厚労省・新着情報

日時

2021年(令和3年)4月6日(火) 13時00分~

場所

霞ヶ関ナレッジスクエア  千代田区霞が関3丁目2-1 霞が関コモンゲート西館3階

出席者

  ・阿部 正浩
  ・安藤 至大
  ・大久保 幸夫
  ・鎌田 耕一(座長)
  ・武田洋子
  ・中田 るみ子
  ・山川 隆一

議題

(1)ヒアリング結果のまとめ(公開)
(2)その他(公開)

議事

議事内容
○事務局 第9回労働市場における雇用仲介の在り方に関する研究会を開催いたします。本日は前回までの人材サービス事業者やユーザー企業からのヒアリングについて総括をした上で、今後の議論に向けた論点の整理を行いたいと考えております。皆様、本日は御多忙のところ研究会に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。なお、本日の議論は論点の整理となりますので、以後の議事進行につきましては、鎌田座長にお願いしたいと思います。それでは鎌田座長、よろしくお願いいたします。
 
○鎌田座長 是非、皆さんには忌憚のない御意見を頂きたいと思います。まず、議題1として、これまでのヒアリングの結果について、事務局から御説明をお願いいたします。
○事務局 資料1の「ヒアリング結果の概要」を御覧ください。これまで、この研究会で、人材サービス事業者、サービスを御利用されているユーザー企業の皆様から、ヒアリングをさせていただきました。こちらのヒアリングの概要について、御説明させていただきます。
(1)ヒアリング対象は、人材サービス事業者については、職業紹介、求人メディア、人材データベース、アグリゲーター、SNS、スポットマッチング、クラウドソーシングということで、こちらの事業形態について、7社に対してヒアリングを行いました。
具体的には、(2)主な御説明等で示しております。1.多様化するマッチングサービスについて、「サイト内の行動や登録された個人情報、求人条件に基づいて、よりマッチングしやすい募集情報や求職者情報が表示されるように検索結果の並び替えを行っている」。「求人企業が投稿する他、求人企業の自社採用サイト、職業紹介事業者のホームページ等インターネット上の情報をクローリングすることで一覧化している」。「新規参入が容易な分野。法令を意識せず、良かれと思って悪気なくマッチングを行っている場合もあり、最低限のルールが必要。労働市場で事業を行う者として事業について何らかの報告をさせるべきではないか」。このようなお話がありました。
2.事業を行う上での対応について、募集情報の取扱いということですが、「審査を行う部門を設けて、募集情報の審査・管理を行っている」。「過大広告、虚偽をなくすためには、実地や電話での情報収集が重要」。「クローリングした情報についても、事後的に法令違反等の精査を行っている」。「基本的には募集情報の内容は投稿した求人企業が負うこととなっている」。このような御説明がありました。
求職情報の取扱いについては、「個人情報は、職業紹介事業とその他の事業で取扱いを分離している」。「人材サービスが個人情報を活用していると言いにくい風潮がある。求職者・求人者が安心できる利用の態様を検討したい」。このようなお話がございました。
次に苦情処理についてです。「苦情の多くは選考の遅延。募集情報と実態が乖離している場合の苦情は仲介者では把握されにくい」。「ネットのみのサービスでは、求人企業を片手間に展開し、苦情相談窓口が設けられていないこともある」。このようなお声がございました。
次にキャリアアドバイスです。「求職者からの手数料については、アフターサービスとしてキャリアを通じて求職者からの相談に寄り添うようなサービスの場合には可能性はあるのではないか」といった御意見がございました。
3.AIやIT技術の活用についてです。「多様化する求職者、求人者のニーズに応えるため、テクノロジーを活用し、従来の業務の効率化を図っている」。「職業紹介事業の効率化と、その他の事業の高付加価値化の両面からテクノロジーが活用されることで、職業紹介事業とその他の業務の性質が近しいものとなっている」。このような御意見がございました。
次に、人材サービスを利用するユーザー企業からのヒアリングの内容です。(1)、IT、製造、小売・流通といった分野の大企業及び中小企業の5社より、人材サービスの使用状況などについてヒアリングを行いました。
主な御意見として、1.人材サービスの使い分けについては、「高年収ポストや専門的人材については、職業紹介事業者を利用している」。「自社サイトや求人メディアでは選考母集団に入ってこない人材については、人材データベースやSNSといったダイレクトリクルーティング用のツールを使用している」。「新卒採用でも、マス向けの求人メディアだけではなく、登録者の特徴に応じて学生にコンタクトできる人材データベースなどのツールを使用している」。「人材サービスの数が増えるにつれ、機能だけでなく、登録求職者の年収帯や専門性といったことによって差別化が図られている」。このような御説明がございました。
2.人材サービスについての所感ということで、職業紹介については、「職業紹介は確実に求める人を採用できる利点があるが、やはり費用の面で負担となっている」。「手数料について特段の交渉などはせず、価格が高いと判断すれば職業紹介は利用しない」。「エージェントの働く現場に関する理解によってマッチング精度の差が大きい」。このような御意見がございました。
次に、求人メディアについての所感として、「マス向けの求人メディアは、知名度の面で中小企業には不利」。「不要なサービスもパッケージで提供され、費用負担が生じている」。「中途採用など通年で行っているものについては費用負担が大きい」。このような御意見がございました。
次に、人材データベースについての所感です。「求職者の情報に少しでも関連する記述があると提示される仕組みになっており、求めている人材とずれる場合がある」。「データベースで求める人材を検索する職員を配置しており、その人件費は一定程度かかってしまう」。このような御説明がございました。
3.人材サービスを使用する際の考え方としては、「個人情報保護やコンプライアンスの遵守、情報セキュリティは利用に当たっての大前提。IT技術先行サービスには、その視点が欠けており使用できないものがある」。「募集情報などについて審査を行っている事業者の方には安心感がある」。「様々な採用のためのサービスが展開されているが、安心して使えるツールであるか分かることが必要であり、最低限の条件をクリアした事業者であることを明示していくことが有用」。このような御意見がございました。
4.各社におけるAIやIT技術の活用について、「履歴書や応募書類のスクリーニングにAIを導入している」。「スクリーニングにAIを利用する際にも、次の過程に進むか否かはAIのみでは決定しないようにしている」。「技術の利用によって求職者が不利にならないことが重要であり、苦心して検討している」。こういった御説明を頂きました。抜粋しての御紹介になりましたが、ヒアリングで頂いた御意見については以上とさせていただきます。
 
○鎌田座長 ただいまの説明に対して、御質問等がありましたらお願いいたします。よろしいでしょうか。
後ほど戻っても結構ですので、次の議題に移りたいと思います。議題2として、これまでの議論を踏まえた整理案について、事務局から説明をお願いいたします。
 
