厚労省・新着情報

日時

令和3年5月26日(水) 18:00~20:00

場所

WEB会議(厚生労働省 共用第9会議室(17階))

議事

○事務局 定刻になりましたので、ただいまより第60回厚生科学審議会予防接種ワクチン分科会副反応検討部会及び令和3年度第8回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、お忙しい中御出席いただきましてありがとうございます。
まず、ウェブ会議を開催するに当たり、既にお送りさせていただいておりますが、会議の進め方について御連絡させていただきます。
御発言される場合は、まずお名前をおっしゃっていただき、座長から御指名されてから御発言をお願いいたします。なお、ウェブ会議ですのでタイムラグが生じますが御了承願います。
会議の途中で長時間音声が聞こえない等のトラブルが生じた場合は、インスタントメッセージ、またはあらかじめお知らせしている番号までお電話をお願いいたします。
続きまして、本日の委員の出欠状況について御報告します。現在、副反応検討部会委員9名のうち7名、安全対策調査会委員6名のうち6名の委員に御出席をいただいておりますので、厚生科学審議会及び薬事・食品衛生審議会の規定により、本日の会議は成立したことを御報告します。
なお全ての委員において、関係企業の役員、職員等でない旨を申告いただいております。なお、宮川委員と永井委員より、会議の途中から出席する旨の連絡を、また、柿崎委員より、会議の途中で退席する旨の御連絡をそれぞれいただいております。
また、健康局長の正林がほかの公務のために欠席、医薬局長の鎌田がほかの公務のため途中から出席となります。
申し訳ございませんが、冒頭のカメラ撮りにつきましては、ここまでとさせていただきますので、御協力をお願いいたします。
(カメラ退室)
○事務局 本日の審議の前に傍聴に関しまして留意事項を申し上げます。開催案内の傍聴への留意事項を必ず守っていただきますようお願いいたします。留意事項に違反した場合は退場していただきます。
また、今回、座長及び事務局職員の指示に従わなかった方や会議中に退場となった方については、次回以降の当会議の傍聴は認められませんので御留意願います。
本日の座長につきましては、岡安全対策調査会長にお願いしたいと思います。
それでは、ここからの進行をよろしくお願いいたします。
○岡座長 それでは、事務局から審議参加に関する遵守事項について、御報告をお願いします。
○事務局 審議参加について御報告いたします。本日御出席をされた委員、参考人の方々の過去3年度における関連企業からの寄附金・契約金などの受取状況について、これまでと同様に申告いただきました。
本日の議題において審議される品目は新型コロナワクチンであり、その製造販売業者はファイザー株式会社であり、事前に各委員に申告をいただいております。各委員からの申告内容については事前に配付しておりますので、御確認いただければと思います。
本日の出席委員の寄附金等の受取状況から、全ての委員においてファイザー株式会社より50万円を超える受取はございませんでした。
なお、本日の審議対象ワクチンの製造販売業者ではございませんが、現在開発中の新型コロナワクチンも含め、関連する製造販売業者からの寄附金・契約金などの受取状況について各委員より申告をいただいておりますので、この場で御報告いたします。
石井委員は第一三共株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取、宮川委員は第一三共株式会社及び武田薬品工業株式会社から50万円を超えて500万円以下の受取がございました。
引き続き、各委員におかれましては、講演料等の受取について、通帳や源泉徴収票などの書類も確認いただくことにより、正しい内容を申告いただきますようお願いいたします。
以上でございます。
○岡座長 それでは、次に事務局から本日の配付資料の確認をお願いします。
○事務局 本日の資料としましては、議事次第、委員名簿、座席表、資料一覧、資料1-1-1から1-5、資料2、参考資料1から3になります。不備等がございましたら事務局にお申し出ください。
○岡座長 それでは、議題1「新型コロナワクチンの接種及び副反応疑い報告の状況等」について、まずは資料1-1-1から1-4について、事務局から御説明お願いします。
○事務局 まず、資料1-1、1-2を用いまして、対象期間中の副反応疑いの報告状況について御報告いたします。
資料1-1-1「予防接種法に基づく医療機関からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。今回の集計対象期間は、接種開始日である2月17日から令和3年5月16日報告分までとなっております。したがいまして、本日の合同部会におきましては、ファイザー社の新型コロナワクチンのデータの御説明となります。
2ページ目マル1週別報告件数の表の一番下、合計(2021年5月16日)の表をご覧ください。2月17日から5月16日までの推定接種回数が611万2406回接種、内訳としましては医療従事者が約513万回接種、高齢者が約98万回接種となっております。副反応疑いの報告件数は7,297、報告頻度としましては0.12%となっております。前回の合同部会報告時が0.15%でしたので、前回と比べると0.03%低い値でありました。うち重篤の報告件数は846件、報告頻度としては0.01%、前回報告時が0.02%でしたので、大きな変化はございません。死亡事例については51件報告がございますが、製造販売業者からの別途報告があった事例もございますので、資料1-3にてまとめて御説明いたします。
なお、今回の報告件数につきまして、1点補足がございます。下の※の注釈の部分の下から2つ目になります。医療機関から重篤ではない事例としまして、3月31日に受け付けた2事例につきまして集計漏れがございましたので、今回の集計分から件数に追加しております。
3ページ目のマル2と4ページ目のマル3につきましては、先ほどの7,297件の副反応疑いにつきまして、報告医による因果関係の見解別に集計したものとなります。
5ページ目マル4、副反応疑い報告の報告基準別報告件数をご覧ください。アナフィラキシーにつきまして集計したものとなっておりまして、アナフィラキシーの疑い報告につきましては、5月16日までに医療機関から994件が報告されております。詳細は資料1-4にて御説明いたします。
以降のページにつきましては、性別、年齢別等に集計したものとなっております。また、ラインリストにつきましては、資料1-1-2にてお示ししております。
続きまして、資料1-2-1「薬機法に基づく製造販売業者からの副反応疑い報告状況について」をご覧ください。こちらの集計対象期間は、2月17日から5月16日報告分までとなっております。
2ページ目のマル1、週別報告件数の表の一番下でございます。報告件数につきましては、重篤なものが報告対象となっておりますが、2,355件、報告頻度としましては0.04%で、前回の合同部会と同一でございます。死亡事例につきましては34件としておりますが、資料1-3にて改めて御説明いたします。
3ページ目がアナフィラキシー事例の報告件数でございます。943件となってございまして、この943件につきましてブライトン分類評価を実施しておりますので、後ほど資料1-4にて、その結果を御報告いたします。
続きまして、資料1-3「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」をご覧ください。1ページ目の1、報告状況になります。
前回の合同部会以降、副反応疑い報告におきまして、医療機関または製造販売業者から死亡として報告された事例が新たに16件ございまして、データの集計対象期間である5月16日までに報告された死亡事例は計55件となってございます。
なお、上記に加えまして、今回の集計対象期間外とはなりますが、先週の月曜日から金曜日までの間に死亡として報告された事例が30件ございましたので、先週の金曜日までということですと、計85件ということになります。
2、専門家の評価でございます。5月16日までに報告された55事例を対象にしまして専門家の評価を実施しております。結果はいずれもγでございました。
2ページ目から15ページ目までが85事例を一覧表としたものとなります。5ページ目のNo.20をご覧ください。これまでに報告した事例につきましても、その後の調査で新たな情報が得られた場合は下線を引くなどして変更点が分かるようにしておりますので、こちらも適宜御参照いただければと思います。
次、かなりページ数が飛びまして、67ページ目になります。67ページのNo.40以降が今回初めて御報告する事例となりますので、報告内容を簡単に御報告いたしますが、報告件数もかなり多くなっておりますので、報告医の評価で老衰や現病の悪化として報告があったようなものや、詳細な記載がなく接種後の死亡があったと単に報告されたものにつきましては、適宜割愛したいと思います。
67ページ、事例40、53歳女性の事例となります。
4、症状の概要ですが、死因等としまして自殺、縊死であることが報告されております。2回目接種の2日後に自宅で死亡が確認されたと報告されております。
68ページの5、報告者の評価では、因果関係は不明ではあるが、例えばタミフルのように小児の異常行動等に類する脳・精神への影響があり得るかもしれないと考えたので、注意喚起の意味で報告したとされております。
続きまして、事例41と42になりますが、いずれも基礎疾患があり、報告医の評価でもワクチンとの関連なしとされておりますので割愛いたします。
続いて、70ページをご覧ください。事例43は43歳女性の事例となります。基礎疾患として脳血管攣縮症候群があり、接種の約2週間後に発症し当日帰宅、3週間後に再度搬送されまして、脳幹梗塞でお亡くなりになったと報告されております。
報告者の意見の部分では、脳血管攣縮による梗塞が最も疑われるが、血栓症との関連も否定し得ないと報告されております。
続いて、事例44は73歳男性の事例となります。72ページをご覧ください。既往歴に虚血性疾患があり、詳細が不明なものの抗凝固薬が2週間以内に投与されていたこと、死因は不明ですが、心疾患の疑いがあると報告されております。
