(令和3年8月31日(火)10:40~10:51 於)復興庁記者会見室)

 

1.発言要旨

 おはようございます。

 それでは、冒頭、私のほうから説明させていただきます。

 1点目ですけれども、本日、復興推進会議および原子力災害対策本部の合同会合が官邸で開催されました。

 私と梶山経済産業大臣から、原子力災害からの復興の現状につきまして報告しまして、その上で、特定復興再生拠点区域外の帰還・居住に向けた避難指示解除に関する方針を決定したところでございます。

 総理からは、本方針に基づき地元と十分に議論しつつ、帰還を希望する全ての住民の方々が帰還できるよう、2020年代をかけて避難指示解除の取組を進めること、それから、ALPS処理水の処分に向けた風評対策をはじめ、福島の復興・再生に向けて政府一体となって必要な取組を進めることについて指示がございました。

 復興庁としても、特定復興再生拠点区域外の避難指示解除に向けた施策の具体化に向けて、地元の意向を踏まえながら全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 なお、この方針の内容につきましては本日、経済産業省において説明を予定しているので、詳細につきましてはそちらにお尋ねいただければと思います。

 2点目ですけれども、令和4年度の復興庁の予算の概算要求と税制改正要望についてご報告させていただきます。

 まず、概算要求についてでございますが、お手元に資料を配布させていただいております。お手元の資料のとおり、復興庁の令和4年度概算要求の合計額は5,774億円および事項要求となっております。

 その内容はお手元にお配りしてあるとおりでございまして、被災者支援、住宅再建・復興まちづくり、産業・なりわいの再生、原子力災害からの復興・再生等になっております。

 それから、要求のポイントとしては、被災自治体からの要望や与党第10次提言を踏まえまして、ALPS処理水の処分に伴う対策のうち、復興特会においては、被災地または被災者に対する事業を計上しており、被災県への水産に係る加工、流通、消費対策等を実施するほか、観光等における風評払拭および放射線に関するリスクコミュニケーションの取組等を推進していく予定です。

 また、本日、復興推進会議、原子力災害対策本部合同会合で政府としての方針が決定された、特定復興再生拠点区域外への対応につきましては、地元と十分に協議した上で、しっかりと帰還意向の確認等を実施させていただきたいと考えているところでございまして、概算要求段階では事項要求としているところでございます。

 それから、国際教育研究拠点についてですけれども、秋に組織形態等について取りまとめることを予定しておりますので、概算要求段階では事項要求としているところでございます。

 今後、予算編成の過程において、被災地の抱える課題の解決に直結した取り組みを着実に実施できるよう、必要な予算の確保にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 これにつきましても、詳細については事務方のほうにお問い合わせいただければと思います。

 税制改正要望についてでございますけれども、まずは福島の帰還・移住等環境整備のさらなる推進に向け、避難解除区域等において、帰還・移住等環境整備推進法人に対して土地などを譲渡した場合等における課税の特例につきまして、適用期限の3年間の延長を要望してまいる予定でございます。

 このほか、金融庁などと一緒に要望する、東日本大震災事業者再生支援機構が支援する事業再生における特例措置、それから、国土交通省と一緒に要望する住宅ローン減税等の住宅取得促進策についても要望を行ってまいりたいと考えております。

 これにつきましても、詳細は事務方にお問い合わせいただければと思います。

 冒頭、私からは以上でございます。

 

 

2.質疑応答

(問)政府で決定いたしました、帰還困難区域の特定復興再生拠点区域外の避難指示解除の方針についてお伺いいたします。

総理も大臣も今後、地元と十分に協議するというふうにおっしゃっておりますが、避難指示解除に当たって除染が前提になるかと思うんですけど、今回につきましても帰還に必要な箇所を除染するというふうに政府方針でもなっておりまして、地元としては拠点区域外であっても帰還困難区域全域の除染を求めているのが現状です。こういったところで、政府と地元の間でまだ認識の隔たりがありますが、これをどのように今後の協議の中で埋めていく考えでいらっしゃいますか、お聞かせください。

(答)帰還意向のある住民の方がおられる、そういった家屋等については申し上げたとおりでございます。それ以外のところについても、これも今後の検討課題ですけれども、残された土地とか家屋の扱いにつきましては、引き続き重要な課題でございますので、基本的方針においても、今後の課題という形で明記させていただいたところでございます。

 いずれにしろ、今後どうするかについては、地元の皆さん方のご理解、ご協力が大事ですので、地元の皆さんのご意向を十分踏まえて、そして地元の皆さんと話し合いをしながら決めていきたいと考えております。

(問)私も、先ほど決まりました拠点外区域のことでお伺いいたします。震災と原発事故の発生から10年以上が経って、今、拠点外の政府方針が決まったということについて、今の率直な評価をお願いします。

 この10年余りの間にも亡くなられた方とかがいらっしゃいますし、いつ方針が示されるのだという声もずっと長らく寄せられていましたので、この地域の復興に向けてどのように取り組んでいかれるか、改めて決意があればお願いします。

(答)この基本的方針は先月の20日、与党の復興加速化本部から第10次提言が総理に手交されて、拠点区域外である自宅に帰りたいという住民の思いに応える新たな方向性を示させていただいたということでございます。

 これは色々なご意見があると思いますけれども、私個人とすれば、もうちょっと早くできなかったかなという感じがしますけど。それでも、こういう形で、順番とかあるいは予算とかいろんな問題が絡んできますので、そういった中で、差し当たって今までずっとまずは拠点のところをやっていましたので、そちらのほうまでなかなか手が回らなかったということもあります。しかし、この方向性だけ、もうちょっと前から言っておけば良かったかなという気はしますけど。

しかし、いずれにしましても今度、拠点外のほうに一部回っていくわけで、そして残りの全く帰還意向のないところ、そういったところについてはこれから、希望が全くなかったにせよ、これをどうするかということについては、今申し上げましたとおり、地元の皆さんと十分お話しをさせていただいて、地元の皆さんのご意向等を十分踏まえて取り組んでいきたいと。差し当たって、20年代は、今度は帰還の希望のあるところ、そういったところがまずは先ということだろうと思います。

(問)予算の関連でお伺いしたいと思います。

大臣は概算要求として本日発表されましたが、やはりそこに第2期復興・創生期間、当初は想定していなかった処理水の対応ですとか拠点外の対応、除染ですとか、そういった予算というのが今後必要になってくることになっていると思います。それで、やはり当初想定していた1.6兆円、その予算を上回る経費、予算が必要になった場合、復興庁として財源確保などをどう対応していくのか。今の大臣の考えをお聞かせいただければと思います。

(答)これはもう、必要があればそれに応じた予算を付けてもらうのは当然でございまして、本予算であれ補正であれ、私はもし本当に必要ということになれば、あらかじめ決められた予算の枠内で活動すると。それが次第に困難なときには、当然それを超えた予算を要求することはあり得ると思います。これはそうした必要があれば当然のことだし、国民の皆さんのご理解は頂けるのではないかなと思います。

(以  上)