経産省・新着情報

2021年8月27日(金曜日)
11時13分~11時38分
於:本館10階記者会見室

質疑応答

半導体

Q:2点質問があります。
まず1点目、キオクシアホールディングスと米国のウエスタンデジタルによる合併協議について海外メディアで報道がありました。9月の中旬にも合意する可能性があるとしていますが、流動的な部分もあると思います。こうした今回の動きに関して半導体業界を所管する経産省としての受け止めや、仮に合併に至ったときの対処方針などについて教えてください。よろしくお願いします。

A: 報道については承知をしております。個別の企業の案件であり、また、関係する企業が正式に公表したものではないということでありまして、コメントは差し控えさせていただきます。

その上で一般論として申し上げれば、デジタル化が進む中、半導体は経済安全保障や産業全体のサプライチェーン強靱化の観点からその重要性は増してきているということでありまして、そうした観点から、今後、動向についても注視をしてまいりたいと思っております。

このウエスタンデジタルというのはキオクシアの四日市の工場の共同運営をしているところでもありますので、いろんなそういうことも含めて憶測もあるのかなとは思いますけれども、まだ当事者が発表していないということですので、基本的にコメントは差し控えさせていただきますということです。

パルスオキシメーター、濃縮装置の供給確保

Q: あともう一点、新型コロナに関してなんですけれども、新型コロナ感染者の自宅療養が広がっています。それで、パルスオキシメーターや酸素ステーションなどの酸素濃縮装置の需要が高まっていると思います。それで、経産省では、これまでもマスクや防護服、ワクチン向け冷凍庫などの調達、確保の動きを進めてきたと思いますが、こうしたパルスオキシメーターや濃縮装置などの供給確保に向けた動きや、例えば厚労省など関係省庁との連携など、方針について、あれば教えてください。

A: 現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって自宅療養をされる方が増加をしているという中で、パルスオキシメーターや酸素濃縮装置の需要が高まっていると承知をしております。このため、経済産業省としてはこれまでもずっとそうですけれども、厚生労働省と連携をして、パルスオキシメーターや酸素濃縮装置を製造、輸入する事業者に対して増産等の要請を行ってきたところであります。現実にかなりの国内のメーカーであれば増産をしていますし、輸入数も増やしてきているということですから、厚生労働省と連携をして、明確にどこに足りないのかということも考えながらしっかりと対応できるようにしてまいりたいと思っております。

ちなみにパルスオキシメーターですと、令和元年(※)で言うと合計の数量2万4,000ぐらいであったものが、今、輸入と国内生産を合わせると17万ぐらいですね。合計で17万台ぐらいの生産をしているということで、十四、五万分増産をしている、増産、また、輸入をしているということであります。さらにまた酸素の濃縮装置というものもそういう形でやっておりますので、適切に行くべきところに行くようにということも含めて、厚生労働省と連携を取りながら、しっかり対応してまいりたいと思っています。

モデルナ製ワクチン異物混入

Q: 今の新型コロナウイルスに関連してなんですけれども、昨日、厚生労働省がアメリカモデルナ製の新型コロナワクチンに異物が混入していたということで、3ロット、およそ163万回分の接種を中止すると発表しました。職域接種会場の計8か所のバイアルということなんですけれども、経産省が所管する製造業ですとか、中小企業などに影響が出ているという報告は現時点で入っているんでしょうか。

A: 影響って、その集団、職域接種の影響ということ。

Q: 職域接種が中止になっているという現状があるので、例えば製造業とか中小企業などで、経産省の方で。

A: その影響で、例えば感染をして、ワクチンを打っていないから感染をして、その生産工程が止まったとか、そういう意味ですか。

Q: ではなくて、実際に管轄する企業などで中止をしてしまっているというような報告などが入っているかどうかです。

A: それはそうです。申請しているところがたくさんあります。その申請に関して承認をしていないところが前に止めたときであるということで、今、承認をしたところに対して対応するということで、河野大臣の方でそのワクチンの供給というものをやっているかと思っております。ですからまた、今回のモデルナの異物混入ということも少なからずやっぱり影響があるのかなとは思っております。

ただ、私の方は、飽くまでも産業ごとに職域でやっていただきたいという要請をしたりしているということでありまして、モデルナのワクチンの供給と、その職域接種も含めた接種会場というのは厚労省、そして河野さんの担当ということでありますので、また連携をしながらしてまいりたいと思いますけれども、今の時点では私どもも産業界とやり取りをしておりますけれども、申請をしているところで早く承認をしてほしいというような声はありますけれども、そういったことも含めて、政府全体で共有をしてまいりたいと思っております。