事例45は88歳男性の事例ですが、誤嚥性肺炎等による死亡で、ワクチンとの因果関係は低いと報告されておりますので、説明は省略いたします。
事例46は25歳男性の事例となりまして、74ページをご覧ください。死因等としまして精神異常、自殺が報告されております。
概要では、初回接種から4日後に精神科の診察により妄想状態、精神障害と診断されまして、精神科病院へ家族が乗用車で搬送する中に飛び降り、後続車にひかれ死亡するに至ったと。これまで精神疾患の既往はなく通常に勤務していたこと、また、接種の翌日以降に発熱があり、ワクチン接種が誘因となった疑いを否定できないために報告したとされております。
また、幼少児時に発熱で異常行動が1回あったということも報告されております。
続きまして、79ページをご覧ください。事例47は47歳女性の事例となります。基礎疾患としまして子宮腺筋症が報告されております。接種の5日後の朝に苦しみ出し、心肺停止となり、その後、お亡くなりになっておりまして、経過からは肺塞栓が疑われると報告されております。
報告者の評価・意見では、重篤な疾患のない47歳の健康な女性が、ワクチン接種5日で死亡したため、コミナティの副反応の可能性が高いと考えて報告したとされておりました。
6、専門家の評価では、子宮腺筋症は血栓塞栓症のリスク因子であることが知られている。肺塞栓がワクチン接種後のタイミングで偶発的に起こった可能性がある。肺塞栓の発現を本剤の作用機序等によって説明することは困難であるとコメントがされています。
事例48は79歳男性の事例となります。81ページをご覧ください。基礎疾患として心房細動やワーファリン内服中であったことが報告されておりまして、死因等としまして急性心筋梗塞、脳梗塞が報告されております。接種の6時間後に胸部圧迫感があり、来院されたと報告されております。
報告者の意見では、本剤の接種と急性心筋梗塞、その後の血栓性脳梗塞については、経時的には関連がありそうな印象があるとされておりました。
6の専門家の評価の部分でございますが、心筋梗塞、直接の死因となった脳梗塞についていては、基礎疾患である心房細動の関与が疑われるが、ワーファリンによる治療状況の詳細は不明である。ワクチン接種と心筋梗塞発症及び脳梗塞発症の因果関係は評価不能であるとコメントされております。
82ページをご覧ください。事例49は81歳男性の事例でして、症状の概要によると、接種の約3時間後に呼吸苦、喘鳴等の症状があり、最終的には喘息の増悪で亡くなったと報告されております。
続きまして、83ページをご覧ください。事例50は77歳男性の事例になります。概要によると、接種前より体調不良がありまして、接種の翌朝、心肺停止状態で発見され、報告医療機関に緊急搬送されたと報告されております。
84ページの報告者の意見では、心臓疾患が疑われると報告されています。
事例51、52はワクチンとの関連がない誤嚥性肺炎等として報告されておりますので、説明は割愛いたします。
また、事例53につきましては、95歳女性の事例で、接種の2日後に脳出血でお亡くなりになったと報告されておりますが、それ以上詳細な情報が報告されたわけではありませんので説明は省略いたします。
続きまして、87ページの中段をご覧ください。事例54は95歳女性の事例になります。
88ページをご覧ください。接種の当日に亡くなったことが報告された事例になりますが、中段にあります搬送先医療機関からの報告内容の一番下の記載によりますと、司法解剖が行われていたが死亡原因は不祥、ワクチンとの因果関係は不明との解剖結果だったことが報告されております。
また、一番下の行の部分には、死亡原因を肺炎とするには発熱等の病歴に乏しい。95歳女性であり、胸痛を認めなかった心筋梗塞の可能性はあり得るが、確定診断は困難であると報告されております。
89ページの中段をご覧ください。事例55は87歳女性の事例となります。
症状の概要は90ページのほうに記載されております。解剖を実施した医療機関からの報告によりますと、7年前に脳梗塞の既往があったこと、死因としてくも膜下出血と診断したこと、ワクチン接種との因果関係は評価できないと報告されております。
続いて、事例56、57となりますが、それぞれワクチン接種後に脳梗塞で亡くなったと報告されておりますが、詳細な記載がございませんので説明は割愛いたします。
92ページに飛んでいただければと思います。中段以降の部分に事例58を記載しております。94歳女性が接種の翌日にお亡くなりになったという事例になります。
94ページをお開きください。5の報告者の意見の部分になります。死亡時画像診断の結果から、腸閉塞が死因の可能性として高いと考えたと報告されております。
事例59は一報のみあったものでして、後日詳細を報告すると連絡がありましたので、説明は割愛いたします。
続きまして、96ページをご覧ください。事例60は84歳の男性の事例となります。基礎疾患としまして高血圧症などが報告されております。死因等で虚血性心疾患が挙げられており、報告者の意見では、主治医の話によるとということですが、動脈硬化が強く因果関係ははっきりしないとの意見であったということや、それも踏まえまして、基礎疾患による発症の可能性を考えると報告されております。
97ページをご覧ください。事例61は93歳女性の事例となります。症状の概要によりますと、接種翌日から37度の発熱を認めたこと、その後、約2週間後の5月14日の午前までは発熱以外は食事も接種できていて問題なく過ごしていたということ。その後、患者が不穏で呼吸苦を認めたため、救急車が要請されたこと、血液検査の結果などから、肺動脈血栓塞栓症などが疑われると報告されております。
事例62につきましては、接種の1週間後にくも膜下出血で亡くなったということ以外の詳細は不明ですので、説明は割愛いたします。
99ページをご覧ください。事例63は67歳男性の事例になります。症状の概要の記載でございますが、接種の10日後に卒倒し心肺機能停止状態で緊急搬送されたこと。死因としまして心タンポナーデなどが考えられると報告されております。
事例64につきましては、基礎疾患がある高齢者の老衰等の事例なので、説明は省略いたします。
続いて101ページをご覧ください。事例65は69歳男性の事例となります。基礎疾患に小細胞肺がんがありまして、イリノテカンによる化学療法中だったことが報告されております。症状の概要では、ワクチン接種日に食欲不振を発症しまして4日後に入院、5日後に意識レベルが低下しまして、6日後に脳幹部の脳出血が認められたと報告されております。
102ページをご覧ください。事例66は92歳女性の事例となりまして、基礎疾患としてパーキンソン病が報告されております。
続いて103ページになります。報告者の意見の部分になりますが、接種の4日後に突然の心肺機能停止状態での発見となった。全身CTでは心肺機能停止に至るような所見はなかったものの、両側胸水貯留や心嚢液貯留が見られた。体調不良時はナースコールで訴えることができる方であったので、それがなかったことからも内因性の急性疾患、その中でも心臓突然死と考えていると報告されております。
事例67は63歳男性の事例となります。既往歴としまして糖尿病、高血圧等が報告されております。
104ページの中段、搬送先医療機関からの報告内容によりますと、2回目の本剤接種が行われましたが、どちらの接種の直後も副反応がなかったということや、あるいは接種の3日後に卒倒しまして報告医療機関に救急搬送されたこと、頭部CTで視床出血、脳室穿破を認めたことが報告されております。
105ページになります。事例68は73歳男性の事例となります。基礎疾患としまして急性冠症候群、糖尿病、高血圧が挙げられております。
4の症状の概要では、死因等として難治性の心室細動などが考えられること、接種の4日後に倒れているのが発見され救急要請されたことが報告されております。
事例69は92歳男性の誤嚥性肺炎と報告されておりましたので省略します。
106ページをご覧ください。事例70は66歳男性の事例となります。基礎疾患として高血圧、死因としまして心臓突然死が挙げられております。
4、症状の概要の部分ですと、ワクチン接種後もふだんと変わりなく過ごしていたが、接種3日後に意識不明状態で発見されたことが報告されております。
5の報告者の意見では、冠動脈の高度な石灰化が見られたことから、もともと血管リスクが高い患者だったことが推測されるが、因果関係は不明と報告されております。
事例71は尿路感染症による死亡事例と報告されておりますので省略いたします。
109ページをご覧ください。事例72は87歳女性の事例となります。
3の基礎疾患としまして、平成29年1月に脳梗塞を発症したこと、高血圧症と慢性心不全で服薬を受けていたことが報告されております。死因等では心不全の加療に伴う低カリウム血症、または脳梗塞の再発による意識障害の進展とされておりまして、症状の概要の中で、接種の3日後の採血の結果では、意識障害を起こすレベルでの高ナトリウム低カリウム血症となったと報告されております。
事例73につきましても老衰等による死亡とされておりますので省略いたします。
111ページをご覧ください。事例74は75歳男性の事例になりまして、基礎疾患等としまして陳旧性脳梗塞、胸膜炎が報告されております。
4、症状の概要では、2回目接種の翌日、室内でうつ伏せになっているところが発見されまして、救急要請されるも救急到達時に心肺停止であったということが報告されております。また、頭部、胸部、腹部のCTでは異常を認めなかったと報告されております。
事例75につきましては死因等の詳細な記載がありませんでしたので、説明は割愛します。
また、事例76、77につきましても基礎疾患または他疾患による死亡、ワクチンとの関連はなしと報告されておりますので説明は省略いたします。
事例78につきましても複数の基礎疾患がある方の老衰と報告されておりますので、こちらも説明は省略いたします。
事例79についても接種当日に心肺停止状態で発見されたとの記載でしたので、こちらの説明は割愛させていただきます。
飛びまして118ページをお開きください。事例80で89歳女性の事例となります。
3、基礎疾患等としまして、シロスタゾール服用中であることが記載されております。症状の概要では、接種翌日までは通常と変わらない生活であったが、翌々日に倒れているのが発見され死亡が確認されたこと、また、CTで心筋梗塞が強く疑われたと報告されております。