○事務局 資料2について御説明いたします。これまで8回にわたりまして、御議論いただいたところですが、これまでの皆様の御意見等を踏まえまして、事務局で現段階のものとして整理させていただいたものです。「これまで職業紹介事業者やハローワークを通じて労働市場を把握してきたが、求人メディア等新たなサービスを利用して入職する求職者や新たなサービスの持つ情報量が増加していることを踏まえ、労働市場の全体像を把握して雇用対策を行っていくことが重要」。「IT技術を駆使してマッチング機能を高めつつある新たな雇用仲介サービスについて、労働市場の中で果たしている一定の役割をどのように位置付けていくか」。「転職を志向して求職者登録を行う求職者へのサービスと、転職を強く志向していない潜在的な求職者へのサービスが出てきていることを意識するべき」。この3つを総論的な論点としております。
次に各論について御説明いたします。
(1)労働市場の整備、情報の的確性については、「事業形態によらず、雇用仲介事業者が信頼できる情報を提供する責任は大きい」。「実際の就業条件が募集情報と異なることがあり、求人者の責任と、募集情報を利用して事業を行っている事業者の責任をどう捉えるかが重要」。「情報の転載やクローリングを事業として行う中で、募集情報等の的確性や信頼性をどう担保するのか、問題となり得る募集情報が除去される仕組みとなっているのかという視点も必要」。「課金情報を優位に取り扱うビジネスの中で、課金した者の情報とそれ以外の検索結果が分けて表示されるようにするべき」。このような御議論がございました。
また、労働市場における情報フォーマットの整備については、「労働市場に提供される職業やスキルを共通言語化する情報インフラの整備が必要」。という御議論がありました。
公共の役割については、「職業安定機関が労働市場の全体像を把握した上で、トータルマネジメントの役割を果たしていくべきではないか」。「ハローワークが担っている領域は民間がビジネスをしにくいところであり、特に就職困難者への対応はテーマ別にノウハウを蓄積していく必要」。このような御議論がございました。
(2)人材サービスの整理について。人材サービスの法的区分について、「職業紹介に近いオプションを持つ募集情報等提供の登場について、どのように法的に位置づけていくか整理すべき」。「募集情報等提供事業とプラットフォームはどのように区別されるのか整理すべき」。「職業紹介、募集情報等提供、委託募集について、一定の整理が必要ではないか」。という御議論がありました。
更に「新しいサービスの把握等」について、「これまで人材サービスを提供していなかった事業者が参入しており、労働市場において守るべきルールを明確化すべき」。「新しいサービスを展開している事業者を把握できていないことは問題であり、何らかの形で事業概要等を報告する仕組みを導入してはどうか。その際、常にイノベーションにより新たなサービスが登場することを意識するべき」。「ビジネスを行う上で、マッチング前後のサービスが拡大していることを意識するべき」。「職業紹介、募集情報等提供、プラットフォームの分化しているサービスが複合化していくのではないか」。という御意見をいただきました。
(3)求職者の保護です。個人情報の保護について、「サービスを利用したら規約に同意しているとする対応では不十分ではないか」。「クリックしたら規約に同意したものとされることがあるが、モデル規約などで適正化を図っていくべき」。「個人情報のうち、どのような情報が誰に見られているかを分かるようにすべき」。「第三者に提供すべきでない性質の個人情報の保護について検討するべき」。「日本の労働市場の特性を踏まえて、個人情報の保護の在り方を考えるべき」。というご議論がございました。
利用者の特徴・保護については、「求職者は人材サービスの仕組みや実態をよく分からずに利用している。求職者等に有用な情報公開を進めるべき」。「求職者の中にはリコメンドを待って、声をかけられたら行くというような受け身な方もいることを意識するべき」。「AIやマッチングアルゴリズムによるアンコンシャスバイアスの再生産や、ブラックボックス化をどう回避するか。業界共通の見識が必要ではないか」。という御意見がございました。
また、雇用以外の仲介について、「非労働者とされている人でも労働者性のある人や交渉力の低い人への対応は課題ではないか」。という御意見もございましたのでご紹介いたします。
(4)人材サービスの役割について。人材サービスの役割について、「企業向けサービスである一方で、今後、少子高齢化が進む労働市場にあっては、求職者に寄り添う形での事業運営を強く意識すべきではないか」。「ITにより情報の非対称性が軽減される中で、最後に人が決断を後押しする、キャリアの相談をするといった役割もあるのではないか」。「事業を行う者として、カスタマー等からの苦情処理を確実に行うことは当然ではないか」。という御意見がございました。
次に、業界団体の役割について、「業界団体に入っていない新形態サービスが多く、業界団体による実態把握や適正化は難しい状況ではないか」。「新しいサービス事業者を把握する仕組みを構築した上で、業界団体がより高いサービス水準を作り、既に業界団体に加盟している事業者を含めて事業者全体の質の向上を図るべき」。「業界団体としても、事業者に対する苦情に中立的に対処していくべきではないか」。という御意見がございました。事務局からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。
 
○鎌田座長 ただいまの御説明に対して、御質問、御感想、そのほか御意見がありましたらお願いいたします。
 
○安藤委員 今、御説明いただきました「これまでの議論の整理(案)」を聞いていて、3点コメントがございます。
1点目は、転職を志向して自発的に行動する人だけではなく、転職を強く志向していない潜在的な求職者をどう考えるか。そこに働き掛けることでマッチングを実現しているサービスもあるわけです。求職者の中にはリコメンドを待って、声を掛けられたら行くという受け身の方もいるという話でした。この辺りのことも踏まえて、社会的に受け身の労働者を動かすことの意義を整理する必要があると思います。
今の会社でそこそこ活躍しているけれども、別の会社に動いたらもっと活躍できる。こういう人材は世の中にはたくさんいるという観点からは、人を動かすことを支援することには社会的な意義があると思います。特に、本人はそれほど今は望んでいないのだけれども、よりよいマッチングを見付けて提案していくことというのは大事かなと思っている一方、雇用仲介のビジネスという形からは、人を動かさないとお金にならないという点もあるわけです。この点で、つい先日人が就職したときのお祝い金の支払いを禁止するという指針改正があったと聞いています。必要もないのに、例えば看護師を毎年別の職場に動かせば、その度に報賞金を払いつつ仲介会社が儲かるという形になってしまっては、社会的に最適なマッチングをあえて崩すことになってしまいかねない。このことで、余り望んでいない人に対して、どうアプローチを推進するか、又はどういうときには抑制するか。アクセルとブレーキの使い分けが重要だなというのが1点目です。
2点目は、「求職者により添う形での事業運営を強く意識」とありますが、民間企業や個々人の善意に頼る仕組みというのでは、望ましい形ではワークしないと個人的には思っています。個々の企業や個々の仲介ビジネスをしている人間が自分の欲求に対して素直に振るまうと、社会的によりよいマッチングが実現するような仕組み作りをしていくことが大事であって、求職者に寄り添う形の事業運営を意識させるためには、それをやったほうが事業者にとっても得になるようなルールを作っていくということが肝要かと思っています。
3点目は、人材サービスの業界団体という形で、これまで自主規制というものもかなりあったと思います。しかし、変化が激しい時代、どんどん新しいビジネスモデルが出てくる、新しい企業が参入してくるという環境下では、横並びで自主規制をするのはそぐわないのではないかということで、法的な、又は外からのルールメイキング、規制が求められる時代になってきたのかなと思っています。ただ、初回にも申し上げたとおり、それが新しいビジネスが生み出すことを妨げるものになってしまっては困ります。この辺りもバランスが難しいと思いますが、今後の議論に期待して、参加していきたいと思います。
 
