令和3年8月3日

 8月3日、日本政府は、新型コロナウイルス感染症の急拡大を受けて、国連プロジェクトサービス機関(UNOPS)を通じて、タイに酸素濃縮器775台、ラオスに酸素濃縮器100台、吸引器100台及び患者用モニター100台(総額約252万ドル(約2.72億円))を供与することを決定しました。

 タイにおいては、バンコク首都圏を中心に医療の逼迫が起きています。特に、バンコクの主要病院のコロナ病棟の病床は危険なレベルまで逼迫しており、仮設病院の設置が急ぎ進められています。また、ラオスはASEAN諸国で最も脆弱と言われる医療体制の下で、今日に至るまで強力なロックダウンを実施し、感染拡大を抑えようとしています。しかし、特に、タイと国境を接する地方の状況が深刻であり、既存の病院では新規の患者の受け入れができない状況が起きています。ラオスでは、酸素濃縮器は必要数の30%程度しか確保できないといわれています。

 こうした厳しい状況を受け、日本政府は伝統的な友好関係を結ぶタイ・ラオス両国に対して、感染拡大の緩和・収束に向けた支援として今回の供与を決定しました。我が国は7月にタイに対して約100万回分のワクチンを供与しており、COVAXファシリティを通じたラオスへの約60万回分のワクチン供与については、本日ラオス向けに発送する予定です。今後も、タイ及びラオスの新型コロナウイルスの感染状況の緩和・収束に向けた努力を力強く後押ししていきます。

 8月2日(現地時間)現在、タイにおけるにおける新型コロナウイルス感染状況は、累計感染者数61万5,314人、累計死亡者数4,990人に上る。
 7月29日(現地時間)現在、ラオスにおける新型コロナウイルス感染状況は、累計感染者数6,765人、累計死亡者数7人に上る。7月の1か月間で、帰国労働者により感染者数が約25倍増加し、タイと国境を接する地方の2県(サワンナケート県及びチャンパサック県)での医療体制が特に逼迫しているため、同2県を対象に支援するもの。