次の119ページ、事例81は81歳女性の事例となります。
3の基礎疾患等として脳梗塞が報告されておりまして、症状の概要の部分では、接種当日に発熱と嘔吐があり心肺停止状態で発見されたこと、また、詳細の記載はありませんでしたが、他要因の可能性として急性大動脈解離が記載されております。
事例82につきましても高齢の女性の肺炎、心不全による死亡と報告されておりましたので説明は割愛いたします。
120ページをご覧ください。事例83は98歳女性の事例となります。基礎疾患として慢性心不全、不眠症、心房細動が報告されております。
4、症状の概要では、接種の翌日に40度の発熱あり、報告医療機関に電話で相談があり、バファリンの内服を指導したと、その後、接種医療機関とは別の医療機関に搬送され、永眠されたと報告されております。
5の報告者の評価では特にコメントはありませんでしたが、ワクチンとの関連ありにチェックの上、報告されておりましたので、この事例につきましては、現在専門家の評価中ですが、次回にはコメントとともに専門家評価の結果をお示ししたいと考えております。
事例84は89歳女性の事例となります。
3の基礎疾患等としまして慢性心不全で4月まで入院、その後、在宅療養が開始された方と報告されております。
4の症状の概要では、終日臥床状態、全介助の状態、経口接種がほとんどできず入院時から中心静脈栄養を継続していたと報告されております。接種日の午前10時15分に接種、午前11時前までは経過を見て帰院されましたが、その後、約1時間後の午前11時19分に家族から連絡がありまして救急往診したところ、その時点で既に心肺停止状態であったと報告されております。
5の報告者の意見では、因果関係は評価不明であること、また、他の要因の可能性としまして、ワクチンの接種後45分間観察したがバイタルに所変なく、接種1時間経過後に呼吸状態が悪化したことから他要因の可能性があると報告されておりました。
事例85につきましては69歳女性のくも膜下出血により死亡と報告されておりましたが、それ以上の記載がありませんので説明は割愛いたします。
資料1-3の説明は以上となります。
続きまして資料1-4「新型コロナワクチン接種後のアナフィラキシーとして製造販売業者から報告された事例の概要」をご覧ください。
1ページ目の「1.報告状況」になります。令和3年2月17日から令和3年5月16日までの副反応疑い報告におきまして、製造販売業者からアナフィラキシーと報告された事例は943件ございました。
「2.専門家の評価」の部分でございます。この943事例を対象に専門家の評価を実施しておりまして、結果を表でお示ししております。数字につきましては2ページ目の一番上の(参考1)をご覧ください。ブライトン分類レベル1~3の報告件数では146件、100万回当たりの報告件数としましては24件でございました。以降はブライトン分類レベル1~3に該当する146件につきまして集計したものですので、適宜御参照いただければと思います。
1-1から1-4までの説明は以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
引き続き、資料1-5について事務局から御説明お願いします。
○事務局 資料1-5でございますけれども「副反応疑い報告の状況について」を御説明申し上げます。
2ページ目をご覧ください。こちらは従前より御説明申し上げておりますとおり、まず死亡として報告された事例につきまして、先ほど資料1-3で御案内申し上げました内容につきましてリスト化をしております。症例が積み重なってきておりますため、次のページに及んでおりますことで御了承いただければと思います。
2ページ目、予防接種開始後、2021年2月17から前回の審議会までに集計された副反応疑い報告において死亡として報告された事例は28件でございましたけれども、今回の審議会、5月16日時点、トータル89日間でございますが、死亡として報告された事例は55件でございました。新たに報告されました27件につきまして、表として一覧としてリスト化しておりますので、死亡までの期間、あるいは症状の概要等に記載されました病名等を御参考いただければと考えております。
3ページ目の上段に行きまして、症状の概要に記載された死因等につきましてまとめさせていただきますと、出血性脳卒中が10件、心肺停止が7件、心不全7件等でございまして、こちらは同一書類に複数の死因等の記載がある場合は、いずれも計上とさせていただいております。
また、先ほども申し上げましたけれども、5月16日以後、5月17日から21日までに追加で報告された事例としては30件がございました。
続きまして、4ページ目でございます。こちらも従前より御紹介しておりますとおり、参考として国内外の死亡例の最新の報告状況ということで載せさせていただいておりますけれども、今回の審議会の時点で、接種者人数で言いますと438万733人接種中55件、接種回数で言いますと、611万2406回接種中55件ということで、100万回接種、あるいは100万人接種当たりで言いますと12.6件、あるいは9.0件といった数値となっておりまして、英国におきましては最新のアップデートされた情報として100万回接種当たり17.3件といった状況でアップデートがございますので御参照いただければと思います。
続きまして、5ページ目でございます。こちらは従前の審議会におきまして、因果関係につきましての御議論をいただいておりましたところ、このようなスライドが御参考いただけるのではということで御用意させていただきました。ワクチンの接種後に生じる有害事象の因果関係につきましてでございます。副反応疑い報告におきましては、報告医に本剤とその因果関係についての記載を求めるとともに、死亡及びアナフィラキシーの事例につきましては専門家による因果関係の評価を行い、これを本検討部会にて審議の上、公表しておりますが、ワクチンと有害事象の因果関係については評価困難とされることも多くございます。
こうした背景の中、ワクチン接種後に生じる有害事象の因果関係については、既にWHOが以下のような考え方を示しておりますので、御参照いただければと考えております。小さなポツのところでございますけれども、WHOのステートメントといたしましては、通常、因果関係の評価は有害事象と予防接種との関連性を証明したり否定したりするものではなく、因果関係の評価はそのような関連性の確実性のレベルを決定するためのものであり、因果関係があるかないかは個々の事象では確定できないことが多い。また不十分、あるいは不完全な症例の情報によって適切な因果関係の評価を行うことができず、評価を試みたとしても情報不足のため有害事象を分類不能、または評価不能と判断せざるを得ないことがある。
一方で、仮に十分な情報があったとしても、因果関係を示す明確な証拠がない、あるいは矛盾する証拠があるなどの理由で有害事象として評価困難に分類されることもある。
そうした背景ではありますが、より多くの症例が報告されることによって、より強いシグナルともっともらしい仮説、あるいは逆に何らかの関連性に対する強い反論が得られる可能性があるため、これらの評価は記録されていくべきであるとされております。
こうしたことも踏まえまして、さらにWHOとしては因果関係の評価とは有害事象の事例に関する個人だけでなく、集団のデータを系統的に検討することで、その有害事象とワクチンの因果関係を見極めていくことが重要であると述べております。
こうしたことを踏まえまして、従前の審議会の流れも汲みまして、論点といいますか、審議会の方向性としてこのようなことではいかがかということで載せさせていただいております。
ワクチン接種後に生じる有害事象の因果関係の評価に当たっては、個々の事例の丁寧な情報収集及び評価は重要である。一方で、個々の事象においては、その因果関係の有無を確定できないことも実際には多い。一方で、報告数が増加しつつある現状においては、引き続き個々の事例について専門家による評価を行っていくとともに、接種対象者の属性等にも留意しつつ、集団としてのデータを系統的に検討していくことが重要ではないかということで、こちらについて、御議論いただければと思っております。
そうした観点を踏まえまして、次に6ページ目でございますけれども、リスト化しておりました死亡の55例につきまして少しまとめさせていただきましたので、御議論の参考としていただければと考えております。
まず、年齢別でございますけれども、65歳以上の症例が55例中38例、65歳未満が17例となってございます。
また、症状の概要に記載された死因等につきましてはご覧のリストのように挙げさせていただいておりまして、左側に示しておりますものが全例、括弧つきの中のものが65歳未満ということで内数として書いてございますので、御参照いただければと考えております。
また、下の注釈の2番目でございますけれども、これらを議論いただく際に参考となりますデータとしまして、65歳未満の接種者数、あるいは接種回数の参考といたしましては、これら医療従事者等の推定接種者数が65歳未満の割合が多いということで、参考ではございますけれども、346万7488人、あるいは接種回数で言いますと、513万1157回接種が参考値として、5月16日時点版ということで御紹介させていただきます。
また7ページ目、こちらも御議論いただく際の参考となる資料でございますけれども、以前にも示したことがございましたが、こちらは既に公表されているデータでございまして、日本における死因別の年齢別の死亡数の統計でございます。
こちらはワクチンの被接種者群との比較が重要という観点から、令和元年度1年間の各疾病における年齢別の死者数を以下のとおりでお示ししてございます。それぞれ各疾患におきまして総数及び、先ほどの6ページ目の内容を御検討いただく際に、65歳以上、あるいは65歳未満といった数字が御参考になるかと思いまして、お載せさせていただいた次第でございますので御参考にいただければと思います。
なお、総数におきましては、年齢の別、不詳の者を含んでおりますため、65歳以上65歳未満を加算いたしました場合にも総数が異なっている場合がありますことを御了承いただければと思います。
