(令和3年7月30日(金)10:59~11:13 於)復興庁621会議室)

 

1.発言要旨

 お疲れさまでございます。私のほうから冒頭申し上げます。

 まず1点目ですけれども、本日、令和2年度東日本大震災復興関連予算の執行状況について、公表させていただきます。お手元に資料を配付させていただいております。令和2年度復興予算の執行状況について、支出済総歳出額は1.9兆円となっております。これに繰越額を含めた執行見込額は2.3兆円となり、歳出予算現額2.5兆円に対する割合は91.4%になっております。なお、予備費を使用しなかったことなどによりまして、0.2兆円程度の不用が生じております。今後とも、復興予算の適切な計上および効率的かつ適正な執行に努め、引き続き被災者の皆さまに寄り添い、被災地の復興に全力で取り組んでいきたいと思います。細かい点は事務方にお聞きいただければと思います。

 それから2点目ですけれども、昨日東京大会期間中における復興の情報発信拠点施設であるメインプレスセンターと東北ハウスの2か所を視察させていただきました。メインプレスセンターの復興ブースでは、復興支援への感謝、被災地の姿・魅力、風評払拭を内容とする写真・動画、こういったものが多数展示されておりまして、特に海外メディアの皆さんに、是非復興ブースをご覧いただき、海外に向けて発信していただければと思っております。

 28日に私は福島での野球、宮城でのサッカーの視察を行って、皆さん方の、福島では侍ジャパンの活躍に感動したところでございますけれども、昨日のメインプレスセンターにおいて、被災地で競技が行われたソフトボール、野球、男女サッカーの日本代表監督に対しまして、お祝いのメッセージを投函させていただいたところでございます。それぞれ金メダル獲得のメッセージ、それから開幕戦勝利、予選リーグ突破のお祝いのメッセージを投函させていただいたところでございます。

 また、先日、ソフトボールの試合後の記者会見で、アメリカとオーストラリアの代表監督が「福島の桃はおいしい」、「福島は安全で美しいまち」といったうれしい言葉をお話しいただいたところでございますので、そうしたことに対する感謝のメッセージを、メインプレスセンター内にある特設郵便局に投函させていただいたところでございます。

 東北ハウスにつきましては、復興庁が実施した「感謝のパネル」をはじめとして、復興支援への感謝や被災地の姿・魅力を内容とするコンテンツが揃っているわけでございます。8月24日からは、イベントの模様やコンテンツをウェブ上でも見ることができることとなっておりまして、メディアの方々におかれましても、是非発信していただき、多くの方にご覧いただければと思っております。

 冒頭、私からは以上でございます。

 

2.質疑応答

(問)おはようございます。よろしくお願いいたします。

 令和2年度東日本大震災復興関連予算の執行状況についてお尋ねしますが、今回いわゆる不用率が8.6%ということで、過去の水準に比べると大分低下しました。実質その予備費を除けば、不用額というのが非常に圧縮されている状況だとありますが、10年の節目がありまして、ある程度インフラ整備などの復興関連事業が進んだという背景はあると思いますけれども、今回の予算の執行状況が円滑に進んだことについての大臣の所見をお伺いできればと思います。

(答)復興関係予算は、被災地の一日も早い復旧復興に向けて、被災自治体が予算面の不安がなく事業が執行できるよう、十二分に予算を確保した上で執行にあたっているわけでございます。そういった中で、執行見込み率9割でございまして、しっかりと復興事業は執行されているという認識をしております。

 予算現額に対して約1割の不用が生じたわけでございますけれども、これらの金額は特別会計の剰余金として、次年度の歳入に計上されるため、被災地のために活用されることになるわけでございます。

 今お話がありましたように、非常に数字が低くなってきておりますけれども、もともとこれが高いのは、やっぱり予算の性質上、例えば住民の皆さんが戻ることを前提にして組んでいた予算を、例えば住民の皆さんが戻られなかった場合には使わなかったとか、そういったことがどうしても出てきますので、そういった性質がありますけれども、いずれにしましても、予算がこういった形で、不用額はできるだけ少なくしていくのは当然でございまして、これからもしっかりそういったことに努めていきたいということで考えております。