○鎌田座長 ありがとうございました。ほかにございませんか。
 
○大久保委員 1点目ですが、私なりの理解なのですが、「新形態」と言われている人材サービスが生まれてきたと。それについて、ヒアリングの冒頭で、ヒアリング対象としてA.からG.までという形で作っているのですが、実際には、これは外形的に考えたヒアリング対象像であって、実際にやっている会社が自分のことをスポットマッチングだと思っているか、アグリゲーターだと思っているかと言うと、またちょっと違うわけです。すんなりと形態分類できる形ではないものが、今、生まれてきているということなのだと思います。
ただ、実際にはかなりの勢いをもってシェアを取り始め、利用が広がってきているということだと思っています。どういう背景があるのかと言うと、もともと企業の求人活動というのは、ある程度企業の募集広報をして、それに応募したいと希望する人たちを一旦集めて母集団を形成して、そこから絞り込んでいくというやり方が、長年ずっと行われてきたわけです。それが、今度テクノロジー、ネットワークが発達したことによって、それだけではなくて別の方法として、企業側から攻めのアプローチ、自ら欲しいターゲット層で、必ずしも応募してくれる人たちではない人に積極的に企業側から働き掛けて、うちの会社を受けてみませんかというような働き掛けをすると。これはもう一つのダイレクトリクルーティングの方法として、データベースを持っている事業者が、そういうことをやることが定着してきています。企業の採用手法が、母集団形成型とダイレクトアプローチ型の2つに分かれてきたという大きな変化、その中で新形態と呼ばれているところが進化してきたという側面があると思うのです。
そのように出てきて、一定の役割を担ってきた会社、事業を雇用仲介事業という、職業安定法という法律の枠の中で、どのように見ていくのかというのが、今課題になっています。新形態で出てきているところが社会的に批判を受けたからとか、あるいは求職者からクレームを受けて、というのではなくて、どちらかと言うと一定の役割を果たしていたところを、どのように全体としてうまく把握するのかというのが、論点だろうなと思っています。これが1点目です。
2つ目は、情報の正確性です。どこの会社も基本的には苦情処理の体制というのは取っているわけです。これは前回の職業安定法の改正のときにも議論されたことなのですが、もともと求人の募集情報が正確なものであるかどうかというのは、一義的には求人企業が責任をもってやらなければいけない。その後の段階で、例えば最低賃金に違反しているものはどう取り扱うのかとか、いろいろとトラブルを起こしているような会社の求人をどう取り扱うのかということについて、仲介事業者はどういうスタンスを取るのかという話はありますが、あとは自分自身が改変しない限りはデータそのものの信憑性に対しての責任を取らせるというと本来の筋が違うので、求人者の責任と仲介業者の責任は分けて考えなければいけないのではないかと思います。改めて新形態の中にあるクローリング機能を使っている会社などは、既に公開されている求人票を引っ張ってきており、加工しているわけではありませんから、コンサルティングして求人を作るところからやっている事業者とは種類が違うということは、理解しておかなければいけないのではないかと思っています。これが2つ目です。
3つ目は管理方法です。例えばSNSなどが象徴的なのですが、もともとSNSとしての機能を持っている会社が、事業の1つとして雇用仲介に該当するような行為を行うと。これまでの法律の立て付けで言うと、基本的に人材サービスというのは、そのことを事業として本業としてやっている専業の会社を念頭に置いていたのですが、だんだんそうではなくなってきているということで、その法律の立て付けとともに、管理の在り方をどのようにやるかという技術的な側面が、1つ論点になるのかなと思います。
4つ目は把握方法です。そのために(2)2.に「事業概要等を報告する仕組みを導入したらどうか」と書いてあります。全体を把握するということはとても大事なことなのですが、一方で、インターネットなど新しいテクノロジーを使ってサービスをしている会社に、作業的に重い負荷をかけるのは、事業の進化を阻害してしまう。特に、新しいサービスは使い方によっては、すごく安い価格でも利用できる要素を持っているわけで、そういうものに固定費をどんどん積み上げていくようなことになってはいけないわけで、その辺りのバランスをしっかりと見る必要があるだろうなと思います。
5つ目は、技術の進化を見越すということです。テクノロジーの進化というのが1年ごとにすごく大きくて、長年こういう事業を見てきている私でも、1年、2年後にどういうサービスが出てくるのかは分からない。一生懸命、海外の動きなどを見ながら、なるべく新しい情報をキャッチしているのですが、それでも予想外のものがどんどん出てくるというのが、今の状況です。かなり先々のイノベーションを含んでルールを考えておかないと、本当にあっという間に現実と折り合わないものになってしまうと思っています。
その中で特に象徴的なものは、リコメンドかなと思っています。リコメンドを、ここは良くてこちらが悪いと区分けすることに、余り現実味を感じていなくて、あれはテクノロジーを使ってやるものである以上、そして、多くの求職者が求めている以上は、そっちが規制の対象ではなくて、むしろ、そこで取り扱われる個人情報とか、そういうものにしっかりとしたルールを作っていくことが現実的なのかなと思っていて、どこをグリップするのかというバランスが非常に重要ではないかと思っています。まだ雑感の段階なのですが以上です。
 
○鎌田座長 ありがとうございました。ほかにございますか。
 
○山川委員 総論的には特段異議はございません。視点としては、ハローワークと職業紹介事業者ないし人材サービス事業者が共同して発展していくことで、求職者にとって職業選択の自由、憲法上の職業選択の自由を実質化するという政策的な意味があるということ、単に規制するというだけではなくて、職業選択の自由がより発揮できるようになるという視点が有益ではないかと思います。
それから、情報の的確性のところでは、大久保委員がおっしゃったとおりで、求人企業の側の最初の求人条件のほうに問題がある場合と、提供された条件の情報の利用の仕方等に問題がある場合の2つが挙げられて、その辺りの性格の違いは意識しておく必要があるかなと思います。
法的な区分のところは難しく、お出しいただいている人材サービスの類型についてでもいろいろ検討すべきところが出てくるのですが、最初にある職業紹介の定義だけでも、検討すべきところが非常にたくさんあります。法律家的には分解していくのですが、まず求職とは何か、それから、求人とは何かということを考える必要があります。それから、申込みとは何かということを考える必要があります。この図では「情報登録」と書いてありますが、情報登録と申込みは、どう違うのか。恐らく、契約的に何かを依頼することが申込みになるのだろうと思いますが、逆に、登録したときに何を登録したかが分からないと、本人が思っていないのに申込みになってしまうという場合もあるので、この辺はサービスの利用のときの同意の問題にも関わるかと思います。 それから、雇用契約の成立とは何かということも考える必要がありますが、非雇用者の問題をどう考えるかということも出てくるかと思います。
それから、あっせんとは何かも考える必要があります。ここが一番大変でして、最高裁判例によれば、「雇用関係の成立を容易にする一切の行為を含む」という定義が刑事事件で示されていまして、昭和30年ぐらいの判例です。その後、募集情報等提供が法律で定められたことによって、それは雇用関係の成立を容易にするという効果があっても、あっせんには該当しないという解釈になると思うのですが、それでも、なおかつ非常に様々なものがある。情報提供だって、考えようによっては雇用関係の成立を容易にしている一切の行為に含まれるので、形式的に言えばそうなってしまうのですが、それでいいかという問題が法的にはあります。最高裁判例があったとしても、あくまで制定法の解釈として最高裁が言ったことですので、時代の変化に応じ、法律を修正するのは別に構わないわけです。つまり、プロセスごとの法的な意味、そもそも、どういうプロセスが取られているかの把握を前提にして、そのことの法的な解析が必要になるという、ややこしい話になりますけれども、今のところそういう印象を抱いています。
それから、事業者の把握のための何らかの報告というのは、それほどヒアリングをした事業者側でも抵抗感はなかったのではないかと思いますが、余り負担にならないようにすべきではないかと思います。
この点でも、法的には何らかの対応を求めるための事業者の要件をどうするかという、また新しい区分が必要になってくる可能性があると考えています。
それから、個人情報の保護についても、同意がどのように取られているかという問題と、目的外利用とは何かという、2つの側面があるような気がします。例えば求職者から言えば自分がどういう人物かというのをそもそもアピールするために情報提供をしています。普通の売買契約で買主の個人情報が開示されるのとは違って、ある程度、もともと求職者本人をアピールするためのものですから、目的外利用の限界がやや不明確になる、ということが本質的にある感じがします。しかし、何らかの形で、ここはより適正化を図る必要はあるかなと思います。そこは労働市場の特殊性をしっかり考えるべきで、一般の個人情報保護法とは違うこともあり得るのかなと思います。
あと、ヒアリングをしておりまして、ユーザー企業さんもかなりいろいろと気を使っていることが分かりました。不適切な業者かどうかをチェックしているということがありますので、そういう方向を促進することを考えていくべきです。今も、サービスを利用する企業も何らかの形で法的な責任を負うことがありえ、民法716条では、請負で注文者に過失があった場合には、注文者が損害賠償責任を負うことになっていますが、それに至らなくても、実際上はマスメディア等でユーザーが批判を受けるということもあり得ますので、そういうことのないような、ある種のデューデリジェンスと言いますか、そういうことを促進する。仲介ビジネスをしている事業者側の規律の問題ではないので、やり方はいろいろと難しいとは思いますけれども、何らかの形でユーザー側によるチェックを促進するということが必要かなと思います。
 
