(令和3年8月19日(木曜日)17時05分 於:ヨルダン)

【冒頭発言】

【茂木外務大臣】今回の中東訪問では、エジプト、パレスチナ、イスラエル、そしてここヨルダンを訪問し、これからトルコ、イラン、カタールを訪問する予定であります。
 中東訪問の話の前にですね、先ほどこちらの時間で15時半から1時間半、オンライン形式で行われましたアフガニスタン情勢に関するG7外相会合に出席しましたので、その件からお話をしたいと思います。
 アフガニスタン情勢が極めて重要な局面にある中、急遽設定された外相会合でありましたが、G7の外相間で率直な意見交換を行うことが出来、今後の対応を検討していく上で、非常に有意義であったと、そのように今考えております。私からはアフガニスタンからの出国を希望するすべての人々の安全な待避が最も喫緊の課題であること、そして人道危機の回避に手を尽くすべきであり、アフガニスタン国内における人道支援機関のアクセスと活動の自由の確保が重要であること、更に地域の安定やテロ対策の観点からも近隣諸国を含む幅広い国々と連携していくことが重要であることなどを指摘しました。その上でG7として引き続き緊密に連携していくことを確認したところであります。今会議が終わったところです。
 中東訪問についてお話します。
 今回の歴訪では、長年にわたり中東地域の平和と繁栄に貢献し、強固な関係を築いてきた日本の中東地域へのコミットメントを改めて強調しています。中東情勢は大きな動きを見せていますが、それぞれの訪問地において、地域の諸課題への緊密な連携を確認するとともに、中東和平を含め、中東地域の安定化に向けたこれまでの日本の取組に対する高い評価、そして今後の取組への期待感を、各国からいただいたところであります。アフガニスタン情勢についても、イスラム世界に影響力のありますエジプトや地域の安定の要であるここヨルダンとの間で、更なる不安定要因とならないように連携していくことで一致をいたしました。この問題についてはこの後トルコ、イランでも議論したい、そんなふうに思っております。
 中東地域は、日本の主要なエネルギー供給源であるとともに、海洋通商路の要衝に位置をし、日本を含む国際社会にとって、地域の平和と安定は極めて重要であります。
 私から、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた日本の考え方、取組を説明し、理解を得たところであります。これから訪問しますトルコ、さらにイラン、カタールにおいても、引き続き各国との連携を確認し、「包容力と力強さを兼ね備えた外交」を強力に推進していきたいと思います。

【質疑応答】

【記者】アフガニスタンのG7の外相会合について伺います。タリバーンによる政権をですね、今後正式な政権として承認するのかどうか、この点に関しての議論については会合ではあったのかというのと、日本として今後検討される上でどのようなことを重視していくお考えでしょうか。

【茂木外務大臣】今日のG7の会合ではですね、まず、アフガニスタン国内に残っている外国人、そして出国を希望する方々の退避、これを安全かつ早急に行う、これが一番喫緊の課題であること、これを確認したところであります。同時に人道支援の問題であったり、さらには地域の安定、そしてテロ対策等々について議論し、意見の一致を見たところであります。もちろんこれからですね、タリバーン側にも様々な、治安の維持であったりとかですね、人命の問題、そして退避に当たっての速やかな協力等々を働きかけていく、こういう必要があると思っていますが、タリバーンとどう向き合っていくか。15日に起こって、今日という状況であって、まずは情勢を注視する、そして言葉だけではなくて、実際の行動を見ていく、たとえば、タリバーンがかつての苛烈なイスラム統治に戻る、こういったことは我々も望んでいない訳でありまして、女性の権限の尊重であったり、様々な形で新しい方向に動き出していくのかどうか、こういったことをしっかりと見極めていきたいと思っています。