令和3年7月26日

 7月24日(現地時間7月23日)、ニューヨークにおいて、我が方、大菅岳史国際連合日本政府代表部特命全権大使兼臨時代理常駐代表と先方オマール・アブディUNICEF本部事務局次長(Mr.Omar Abdi,UNICEF Deputy Executive Director, Programmes)との間で、供与額22.53億円の無償資金協力に関する署名・書簡の交換が行われました。

  1. 太平洋島嶼国は厳格な国境管理措置などによって、新型コロナウイルス感染症の感染者を最小限に抑えようとしているものの、保健・医療体制が十分ではなく、また国境封鎖により経済的に大きな影響を受けています。今後、社会生活を平常に戻し国境を安全に開放していくためには、離島に在住する国民を含めて、ワクチンの接種を安全で効率的に進めることが重要であり、コールド・チェーンの整備、ワクチン接種を行う医療従事者の確保、新型コロナウイルス感染拡大防止のための衛生環境の確保、ワクチン接種状況の情報管理体制の構築が急務となっています。
  2. この計画は、太平洋島嶼国14か国(キリバス共和国、クック諸島、サモア独立国、ソロモン諸島、ツバル、トンガ王国、ナウル共和国、ニウエ、バヌアツ共和国、パプアニューギニア独立国、パラオ共和国、フィジー共和国、マーシャル諸島共和国及びミクロネシア連邦)に対し、ワクチン接種体制強化に向け、コールド・チェーンの更なる整備や医療廃棄物処理施設の整備、ワクチン接種を行う医療従事者の確保、ワクチン接種状況の情報管理体制構築等により、新型コロナウイルス感染症危機に対する保健医療体制の強化を支援するものです。この協力により、安全で効率的なワクチン接種体制の構築を図ることで新型コロナウイルス感染症の影響を早期に収束させ、もって太平洋島嶼国の持続可能な経済・社会発展に寄与することが期待されます。
  3. 我が国は、本年7月2日にテレビ会議方式により開催した第9回太平洋・島サミットにおいて、「新型コロナウイルスへの対応と回復」を重点協力分野の柱の一つとして表明しており、上記の協力は同表明を具現化するものです。

[参考]第9回太平洋・島サミット
 7月2日、テレビ会議方式により、菅総理とナタノ・ツバル首相の共同議長の下、第9回太平洋・島サミット(The Ninth Pacific Islands Leaders Meeting: PALM9)が開催され、日本、島嶼14か国(ツバル、クック諸島、フィジー、キリバス、マーシャル、ミクロネシア、ナウル、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、バヌアツ)、豪州、ニュージーランドに加え、ニューカレドニア及び仏領ポリネシアの2地域を含む19か国・地域の首脳等が参加した。
 我が国は、PALM9において、「太平洋のキズナ政策」の下、(1)新型コロナへの対応と回復、(2)法の支配に基づく持続可能な海洋、(3)気候変動・防災、(4)持続可能で強靱な経済発展の基盤強化、(5)人的交流・人材育成の5つを重点分野とし、今後3年間に、しっかりとした開発協力の継続と5,500人以上の人材交流・人材育成を実施することを表明した。