○鎌田座長 ありがとうございました。ほかにございますか。
 
○中田委員 いろいろなお話を委員の皆様からいただきましたが、おっしゃるようにこちらに分類されているところも、現在のスナップショットであって、1か月先にはまた違う形態も生まれているかもしれない。そういった中で全体を捕捉したり、業界団体に期待したりするのは、かなり難しいのではないかと思っています。その事業者自体、自分たちが人材サービスをやっているというようには認識されていないとか、本来のことがあって派生的にそういうサービスをしているというケースもあると思いますので、そこに全部網を完全に掛けていくというのは、なかなか難しいだろうという印象です。
一方でやらなくてはいけないのは求職者の保護、個人情報保護だと思いますので、そこを担保することが大事だと思います。しかし全体に網が掛けられないとなったときには、この人材サービス事業者は安心して使える事業者ということが求職者にも企業側にも分かるような認定制度のようなものがあれば、事業者もこちらのマークをもらっていると安心して使ってもらえるから登録しようといったインセンティブ的な形で使え、企業も自分でチェックをしなくてもこのお墨付きが付いた所であれば大丈夫だろうとなる、そういうものが必要ではないかと思います。
余り法律や規制で過度に縛るよりも、自由な競争の中で必要のないサービスは消えていくでしょうし、求職者保護にフォーカスをして、担保していくことが必要ではないか。苦情処理についても、民間団体と言うよりは、公の所で苦情処理の情報を集めて、苦情が多いようであれば注意喚起をし、事業者ごとに発表していくといったことでインセンティブと、公表されるというネガティブなサイドでうまく回っていくという形が望ましいのではないでしょうか。新しいサービスがどんどん出てくるというのは悪いことではないと思っていますので、競争力は削がず、イノベーションの促進をしながら、でも求職者は守るという形になっていくといいと思っております。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。他にございますか。
 
○武田委員 まずは取りまとめていただき、ありがとうございます。全体としては、この取りまとめに賛成の立場です。その上で2点申し上げます。まず前提としては、安藤先生も先ほどおっしゃったとおり、新しいビジネスサービスの拡大、あるいは新しいベンチャー企業の参入自体を、阻害してはならないと思います。これから社会構造や、新技術により産業構造が変わる中でマッチングがスムーズになっていくこと自体が、社会課題を解決していく1つの大きな要素になるのではないかと考えます。
2点目は、新しいビジネスが広がる中で一番大切なことは何かといえば、中田委員がおっしゃったように、私も求職者視点で、考え方を整理するのがよいのではないかと考えます。業者側、新しいビジネス側で整理しようとすると、ビジネスが我々の想像を超えて広がっていくことが想像される中で、それをアップデートしていくのは、なかなか難しいと思います。
一方で求職者を保護する観点、個人情報の保護や人権、あるいは目的外利用を勝手にしてはならない等の点で、ここだけはしっかり守りサービスを展開するといった基本原則的なものを整理し、その基本原則を守っている業者ということを示す、中田委員のお言葉を借りれば「認定」になりますが、「マーク」のようなものを与えることが、1つのやり方としてあるのではないかと思います。SNSなどの他の業界から雇用仲介業者に近いビジネスに参入する際にも、そうした基本的なルールについては守っていただけるように促していくことが、より大切ではないかと考えます。以上です。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。他にございますか。
○阿部委員 ここまでの議論の整理をしていただいて、基本的にはこの整理でいいのではないかと思っていますし、これを更に深めていければいいなというように思っています。その際、ここまでの議論で若干抜けているというか、そこまでやる必要があるかどうかは分からないのですけれども、労働市場全体でマッチングの効率性を高めていくためには、どのような市場構造を作っていけばいいかというのも、少し頭の片隅に置いて議論をしていくべきではないかと思っているところがあります。
今は「労働市場のマッチング」と言ったときに様々な関係者というか、仲介にせよ情報提供にせよ、様々な人たちが参入しています。そのときに求職者も求人企業もどのサービスを使えばいいのか、あるいはどの事業者を使えばいいのか、いろいろと考えてサービスを使っているかと思うのです。そのときに求職者でも求人企業でもいいのですが、どこに行けば自分に合う仕事があるのか、今度は仕事を探すのではなくて事業サービス、仲介サービス、情報提供サービスを探しに行くと思うのです。自分がほしいものが実はA社のサービスにあるけれども、実際にはそれが分からなかったのでB社のサービスを使ってしまい、自分に最適な仕事に出会えなかったということも、多分、現実問題としてあるだろうと思うのです。
今ここでは個別のサービスの議論をしておりますが、市場全体でどのような複層的なサービス構造になっているか、それをどのように整備していけばよりマッチング効率が高まっていくかということも、少し考えておく必要があるかと思います。ハローワークがうまくコーディネートするとか、マネージメントするということだけではないのではないかと思います。そういう意味で総論の労働市場の全体像を把握し、雇用対策を行っていくことが重要といったところを、深く考えてみたいと個人的には思いました。
労働市場全体の厚みをどれだけ持たせられるかというのが、効率性の上では大事だと言われていますので、市場の厚みというものをどうやって作り出し、それぞれのサービス事業者がサービスを提供していくかということを整理するというか、考えていく必要があるのではないかと思っています。以上です。
 
