあるという通報もありましたので、そういう対応をしているところであります。

本事業につきましては、新たな不正を防止する観点から、これまでも登録されたIT専門家と中小企業に対して、不正に加担しないように注意喚起を行ったりしてきております。それとともに利用規約を改正し、IT専門家による支援内容を終始動画で記録することを求めるなど、運用の厳格化を行ってきているところであります。

引き続き不正受給の実態解明に全力を挙げるとともに、中小企業の利便性と不正受給の未然防止を両立するための制度の在り方について、しっかりと検討してまいりたいと思いますし、私自身もその報告を受けておりますので、徹底的な調査と警察との連携というものも含めて対応してまいりたいと考えています。

Q:関連して、7月にルールが厳格化されているようなのですけれども、これは昨年度で40億円ぐらい執行されているはずなのですけれども、いつぐらいの時点で指南役を含めて不正受給があるという認識だったのでしょうか。

A:これは事務局に確認をしていただければと思いますけれども、私自身は昨日の時点で分かってということで、ただ以前からそういう通報で警察との相談をしていたということを聞いておりますので、必要であれば次回のとき私が答えても構いませんし、また事務局に問い合わせていただければ、すぐにでも回答できるように対応しておきます。

Q:情報を見るとITの専門家でなくても、誰でもITの専門家に登録できたりだとか、個人事業主として登録できるだとか、かなり制度設計の段階で未然に防ぐことができたのではないかなというような案件だとも思ったのですけれども、その辺制度設計に問題があったというのは、現時点ではお考えではありませんか。

A:その辺も含めて検証させていただきたいと思いますし、ITの専門家、特に中小企業にITを導入していく、そのときに例えば契約内容をインプットする係の人がいたとすると、個人というか、その人に対する指南であるとか、あとは会社全体のIT化という中で業務の整理とか、様々なことが考えられるわけでありますけれども、その要件の在り方ということも当然どうするのか、これまでどういう形でやってきて、どういう確認をして、そこに甘さがあれば今後どうするのかということも含めて、徹底的な調査をさせていただきたいと思います。

自民党総裁選

Q:菅総理の総裁選不出馬表明に関連してですけれども、菅政権は政府で初めてカーボンニュートラルを宣言されて、エネルギー基本計画の改定も含めて大臣が所管するエネルギー政策への影響も大きかったと思うのですけれども、不出馬がその辺の政策にどういう影響を与えるかとか、その辺についてお考えがあればお願いします。

A:これは不出馬という第一報を私も今お昼のニュースで聞いたわけでして、これから確認をしたいと思いますけれども。この政策に関しては政権が代わろうとも国としての約束ですから対応していく必要があると思います。そして、G7での約束事もありますし、そういった中でいかに先進国が中心になって、途上国も含めてネットゼロを進めていくかという大きな課題であると思いますので、もし総理がお辞めになるということで代わるのであれば、残任期間中しっかりと引継ぎができるような形にしてまいりたいと思いますし、エネルギー基本計画も、そして長期戦略等につきましてもしっかり引き継いでいくということになろうかと思います。

ケリー米国気候問題担当特使

Q:先日米国のケリー特使と意見交換した際に、ケリー氏が日本のガス火力の輸出支援に懸念を表明したということなのですけれども、実際にどのようなやり取りがあったのか、あるいは経済産業省からどのような説明をしたのかということを教えてください。

A:詳細についてはコメントは差し控えさせていただきますけれども、石炭、そして天然ガスについては、二酸化炭素を排出するということでの発言であったと思いますけれども、私どもの立場というものを説明した上で、一気に全てを変えるというよりもトランジション、移行期間があって、移行工程があって我々は考えていかなくてはならないと思っていると、エネルギーの事情がそれぞれの国におありになるでしょうと、そして途上国に関しては、省エネをしていくというよりも、これから発展の途上でエネルギーを更に使うようになってくる。そして、経済発展ということになると安価な身近なエネルギーということになって、今も使っているところがあるということでして、G7の考え方が全てに行き渡っているわけではありません。

現にG20ではこれは採用にならなかったということでありますから、そういったことも含めて、地球全体でどうしていくかということを考えるのが我々の立場ではないでしょうかというお話をして、分かったということで、アメリカのケリー特使をはじめとする皆さんからは理解をいただいたと思っております。

自民党総裁選

Q:菅総理大臣の総裁選不出馬について改めてお伺いしますが、閣内のお一人としても、そして菅さんと近く盟友という御関係でいらっしゃった大臣として、率直にこの不出馬をどのような気持ちで受け止めたのでしょうか。

A:突然のニュースということでもありましたので、驚いたというのが正直なところです。昨日も打合せはしておりますし、今後の経済産業政策の在り方、また経済成長戦略の前の会議でしたので、どういう経済政策を考えているのかというようなお話もありましたし、将来に向けての具体策というものもお話もさせていただいた中ですから、驚いているというのが正直なところなのですけれども、行政というのは継続ですから、しっかりと次につなげられるようにしてまいりたいと思いますし、全力で仕事をしてきた思いでありますけれども、そういったものも含めてしっかり総括もしていかなければならないなという思いを持っています。

サプライチェーン強靱化

Q:自動車メーカー各社が新型コロナの感染が広がる東南アジアからの部品供給が支障が出たりして、生産拠点の稼働率が減っているのではないかと考えます。

自動車産業に限らず、各産業で恐らく今後同様のケースがあり得ると思うのですが、これまで経済産業省としては、サプライチェーンの多元化の事業であるとか、東南アジアにフォーカスした事業を展開してきた中での今回の事態の受け止めと、今後のレジリエンスといいますか、短期的・中期的な対策に関する方針などを教えていただければと思います。