続きまして、8ページ目でございます。こちらは先ほどから御説明しております症状の概要に記載された死因等ということで、事務局でまとめさせていただいている内容につきまして、実際の副反応疑い報告書がどのような形式になっているかというのを改めてご覧いただければと思ってお載せしている次第でございます。右側の赤囲みになっているところが実際の内容として詳細に書かれている部分でございますけれども、左側の報告事項の赤の字で示しましたものが該当するところでございまして、症状の概要としては、症状、発生日時、本剤との因果関係、他要因の可能性の有無、概要として括弧で症状、兆候、臨床経過、診断、検査等ということで副反応疑い報告を求めているところでございまして、この自由記載の中で、かつ自発報告という中で、こういった報告が上がってきている中で、この報告書のスタイルが運用されているということで、その前提の下で御議論を進めていただければと考えております。
こうした状況を踏まえまして、死亡例の報告状況についてということで9ページ目を御参照ください。こちらも以前と同じようなスタイルでまとめさせていただいておりますけれども、副反応疑い報告制度において死亡例として報告されたものは接種開始から5月16日まで55件でございました。報告された症状等は出血性脳卒中10件、心肺停止7件、心不全7件等でございました。死亡例については透明性を持って公表するため、個人情報につながる情報を除き報告情報は可能な限り公表するとともに、併せて専門家による評価も行って公表しております。専門家による評価は55件いずれもワクチンと症状名との因果関係は評価できないものとされております。
こうした状況を踏まえまして、死亡及びその因果関係に関しての論点ということでまとめさせていただいております。
1つ目が、報告数が増加しつつある現状においては、引き続き個々の事例について専門家による評価を行っていくとともに、接種対象者の属性等に留意しつつ集団としてのデータを系統的に検討してはどうか。
2つ目の論点といたしまして、死亡例の報告に関しては、現時点においては引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで記載してございます。
続きまして、10ページ目以降はアナフィラキシーの報告状況についてでございます。10ページ目は従前より医療機関からのアナフィラキシーとして報告された件数でございまして、100万回接種当たりの件数が当初の319件から直近で163件ということで、減少傾向にあるということを示してございます。
また、11ページ目でございますけれども、こちらは前回より製造販売業者のデータを用いましてブライトン分類の評価を行っておるところでございますけれども、最新版として製造販売業者からアナフィラキシーとして報告された件数は100万回接種当たり154件ということで、前回と比べると低下傾向が続いており、また、ブライトン分類におきましても100万回接種当たり24件ということで、引き続き低下傾向が認められているところでございます。
また、12ページ目は参考でございますけれども、海外のアナフィラキシーの報告状況ということで、ここが最新版としてアップデートをされておりますので、御参考いただければと思います。
以上をまとめまして13ページ目でございますけれども、上段4つのマルにつきましては従前と同じでございまして、5つ目、アナフィラキシーとして報告された多くの例におきましても軽快したということが判明していることを確認してございます。
こうした状況を踏まえまして、アナフィラキシーとして報告された事例に関しましては、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められなかったということを持ちまして、先ほどの論点と合わせまして、全体としては副反応疑い報告の状況に鑑み、引き続き接種を継続することとしたいという方針に基づきまして、御審議いただければと思います。
以上でございます。
○岡座長 ありがとうございました。
ただいま事務局から御報告をいただきましたけれども、まず、最初に論点の整理をいただいておりますので、それに沿って議論を進めていきたいと思います。
前回と同様に、最初に死亡報告について、その次にアナフィラキシーについてということで進めたいと思います。
まず、ワクチン接種後の死亡として報告された事例についての論点として、1点目は、死亡事例の因果関係評価の考え方について、2点目はいつもの論点として現時点で接種体制に影響を与える重大な懸念が認められるかどうかについてということになります。
まず、論点1の死亡事例の因果関係評価の考え方についてですけれども、今回、多数の報告例がございますけれども、死亡事例の因果関係評価については、これまでも個々の事例について得られる情報や科学的な評価の限界などについても御議論いただいたと思います。
論点として挙げていただいた個々の事例については専門家による評価を行っていくとともに、接種対象者の属性等を留意しつつ、集団としてのデータを系統的に検討していくとしてはどうかといったような論点を挙げていただいてございますけれども、まず、この死亡事例について、委員の先生方から御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。いかがでしょうか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 死亡例でちょっと伺いたいのですけれども、これは死亡してから何日以内に報告という決まりというのはあったのでしたか。特にそれはなかったか。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 まず、報告期限という意味では、何日以内かという期限はありませんので、速やかにご報告いただくというのが一つと、あと、接種してから死亡までの何日以内ではないと報告してはいけない、といったものがあるわけではありませんので、ワクチンとの関連と疑われるのであれば、報告していただくということになります。
○濱田委員 分かりました。では、そういった報告の日にちにもよると思うのですけれども、今回は55件ということなのですが、その後、5月17日から21日までの30件を足して85件ということになると思います。これは開始してから5月2日までの死亡者数が、75日で28件です。5月3日から5月16日までが14日間で、その間が27件です。その後、17日から21日までの5日間で30件ということで、ここのところ特に増えているように見えます。これをどう考えるかということですけれども、恐らく接種者数が増えたからということと、高齢者が増えたということなのでしょうか。どのように解釈したらいいかを教えていただければと思いまして。よろしくお願いします。
○岡座長 事務局、いかがでしょうか。
○事務局 参考資料として、委員のような御指摘があるかと想定しておりまして、15ページ目、16ページ目、17ページ目ということで載せさせていただいている中、18ページ目に各審議会におきまして、推定接種回数がご覧のように増えてきたということで参考資料として載せております。こうしてご覧いただきますと1回目接種というのがいわゆる人数に値するところかと思うのですけれども、直近の審議会でいわゆる数としてはかなり増えてきていると、約2週間における間隔においてもかなり増えてきているということと、高齢者の接種も5月12日の時点で20万回接種であったのが、26日までの14日間において71万回接種が上載せされているということで、委員の御指摘のような要因が考えられるのではないかといったところは言えるのかなと思います。
○濱田委員 どうもありがとうございます。確認したかったのでよく分かりました。
○岡座長 どうもありがとうございます。
そのほか、委員の先生から御意見をいただけますでしょうか。
舟越委員、次に長谷川委員でお願いします。
○舟越委員 資料の1-5で説明いただいたページの5の論点のように、個々の事例を引き続き丁寧な収集と、この委員会で評価をしていくことは大事ということと、併せて、やはり国民は自然発生、例えば出血性脳卒中が自然発生は月にどれぐらい、何件非接種群では亡くなっていて、今回の接種群では10例(4例)と6ページ目に書いてありますけれども、ここの部分が上回っているのか、逆に上回っていないのかというところが、今回の資料ではちょっと読み取れないのですが、どう考えていらっしゃるのでしょうか。
○岡座長 事務局、どうですか。
○事務局 ありがとうございます。事務局でございます。
委員の御指摘のように、その比較が一見するとできないということで、恐縮でございますけれども、委員の先生方は御存じのとおり、リアルタイムで接種が進んでいく中、接種者のバックグラウンドデータというのがなかなか追えていない状況ですので、そういった制限がかかっている中で、あえて誤解を生まないようなお示しの仕方が重要なのではないかということで、このような資料のお示しの仕方をさせている次第でございます。
仮に、例えば今委員から御指摘がございました出血性脳卒中についてでございますけれども、見方といたしましては、65歳未満というところ、資料の7ページ目をご覧いただきたいのですけれども、出血性脳卒中というのがくも膜下出血、脳内出血でまとめられると考えられておりまして、そちらは65歳未満の2つの数値、2,860と4,230、この数値をざっと足し合わせると大体7,000といったような数字が出てくるかと思います。この7,000という数字、1年間で要は65歳未満の方が亡くなったということですので、12か月間ございますので、1か月間に割り戻しますと、大体600例程度ということで完全に概算でございますけれども、考えていただければと思います。
その観察群は、要は65歳以下の方がどのぐらいいるか、これも単純計算でざっと例えば1億人と見積もった場合に今回のワクチン接種、6ページ目に飛びまして恐縮なのですけれども、5月16日時点で参考値として300万から400万人程度という状況でございますので、要は1億人に対すると300万から400万ということで、大体30分の1ぐらいと考えると、1か月当たりの65歳未満の方が出血性脳卒中で亡くなる方というのは、600割る30ということで、大体で言いますと20人程度かなと考えて、推計値としてできるのかなというところでございまして、要は20人、あとはこの接種者群の方が89日間ということでお載せしていますけれども、その方が純粋に例えば3か月から見たわけではないというところに難しさがあるのですけれども、例えば1か月間見た場合には20人亡くなる状況において、現在報告されている件数は4例ということで、ここら辺、あくまで御参考なのですけれども、そのような視点で御議論いただければと考えてございます。