○鎌田座長 どうもありがとうございます。私も皆さんの意見を聞きながら触発されたところがあり、感想を述べたいと思っております。まず、これまでの議論の整理(案)で示された各論点については非常によくできているということで、私は今後議論をする上で、これを参考にしながら議論をしていくといいのではないかと思っております。その上で個々の論点と言うよりは、この問題に対する基本的な視点を少しお話したいと思います。
総論部分でこれから労働市場の問題を考える場合に、やはり求職者が安心して就職活動ができるためにはどうしたらいいかという、先ほど皆さんがおっしゃったいわゆる求職者目線というものが、非常に大切なことだろうと思います。ただ、今の法体系の中では求職者目線というのがそうなっていないところもあると思います。
職業安定法には皆さんも御存知のとおり、事業規制法という側面があるのです。要するに許可制というのがあるということで分かるとおり、民間の職業紹介事業を国が管理するという側面で、事業規制ができていたわけです。それは歴史的な経緯の中でそうなっていて、それ自体が今、問われているのだろうとは思いますが、この際、求職者が安心して就職活動ができるためには、どうしたらいいかということではないかと思うわけです。
事業規制というように考えた場合、幾つかの事業を挙げて「これは許可制を取りますよ。活動規制はこうですよ」と、割と整理ができたのですが、「求職者目線」と言うと、求職者がどのツールを使うかというのは、言ってみれば求職者の任意なわけですよね。そうしたときに、今、新たな様々なサービスがあって、求職者が何を利用するかというのは、もう私たちが制限をするということではなくて、正に求職者が最も自分に都合がいいものを、サービスを活用するということになるわけです。
しかし、その中で求職者のために、国なり私たち社会が考えなければいけないことは何かという視点が大切です。ここの整理(案)にあるように、まず情報の的確性が大切だろうと思います。先ほど大久保委員もおっしゃっていましたが、求人企業の出す情報の的確性と、それを受け取って更に仲介する仲介事業者の情報の的確性という問題があります。第一義的には、求人企業がその情報の責任を負うと言いながらも、このように非常に様々なサービスが拡大し、市場の中で有効な活動をしている以上は、仲介事業者もそういう情報の的確性を担保するような仕組みを、やはり考えておかなければいけないだろうと思うのです。どこまで信頼性や的確性を担保しなければいけないかというのは、今後の課題になろうかと考えています。
次に、一口に求職者と言っても、正にステップアップを目指すような方もいれば、日々アルバイトでテンポラリーに働いていて、生活のために様々なツールを使って就職をする人、更に言えば生活に困窮されている方が、どういうツールを使って就職するかというのは様々です。とりわけ私が大切だと思うのは、就職困難者あるいはテンポラリーに働く人たちに対する、ハローワークの役割です。失業給付とかいろいろなことをやっているけれども、やはり生活に直結するようなサービスを提供する機関であるわけです。今、コロナで非常に苦労をされている方々がいる中で、ステップアップを目指す人たちもさることながら、日々コロナの中で苦しんでいる人たちに対してどういうサービス、全体像としてそういう人たちに対する効率的なサービスを提供できるかというところを、少し考えなければいけないだろうと思っております。
それから、新しいサービスを完全に把握することは、これは皆さんもおっしゃっているように、なかなか難しいです。言ってみればイノベーションの中で様々なものがある。これも職業安定法の今までの捉え方ですけれども、先ほど言ったように事業規制、事業の活動規制なのです。ところが、例えばプラットフォームやSNSで使っている機能は必ずしも職業安定法にいう事業に当てはまるものではないと考えています。しかし一方で、いわゆる仲介サービス的なものが部分的に行われている。そうすると文字どおり主たるビジネスモデルではないけれども、この一部を捉えた場合に正に求人求職関連サービスというように捉えれば、その部分を私たちはどういうように把握し、先ほど言った求職者目線でどういった的確なルールを作っていくかということが、大切ではないかと思っています。
職業安定法も改めて見ると、事業規制がメインですけれども、差別禁止はサービス規制なのです。つまり性別や人種というものについては事業ではなく、サービスそのもので差別をしてはならないと書いてあります。そこはルールの性質によって、サービスの在り方が問われるものもあるのではないかと考えております。求職者の中には、非労働者と言われる人たちも含まれているので、そういう人たちについても目配りをしていったらいいのではないでしょうか。個人情報の保護については言うまでもなく、日本の労働市場を踏まえた対応が必要です。
それから、先ほども議論がありましたけれども、優良な企業に対するインセンティブと、もう一方で苦情などを含めて、やはり問題のある企業あるいは事業活動については、一定のネガティブ評価ということがどうしても必要になってきます。それをどういうように担保していくかということが大切ではないかと思っております。個別の法的な論点は、先ほど山川先生がおっしゃったように、それはこれから議論していくべき課題です。以上です。
 
○武田委員 座長におかれましては、うまく議論をまとめていただいて、ありがとうございます。求職者目線でみていくべきということに賛成です。これまでの経緯では事業者目線で整理をしてきており、法律もその立て付けになっているという現状があろうかと思います。一点、御意見等があれば伺いたいことは、これまで立て付けてきた事業規制を、今の新しいサービスが広がる中、あるいは今後の動きを見据える中で、時代に合わせてバージョンアップさせることを今回考える必要があるのかどうか。先生方からご意見を御教示いただければと思います。よろしくお願いします。
 
○山川委員 この研究会でどこまで実体的に議論できるかという点は別ですけれども、先ほどの座長のお話と、今の武田委員のお話をお聞きして、正に人材サービスに関する法的な規律の在り方を検討するのも、この検討会の1つの役割ではないかと感じております。座長のお話で非常に触発されたのが、確かに職業安定法は事業規制であり、事業規制とは言っても、基本的に許可制などで事業の実施規制になっているわけです。これをある意味、新しい状況の下でそれに何らかの新しい規律の仕方を加えることができるかどうかというのが、正に将来的な点も含めて検討課題になっているのではないかと思います。
おっしゃられたインセンティブの付与のようなな規律の仕方と、事業活動の規律の仕方があります。事業活動の規律は、更に許可制のような事業を実施できるかどうかという事業の実施規制と、個々の事業活動の規律に分かれるのではないかと思います。インセンティブの付与については、先ほど私はユーザー側のチェックを促進するということで申し上げましたけれども、例えば何らかのマークのようなもので選別をしやすくするというのは、ある意味、市場機能を使って市場で淘汰される企業と、淘汰されない企業を分けていくということです。女性活躍推進法については前にも言いましたけれども、最近の労働法はそのような機能をもつようになりつつありますので、それは一つあり得るのではないかと思っています。
ただ、その場合も何らかの定義、こういう活動をする場合には便益やインセンティブを付与しますという点で定義が必要ではないかと思います。仲介サービスをするときに一定の要件を満たせばこういうマークを与えますという場合に、どういう活動をすればという判断の枠が要るのではないか。要らないとすると、一体どういう基準でそのインセンティブを与えるかという問題が発生します。法律家からみると、どこかで区別をするという習性が身に付いているので、便益を与える場合もどういう場合に便益を与えるかということで、事業活動の内容が出てこざるを得ないのかなと思います。
それから、仮に事業の実施規制を外した行為規制の場合でも、事業活動規制で、個々の行為に着目することもあり得るという感じはするのです。その場合、どういう事業活動を規制の対象にするのかという点があります。もし事業活動の枠を外すとすると、個人情報保護法などで一般的な情報の取扱いに関する規制がなされていますから、それに加えて労働法制で何らかの規制をするとすると、そこはやはり何らかの形で、人材サービス業者全体という対象を広めに想定せざるを得ないわけで、それをどう定義するのかという問題が出てくるのではないかと思います。
したがって、事業実施そのものに着目した規制から、個々の活動に着目した規制、更にインセンティブの付与という利益を与えるような規律に分けた場合でも、程度の差はあれ、どこで区別をするかという問題は出てこざるを得ない。規制の程度によりますが、一定程度抽象的なものにしておいて、あとは時々刻々と変動する状況に合わせ、行政のほうで対応していくほうが現実的でないかということは、委員の皆様からもそういう御意見が出ていたと思います。そういう形もあり得るのではないかと思います。
 