A:世界的な半導体の供給不足、IoTで物に全て半導体が必要になってくるということも含めて、半導体不足が続いている中で、さらにまた突発の感染等で供給不足になっているということで承知をしております。

東南アジアにおける新型コロナウイルスの感染症の拡大ということで、現地の関連工場の稼働抑制により、例えばスバルを含めた自動車メーカーの国内生産に非常に大きな影響が出ていると、スバルのみならず各社に出ているわけですね。ですから、これは突発のこういうことも含めて、今後どうしていくかとしっかり考えなくてはならないと思っております。

コロナ禍の中で、なかなか貿易制限措置なども行われてきた。そういったものがないように対応していこうということで、サプライチェーンの再編というものもしてきたわけですけれども、例えば貿易制限措置がない中でも工場が休止してしまうというような今回は事故であると思っておりますので、そういった感染防止も含めてレジリエンスというものを考えていきたいと思いますし、例えば自動車メーカーが購入をしているサプライチェーンということは、自動車会社のそういった考え方も含めてどういった形で感染防止対策をしていくのか、そしてワクチンの普及をしていくのかということもメーカー、民間会社と一緒に連携をしてまいりたいと思っております。

現地マレーシアでワクチンを2度打てば工場が再開できるとか、そういう話もありますので、ベトナムとかマレーシアの工場の供給がタイトになっているということで今回の事象が起きていますけれども、そういった件も含めて、まずは当面の対応をした上で、今後のサプライチェーンの強靱化というものをしっかりと考えてまいりたいと思います。

Q:そういった意味では、相手国側というか、東南アジア各国への改革というか、日本だけでは解決できないという面もかなりあるのですが、そこに対しての大臣のお考えは。

A:これはまずはメーカーが仕入れ先というものを価格とか仕様、スペックで考えていくということになりますから、それをどういうサプライチェーンにしていくかということですよね。

先ほど申しましたように、このコロナ禍において貿易制限措置が出てきてしまったという中で、サプライチェーンをもう一回再編しましょうという考え方が出てきたわけなんですね。

貿易制限措置がない中で、今度は供給している工場が感染で休んでしまうという事象でありますから、そういったことも含めて今後の防疫措置というか、防疫って、今度は感染防止の方のですね、それも含めてやはり国と国の関係も必要になるでしょうし、企業も巻き込んだ形でどういった形で事業継続をしていくかということも含めて、次善の策、3善の策も含めて考えていかなければならないのではないかなと思っています。

自民党総裁選

Q:先ほどの菅首相の不出馬に関連して、先ほどカーボンニュートラルの話も出ましたけれども、菅政権の経済政策について、大臣、どのように総括というか、ちょっと振り返るというと早いかもしれませんけれども、どのように。

A:経済政策はずっと金融政策と合わせて、また財政出動も含めて安倍政権時代から対応してきたと。少しずつ経済が良くなりつつあるところでコロナ禍ということで、あるべき需要が蒸発してしまったという中で、当面の対策、そして中小企業の資金繰り対策や様々な対策があると思いますけれども、それと合わせて今後、中長期でどういった産業を国の産業の中心にしていくかということも含めて考えてきたつもりでいます。

その中で、コロナ禍の中でデジタル化、そしてグリーン化というようなテーマが出てきた。さらにまた、ヘルスケアの部分が弱いという部分も出てきた。更に全般に言えることですけれども、レジリエンス、強靱化、強靱性、しなやかさというものがやはりそれぞれの産業や経済に必要ですねということも出てきた。

そして、それを一つ一つ具体化していく中で大きなテーマとして2050年のカーボンニュートラル、2030年のNDC、46パーセント、そしてまた、デジタル、これは親和性が非常にデジタルとグリーンというのはあるわけですけれども、そういったものを合わせてどういう産業を中心に据えていくか。そして国がそういう産業を支援をしていくかということを考えてきたつもりであります。

まだ緒に就いたばかりということでもありますけれども、半導体の対応、また自動車産業であればEV、電動化というものも含めてどういう形で国が支援をしていくかということも含めて、世界中がやっぱり競争、大競争時代になっていますから、そういったものをもう一度、産業の再構築、再編という意味で経済産業省は大きな役割があると思っておりますし、それに対応してきた思いであります。そして、しっかりそれをまた引き継いでいきたいと思っています。

Q:菅首相の総裁選不出馬に関連してですが、今、おっしゃった経済対策は、菅首相のリーダーシップの下でできたことだと思うのですが、逆に、積み残した課題として、何か感じていらっしゃることがあれば。

A:まずは、コロナの感染から一日も早くこれを抜け出すということだと思いますけれども、どなたかがおっしゃっていましたけど、ゼロコロナというわけにはいきませんねと。こういった中で例えばワクチンが国産のものができる、治療薬ができるという中で、どういう体制でやっていくか、そして、医療体制をね。その中で今度は経済活動というものをどうしていくかというのも新たな経済の在り方ではないかなと思っています。

そのデジタルも含めて、デジタルトランスフォーメーションと言いますけれども、これはただただデジタル化をするだけじゃなくて、このことによって大きな事業の再編であるとか産業の再編が行われる、融合が行われるということに結びつけるための土台作りというのがまだまだ緒に就いたばかりだという意味では残念というか、またここで代わってしまうというよりもまだやりたい思いもありましたということですね。

以上

最終更新日:2021年9月6日

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