Q: 現時点で、管轄する企業などから、例えば職域接種をすることができなくなってしまったといったような報告などが経産省に入っているということは。

A: 現実には、未承認のところがあるというのは事実ですから。申請はたくさんしました。たくさんの企業とか業種がしました。そして、それに対して承認をしたところに対して職域接種会場として認めた上で供給をするということになっています。ですから、そういったものは承認をされたところには、若干のスケジュールのずれはあると思いますけれども、供給はされていると。また9月以降、また供給の日程も知らせるということになっておりますけれども、未承認のところがあるという事実があると、現実があるということで承知しております。

Q: 今回、すみません、職域接種会場で8か所のバイアル、およそ163万回分、結構多い数なんですけれども、何か企業などがちょっと今、打つことができなく……

A: 直接は河野さんからはまだ、河野さんというか、政府からはどこがそうなっているかということは聞いておりません。私どもは企業に対して職域の接種を進めているという中で、そういったことが起きているということなんですね。ですから、産業界から、うちができなくなったという話は今のところ、今回の異物混入での話としては聞いておりません。

半導体

Q: 先日、トヨタ自動車がひと月で4割の減産を発表しました。要因としては、東南アジアでの感染拡大の中、半導体不足の影響とされています。また、マツダやダイハツなど、ほかの会社も減産に入っていますと。日本の屋台骨産業で深刻な状況が続いていますが、経産省としての受け止めと原因も含めた現状分析、また、今後どういった対策を取っていかれるのか教えてください。

A: 世界的な半導体の供給不足というのはもともとあります。そういった中で、なぜかと言えば、その半導体を使う品物が増えているということでもあります。そして、またそういったところに集中して供給をしていこうというような動きもあるということで不足をしていました。さらにまた、例えば日本においてはルネサスエレクトロニクスの火災があったり、また、今回はマレーシアの企業において半導体を作っている企業においてコロナウイルスウイルスの感染がかなり広がっているということで、工場の閉鎖とか、そういうことで日本企業、自動車メーカーへの影響が出ているということですが、日本企業のみならず、いろいろなところに出ているかと思っております。そういったものをしっかり情報を確認していくということになろうかと思いますけれども、こちらについてのコメントは差し控えさせてもらいますが、経済産業省としては危機感を持って、現地工場の稼働改善に向けて、関係各国の大使館や各国政府としっかりと連携をし、徹底した情報収集を行うとともに、自動車メーカーだけでなく、半導体の関連企業ともより一層密な連携を図ってまいりたいと思っております。

大使館、さらにまたジェトロ等を通じて、詳細な情報の収集を図っているところでもありますし、また、それぞれの自動車メーカー各社とも、また、ほかのところでも半導体の不足があるかどうかということも含めて、国内メーカーとのやり取りというものも既にさせていただいております。その上で影響が最小限となるように、中堅・中小企業の資金繰りや雇用対策にも引き続き万全を期してまいりたいと思います。メーカーだけでなくて、その下請けもありますし、協力企業もあるということになると、その操業が止まれば、当然資金繰りということにもなりますでしょうから、そういったものも含めて対応してまいりたいと思います。

福島第一原子力発電所処理水

Q: 福島第一原発の処理水の関連なんですけれども、先日、閣僚会議が開かれまして、処分に伴う当面の対策のポイントというのを取りまとめられましたけれども、あと、それに加えて、翌日、東京電力の方で沖合からの放出をする方針を含めた処理の全体像なるものも出てきましたけれども、いずれも、そういった処理水の動きの進展についての受け止めと、当面の対策のポイントについては、政府主体というところなので、大臣の中で特に力を入れたいポイントなどがあれば教えていただきたいです。これがまず1点目です。

A: 4月の基本方針の決定以降、漁業関係者や観光事業者など様々な方から風評への御懸念や必要な対応について御意見を伺ってきたところであります。先日24日の関係閣僚会議では、これに最大限応えるべく必要な対策を盛り込んだ当面の対策を取りまとめたということであります。

具体的には、IAEAによる安全確認の強化、風評影響の実態把握と適正取引の実現。適正取引というのは、買いたたかれないように、流通の過程で買いたたかれているようなことがあるかどうかという実態の把握をした上で、その適正取引の実現という意味です。あと処理水を用いた魚の飼育を通じた安全の見える化。これ、漁協などから提案がありまして、処理水で魚の飼育もしていくと、そして24時間見られるようにしてくれというようなことも含めてやらせていただくということ。そして、万が一風評が生じたときの緊急避難的な措置としての基金の新設など多岐にわたる対策を講じることとしております。政府一丸となって、スピード感を持ってこうした対策を着実に実行してまいりたいと思っております。

また25日、東京電力の安全性の確保、風評影響の最大限の抑制など、基本方針の遵守を徹底するために、取水・放水設備の設定や運用について、現時点の検討状況を公表したことは承知をしているところであります。