以上でございます。
○舟越委員 ありがとうございます。
現時点では、そこのリスク評価は分析手法等を含めて議論の余地があると思うのですが、少しでも非接種群と接種群の部分でのリスク評価がある程度一定の形ができることを望みます。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
それでは、長谷川委員、お願いいたします。
○長谷川委員 ありがとうございます。
資料1-5の論点にありますけれども、因果関係についてです。今回初めて、一見関係あるのかどうかと思うような自殺というのが2件報告されておりました。一見ワクチン接種と直接因果関係があるのかなと思うところはあるのですけれども、そういったところもこの論点にあるように、精神科の専門家の先生などに評価していただいて、その前後の行動やそういったものを調査していただいて、行動に変容を起こすようなことが、身体的なことからそれに結びつくことがあるかということも含めて積み重ねて評価していただくことが重要なのかなと思いました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
柿崎委員、お願いいたします。
○柿崎委員 柿崎です。資料1-5の7ページの資料ですが、前回の会議で、若年者の死因等の統計がないでしょうかという質問をさせていただいたのですが、非常に参考になる資料を作成していただきありがとうございます。
これは65歳以上と65歳未満で分けているのですけれども、人口動態統計から取ったもので、5歳刻みのデータがあるとしたら、例えば同じ65歳以下の中でも20代から40代の若年者とか、40代から65歳というような分け方も統計しようと思えば統計できるのでしょうか。
○岡座長 そのあたりはいかがでしょうか。
○事務局 御指摘のとおりで、下のところに小さく文字で出典を載せさせていただいているとおり、こちらは御存じかと思うのですけれども、5歳刻みの年齢が載ってございます。ここでなぜあえて65歳未満、65歳以上とまとめさせていただきましたかと申しますと、要はワクチン接種後の資料につきまして、この6ページ目で載せている65歳以上、65歳未満というのがある意味、現在の接種者の中で大体の推計値として、リアルタイムでお載せしていけるものとして、比較が可能なところということで、要はこの65歳以上、65歳未満という区切り方をさせていただいた次第でございます。
7ページ目のところで、実際に資料としては各5歳刻み、あるいは10歳刻み等で載せていくこと自体は可能なのですけれども、それに対して6ページ目のところをリアルタイムでバックグラウンド、接種群、接種回数というところにおいて、各年齢層での全数というのをリアルタイムで追いかけていくのが難しいので、ここであえて載せていないといったような状況でございます。
なので、分子の数として各疾患において何歳別というのは載せることは可能です。逆に細かく見ますと、多くの年齢層において0、0、0、1、0、0みたいな感じになっていくけれども、そこは本当に今の全数でどれだけこの評価の対象になるのかなといったところも踏まえて進めていくところが必要なのかなと考えております。
○柿崎委員 死亡例の中で20代とか40代ぐらいで亡くなられていた人がいたので、大ざっぱでもそういった年代の中での死因が分かればと思ったのですけれども、ありがとうございます。
○岡座長 そのほか、いかがでしょうか。
森尾委員、お願いします。
○森尾委員 これから進め方のことになってしまうのですけれども、5月17日から21日で30人の死亡者がいらっしゃって、恐らく高齢者の接種が数十万人ぐらい、100万人以下だと思うのですが、これは恐らく今後10倍、それ以上の規模で接種が進んでくると、1週間での報告が数百人となってきたり、2週に一度解析をすると、もしかすると1,000人に近い方の死亡者になったりということも考えられる中で、どのようにこの部会で検討していくかということをちょっと議論しておいたほうがいい時期なのかなと思いました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
何か事務局のほうから御意見はございますか。
確かに今回、高齢者の方の死亡の報告が多いかなと思いましたがいかがでしょうか。
○事務局 ありがとうございます。私どもも答えを持ち合わせているわけではございませんので、先生方の御意見を伺いながらと思っております。今日はそういったことも踏まえて、今、御提案させていただいたのが5ページの論点というところかと思いますけれども、個別の症例を一つ一つ見ていって因果関係が分かる、もちろんしっかり見ていかなくてはいけないということだと思うのですけれども、それだけで分かるというようなことではないのだろうということに皆さんお気づきいただいているところかなと思います。
そういう中で、これから症例が増えていくときに、一つの評価の視点として、個別症例の細かい情報収集よりも、むしろというか、それだけではなくというか、集団として、数として見たときに、それをどのように考えていくかという視点を加えていくべきではないかということで、事務局としては御提案させていただいているつもりでございます。現実的に評価をしていく、あるいは情報収集していくということにも相当な困難を伴いますし、個別症例をしっかりやっていこうと思うと困難を伴いますし、また、それだけで因果関係が分かることではないとすると、今日の論点を踏まえて、先生方の御意見もいただきつつブラッシュアップしながら評価の進め方を模索していきたいと思っております。
○岡座長 なかなか難しいところですけれども、系統的な方向でと、厚労省も考えられているということです。
佐藤委員、お願いします。
○佐藤委員 私もまさにそれが気になって、このまますごい例数が積み上がっていって大丈夫かなというところを心配していたところです。基本的に、ワクチンの種類と母集団の年齢の偏りというというところで、全てを一緒にしてはいけないような気はするので、そのあたりの整理の仕方も考えなければいけないという点と、一方で、情報バイアスをいかにかけないかということかと思います。公的機関では非常に御注力されているということがよく伝わりましたので、伝えるべき重篤性というところと、そうではないところの判断については、今のうちにもんでおかないといけないのかなということを感じました。
以上です。
○岡座長 問題としてということで、共有されている問題意識かなと思いますけれども、特に事務局のほうからお答えはよろしいですか。
ありがとうございます。先生のおっしゃるとおりだと思います。
それでは、倉根委員、お待たせしました。
○倉根委員 今日は全てファイザーのワクチンを打った方ですが、いずれモデルナのワクチンを打った方でも同じように死亡の数が出てきた場合に、もちろんその数だけの比較ではなくて、接種者自体の背後関係の違いもあるかもしれませんし、2つのワクチンに対してこういう解析を進めていくということも考えながら、どのようにこのデータをまとめていくかということを考えておかなければいけないのかなと思います。同じ土俵で比較していいかどうかということも考えなければいけないし、それから、それをどのように比較し解釈していくのかということも考えつつ、まとめ方を考えていただくことが必要なのかなと思います。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
これも問題提起だと思いますけれども、事務局、何か今の時点でお答えはありますか。
○事務局 事務局の立場からすると、アナフィラキシーのときにも大分いろいろ議論になりましたけれども、1-3の資料の症例ごとの概要をつけること自体がもう、ほとんどこれは今回がぎりぎりかなと思っています。結構な量になってきていまして、その説明もかなり時間がかかってくるようになっています。そこを簡素化しなくてはいけないでしょうし、今後はモデルナのものが出てくると思いますので、それは別に解析をしなくてはいけないので、その辺のやり方は少しまた工夫して、軽減できるところは軽減する努力をしたいと思います。
その上で、我々としても今答えがあるわけではないのですけれども、注目すべきようなものがあれば、先ほどから御指摘いただいているようなリファレンスデータと比較ということがなかなか難しいのですけれども、それも含めて御示唆いただければ、我々はできる限りのことはさせていただきたいと思っています。そういう意味で、注目すべき案件とかそういったことについて、また御意見がありましたら御指摘いただければ、それについて我々は考えていきたいと思っています。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか、何か御意見等はございますか。よろしいでしょうか。
今回も詳細に一例一例データを集めていただいていることは、この場でも確認できたわけですけれども、今後、数が増える中でそれをどのように処理していくかということについて、新しいワクチン、それから、接種者の属性というようなことは、事務局の資料にもあるように、その点を配慮しながら次回以降、まとめ方を考えていただきたい。できればその数値がどういう意味を持つのかというようなことも、専門家の意見なども含めて解釈をしてほしいというような御意見があったのかなと思います。ありがとうございます。
ただいまの御議論を踏まえた上でということで、2つ目の論点のほうに進めさせていただきたいと思いますけれども、死亡例の報告に関しては、現時点において引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないとしてよいかということで、この点について、何か御意見はございますでしょうか。特によろしいでしょうか。引き続き情報を丁寧に集めながらということで御了解いただけるでしょうか。
長谷川委員、どうぞ。
○長谷川委員 引き続き積み上げていくことが重要だと思うのですけれども、このように数が増えてきた場合に、この情報からシグナルをキャッチするというのは、どこら辺に置かれているのか。例えば若い人で全く基礎疾患がない人が亡くなるというようなことがどれぐらい起こったら、それをシグナルとしてピックアップするかという基準みたいなものは、事務局のほうにあるのでしょうか。