○鎌田座長 山川委員に補足させていただきます。現にある事業規制の在り方を変える余地があるのかということでしたが、これについて私は、難しいと思います。なぜかというと、土俵を変えるという話になるからで、つまり、今の職業紹介事業も労働者派遣事業もそうですけれども、土俵をなくすということになれば、本当に一から考えなおすことになるのです。皆さんもよく御存知のように、例えば派遣と請負の区分というのは、今はもうギリギリでやっているわけですよね。そこをどう区分するかというのは、みんなそれぞれの事業者が必死になってギリギリの線を引く。そこを「なくします」と言った場合の影響は大きいと思います。
許可制は、言ってみれば参入規制ですからね。参入規制には悪い側面もあるし、確かに求職者目線だったらなくてもいいように見えるけれども、事業者の利益という点から考えると、参入規制というのは今までそれで活動してきた人たちにとっては、正にそこでビジネスを行っている土俵なのです。もちろん議論は十分できると思うし、議論をしてもいいとは思うのですけれども、個人的には、ここを変えるということになると、ビジネスをやっておられる方はやはり大変だとみんな思っている。今、職業事業でいろいろな方がいると思いますけれども、その土俵を変えるというのは、ものすごいストレスを感じる話だと思います。これは私の感想としてお聞きください。
 
○武田委員 御意見を伺えて幸いです。どうもありがとうございます。
 
○安藤委員 各委員のお話を聞いていて、幾つか感じたことがあるのでお話したいと思います。まず、新しいものがどんどん出てくるという話に関連して、A社のビジネスやA社のサービスが法律上どの形態に当たるのかという個別的な話をするより前に、基本的な考え方を整理しておかないと、モグラたたきのように、出てくるもの出てくるものを仕分けすることになります。ですから基本的な考え方の明確化というのが、まずは大事だと思っています。
必要がないサービスや労働者や求職者に支持されないサービスは淘汰されるというお話は、経済学者の視点からそういう発言はいろいろな場所でしているわけですが、問題として、淘汰されるまでのプロセスにおいて被害を被る人がいるわけです。このことは、よく経済学者が批判されるポイントなのです。
また、では本当に淘汰されるのかというところも大事です。教科書的な経済学では、情報が透明な世界だと、競争を通じて企業側の利潤が必要最低限の水準までいって、消費者側はお得になりますよということを説明するわけですが、大抵の市場はそうはならない。大体独占力を行使してみたり、いろいろ起こるわけです。そして雇用仲介のようなものは、「両面あるプラットフォーム市場」などという言い方をします。自分がプラットフォームで、求人側と求職者側の仲立ちをするビジネスというのは独占的な力を持ちやすいという点から、放っておけば理想的なところに収斂していくかというと、そうではない市場の特性があるので注意が必要だと思っています。
また、これまでの議論について少し申し上げておきたいこととして、個人情報というのは、どこまでが守る範囲であるかというところが気になっています。この中には研究者の先生が多いわけですが、研究者の先生のホームページに行ったら、何年にどこで生まれて、どの大学に行って、どのような論文を書いてというように、いろいろな過去のキャリアを全部Webに載せていますよね。そういうところで見られて困るものはないし、逆に何かトラブルがあったら、そのこと自体も評価の中に入ってくるので、個人情報保護法の上に更に労働法として個人を守る、求職者を守るといったときに、どのような内容についてどこまで守るかというのは、とても大事なポイントだと思っています。
例えば、私がインターネット上のサービスを使う場合にも納得ずくで、100%ではないのは分かった上でサービスを使うこともあります。それが後で利用者からのコメントを受けながら、改善・発展していくという点もあるわけです。
「個人情報は大事ですよ。これを第一に考えましょう」と言うことも大事と思っていますが、そもそも求職者というのは個人情報を第一に考えているのか。個人情報が守られるのだったら、次の就職先が見つかるのが10年後でも構わないということは考えていないわけです。少しのリスクがあっても早く、より楽でより稼ぎのいい仕事に就きたいと思っていると思うのです。そのためにどの程度の自由度があって、この線は譲ってはいけないというラインをどこに敷くのか、この辺りが肝心ではないかと思っています。
新しいサービスの把握等について、私が事業者だったら、ビジネスの根幹のところは見せたくない。例えば、求職者側でも求人側でもどちら側でもいいのですが、自社の顧客に何らかのリストを見せるときに、そのリストがどう形成されているかというところは、ビジネスの根幹に関わるわけですよね。ここを公開したいと思うのかというところには疑問があるので、行政には見えるけれども、同業他社には見えないとか、何らかの情報のコントロールが必要だと思っています。
最後に、人を動かすことについて本人が望んでいなくても、現時点では希望していなくても、より適在適所があるという話を先ほどした一方で、もう1つ経済学の視点から考えないといけないのは、個別の労使又は求職者と求人者の1対1の関係だけではなく、波及効果も全て考える必要があるということです。これを経済学の世界では、「一般均衡的な考え方」とよく言います。個別の市場だけではなく、そこでの取引がほかに派及していく全体の効果を見て、プラスマイナスを見ましょうということです。
例えば、AさんがX社からY社に動きました。これはX社よりY社に動いたほうが、AさんとY社の関係でより良いものが作り出されるとしたとしても、空いた席に今度はX社が新規に求人を出したり、ほかから引き抜いたりするわけです。そうすると、また他から引き抜かれ引き抜かれと玉突き、ドミノ倒しのようにいろいろな所で人が会社から会社に動いてコストが掛かります。新しい環境に慣れないといけないとか、採用自体にも手間隙が掛かるということで、1か所ではプラスがあったけれども、その後の玉突きの部分のマイナスを足していくと、動かさなかったほうがましだったということもあり得るわけです。
もちろん職業の選択は自由なので、自分が納得する仕事に移るのはいいのですが、それをどこまで政策的に支援するのかといったときに、トータルでマイナスが大きいと分かっている施策をやるかといったら、そこもまた難しいところなのです。ですから個別の事業についてどう考えるかだけでなく、社会全体にどういうインパクトがあるのかという視点から、仕組みを考えていく必要があると感じています。以上です。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。他の御意見はいかがでしょうか。
 
