令和3年7月28日

 7月28日(現地時間同日)、トンガ王国の首都ヌクアロファにおいて、我が方、宗永健作駐トンガ王国日本国特命全権大使と先方ポヒヴァ・トゥイオネトア首相(Hon. Rev. Dr. Pōhiva Tu’i’onetoa, Prime Minister of the Kingdom of Tonga)との間で、供与額2億円の防災・減災関連機材供与のための無償資金協力「経済社会開発計画」に関する書簡の交換が行われました。

  1. トンガは南北620km、大小176余りの島が4つの諸島を構成した人口約10万人の島国です。地震の巣と呼ばれるトンガプレートが東沿岸部近郊に位置するなど、地震が恒常的に発生している上に、地理的環境から、毎年のようにサイクロンの脅威にさらされているなど、災害の多い国です。離島では近年、特に港湾インフラがサイクロンの被害を受け、緊急支援物資の輸送や緊急救助隊の支援が円滑にできない状況です。
  2. トンガ政府は、各離島に緊急救助に必要な機材や防護具等を配備し、本島からの支援がなくとも各村長を中心に離島住民が独自に活動できるよう訓練等を通じて防災体制を構築する方針を立てています。本件は、こうした状況を受けて、同国からの支援要請に応えたものです。
  3. この協力では、トンガ政府に対し、防災・減災関連機材(ホイールローダー、防災ラジオ等)を供与することにより、同国の自然災害に対する強靱性の強化を図り、もって社会の安定化を通じた同国の経済社会開発に寄与することが期待されます。
  4. 我が国は、本年7月2日に開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「気候変動・防災」を支援の柱の一つとして表明しており、この協力は同表明を具現化するものです。

[参考1]トンガ王国基礎データ
 トンガ王国は、面積720平方キロメートル、人口約10.4万人(2019年、世界銀行)、1人当たりの国民総所得(GNI)は5,000米ドル(2019年、世界銀行)。

[参考2]第9回太平洋・島サミット
 7月2日、テレビ会議方式により、菅総理とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting: PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。トンガからはポヒヴァ・トゥイオネトア首相が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。