○岡座長 ありがとうございます。
大事な御指摘だと思いますけれども、何かそのあたりについて、現時点での御意見はございますでしょうか。先ほどもお話があったように、リファレンスというのがあまりない中で、どのように取り上げたらいいのかという本当に大事な御指摘だと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○事務局 委員の御指摘、大変ありがとうございます。
今の委員の疑問に対して完全に答えられるかどうか分からないのですけれども、御指摘のとおり、やはり年齢別で考えるというのは一つのヒントなのかなと思っておりまして、というのは、やはり御高齢の方が非常に多くの因子であるとか、亡くなる頻度的にも事象として多くございますので、そういった意味では前回の審議会の中で委員の方から若年者の属性に目を向けたようなバックグラウンドとして見ていくのが重要なのではないかという御指摘がございましたので、6ページ目に例えばということで、今現時点でできるデータとして65歳以上、65歳未満ということで挙げさせていただいたということでございます。
その中でもこういった各疾患において4例、3例、1例といったような事例が出てきている。注目すべき疾患をどこの時点でアラートに立てるかというところに関して、なかなか明確な答えはないと思うのですけれども、一つのヒントになっているかなと、今までの議論の中で出てきたものといたしまして、以前に紙谷参考人のところで、委員のほうから御質問があったかと思うのですけれども、いわゆるVSDのほうにデータを載せ、つまりアラートを立てるところはどう決めているのでしょうかといった御質問を紙谷参考人のほうにしていただいた際に、明確な回答がなくて総合的な会議の中で判断しているといったようなコメントがあったように私は記憶しておるところでございます。
そういった意味で言いますと、事務局のほうとしてできるのは、こういった例えば65歳未満、65歳以上と分けた中で、65歳未満の全数でございますけれども、全数がこういったものがあると、その中で、人口動態統計で希少疾患に関しては全数がなかなか出てこないものもあるかもしれないのですが、全数をにらみながら、これはやはり1回注目して解析したほうがいいのではないか、どうなのかということも含めて、審議会のほうで御議論いただく中で、また進んでいく道が見えてくるのかなと認識しておる次第でございます。
○岡座長 なかなか本当に難しい問題だと思いますけれども、事務局でも注意をしながら、委員の先生方も注意をしていただきながら御指摘をいただければと思いますけれども、よろしいでしょうか。
濱田委員、どうぞ。
○濱田委員 この6ページの表というのは、今後出される予定ですか。これは見やすいといいますか、全体を把握するのにはいいかなと思いました。もし出されるのであれば65歳未満をひとくくりにするのではなくて、2つぐらいに分けたほうがいいのではないかと思います。40代、30代とどこで線を引くかになりますけれども、それぐらいに分けたほうがいいです。そこまでやるのも大変なのでしょうけれども、男女もあるといいです。あと、これでモデルナとファイザーの2つの表があると、全体が把握できるのではないかなと思います。せめて年齢を2つに、65歳未満を分けるような形でこういうものを毎回出していただくと、非常に把握しやすいと思っております。
以上でございます。
○岡座長 事務局、どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。
委員の御指摘の年齢を分けるといったことは、現実的には先ほど委員の先生から御指摘をいただいたところもあったかと思うのですけれども、実際には5歳階級別であるとおり、こちらも当然分子としては、既に死亡例のリスト化がしてございますので、今の年齢別に細かく分けること自体は可能でございます。ただ、比較するといった場合に、接種群のその年齢層においての接種回数、総接種回数というのがリアルタイムで出せないと、あえてそこを踏まえた上で細かく出していくことは可能なのですけれども、それを踏まえた上で分子としては細かく出したほうがいいという御指摘でございますでしょうか。
○濱田委員 5歳ごとでなくてもいいのですけれども、せめて65歳未満の前半後半ぐらいに分けていただくといいです。例えば20代、30代で死亡が多く出てくれば、アラートを出すことになるでしょう。40代、50代など基礎疾患のあるような方が亡くなるというのは、ある程度想定はされるのかもしれません。つまり一概に65歳未満という形ではなくて、もう少し分けたほうが今後のためにはいいのかなと思ったわけです。5歳ごとに分けるというわけではないです。
○岡座長 事務局、どうぞ。
○事務局 ありがとうございます。
分子として御指摘のように少し、例えばでございますけれども、40歳以上、40歳未満、さらに65歳以上、65歳未満と分けることはできますので、もし御指摘であれば、次回からそういった分子としての数を分けていくことは可能でございますので、検討させていただきたいと思います。
○岡座長 石井委員、お願いいたします。
○石井委員 ありがとうございます。
まだ2回目が進んでいないので何とも言えないのですが、死亡表を見ますと1回目が圧倒的に亡くなっている数が多いのです。今後、1回目、2回目という区別をつけていくことが可能なのでしょうか。そういった差があるのかということを視野に入れることができますでしょうか。ただ、2回目と1回目の接種群が余りにも差が大きいので、現段階だと1回目のほうが多くなっているのは当然のことだと思いますが、そのあたりはいかがでしょうか。
○事務局 資料1-1-1をご覧いただきたいと思います。19ページと20ページの部分に1回目接種と2回目接種の部分を載せておりまして、現在の横軸ですと、副反応疑いの報告件数と重篤なものと死亡と区切った形で1回目、2回目の件数と頻度をお示ししております。ほかの情報もございますので、必要に応じて死因別の集計は可能です。
○石井委員 集計とシグナルをどうするか。さらに接種者に対して情報をフィードバックする場合の1回目、やはり注意が必要だよというようなことが言えるデータになるかどうか分かりませんが、少しやはり検討してもいいのかなと思いました。
以上です。
○岡座長 ありがとうございました。
伊藤澄信委員、お願いいたします。
○伊藤(澄)委員 ありがとうございます。
2点あって、1点は死亡例を全数報告いただくのはなかなか大変なのではないかという気がします。一方で、治験審査委員会などでは重篤な有害事象は全部報告しますので、皆さんに公開されることは必要でしょうが、この委員会で全数を御説明いただく必要はないのではないかと思います。
それから、濱田委員の御意見に大変賛成で、40歳未満とそれ以上と、もうひとつぐらい分けないと難しいし、逆に超高齢者である85歳以上の人たちの死亡に関して因果関係を判断するのは難しいと臨床医としては感じますので、逆に言うと、そうした年齢層の人たちの死亡例をシグナルとしてどこまで重要視していくのかは、少し考えなくてはいけないのではないかという気がします。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
そのほか、いかがでしょうか。
伊藤清美委員、お願いいたします。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
先ほどからの議論で、分子として症例数は集計できるけれども、接種者数についてはリアルタイムには把握できないということだったのですが、少し遅れてでもといいますか、期間をおいてでも接種人数当たりのこういった死亡症例の統計みたいなものが、もし取れるようでしたら、それはそれで貴重なデータになるかなと思うのですけれども、そういったことは可能なのでしょうか。
○岡座長 事務局、お願いします。
○事務局 ありがとうございます。
接種者数については、医療従事者か、それとも高齢者かといった別であるとか、あと、1回目、2回目の別であるとか、こういったものは既に集計されて公表されていますので、そういったところをまずやっていきたいと思いますし、高齢者に限って言えば1回目の接種者数のほうが2回目接種者数よりも10倍ぐらいいらっしゃるような状態でございますので、そういったこともここでお伝えしながら評価していただく必要があると思います。細かな年齢別の集計とかそういったものが、これは現場でデータを取っていただいているものがどのくらい、いつ利用可能になるかということは、ちょっとまだ明確には見通せないのですけれども、そういった努力もなされてきていますので、また利用可能になれば、お示しできるようにしていきたいと思います。
○伊藤(清)委員 ありがとうございます。
先ほどのような年齢ごとのこういった議論をするに当たって、年齢ごとの接種者数が分かるといいかなと思いましたので、可能であればお願いできればと思います。
○岡座長 そのほか、よろしいでしょうか。
そうしましたら、ただいまの御議論は先ほどの今後もデータを積み重ねていくというときのデータの積み重ね方、それがこの委員会でどのように表示をしていくかということの宿題をいただいたのかなと思いますので、事務局のほうで御検討いただければと思いますけれども、現時点では引き続きワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないということで、論点2につきましては進めさせていただいてもよろしいでしょうか。
皆さん、御同意いただいているということで進めさせていただきます。ありがとうございます。前回から先生方から御意見をいただいている点ですけれども、やはりこの問題は本当に今後も引き続き検討していきたいと思います。
それでは、アナフィラキシー報告のほうに移らせていただきますけれども、そうした事例について何か御質問・御意見等はございますでしょうか。傾向としては大きな変化はないのかなと思いますけれども、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
あと、そのほかの副反応についてということで、何か御意見・御質問等はございますか。
濱田委員、お願いいたします。