○山川委員 先ほどの把握の所で、ヒアリングした事業者サイドも異論がなかったのではないかと申しましたが、そこでもやはり企業の機微に触れるようなことは抵抗があると発言されていました。例えば建設業の許可の際も、自分の建設業にとってメリットになるようなこんな工法があるということまでは、許可の際に情報を要求していないと思いますので、そこは内容の問題になるかなと思います。
もう1つだけ、業界団体の役割について、新たなビジネスがどんどんできている中で、全面的に業界団体に全部やってもらおうというのは無理ですし、そもそもこの研究会の前提となる問題状況の把握からしてずれてくると思いますが、それでも現実にある業界団体の一定の役割というのは、やはり評価されるのではなかろうかと思うのです。特に、コンプライアンスの促進とかそういうことについては、この事業に限らず今の経営者団体、中小企業団体も含めて様々なコンプライアンス支援を行ったり、情報提供を行ったりしていますので、そういう役割は雇用仲介の分野もあるのではないかなと思っております。以上です。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。
 
○大久保委員 皆さんの中からも幾つか御発言が出ているのですが、求職者側の多様性というのもとても大事なところで、ここではよく潜在層という言い方をされています。実際には現在、転職の希望を持っていない人と持っている人とがいて、持っている人というのにも、実際にはいずれ転職する可能性があるので、何かいい情報があるのだったら欲しいなという形で登録をして、今すぐに転職しようと思っている人ではない人たちもいれば、実際に求職活動をして、具体的に応募書類を送ったりとか、そういうアクションを取っている人たちもいるわけです。潜在層だけでもいっぱいいる、更に言うと、非常に切迫して就職先を捜したいという強い意向を持っているのだけれども、活動していないという人もいっぱいいるのです。これは、私もパッシブな転職希望者という特性として申し上げたのですが、何か強い希望があれば行動を起こすのが合理的だろうと一般的に思うのですけれども、実態はそういうわけでもないのです。転職希望者のうち、転職の具体的なアクションを起こしている人というのは、全体の転職希望者の中のほんの一部しかいないということもあって、なかなか足が重くて前に行かない。どうやっていいか分からないとか、そういう人たちも多くいて、そこの受け身度合いとかパッシブ度合いが日本の転職市場の特徴でもあるというふうに、国際比較した中でも理解しているところがあります。
そういう人たちへのサービスがうまく受け入れられると、ヒットした商品になるということもあって、その辺り、転職者側もいろいろな多様性があるのだということは理解しておく必要がありますし、そもそも転職希望といっても、丸々就職でほかの会社に変わるだけではなくて、副業を捜している人たちもいっぱいいて、そういうものまで含めていくと結構な多様性があるのだということは、前提として置いておいたほうがいいのではないかなと感じています。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。大久保委員、受け身の姿勢ということは、以前ちょっとお聞きしたような気がするのですが、日本のいわゆる転職者の特性というような表現をされましたよね。受け身であるということをもう少し説明していただくと分かりやすいかなと思います。
 
○大久保委員 実際にパネル調査などでデータを見ると、転就職した人たちには1年前には転職希望を持っていなくて、かつ求職活動をした履歴がないという人たちが結構多いのです。どういうプロセスをたどって就職、転職したのかというと、誰かから声を掛けられたからというような理由で、自分から動いたというよりは、たまたま一緒にやらないかとか、うちに来てくれないかという声掛けがあって、その段階でアクションと転職希望が同時に発生するというような、そういう形態のプロセスをたどっているという人が結構多いということです。
もう1つは、10数か国との国際比較調査などをやってみると、日本とほかの国の2つに分かれるというぐらい日本は特徴的な傾向があります。ほかの国は、転職するときの一番の理由が全て自分の収入を上げることなのですが、日本の場合はそれが余りランキングの上のほうに来なくて、人間関係のトラブルとか、人間関係がいい所に行きたいというのが一番最初に来るという特徴があります。そもそも転職したことによって、収入が上がりにくい国ですし、転職したことによって昇進しにくくなる国という特徴も出てくるのです。もともと転職に求めるものの違いもあるかもしれませんが、転職によってどちらかというと損をするという前提が存在している国でもあって、産業構造の変化で適材適所といったときにも、結構そこが足枷になったりすることがあるというところは、大きな特徴かなと思います。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。今お話を聞いていて、実は賃金とかに目が行くよりは、社風とか自分が働いてみたときに、その会社がどういう雰囲気なのかということが結構気になるということですね。でも、そういうのは恐らく余り労働条件の明示の中に入ってこないから、多分、仲介事業、特に紹介事業は伝えていると思うのだけれども、こういったことは、効率的なマッチングという観点から言うと、うまく伝わるといいのかなと思います。私などは、企業が求める人物像のようなものを的確に伝えるということが大切なのかなと思っているのですが、それにとどまらず、もっと社風というか、そういったことまで伝えられると良いと思っていますが求めすぎなのかなという気もいたします。どうもありがとうございました。
 
○安藤委員 今、大久保委員からあったお話は、やはり日本と諸外国の労働市場の違いに起因しているのではないかと感じています。中小企業に入ってから実績を出してステップアップしていく、そういう形で結果を出した人間が履歴書と職務経歴書のようなものを充実させていって、よりいい仕事をゲットしていくという世界と、今私は大学で働いておりますが、大抵の人は、特に大卒の場合は新卒で就職した最初の会社というのが大企業になり、基本的に新卒の段階で入れなかった人が大企業に入るのは難しかった、このような時代が長く続いたわけです。私が全国求人情報協会さんの研究会に参加して調査したところでも、最初に入った会社から転職するという場合、かなりの割合がより小さい会社に行き、より給料が安い仕事に移っています。
しかし、転職の満足度は非常に高いのです。これは何を意味しているのかというと、やはり大学生のときとかには、自分はいろいろできるはずだと思って、大手企業に入って活躍したいと願っている。しかし、働き出してみたら、例えば自分はそこでは仕事の強度には付いていけないとか、もう少し転勤がないようなマイルドな仕事に移りたいなど、そういうワーク・ライフ・バランス等を重視して移っていくということです。企業規模が小さくなり、年収が下がったことをもって満足度が下がったとも言い切れないわけです。働くというのは賃金だけでなく、全ての労働条件をパッケージとして、どのぐらい魅力的と感じているのかというのが重要だと思いますので、この辺り、どういう形で人が移っていくのかを外から見たときに、これが幸せな転職なのか、それとも不本意なものなのかというのがなかなか見分けづらいというのも難しいところかなと感じています。以上です。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。若者雇用促進法などでは、雇用関連情報ということで、例えばその企業で新人に向けて研修制度があるかとか、残業の比率とか、そういった労働条件そのままずばりではなくて、いろいろな雇用関連情報の提供というのがあるのです。一般の人に対してはそういうものはないのですが、自分が入ったときに一体どう育ててくれるのかというのは、多分気になりますよね。そういったことも何か、法的に義務付けるというのはなかなか難しいと思うのですが、何かそういったことを考慮したような仲介とか、情報提供というのもあるといいのかなと思います。どうもありがとうございます。
 
