令和3年9月2日

松本外務大臣科学技術顧問による鷲尾外務副大臣表敬野様子

松本外務大臣科学技術顧問と鷲尾外務副大臣

 9月2日、松本洋一郎外務大臣科学技術顧問(外務省参与)は、鷲尾英一郎外務副大臣に対し、「地球の健康(planetary health、地球環境と人間の健康の連関):食料システム転換のための科学技術」とした提言を提出しました。この提言は、科学技術外交推進会議(座長:松本科学技術顧問、副座長:狩野光伸外務大臣科学技術次席顧問)が、本年9月に開催予定の国連食料システムサミット及び12月に開催予定の東京栄養サミットに向けて、とりまとめたものです。

  1. 続いて、オンラインで参加した狩野次席顧問から本提言の要点を説明しました。また、松本顧問からこれまでの顧問活動につき報告するとともに、今後の取組の方向性についても説明しました。
  2. 鷲尾外務副大臣から、松本顧問及び狩野次席顧問の積極的な活動と、科学技術外交推進会議による本件提言のとりまとめに対し、謝意を述べました。また、科学技術外交を更に発展させていきたく、各国の科学顧問との間の戦略的連携・発信の強化や、関係府省・機関との連携の下での我が国の科学技術力強化など、引き続き松本顧問らの活動に期待する旨述べました。

 飢餓・栄養不良を改善し地球環境にも配慮した食料システム転換を図るべく、これに資するSTIの世界的な利活用を促進し、あらゆるステークホルダーと協働して共に歩みを進めるため、(1)日本の強みを活かしたSTIショーケースを策定し、(2)国際機関等と連携し、世界規模での十分な対話を通したSTIショーケースとマッチングファンドを構築・運用し、STIの利活用を促進することを主導するとともに、(3)STIショーケースを用いて主体的に開発戦略や政策作りを行う国・地域の活動、産官学民の連携、分野横断人材育成を積極的に支援する、という3つの取組を「「STEP Initiative by STI (Systems Transformation to Ensure Planetary health) 」として進めていくことが望ましい旨提言している。

 平成27年9月、外務大臣科学技術顧問として、岸輝雄東京大学名誉教授が任命され、令和2年4月1日、後任として、松本洋一郎東京理科大学学長が外務大臣科学技術顧問に就任。外務大臣科学技術顧問は、外務大臣の活動を科学技術面でサポートし、各国の科学技術顧問・国内外の科学技術分野の関係者との間で連携やネットワークの強化を図りながら、各種外交政策の企画・立案における科学技術の活用等について外務大臣及び関係部局に対し助言を行う。また、我が国の科学技術イノベーションにつき対外発信を行うとともに、外務省員の科学技術リテラシー強化を図る。
 なお、平成31年4月には、外務大臣次席科学技術顧問として、狩野光伸岡山大学教授が就任。

 平成27年12月、岸田文雄外務大臣(当時)は、科学技術の各種分野における専門的な知見を外務大臣科学技術顧問の下に集め、我が国のトップ外交やハイレベル国際会議を含む各種外交政策の企画・立案過程に活用するため、「科学技術外交アドバイザリー・ネットワーク」を構築することとし、その一環として、科学技術外交の関連分野における学識経験者に対し、「科学技術外交推進会議」の委員を委嘱した。岸輝雄前科学技術顧問の任期終了とともに推進会議委員の委嘱も終了。
 松本科学技術顧問の就任後、新たに委員の人選を行い、令和2年9月に20名に委員を委嘱し、定期的に会合を開催(現在、推進会議のメンバーは、座長の松本顧問、副座長の狩野次席顧問を含め、合計22名。)。