経済産業省として、東京電力に対して、今後、地元の皆様に、今回公表しました内容を丁寧に説明をすることや、より具体的な御意見を丁寧に伺い、風評を最大限抑制する適切な対応を取るべく検討を重ねていくことを求めてまいります。

重点のところということでありますが、先週、IAEA、ウイーンに出張してまいりました。グロッシー事務局長とお話をしてまいりました。

専門性を持っている、そして客観性、透明性、公正性、さらにまた政治とは距離を置くというIAEAの趣旨の下にしっかりとこの処理水の対応というものをレビューをしていただきたいというお願いをしましたし、これはお願いをして済むという話ではなくて、こちらはこれから長い期間、緊張感を持ってそういった事業に取り組んでいくということになりますから、事業者はもちろんのこと、我々もしっかりと対応していかなければならないと思っております。

もう一点、その風評が起きた場合の対策ということで、なかなかそれは具体策が見えないというお話もあるんですけれども、東電が窓口ということではありますけど、東電が支払いをするということではありますけれども、その間に専門チームを作りまして23名配置をしております。これは、起こる前からいろんな漁協との日頃の話合いも含めて、しっかりとした対処ができるような形で政府も取り組んでいくという形でこれは作らせてもらいました。これは総理からの、しっかりとした補償をしろと、対応しろということの御下命もありましたし、そういった中で私どもで作らせていただいたということでありますので、しっかりとこれが機能するように対応してまいりたいと思っています。

Q: その当面の対策の取りまとめに関して、全漁連の会長の方も声明を出しておりまして、改めて総じて反対ということと、あと4月に政府に対して風評払拭、風評ではないですね、漁業者の不安払拭のための5項目ということで申入れをされていて、それについてまだ回答がないといような御指摘もその声明の中にはありましたけれども、そこの回答に向けた見通しといいますか、全漁連及び漁業者に対する対応、今後の見通しについて説明をお願いします。

A: まず、大前提として、全漁連とは対話の窓口を開いておりますし、頻繁にやり取りもさせていただいております。さらにまた各都道府県漁協、そして個別の、またその地域の漁協ともやり取りをさせていただいているところでありますが、8月24日に政府が当面の対策を取りまとめたことを受けて、全漁連が海洋放出に断固反対であると改めて表明するとともに、今年4月に政府に申し入れた五つの項目への回答を求める旨の声明を出したことは承知しております。全漁連が申入れいただいた五つの項目については大変重く受け止めており、これにしっかりと回答するべく関係省庁とも真剣に検討したところであります。

今回の当面の対策には、国民への説明、安全性の確保など回答につながる対策も含まれていると考えておりますけれども、処理水の放出は今後も数十年にわたり続くことを踏まえれば、当面の対策に加えて中長期的な視点でも対応をしなければならない、そういう必要が生じると考えているところであります。

その上で、今回、今後も更に関係省庁と会議等を重ねて、できる限り早期に回答したいと思っております。今回の当面の対策の中でもお答えになっているものもあると思いますし、また更に時間を経なければ回答にならないものもあろうかと思いますので、その都度しっかりとした対応をしてまいりたいということと、五つの項目に関してもしっかりとまずは回答するということも重要であると思っておりますので、対応させていただきたいと思っております。

職員逮捕

Q: 家賃支援給付金の職員による詐欺事件の件で、持続化給付金でもだまし取ったというので追送検したという報道がされていますけれども、このことについての受け止めと、経産省としての事件の検証とか再発防止策をいつまでにするのか、そのあたりを伺えれば。

A: 国民全体がコロナで苦しんでいる中で、服務規律を遵守し、高い倫理観を持つべき当省の元職員が家賃支援給付金に加えて持続化給付金の詐欺容疑でも送致されたことに対しては、誠に遺憾に思っております。元職員2人につきましては、既に家賃支援給付金の詐欺行為で起訴された段階で懲戒免職処分としているところであります。また、監督処分についても管理職2名及び事務方のトップである事務次官を処分するとともに、私は大臣給与の1か月分を、事務次官は給与の10%、3か月分を自主返納としたところでありまして、私はもう返納を済ませたところであります。

今後の捜査や公判を通じて、動機や不正申請の具体的な手法などの詳細が明らかになっていくものと考えておりますが、こうした全容解明を踏まえて本事案を防ぐことができなかったのかということについてしっかり検証し、再発防止につなげていくということであります。

さらに、この案件が公になったときから再発防止というものは常に考えていかなくちゃならないということで、職員に対する意識の啓発であるとかそういったものをやっておりますけれども、全て全容が明らかになる中で、更に追加をしていろんな対策というものが必要になってくれば、しっかり対応していくということにさせていただいております。