○阿部委員 今までいろいろとお話があって、私からも少し情報提供しようかなと思ったのですが、今お話に出てきた職場情報の提供等は、求人情報の情報提供事業者等の実際の求人広告を見ていますと、職場情報の提供というのはかなりされているのではないかなと思います。特に、今はWebで求人広告などを出しているわけですので、従来のように紙で出している場合よりも情報の量と質が格段に上がっていますので、職場情報等もかなり提供されているのではないかなと思います。また、職業紹介などでは、当然ながら更にそういった情報の提供がされているように思います。問題は、その職場情報が的確なのかとか、適正なものなのかといったところがちょっと見えないところも実際はあるかなと思います。その辺りはどうなるのかということが議論としては大事かなと思います。
職場情報の提供を、なぜそのように真剣に仲介業者が行っているかというと、やはり質の高いマッチングをそれによって実現できれば次の求人の仕事がもらえるということで、かなり熱心にサービス提供者は努力しているのではないかと思います。そういう意味では、先ほど委員の皆さんが議論していたように、競争環境を整えることで自然淘汰されていって、優良なサービスだけが残っていくというのは、ある程度既に実施されているのではないかなとも思います。
もう1つは、そうした優良サービスを提供するインセンティブを与えたらどうかといった議論もあったかと思いますが、これは既に業界団体で行われていると思います。厚生労働省の委託事業だと思いますが、求人情報の適正化事業というのをやっていて、協議会を立ち上げています。その中で、サービス提供者が適切に情報提供を行っているというのを各自で宣言して、媒体にも適正化宣言ということで掲載して、自分たちが出している情報には的確性があることを保証しているというようなこともやっています。ある程度これまでもそういった試みというのはされていますので、その辺りとそういった新しい優良マークのようなものがこれから必要なのかというのも、併せて検討する必要があるのではないかと思います。以上です。
 
○鎌田座長 どうもありがとうございました。適正化宣言について事務局からありますか。
 
○事務局 厚生労働省の委託事業として、全国求人情報協会に委託して、適合メディア宣言というのを行っております。これは認定事業ということではなくて、手挙げ方式という形で全国求人情報協会と厚生労働省が一緒に作った求人情報提供ガイドラインというものに基づいて、それを守りますという形で宣言いただくというものです。職業紹介事業と労働者派遣事業については、認定事業という形で行っております。
先ほど鎌田先生、山川先生からお話がありましたように、労働者派遣事業と職業紹介事業は、許可制を採っております。先ほど事業規制の話がありましたので補足的に申し上げると、許可制を採った上で、更に優良なところ、という形の認定制度になっており、事業としてある程度枠を固めた上で上乗せをして、どういう優良な事業をやっていただくかという観点で認定をしているということです。
 
○鎌田座長 今、阿部委員が言ってくださったのは、求人メディアの自主規制というか、適合宣言なのですね。だから、別に求人メディアは許可制ではないですから、そういう中でのお話ということです。そのほか、いかがでしょうか。
 
○山川委員 先ほど来の話で、求職者が本当に重視している情報というのは、労働条件以外のことも多いのかなという感じがいたします。私は法科大学院で教えていますが、学生は、弁護士になりたいということで、事務所を選ぶときにも大きいとか収入とかというよりは、自分が弁護士としていかに専門能力を付けられるかという観点から、例えば小さい事務所でも専門の所を選ぶなどという傾向も割と出てきております。あとは、企業でしたらキャリアパスとしてどういうものが開けてくるのかということも、労働条件という概念にのってこないものです。そういったものを法律で規定するというのは難しいにしても、座長のおっしゃられた若者雇用促進法とか、先ほどの女性活躍推進法など一定の情報をより開示する、情報公開によって情報提供を促進していくということは、政府の役割としてはあり得るのかなと思います。それにより、労働市場における選択肢が豊富になっていくと思います。
大久保委員のおっしゃられたことも非常に面白いと感じております。日本の労働市場は、やはり従来の雇用システムの影響を受けており、転職は消極的な選択になることが多いのかなとも思います。不満があったときに、声を上げない代わりに辞めるということがありますが、日本はなかなかそれもできなくて切羽詰まって辞めていくのではないかと感じています。実は、過労死問題等についてアメリカでインタビューをすると、なぜそんな企業にいつまでもいるのだという反応で、使用者側も労働者側もそう言うのです。それは、やはり選択の余地が実際上、少なくなっているからで、選択ができるようになるとエグジットによる交渉力強化ということもあるのかなと思います。もちろん、よりハッピーな転職を促進することのほうが本来的なことだと思いますが。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。ほかにございますか。
 
○中田委員 職場の情報とか風土というような話もありましたが、職場風土や仕事をどの程度任されるのかといったことはなかなか情報としては提供が難しく、入ってみなくてはわからないところがあると思います。その情報提供の役割を果たしているのが現職者が投稿している口コミサイトなのだろうと思います一番情報も新しく、職業を選ぶときにもかなり参考にされているのではないかなというのを感じます。以上です。
 
○鎌田座長 ありがとうございます。私も見たことがありますが、なかなか率直な意見が多いですね。ほかにございますか。よろしいですか。非常に活発な御議論を頂き、ありがとうございます。それでは、本日はこの辺りで議論を終了したいと思います。たくさん御意見をおっしゃっていただいて、参考になったなと思っております。まずはお礼申し上げたいと思います。
まず、労働市場の全体像に関して施策を行っていくということで、当事者、求職者の目線ということが1つ大切なのではないかという御指摘があったと思います。
それから、新たなサービスが出てきておりますが、これについてはどのように位置付けていくのか。必要な新たなサービスというのがそれなりに市場の中で有意義な役割を果たしているということを評価しながら、一方で求職者の保護というか、求職者目線に立ってどのような視点からこういうサービスを捉えていけばいいのかが、一つ、検討課題だろうと思います。その上で、求職者の立場から言うと、個々の事業もさることながら、全体として新たなサービスを含めて把握していくということが大切だろうと、こういうようなことでした。
このほか、求職者保護の観点から、求人情報の的確性、苦情処理体制の整備等も議論があり、私たちがあればいいなと思う求人情報というのは、一体どの範囲のものを指すのかというのは、結構皆さんいろいろな議論があって、日本の労働市場の特殊性ということも含めて、どういった情報が必要なのか、これは今後の検討課題かなと思っております。
それから、個人情報の保護についても、個人情報の保護と言うけれども、どこまで個人情報というように保護するべきものなのかという非常に目から鱗の落ちるような問題提起をしていただいて、今後、議論していきたいなと思っております。
今後の議論ですが、作っていただいた論点整理メモに従って今後も議論を進めていくということについては、おおむね皆さん合意していただいたのかなと思っております。ただ、これをどう掘り下げていくのかというのは、法律論まで含めると、かなり技術的なことも含めて議論せざるを得ないということになろうかと思っておりますので、また改めて事務局に必要なデータ、あるいは論点整理をお願いしたいと思います。
次回以降は、もう一方のユーザーである求職者の声を聞いた上で、それぞれの論点について更に皆様と知見を共有し、議論を深めていきたいと考えております。事務局から何かありますか。
 
○事務局 今後の進め方ですが、資料3を御覧ください。御覧いただいているようなスケジュールで5月以降も議論を進めていきたいと考えております。次回は、今、座長からお話がありましたが、求職者の方からのヒアリングということでお願いしたいと考えております。日時等については、別途事務局から皆様に御連絡させていただきたいと思います。以上です。
 
○鎌田座長 本日はありがとうございました。

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