(問)よろしくお願いします。

 昨日のメインプレスセンターの視察ですとか、あと実際に福島、宮城の試合を現地で見られた目で、今回のオリンピックで復興五輪の理念は、どの程度体現されているかということを感じたか、その辺の所感をお願いします。

(答)復興五輪の理念でスタートしたオリンピックですけれども、コロナの問題もありまして、その理念が必ずしも見出しにくいという声も聞くわけでございますけれども、復興五輪という理念に関しては、いささかも揺るぎはないわけでございます。

 福島県でソフトボールがスタートしたわけですけれども、これが福島県で行われた、それからサッカーが宮城県で行われたというのは、これはもう復興五輪ということがあって、そういう形で行われたわけでございまして。その結果として、福島県に私も行きまして、観客が福島の場合はゼロということは、本当に仕方がないこととはいえ残念だったですけども、宮城の場合は一部入っておられましたけれども、その入っている、入っていないにかかわらず、試合もそうですが、会場の空気も非常に盛り上がっていまして。ですから、私はもちろん会場には入れなくても、福島県民の皆さん、それから宮城県民の皆さん方も、大変に盛り上がったことは間違いないわけでございまして、そして大きな勇気と感動を頂いたわけでございまして。いろいろありますけれども、復興五輪の理念は、少しでもそういった形でオリンピックが行われるように、私たちは引き続きしっかり努めていかなければいけないなと思います。

 プレスセンターのほうも、こういった復興のブースというのがありまして、そこは場所がマスコミのプレスの方々の大きな部屋のすぐ入り口といいますか、出口といいますか、そこのところにありまして、ロケーションも極めていい場所に復興ブースが置かれていまして。聞きましたら、大体一日20社から40社の世界のマスコミの方が来られて写真を撮ったり、いろいろ話を聞いたりしていっているというから、おそらくその復興のブースでいろいろ取材されたことを、世界のいろんなところでニュースとして流してくださっているものと思います。したがって、そこは大変によかったんではないかなと思います。

 それから、復興ブースでも、そこにあるベンチみたいなのは、全部福島の森林の木材が使われているというようなことで、福島の林業のいわば発展にも大きく貢献できたんじゃないかなと思います。

 いずれにしましても、いろんなところに見える形、見えない形で、被災地の復興の理念がいろいろと取り入れられていますので、そういったことが皆さん方に、おいでくださった方々に、それをしっかりと体で感じてお帰りいただかなければならないので、そのためには、まだやることがあるんじゃないかなと。そこはしっかり取り組んでいきたいと思います。今検討をしているところでございます。

(問)先週提出された与党からの第10次提言、復興加速化の第10次提言ですけれども、特に帰還困難区域の復興拠点外の除染や避難指示の解除について、政府としての決定をどのようなスケジュールで今後進めていくのかということについて教えてください。

(答)与党の提言では、地方自治体の一日も早い復興を実現するため、国は拠点区域外の方針を早急に具体化していかなければならないということで書かれているわけでございます。いずれにしましても、具体的な時期は未定ですけれども、そこが一番の大きなポイントというか、もう最大の皆さん方のご関心事でもあります。私たちも最重要なポイントであるということで認識しておりますので、ここはしっかりとした回答をしたいと。それについては、時期はまだあれですけれども、今検討を急いでいるところでございます。

(問)大臣としては、拠点外の帰還困難区域の除染の考え方として、例えばどういうふうなエリア、範囲で除染すべきとか、住民の意向を聞いてということですけれども、その辺の姿勢についてはどういうふうに思っていらっしゃいますか。

(答)それを今検討しているところですけれども、基本的な考え方としては、それは時間がかかるかもしれませんけれども、いずれにしましても、時間はかかるかどうかはともかくとして、要するにもう一切、帰還困難区域といいますか、いわばそういった立ち入りができないというようなところが残ることはあってはならない、これはもう全部私たちは、そこはしっかり取り組んでいかなければいけないと思っております。

 ですから、返事はもうちょっと時間はかかりますけれども。いずれにしましても、目指しているのは、菅総理が言われている、いずれは皆さんがどこにでも立ち入りできるようにしていくということについて、その帰還困難区域については、帰還意向確認や除染についての方針、こういったものについて、しっかり検討をこれからも進めていきたいということでございます。

 

   (以  上)

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