○濱田委員 過去に感染をした人が打った場合の副反応がどうかということは調べられるのですか。よく問い合わせがあるのが、過去に感染した人が接種を受けてもいいのでしょうかというものです。もちろん厚労省のQ&Aには、打って構わないと書かれていたと思います。アメリカでは、たしかCDCのホームページでは、感染者が打つことで副反応に特段大きな差はないようなことが書かれていたと思うのですけれども、日本でもそういうデータを出さないといけないと思っております。これ国内で調べることは可能なのですか。
○岡座長 いかがでしょうか。既感染の方の接種時の副反応、そこは記載にはないでしょうか。
事務局、お願いします。
○事務局 現時点でそういったものを何か系統的に集めてくるデータベースとかそういったものはなかなかないのかなと思います。臨床現場で何か観察研究の形で行うような取組がなされれば出てくるのかも分からないですけれども、今の時点では国内外のいろいろな科学的知見を参考にしながら、どういった情報を提供していくかということを考えていく段階かなと思います。
○濱田委員 ありがとうございます。
○岡座長 現時点ではないということです。
舟越委員、お願いいたします。
○舟越委員 先ほどのアナフィラキシーの話なのですが、資料1-5の10ページ目なのですけれども、100万回接種当たりの報告件数がだんだん下がってきているのは、報告バイアスというよりは、やはり健常人から高齢者の接種群が急遽増えてきたから報告件数が下がっている傾向として捉えているのでしょうか。よろしくお願いします。
○岡座長 いかがでしょうか。
○事務局 実際には、複数の影響があると思っておりまして、これまでも議論がありましたように、2回目接種が増えている影響と、あと、高齢者が増えているという2つの影響があると思っております。高齢者のお話を御指摘いただきましたのでお話ししますと、先ほど製造販売業者からの報告があった943件というお話をさせていただいた中で、年齢不明のものが12件ほどありましたが、これを除きますと、高齢者が32件で非高齢者が899件ということになります。これを接種回数で割りますと、やはり医療従事者の100万回当たりの報告件数の方が多くなっております。一方で、先ほど冒頭で接種回数の部分を御説明した中で、おおむね600万回程度の中で100万回ぐらいは高齢者になっているように、高齢者の比重が増えておりますので、高齢者が増えていることの影響もあると思います。
○舟越委員 ありがとうございます。
○岡座長 ありがとうございます。
確かにそういう点を含め、引き続き解析をお願いできればと思います。
そのほかの副反応疑いについては大丈夫でしょうか。ありがとうございます。
そうしましたら、これまで議論していただいた内容をまとめたいと思います。
まず、これまで確認できた内容としましては、まず副反応疑い報告の状況として、期間中の副反応疑い報告の頻度は、医療機関からの報告に基づけば0.12%であり、前回の合同部会時の0.15%からやや低い値ではあるが、大きな変化はないとまとめさせていただきました。よろしいでしょうか。
そして、死亡事例ですけれども、死亡事例の報告状況を整理しますと、前回の合同部会から集計対象期間である5月16日日曜日までに新たに16件の接種後死亡事例の報告があった。この16件に前回評価中であった11件を加え、計27件については、いずれも現時点で情報不足等によりワクチンと症状名との因果関係が評価できないと考えられる。
また、17日月曜日から21日金曜日までにもさらに30件の報告があった。今回新たに報告があった事例を踏まえても、前回までと同様であり、現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないと考える。
今後、さらに高齢者の接種が進むにつれて、新型コロナワクチンに対する社会的な関心の高さもあり、偶発的な事例やほかの原因による事例を含めて死亡報告が多く報告されることが想定される。
報告された事例については、これまでと同様に当審議会で評価を行い、状況に注視をしつつ、可能な限りの情報発信を行っていくことが重要である。
さらに死亡を含めた副反応疑いの報告数が増加しつつある状況を踏まえ、今後は個々の事例について、専門家による評価を引き続き行っていくが、接種対象者の属性等に留意しつつ、集団としてのデータを系統的に検討していくことを中心とする。
今日は委員の先生方から、系統的に検討していくに当たり、今後どのような資料を作成していったらいいのか、そして、場合によってはその疾患の専門家の御意見等を得る、あるいはリファレンスとなるデータなども検討すると、そういったような御意見があったと思いますけれども、そうした集団としてのデータを系統的に検討していくことを中心とするとまとめさせていただきます。
アナフィラキシーにつきましては、アナフィラキシーの報告状況を整理すると、接種開始から5月16日まで、医療機関から994件、製造販売業者から943件の報告があった。
製造販売業者からの報告に基づくブライトン分類評価については参考とはなるが、レベル1から3に分類されたものは146件であった。
アナフィラキシーと報告された例は、結果として別疾患で亡くなった高齢の1例があったものの、引き続き多くの症例で軽快したことが確認されている。
以上のことから、アナフィラキシーと報告された事例については、発生動向に大きな変化はなく、かつ適切な治療が行われ、多くの症例で軽快していることから、引き続き、現時点でワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められないという評価をするものでよいのではないか。
接種後には一定の頻度でアナフィラキシーが生ずることを前提にした上で、引き続き、これまでの対策を継続するとともに、国内外の報告を注視していくことでよいかとまとめさせていただきました。
このまとめでよろしいでしょうか。御同意いただいたということで、進めさせていただきます。
以上、今回報告のあった具体的な事例を踏まえ、新型コロナワクチンについて、現状の取扱いを変更する必要があるかどうか、この点について御意見はございますでしょうか。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
多屋先生、お願いします。
○多屋委員 今日の議論もこれまでの議論もそうなのですけれども、特に今すぐに何かをしなければいけないということではないということについて、私も賛成いたします。
これまでの議論は、やはり死亡、あるいはアナフィラキシーに注目されて審議されてきましたので、そろそろほかの疾患についても見ていくような観点を持っていたほうがいいかなと思いましたので、最後に申し上げさせていただきました。今までの議論で何か異論があるということでは決してありません。
以上です。
○岡座長 ありがとうございます。
ほかの疾患についてのシグナルを探す。そのことについて、前回のこの部会でも、例えば対象疾患をどうするかというような御議論をいただいたと思いますけれども、そのことも含めた御指摘だったかと思います。
ありがとうございます。そのほかはよろしいでしょうか。
そうしましたら、御審議いただいたこのファイザー社のワクチンについては、これまでの副反応報告によって、その安全性において重大な懸念は認められないという評価でよろしいでしょうか。御異論がないということで、進めさせていただきたいと思います。ありがとうございます。
それでは、議題の2のほうに移らせていただきたいと思います。
次の議題として資料2にございます「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)健康観察日誌集計の中間報告(6)」について、伊藤委員から御説明いただけますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 本日もファイザー社コミナティ筋注のコホート調査結果をお示しいたします。4月30日の本合同会議でデータを提供いたしておりますが、それに新しく入力されたデータを加えた結果です。
2ページ目の全体の概要ですけれども、5月24日からCOVID-19ワクチンモデルナ筋注の接種が始まりましたので、4つ目のポツのところに、自衛隊職員を対象にコホート調査を開始した旨を追記しています。
3ページ目ですが、もう一人、合計でお二人の方が同意撤回されておりますので、総調査対象者数が2人減って1万9806人になっています。2回目接種された人の合計が1万9524人ですので、99.1%の人が2回目の接種をされています。
6ページから14ページまでは、日誌の入力数が増えたことに伴ってリバイスをいたしております。1回目日誌1万9723人で2回目日誌が1万9000人を超えまして1万9270人で97.3%の日誌の入力が終わっております。これらの数字は今後それほど変動がないと思っておりますが、数字のリバイスですので詳細な説明は割愛させていただきます。全体として見ると、以前からお話をさせていただいておりますが、2回目接種後の翌日に発熱が36%で見られている。局所反応は1回目が少し頻度が高そうですが、局所反応としては痛みがメインです。1回目と2回目も起きていて、痛みにいたっては9割近くの方が痛くて、年齢が高いと少し頻度は下がりますけれども、それでも年齢を問わず痛みについて起きている。
一方で、全身反応は倦怠感とか頭痛ですけれども、年齢が若いほど副反応の頻度が高い。女性が副反応の頻度が高いことについては以前から報告しているとおりです。
ワクチン接種翌日は五十肩というような痛み症状が1回目も2回目も出ていて、2回目接種の翌日はインフルエンザにかかったような全身症状が出てくるという点を十分に御理解いただいて、ワクチン接種していただければということだと思います。
こういった報告をさせていただいておりますと、一般の方からも幾つかの質問を受けております。医療機関から、高齢者接種で翌日ではなくてもう少し後、3日目ぐらいに熱が出てきたのだけれども、こんなことはあるのかとお問い合わせをいただきました。データベースを調べてみますと、発熱のあった65歳以上の方というのは18人しかいらっしゃらなかったのですけれども、そのうちの1人は接種3日後に初めて38度を超える発熱が出ている方もいらっしゃいましたので、全体として見たときは、翌日に熱がでるということですけれども、翌日以降、もう少し遅くなって熱が出ている方もいらっしゃいました。