J-LODlive補助金

Q: 先日、フジロックフェスティバルというのが開催されたんですけれども、経産省からはJ-LODlive1という補助金で、1日5,000万、3日間イベントが行われたので合計1億5,000万の交付が決定されて、今後、実際に掛かった経費に応じて支払われる予定だと思いますけれども、今日、閣議決定した予備費の中にも音楽、演劇への開催支援として627億円、かなり大きな額が計上されています。今後こうした開催支援の予算をより賢く活用するために大規模な実証実験などを行って、感染拡大を抑制しながらいかにそういうライブイベントを開催できる社会にするかという視点が重要だと思うんですけれども、大臣は今後そういう方針があるのかとかお考えをお聞かせください。

A: まず、新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化する中で、コンテンツ関連事業者の再起を支援するために経済産業省が令和2年度補正予算でコンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金、通称J-LODliveといっていますけれども、これにおいて国内で開催した音楽、演劇等のライブ公演、及び当該公演を海外に発信するためのプロモーションの実施を支援をしているところであります。

お尋ねのフジロックフェスティバル’21については、この事業を通じて1日当たり補助上限、今、記者からお話がありました5,000万円、3日間で合計1億5,000万円の交付決定を行っているところであります。J-LODlive事業を通じて支援する対象は、内閣官房コロナ室から発出されているイベント開催制限のガイドラインにのっとって開催されているものに限定をされております。具体的には会場の収容人数の2分の1以下に参加人数を制限するとともに、開催都道府県の知事の了承を得ているものであり、国としてイベント開催制限の範囲内である以上、開催を補助事業で支援することに問題があるとは今の時点では考えていないということでして、この人員についても、これ4万人定員の会場なんですね。3日間行われたということで1日目が1万3,000人、2日目も大体1万3,000人、3日目は1万人を切った形で9,000人ということで、開催したもののやはり自分も自粛をした方もおいでになるのかなと私は推察をしておりますけれども、こういった事業を行う中で、必ずやっぱりどういった形で入場したのか、どういった形でコンサートの最中、人の移動があったのか、また、密にならないような形でどういう努力をしていたのかということは当然のことながら今後に生かしていく必要があると思っております。こういう制度の中で今回やったということでありますが、ほかの地域でもやはり県が認めないという場合が幾つかあったと承知をしております。飽くまでもその定員を守った上で、県の了解があったという大前提でこういったものの対応をしてまいりたいと思っておりますけれども、こういうそのエンタメの関係の事業者からは、かなり悲鳴が聞こえているのも事実であります。

どういった支援をしていくかということ、こういった開催の中止ということだけではなくて、企画すらやはりできないというようなこともあろうかと思いますので、そういったものも含めて政府全体で考えていく必要があると思いますし、経産省のみならず文科省、文化庁との連携も含めて対応してまいりたいと思っております。

Q: つまり、ただお金を使うというよりは、せっかくどうせ開く、要はプロ野球などはもう既に横浜ベイスターズの本拠地で実証実験などを大規模に行って、データをちゃんと科学的に取るということをやっているんですけれども、ライブの方ではまだそういうのが実際にちゃんと行われていないので、そういうのは必要だと思うんですけれども、大臣はその辺はどうお考えですか。

A: 必要だと思いますね。今後、例えばです、また将来的に終息しつつあるときに、どういった形でこういったものを再開をしていくかということ、そのときにはそういったデータが非常に重要になると思っております。当然、あなたがおっしゃるように、エビデンスというのも当然必要になりますし、そういったものの確認というものもしっかりやっていかなくちゃならない、我々もそういう思いでいます。

福島第一原子力発電所処理水

Q: よろしくお願いします、
すみません、処理水の話に戻って恐縮なんですけれども、中間取りまとめが出ましたが、福島県内の関係者からは、恐縮ですが不十分だという声も出ています。政府としては年内の最終取りまとめに向け検討を続けるという姿勢を示されていますが、更なる対策の充実、拡充に向けた大臣のお考えをお聞かせください。

A: これは常にですね、よりよい方法があれば、全てのことにおいて考えていくという姿勢を取っております。一度決めたからそれが全てだということではありません。さらに、また補償、風評対策というものは、思い付くものを全て対応していくと、実効性が上がるものは対応していくという姿勢でおります。そういった思いで対応してまいりたいと思いますし、時間がまだまだ説明し切れていないという声があることも承知をしておりますので、そういった中で一つ一つ積み重ねて対応してまいりたいと思っています。

(※)実際の発言は「平成元年」でしたが、事実関係を踏まえ上記のとおり修正しました。

以上

最終更新日:2021年9月3日

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