15ページまで飛ばしていただきますが、15ページは、2回目接種後の結果ですけれども、モデルナアームというのが有名になってきております。COVID-19ワクチンモデルナ筋注で問題になっておりますけれども、これについて、今回の2万人のデータを再調査いたしましたが、モデルナアームに該当する報告はなさそうです。接種直後の日誌の入力を優先していただいている関係もあって、全体として9日目以降のデータの数、入力数が少ないのですけれども、調査施設には今週いっぱいぐらいには入力していただくようにお願いをしています。
16から18ページは副反応、PMDAのほうに報告いたしました副反応とSAEの状況を示しておりますが、副反応4とSAE26が、5月に入って回復になっています。この一覧表をご覧いただきますと、先ほど多屋先生からもお話がありましたけれども、CDCで問題にしている心筋炎とか末梢神経障害とかというのが含まれておりますので、こういった2万人のデータベースに基づいて、副反応疑いリストを今後検討していただけるとありがたいなと思っています。
19ページですが、5月21日までのデータでリバイスをしております。日誌には毎日5つの記入欄をつくっております。この内容を日誌の欄ごとにMedDRAで集計しています。複数欄に記入されても1人1MedDRA事象になるように集計した結果を示しております。
2回目接種の日誌では、1万5637欄が入力されておりまして、それをMedDRAで集約をいたしますと約259項目、1万2258事象を集計した結果を示しておりますが、基本的に前回示させていただいたものと変わりありません。
20から21ページは、前回提示をさせていただいて接種直後30分以内のAEについてですが、連休中にロジスティック回帰分析をしてみました。年齢性別に加えて、この資料の4ページにありますような治療中の疾患とか既往歴とかを説明因子に入れてSPSSのバージョン27で解析をしております。多変量解析ですので、最終的には交絡因子が全部除かれる形になります。年齢は全く関係ございませんでした。オッズ比で出てきたのが、性別で女性、女性は1.78倍で出てきました。過去の重篤なアレルギーに関しては2.85倍で、少し意外だったのは喘息の既往歴が1.77倍で出てきました。もう一つは、現在服用中の治療薬がある人が1.52倍というオッズで出てきています。
一方で、アトピー性皮膚炎は全くシグナルが出ませんでしたし、高血圧もシグナルとして出なかった。出るかなと思っていたのですけれども、全く出ませんでした。
30分以内のAEはアナフィラキシーではありませんので、このロジスティック回帰分析がどの程度臨床的に意味づけを持つのかよく分かりませんが、いずれにしても、今回だけではなく、他のワクチンでも再現性があるようであれば、きちんとした形で報告させていただこうと思っています。
22ページと23ページは順番が逆になっておりますが、23ページは副反応に対して使った薬剤を抽出した結果をリバイスしております。今回、一般的によく使われているイブプロフェンとかジクロフェナック、アスピリンの結果も入れておりますが、前回報告をさせていただいたとおりです。重複例についても記載しています。
終了報告が1万7000人弱で終了報告の段階でCOVID-19に感染したかどうかということを書いていただいておりますので、そのデータを示させていただいています。前回の数よりも終了報告の数が増えた分だけ、COVID-19に感染された方が新たに出てきて、7名になっています。そのうち3人は2回目を接種されております。49日間で7人が発症したものとして算出しますと、COVID-19の感染報告率というのは0.84/10万人日当たりという話になります。
5月14日の予防接種ワクチン分科会で感染症研究所から報告がありましたワクチン報告書の4ページ目に、接種日からの期間ごとのCOVID-19の報告率は、接種後0から13日が1.26/10万人日で14から20日が0.53、21から27日が0.49、28日以降が0.18/10万人日だったという記載がございますが、本コホート調査は仮想コホートではなくて実コホート調査です。それでも、ほぼ同じ数字が検証されていると思っております。
一般的には、医療安全でもリポートの遅れとかが見られますので、HER-SYSの入力より本調査の結果が高くなることが想定されますが、それでも感染症研究所の報告を裏打ちできる結果になったと思っています。回収が約2万人のところまでいくと、多分COVID-19の感染者数がもう一人とか二人とか増えるのかなと思っておりますが、多分最終報告で確定値として報告できると思っております。
24ページのインフルエンザワクチンの比較はデータをリバイスしたものです。
25ページにまとめを書かせていただいておりますが、今、お話をさせていただいた内容ですので省略させていただきます。
26ページに、COVID-19のワクチンモデルナ筋注のコホート調査体制を書いております。防衛省の自衛隊病院9施設が新たに加わりまして、自衛隊の基地の周囲にあります国立病院機構の17病院と、地域医療機能推進病院の6病院の合計32施設で、人を対象とした医学系研究の倫理指針に準拠して24日から開始しております。今日、厚生労働省に報告をしたのは、現在16例という状況です。次に報告する際はコホート調査としてどの程度進んでいるのかについて報告させていただきます。次回以降はモデルナの話にその重点が移っていくのかと思っていますが結果については、以上です。
○岡座長 詳細な御報告、ありがとうございます。
何か委員の先生から御質問等はございますか。
長谷川委員、お願いします。
○長谷川委員 ありがとうございます。教えていただきたいのですけれども、接種後に感染された方たちが7名いらっしゃいましたけれども、この方たちは症状が出て検査して見つかったのか、それとも、濃厚接触者というくくりでたまたま検査して見つかったのか、その辺はどちらか分かりますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 前回から御説明させていただいたどの時期に感染されたのかとか、どういう経緯で症状が出ていたのかというのは、1例の方を除いて詳細な報告は出ておりません。ただ、分かっているのは、少なくとも入院はされていないという状況です。ですので、症状として重篤でなくて感染されたということだということは承知をしております。次回のモデルナのときには、いつ感染したのかというデータについては、倫理審査委員会でも御承認いただいて、質問項目に入れておりますので、次のモデルナのときにはそういった御質問に対して回答できます。
もう一つ、モデルナのときは、ワクチンの接種前に感染されていたかどうかについても、調査項目に入れておりますので、委員の先生方の御質問に対してもう少し答えられる形に、リバイスしております。
○長谷川委員 ありがとうございます。
○岡座長 濱田委員、お願いします。
○濱田委員 非常に興味深いデータをありがとうございます。今、先生がお答えになられていましたが、感染者が接種後どうなるかということについて、モデルナの対象では調べられるということですね。今のファイザーのですと分からないのですよね。
○伊藤(澄)委員 おっしゃるとおりで分かりません。ただ、正直に申し上げますと、何人かの方から既に感染されていた人が1回目を打ったときは、ちょうど2回目と同じような症状になったという話は、個別症例として聞いたことはあります。それはそうなのかなとは思っておりますが、データとして取られているわけではないので、あまりうかつなことはいいにくいのですが、そういう状況かなと思っております。
○濱田委員 もう一点、確認ですけれども、ファイザーの場合には、モデルナのワクチンで見られたような遅発性局所反応は認められなかったという結論ですか。
○伊藤(澄)委員 濱田先生から言われて、もう一回全部見直しました。見直しましたけれども、出てきませんでした。
○濱田委員 分かりました。では、先生の今回の調査からすると、モデルナのワクチンに特徴的な可能性があるということになりますね。
○伊藤(澄)委員 気にはしていますが、どれぐらいの頻度でモデルナアームが出るのかというのも分かっておりませんので、今回、1万人規模で自衛隊員の方に御協力いただいて調べますので、そういう意味で、日本人におけるモデルナアームの頻度が報告できるのではないかと期待しています。
○濱田委員 ありがとうございます。
○岡座長 永井委員、お願いします。
○永井委員 1回と2回目の被接種者の数が約500人違うのですが、その500人の方は、なぜ2回目を受けなかったのかについて、何かその理由を把握されていますでしょうか。
○伊藤(澄)委員 最終的に2回目の接種された方が99%ぐらいなので、恐らく何百人か受けていらっしゃらなかった方は調べられます。もちろん同意を撤回された方もいらっしゃいますし、副反応が出たことによって2回目を打たれていない方もいらっしゃいます。ちょうど転勤の時期に重なっていて、それがあってこの調査から離脱された方とかもいらっしゃるかと思いますので、次回、少なくとも最終報告の段階で、どういう理由かについては報告できるようにいたします。
○永井委員 ありがとうございます。
○岡座長 そのほかいかがでしょうか。
今後、またモデルナについても、先生の御報告が非常に国民の方にも重要になってくると思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。詳細な御報告をありがとうございました。
それでは、そのほか全体を通じて何か御質問・御意見等はございますでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございました。
そうしましたら、本日の議事は以上で終了となります。
そのほか、事務局から何かございますか。
○事務局 本日は、長時間にわたり活発に御議論いただきまして、ありがとうございました。
次回の開催につきましては、日程調整の上、日時について御連絡さしあげます。
○岡座長 それでは、本日の会議はこれで終了いたします。活発に御議論いただき、ありがとうございました。

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